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スリップ

ツルツルの斜面に張り付いていた
人々は一本の荒縄を持って踏ん張っている

足元の谷はクレバスのように深い

底が見えない

毎日、斜面の角度は変わった
昼頃には一番きつくなり、
夜に向けて徐々に落ち着いていく

今日のピーク角は例年よりさらに高い

ギリギリまで堪えていた人々も
このピーク時にたまらず滑落していった

まばらに人が滑っていく
すごい速さで遠ざかっていき
やがて真っ暗な谷底に吸い込まれていった

そろそろこちらも腕が限界だ


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