布ナプキンを洗う覚悟が人生の流れを変えた
お風呂場で、布ナプキンをぬるま湯にひたした夜のことを、今でも覚えている。
経血の赤が、少しずつ水に溶けていくのを見ながら、わたしはただぼんやりと、その様子を眺めていた。
面倒だと思わなかった、と言えば嘘になる。 でも、その面倒の中に、なぜか「あたたかいもの」が混じっていた。
「自分を大切にする」なんて、ずっと絵空事だと思っていた
「セルフラブ」、という言葉を、何度も聞いたことがある。 本や記事の中で、当たり前のように使われていた。
でも、わたしにとってそれは、頭では分かっていても、感覚として腑に落ちないままだった。
自分をどう大切にすればいいのか、正直、分からなかった。 自分を愛する、という感覚そのものが、わたしの中に存在していないのではないか?とさえ思った。
だから、布ナプキンを洗うという、その小さな一手間が、 自分でも驚くくらい、静かにわたしを変えていった。
自分のために、自分の手で、自分の体から排出された経血に触れる。 それだけのことなのに。
その一手間の中に、 「わたしは、わたしを大切にできている」と、自分を認められた感覚があった。
断れなかったわたしが、初めて「ノー」と言えた日
本当は気が進まない誘いにも、いつも「うん」と答えていた。 断ったら嫌われる。 断ったら、居場所がなくなる。
そんな恐れが、いつもわたしの中にあった。
自分の気持ちより、相手の顔色。 自分の心地よさより、その場の空気。
そうやって、少しずつ、自分を後回しにすることに慣れていった。
でも、布ナプキンを使うようになってから、少しずつ、何かが変わっていった。
ある日、気が乗らない誘いに、初めて「今日はやめておくね」と言った。 声が少し震えたのを覚えている。 でも、断った後に襲ってきたのは、罪悪感じゃなくて、 不思議なくらいの、静けさだった。
自分の心を守るという感覚を、 わたしはあの夜、初めて知った気がする。
あの頃のわたしは、まさか自分が、吸水ショーツのブランドを作ることになるなんて、想像もしていなかった。
でも、今こうして振り返ると、すべては、『布ナプキンを洗う』という覚悟を決めたことで、人生の流れが変わっていったんだと思う。
自分を大切にする感覚を思い出させてくれたあの経験を、 今はLUNA LOTUCYというブランドを通して、誰かに手渡そうとしている。

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