荷物が軽いと心も軽い
私は毎日、鳥栖→高知への定期路線便を走っています。
10トン車に、12~13トンの荷物を積むこともしばしばあります。最大積載量は13トン800キロなので、過積載になることは、ほぼありません。
荷物の内訳は、食料品、建設資材、日用品、工場資材など、何でも運びます。
○△□など、形のバラバラの物を、如何に安定させて、安全に輸送するかも、センスが必要になります。
しかし、一番気にしていることは、長距離を走るにあたって、積載総重量が軽いか重いかということです。
これは、普通自動車しか運転したことがない人にとっては、経験がないので詳しく話します。
普通自動車の場合、車種、排気量によっては8秒~10秒で時速100キロに到達するのに対して、トラックでは、積載重量によっては20秒~30秒でしか時速90キロに到達しません。
時速90キロまでというのは、大型車にはスピードリミッターが装着されているため、どれだけ踏んでも、それまでしかスピードが出せません。
しかし、下り坂になると、惰力によって130キロくらいまで出すことはできますが、当然、スピード違反です。
よく、高速道路で普通自動車を抜きにかかった大型車がぬききれずに、その車の後ろにもどる場面を見ることがあると思います。
それは、乗用車がアクセルを今までより強く踏んだ結果であり、トラックが90キロまでしか出せない結果の表れです。
荷物が軽いと走りやすいし、ストレスがかなり軽減することができます。
というのは、荷物の重量が空車に近ければ近いほど、乗用車のようなアクセルの踏みぐあいでトラックを走らせることができるのです。
1月、2月は荷物も閑散期です。冬の寒い時期かつイベントが少ない時期は、人が動いていないから、経済も動いていません。
人が動いていないから、当然、外で飲食をしないから、荷物も動きません。
荷物か少ないということは、会社的には儲かりません。が、個人の労働者レベルでは、荷物が少ないことは、労働時間の短縮につながります。
物流倉庫のリフトマンも、残業が少ないと思います。
私たち長距離運転手も、荷物が少ないから積み込み時間が通常3時間以上かかっているのが、1時間30分くらいで積み込み完了します。それは、通常13トン積んでいるのが6トン~7トンだと、反比例して、時間も半分になります。
わずかな時間で積み込み完了するので、体力にも余力を残している上に、トラックも気持ちよく快調に走ってくれます。
これがワクワクする瞬間です。
物理的に、重量が軽いとトラックの馬力にも負荷がかかることが少ないため、平均速度をあげることができるし、燃費も格段に上がります。
鳥栖→高知間の630キロを往復して、往路、復路ともに10トン以上積んでいると、燃料320~340リットル消費します。
しかし、往路、復路ともに5~6トンだと、280~290リットルくらいしか消費しません。30~40リットル経費削減になります。
また、精神的、体力的にも負担が少なくなります。
平均速度が上がることは、すでにふれましたが、道路の形状に合わせた運転も、しやすくなります。
高速道路は、山間部を通っていることはご存知の通りだと思います。当然、上り下り、右カーブ左カーブが随所にあります。
荷物が重たい場合、上りでは強くアクセルを踏まないと減速するし、カーブでは遠心力がかかりやすくなって、その角度によっては車体をもっていかれやすくなるため、減速する必要があります。
逆に、荷物が軽いとオートクルーズで上り坂でも、スピードは落ちないし、カーブでも、差ほど減速する必要がありません。
つまり、荷物が少ないと、大きな車体のトラックをコントロールしやすいということです。
一方で、長時間運転がストレスが少ないということは、トラックには物理的な作用がかかり、運転手には精神的な負担が軽減されて、安全運転がしやすくなります。
もちろん、会社的には積載効率を上げるため、たくさんの荷物を積む方が収入が上がりますが、昨今の働き方改革により、一回いくらという運賃で走らせる荷主が増えて、荷物の重量で運賃を決めないことも増えたため、運送会社的には問題はなくなりました。
ただ、私たち一労働者の立場からは、同じ給料なら、短い時間でわずかな体力ですむのなら、荷物が少ないことにこしたことはありません。
要は、その労働と対価が等価交換になっていれば問題はありません。
しかし、昨今の物価高では今もらっている給料では、なかなか厳しい状態です。
政府には消費税という重荷を軽くすることで、国民全員の心を軽くすることを願います。
荷物が軽いと心は軽くなります。
