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母だけがいないお墓に、手を合わせてきました|このお墓も、いつか処分します

母を看取って、2年10ヶ月になります。

17年間、ひとりで自宅介護をしていました。

今日はお盆です。

朝から、お墓参りに行ってきました。

そのお墓に入っているのは、祖父と祖母と父です。

母は、入っていません。

法要には出ませんでした

お寺の法要は、朝の9時と午後1時半。

出ませんでした。

理由は、暑さです。
お寺にはクーラーがありません。

それと、足です。
春に右足首を骨折して、治ってはいますが、まだ完全ではありません。

お寺の本堂に上がる階段には、手すりがついていません。

暑い中で体力を使って、あの階段を上り下りする。それが不安でした。

暑くなる前に済ませたい。
だから、9時より前に行くことにしました。

法要に出ないことに、迷いはありませんでした。

朝早く出るので、花は前の日の夜に買っておきました。

着いたのは、朝の8時半です。

法要が始まる前に済ませて、なるべく誰にも会わないように。
そう思って行きました。

蝉は、まだ鳴いていませんでした。

去年の誕生日に、母を京都へ連れて行きました


母のお骨は、去年、京都の大谷本廟に納めました。

三回忌を終えたあとの10月の末。私の誕生日でした。

誕生日にしたのは、記念にしたかったからではありません。

いつか、いつかと思っていたら、なかなか進まない。
日を決めてしまわないと動かないことが、自分でわかっていたからです。

誰にも言わず、一人で行きました。

納骨のとき、小さいお骨だけでなく、大きいお骨も一緒に納めてきました。

ふつうは、小さいほうを納めて、大きいほうはお墓に入れるのだと思います。

でも、そうしませんでした。

私には、家族がいません。

いずれこのお墓は、処分することになります。

いつ、とは決めていません。
決めていませんが、そのタイミングはきっと来るだろうと思っています。

そのときに、母のお骨をまた動かすより、最初から一緒に納めておこう。

そう考えました。

二年経ってから、いちばん泣きました

大谷本廟で母のお骨を納めるとき、私は泣きました。

無茶苦茶、泣きました。

周りにも人はいましたが、泣いているのは私だけでした。

看取ったときでもなく、葬儀でもなく、二年経ってからのその日に、いちばん泣きました。

なぜあんなに泣いたのか、自分でもよくわかりません。

でも、これでよかった、と思っています。

それでも、お墓で「お母さん」と呼びます


今日、お墓の前で手を合わせました。

そして、いつものように声に出しました。

「ご先祖様、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん。いつも守ってくれてありがとう。これからも守ってね」

そこに母はいません。

わかっていて、声に出しています。

不自然だと思ったことはありません。

自然に出てきます。

正直に言うと、骨に魂が宿っているとは思っていません。

それでも、お墓には行きます。
行かないという選択肢は、私の中にありません。

お墓に、もう花がありました

着いてみると、うちのお墓に、もう花が供えられていました。

お盆の初日です。
他の家のお墓にも花がありました。

葉が少し枯れていたので、昨日か一昨日に、誰かが来てくれたのでしょう。

お墓もきれいでした。お線香の跡も残っていました。

私は普段、月に一度お参りに行きます。
そのとき、花が入っていることはありません。

お盆だから、誰かが来てくれた。
ありがたいことです。

でも、そのすぐあとに、別のことが頭に浮かびました。

このお墓は、いつか処分します。

そのときは誰にも言わなくていい、私が決めて、私がやればいい。

そう思っていました。

でも、花が供えてあるということは、お参りに来ている人がいるということです。

だったら、墓じまいするときには、連絡しないといけない。

ちょっと面倒くさいな。

来てくれてありがたい、と思ったすぐあとに、面倒くさい、と思う。

それが、本当のところです。

その花を、持って帰ってきました


お墓に供えられていた花です

お墓の花は、私が持っていったものと差し替えました。

でも、前の花はまだきれいでした。

捨てるのはもったいないので、まだ飾れそうなものだけを選んで、持って帰ってきました。

家にも、小さな仏壇があります。

今、そこにその花を飾っています。

誰が持ってきてくれたのか、わからない花です。

お盆なので、ちょっとしたお菓子も供えました。

果物は供えません。一人だと、食べきれずに腐らせてしまうからです。

帰ってくる家は、もうありません


お盆には、みんな帰ってきているのかな、と思います。

でも、帰ってくる家は、もうありません。

実家は去年、処分しました。

今、私が住んでいるのは、賃貸のアパートです。

実家のあった場所に行ってもいいけれど。

うちのアパートにも来てね。

狭いけど、私はここにいます。

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