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『星ペミ暹の䞖界』 第3話 二杯のスヌプ

#創䜜倧賞2026  #ファンタゞヌ小説郚門

第3話 二杯のスヌプ

フィオナは、ただ䜕が起きたのか
よくわかっおいなかった。

䜓の奥たで凍えおいた感芚は、
もうなかった。
今はやわらかな灯りず、
淡い薬草の銙りがある。

「ええええええ」

芳枬舎に、シロルの声が響いた。
癜い兎は、長い耳を
ぱたぱたさせながら、
ナビ゚ルの腕の䞭を
たじたじず芋぀めおいる。

「だ、だれその子だれ
なんで抱っこしおるの」

少し離れた棚の䞊で、
ミロがしっぜをふりふりず揺らした。

扉を閉めながら、ナビ゚ルは蚀った。
「  少し萜ち着け」

腕の䞭のフィオナは、
がんやりず二匹を芋おいた。

癜くお、たるくお、
萜ち着きなく耳をぱたぱたさせる、
マリンブルヌの瞳のたれ耳の兎。
ふわふわの銀灰色の毛䞊みに、
゚メラルドグリヌンの瞳をした猫は、
気だるそうに芋えお、
こちらをじっず芳察しおいる。

ナビ゚ルは郚屋の奥の゜ファたで歩き、
フィオナをそっず䞋ろした。

その途端、シロルが耳をぱたぱた
揺らしながら跳ねおくる。

「劖粟みたい  ちいさい  
きらきらしおる、かわいい  」

ミロがしっぜをひず぀揺らした。

「シロル、近い」

けれど、その声より先に、
ナビ゚ルの手が
シロルの頭をかるく抌さえた。

「静かに、匱っおいる」

「むきゅっ」

シロルの耳の先が、ぎこん、ず跳ねる。

フィオナは思わず目を瞬いた。
冷たい声なのに。面倒そうなのに。
その手぀きは、少しも乱暎ではなかった。

ナビ゚ルは゜ファの背に掛けおあった
淡い毛垃を取った。
無蚀のたた、フィオナの肩ぞかける。

「  冷える」

それだけ蚀っお、もう芖線を倖す。

シロルは耳をぱたぱたさせたたた、
フィオナの足もずを芋䞊げた。

「ねえ、寒くないおなかすいおない
いたいずころある」

ミロは棚から降りおきお、
フィオナから少し離れた堎所に座った。
しっぜは盞倉わらず、
ふりふりず揺れおいる。

「いっぺんに聞いたら、わかんないでしょ」

「だっお気になるんだもん」

「芋ればわかる。すごく匱っおる。
消えおしたいそう」

フィオナは、
二匹のやりずりをただ芋おいた。

やがおシロルが、小さなカップを
䞡手で抱えお戻っおきた。

「はいっ。これ、おいしいよ
゚ルの特補スヌプだよ
独特な味だけど、元気出るよ」

急ぎすぎたせいで、危うく぀たずく。

「わ、わ、わっ」

ミロが玠早く前足を出し、
カップの底を支えた。

「だから萜ち着いおっお蚀ったのに」

「えぞぞ  」

「笑っおごたかしおる」

フィオナは、
おそるおそるカップを受け取った。

䞡手で包むず、
じんわりずあたたかい。

そっず口を぀けるず、ほのかな甘みず
花のようなやさしい銙りが広がった。

「  おいしい」

぀ぶやくように蚀うず、
シロルの耳がぱたぱたず揺れた。

「でしょ」

そのずき、
郚屋の奥でかすかな光がたたたいた。
フィオナが顔を䞊げる。

芳枬舎の䞭倮には、
倧きなデスクがあった。

その䞊には、透明な星図のような
パネルが浮いおいた。

呚囲には、光る鉱物を入れた瓶や、
现いガラス管、透きずおった球䜓、
星の胞子を集めた小さな噚が䞊んでいる。

さらに奥の透明なケヌスの䞭では、
青い葉の怍物がゆらゆらず、
宙に浮かんでいた。

窓蟺には、
光をためたような蔓がたれおいる。

そのそばの瓶の䞭では、
星の赀ちゃんのような小さな光が、
ずきどき、ふわりず揺れた。

倧きな窓の向こうには、
癜く光る星ペミ暹。

その光を受けながら、
ナビ゚ルが蚘録を始めおいた。
现い指先を星図の䞊ぞ静かにかざす。

するず、青癜い星字が宙に淡く浮かび、
星図のたわりぞ静かに重なっおいく。
たるで星明かりそのものが、
人の姿を借りおいるみたいだった。

フィオナは、
しばらくその様子に魅入っおいた。
冷たい人だず思った。
䜕を考えおいるのか
わからない人だずも思った。

けれど――

その暪顔は、
どうしようもなく矎しかった。

ただ䜕かを蚘録しおいるだけなのに、
その姿から目をそらせない。

なぜか、もっず芋おいたいず思っおしたう。

胞の奥に、
小さな波王のようなものがひろがる。

「  芋ずれおる」

ミロの声に、フィオナははっずした。

「  え」

ミロはしっぜをひず぀揺らす。

「゚ル、芳枬や蚘録をしおるずき、
きれいだから」

シロルも耳をぱたぱたさせながら、
うんうんず頷いた。

「わかるふだんはこわいのにね」

その蚀葉に、
デスクの向こうから声がした。

「聞こえおいる」

「ひゃっ」

シロルの耳の先が、びくっず跳ねた。

でも、ミロのしっぜは
楜しそうにふりふりしおいる。

フィオナはその光景を芋お、
たた少しだけ胞の力が抜けた。
やがお、゜ファから降りたフィオナは、
ふらりず窓蟺のほうぞ歩いた。

シロルが耳をぱたぱたさせながら、
぀いおくる。

「だいじょうぶ歩ける」

ミロもしっぜを揺らしお、隣に䞊んだ。

「倒れそうなら蚀っお」

フィオナは小さく頷いた。

窓蟺には、ひず぀の透明なケヌスが
眮かれおいた。
その䞭で、淡い光をたずった
青い葉の苗が浮いおいる。
近づくず、葉先の光がかすかに揺れた。

フィオナは思わず手を䌞ばしかける。

その瞬間。

「觊るな」

すぐ埌ろから声が聞こえた。

フィオナは小さく肩を震わせた。

い぀の間にか、
ナビ゚ルが背埌に立っおいた。
振り向いたら、
ぶ぀かっおしたいそうなくらい近かった。

フィオナの指先がケヌスに届く前に、
ナビ゚ルがそっずその手を止めた。

「ただ安定しおいない。觊れないほうがいい」

蚀い方は少し冷たかったけれど、
指先はやさしかった。

フィオナはゆっくりず圌を芋䞊げた。

ナビ゚ルの青い瞳は、
倜空に星を散らしたように綺麗だった。
怒っおいるわけではないず、
すぐにわかった。

シロルが耳をぱたぱたさせる。

「゚ル、その怍物、
ずっず元気なかったや぀だよね」

ミロがしっぜをゆらした。

「  さっきより光っおる」

フィオナが、
もう䞀床ケヌスの怍物を芋る。
たしかに、さっきよりも葉の光が匷い。

ケヌスの脇に眮かれおいた、
星字蚘録甚の小さな鉱石も、
ほんの䞀瞬だけ淡く明るさを返した。

けれど、デスクやガラス管、
呚囲の噚たで光りだすこずはなかった。
ナビ゚ルはそれを芋぀めたたた、
手をかざした。

星字が圌のそばにひず぀、
たたひず぀ず浮かび、
芳枬の蚘録ずしお残っおいった。

「  やはり」

小さくこがした声は、
独り蚀のようだった。

「星ペミ暹に぀ながるものだけが、
反応しおいる」

フィオナは目を䌏せた。
自分でもわからない。
䜕が起きおいるのか。

でも、シロルは嬉しそうに
耳をぱたぱたさせた。

「すごいね
フィオナはきっず特別なんだね」

ミロもしっぜをふりふりさせながら蚀う。

「  すごいけど、ずっずじゃないみたい。
近くにいるずきだけ」

「その通りだ。戻れ」

ナビ゚ルの次の蚀葉は、
たた呜什みたいに冷たかった。

でも次の瞬間、
ナビ゚ルは゜ファたで歩き、
毛垃を敎えた。

「ここに座っお」

フィオナは、
その蚀葉に少しだけ目を芋開いた。
それは、ナビ゚ルなりの

「もう無理をしなくおいい」

に聞こえた。

倜は、ゆっくり曎けおいった。
シロルはフィオナの隣で、
長い耳を頬に沿わせるようにしお、
くたりず䞞くなった。

「がく、ここで寝る」

ミロは足もずぞ静かに座る。
しっぜはゆるやかに、
ふり、ず䞀床揺れた。

「じゃあ、がくも」

「ふたりずも、あったかい  」

フィオナがそう呟くず、
シロルの耳がうれしそうに、
ぱた、ず揺れた。

「でしょ」

やがお、フィオナのたぶたが
ゆっくり閉じおいく。

もふもふのぬくもり。
やさしい灯り。
窓の向こうの星ペミ暹の光。

こんな倜があるなんお、知らなかった。

深く沈んでいた心が、
ほんの少しだけ明るいほうぞ
浮かび䞊がる気がした。

そのたたフィオナは眠った。

どれくらい時がたっただろうか。
しばらくしおふず目を芚たすず、
芳枬舎はただ青癜い光に満ちおいた。

すぐそばでは、
シロルが長い耳を頬に寄せたたた眠り、
ミロはフィオナの足もずで
しっぜをゆるく揺らしながら、
う぀らう぀らしおいる。

その向こうで、ナビ゚ルはただ䜕か
䜜業をしおいるようだった。

ランプの灯り。星のたたたき。
窓の倖の星ペミ暹。

それらに囲たれお、
ひずり芳枬を続けおいる。

指先がわずかに動くたび、
青癜い星字が宙にひらいおは、
蚘録の局ぞ重なっおいく。

圌は眠らないのだろうか、
ずフィオナは思う。

けれどその暪顔には、
疲れよりも、
星を芋぀める者だけが持぀
深い静けさがあった。

䜕を考えおいるのかも、
やっぱりよくわからない。

でも――
その姿を、
もう少しだけ芋おいたいず思った。

するず、
ナビ゚ルがふいに芖線を䞊げた。
フィオナが起きおいるこずに
気づいたのだ。

ナビ゚ルは、鍋の䞋に眮かれた青い石に
そっず觊れた。

石の奥に淡い灯りがずもり、
琥珀色のスヌプに、
ゆっくりず湯気が立ち始める。
也かした花ず薬草の銙りが、
やわらかく広がった。

ナビ゚ルはスヌプを噚によそい、
フィオナのそばぞ眮いた。

「これを飲んで」

短いひずこず。

フィオナは噚を䞡手で包んだ。
あたたかい。

今日、二杯目のスヌプだ。

そっず口を぀ける。
ほんのり甘いやさしい銙り。
䜓の奥ぞ静かにしみおいく、
ほっずする甘み。

栄逊がぎゅっず詰たっおいるのに、
薬のような苊さはない。
胞の奥たで、あたたかさが
ゆっくり広がっおいく。

フィオナは小さく息を぀いた。

「  やっぱり、おいしいです。
ありがずうございたす」

ナビ゚ルは、
少しだけ衚情をやわらげたように芋えた。
けれどすぐにい぀もの無衚情ぞ戻り、
淡々ず蚀う。

「よく効くはずだ」

それだけ蚀うず、
たた芳枬デスクぞ戻っおいく。

フィオナは噚を胞元に抱えお、
その背䞭を芋぀めた。

目頭が、じわっず熱くなった。

二杯目のスヌプのぬくもり。

毛垃のやわらかさ。
そばで眠るシロルずミロのあたたかさ。

そのすべおに包たれお、
フィオナはもう䞀床、
たぶたを閉じた。

その倜、フィオナははじめお、
深く眠った。

第4話「芳枬舎の朝」に続きたす。

♪おたけ♪
第3話「二杯のスヌプ」むメヌゞむラスト

その倜、フィオナははじめお、
深く眠った。

AIを掻甚し、加筆・調敎を行っお制䜜。
䞖界芳・蚭定・監修Lunavi / minamiayako

いいなず思ったら応揎しよう