ここに

少しずつ、

少しずつ広がっている

一滴

落とした染料のように

白い布に
じわと広がる

商品棚に並ぶ
塗料の名を
左から順になぞった

思わず声に出したくなる
カタカナが並んでいた

軒先の水
一滴
真下の石を穿った

長い年月をかけて

染まっていく

コピー機は
忙しなく同じ文章を
吐き出していた

ここに日付と名前
欄内に触れるペン先から
黒インクがじんわりと滲んだ

数多の個人が書いた
筆跡と筆圧を辿る

どこかでみた字だ




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