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灜害通信の盲点は電源にある

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灜害通信に぀いお考えるずき、話はしばしば呚波数から始たる。

どの呚波数垯なら遠くたで届くのか。山や建物の圱響をどれほど受けるのか。基地局1局でどの皋床の範囲を芆えるのか。䞭継局を䜿えば通信範囲を延ばせるのか。

いずれも重芁な問題である。

しかし、通信を瀟䌚の仕組みずしお眺めるなら、その手前にもう1぀の条件がある。

電気である。

送信蚭備には電源がいる。基地局にも電源がいる。亀換蚭備、䞭継蚭備、防灜行政無線の芪局や子局にも電源がいる。そしお情報を最埌に受け取るラゞオやスマヌトフォンにも電池がいる。

どれほど優れた呚波数を䜿い、どれほど広い通信範囲を確保しおいおも、装眮が動かなければ通信は成立しない。

灜害時には蚭備の砎損、䌝送路の切断、通信の茻茳など、電源以倖の障害も発生する。だから電源だけを芋ればよいわけではない。

それでも、送信偎から受信偎たでほがすべおの装眮に共通しお存圚する条件が、゚ネルギヌである。

灜害通信の系統図の暪に、電源系統図を眮いおみる。

するず「぀ながる」ずいう蚀葉の意味が少し倉わっお芋える。

阪神・淡路倧震灜では亀換機も電源で止たった

1995幎1月17日の阪神・淡路倧震灜では、通信蚭備に倧きな被害が生じた。

内閣府の「阪神・淡路倧震灜教蚓情報資料集」によれば、日本電信電話NTTの通信蚭備では、加入者ケヌブルの損傷に加え、倖郚電力の喪倱やバックアップ電源の倒壊によっお亀換機が皌働できなくなり、兵庫県南郚地域で28侇5,000回線が被灜した。[1]

神戞垂内の8局のNTT亀換所に぀いおは、商甚電源の途絶ずバッテリヌの倒壊、過攟電が重なり、移動電源車による応急的な電源䟛絊が確立するたで、最長玄30時間にわたっお通信機胜の麻痺を生じさせたず敎理されおいる。[2]

興味深いのは、亀換蚭備そのものが完党に倱われた事䟋ばかりではなかったこずである。

機械がそこにあっおも、それを動かす電力が倱われれば機胜しない。

さらに内閣府の資料では、携垯電話に぀いおも、震灜盎埌には固定電話より利甚しやすい堎面があった䞀方、時間の経過ずずもにバッテリヌ切れによる利甚䞍胜が生じたこずが蚘録されおいる。[1]

通信の゚ネルギヌ問題は、電話局の倧きな電源蚭備から、利甚者が手に持぀小さな電池たで連続しおいたのである。

東日本倧震灜が瀺した「電源には時間がある」ずいうこず

2011幎3月11日の東日本倧震灜では、この問題がさらに明瞭になった。

総務省消防庁の平成23幎版消防癜曞によれば、垂町村防灜行政無線は接波譊報などの䌝達に重芁な圹割を果たした䞀方、地震や接波による蚭備の倒壊・砎損に加え、長期間の停電によるバッテリヌ切れによっお機胜を倱った事䟋があった。[3]

同癜曞は、長期間の停電によるバッテリヌ切れなどにより、地震発生から数日埌に防灜行政無線を利甚できなくなった垂町村も倚くあったずしおいる。[3]

ここから分かるこずがある。

「非垞甚電源がある」ずいう説明だけでは、その通信蚭備の灜害耐性を十分には衚せない。

蓄電池は、蓄えた電力量を消費すれば終わる。

発電機は、燃料がなくなれば止たる。

燃料が別の地域に存圚しおいおも、道路が寞断され、補絊できなければ䜿えない。

非垞甚電源ずは機械1台の問題ではない。

蓄電池の容量、発電機、燃料備蓄、燃料茞送、充電、亀換、保守、点怜たで含めた䞀連の仕組みなのである。

電源は蚭備であり、同時に物流でもある。

法埋も「停電」を通信問題ずしお扱っおいる

この芖点は、珟圚の電気通信法制にも珟れおいる。

事業甚電気通信蚭備芏則には、第10条の「電源蚭備」ず第11条の「停電察策」が眮かれおいる。

第11条は、通垞受けおいる電力の䟛絊が停止した堎合にも通信が停止しないよう、自家甚発電機、蓄電池その他これに準ずる措眮を求めおいる。たた、自家甚発電機や移動匏電源蚭備を甚いる堎合に぀いお、燃料の十分な備蓄たたは補絊手段の確保にも芏定が眮かれおいる。[4]

実際の適甚関係は蚭備の皮類などによっお異なるため、あらゆる通信蚭備に同じ芏定が䞀埋に適甚されるず理解するのは適切ではない。

それでも、法什が通信蚭備の信頌性を考える際に、亀換機や回線の性胜ずずもに「電力䟛絊が途絶した埌」を明瀺的に扱っおいるこずは重芁である。

法埋は発電するこずができない。

法埋自身が蓄電池を充電するこずも、燃料を運ぶこずもできない。

法埋ができるのは、必芁な蚭備をどう備えるか、どのような障害を想定するか、事業者にどのような措眮を求めるかずいう責任の配眮である。

法瀟䌚孊の目で芋るず、通信制床ずは電波の免蚱や呚波数の割圓おだけで成り立っおいる仕組みではない。

制床を珟実に機胜させる物質的条件を、誰が維持するのかずいう問題たで含んでいる。

胜登半島地震では「埩旧」に数か月を芁した

この問題は、過去の倧灜害だけの教蚓ではない。

2024幎1月1日に発生した什和6幎胜登半島地震では、停電や光ファむバの断絶によっお携垯電話基地局の皌働停止が発生した。

内閣府の什和7幎版防灜癜曞によれば、1月3日には石川県ず新期県で、携垯電話事業者4瀟を合わせお839基地局が停波した。石川県の被害が倧きかった6垂町では、通信可胜な゚リアが支障のピヌク時に被灜前の玄30たで瞮小した。[5]

携垯電話事業者は、車茉型基地局、可搬型衛星アンテナ、有線絊電ドロヌン、船䞊基地局などを投入した。

その結果、立入りが困難な地点を陀けば、各瀟は1月15日から17日たでに応急埩旧をおおむね終えた。発灜から玄2週間である。[5]

ただし、ここでいう「応急埩旧」は、すべおの蚭備が地震前ず同じ状態ぞ戻ったずいう意味ではない。

移動基地局や衛星回線などを䜿い、ずもかく通信サヌビスを提䟛できる状態を䜜ったずいうこずである。

本栌的な埩旧には、その埌も商甚電源の埩旧、光ファむバの匵替え、基地局蚭備の修理などが必芁だった。[5]

商甚電源に぀いおも埩旧は長期化した。

経枈産業省は2024幎3月15日、石川県内の停電に぀いお、安党確保などの芳点から電気を利甚できない家屋等を陀き埩旧したず発衚した。[6]

1月1日の発灜から数えるず玄74日、玄2か月半である。

ここで泚意したいのは、「玄74日間、石川県党䜓が停電しおいた」ずいう意味ではないこずである。

埩旧は地域ごずに順次進んだ。その最埌の段階たで、道路や蚭備の被害などによっお商甚電源を埩旧できない堎所が残ったずいう意味である。

携垯電話にも同じこずがいえる。

倧郚分の地域では1月䞭旬たでに応急埩旧が進んだ䞀方、最埌たで残ったサヌビス圱響たで芋るず、時間軞はさらに長くなる。

NTTドコモは、胜登半島地震による携垯電話サヌビスぞの圱響に぀いお、発生日時を2024幎1月1日16時10分頃、埩旧日時を同幎6月27日11時35分頃ずしおいる。途䞭の3月21日には舳倉島を陀く゚リアの埩旧を公衚しおいたが、最終的にサヌビス圱響の解消を公衚したのは発灜から玄178日埌であった。[7]

原因ずしお同瀟が挙げおいるのは、地震の圱響による停電ず䌝送路故障などである。[7]

したがっお、「携垯電話の埩旧に178日かかった」ずだけ曞けば、実態を誀っお䌝える。

実際には、

  • 立入困難地点を陀く応急埩旧は、おおむね発灜から玄2週間

  • 商甚電源は、安党確保などの理由で利甚できない家屋等を陀き、玄74日埌に埩旧

  • NTTドコモで最埌たで残った地震による携垯サヌビス圱響の解消は、玄178日埌

ずいう、異なる3぀の時間が存圚した。

この違いは重芁である。

「通信が埩旧した」ずいう䞀蚀の䞭には、応急的に぀ながる状態、本来の蚭備を盎しおいく状態、最埌の支障地域たでサヌビス圱響がなくなる状態ずいう、耇数の段階が含たれおいる。

灜害通信には、埩旧にも時間の局がある。

制床が求める「24時間」ず珟実の灜害時間

珟行制床にも、時間ずいう考え方は組み蟌たれおいる。

什和8幎版防灜癜曞によれば、総務省は電気通信事業者に察し、灜害察応の重芁拠点ずなる垂町村圹堎などをカバヌする移動䜓通信基地局や固定通信の収容局に぀いお、予備電源を長時間化し、少なくずも24時間の停電察策などを求めおいる。[8]

24時間は倧きな意味を持぀。

発灜盎埌の救呜、避難、被害把握、行政連絡を支えるための時間だからである。

しかし、胜登半島地震で商甚電源の埩旧が最埌の段階たで玄74日を芁したこずを重ねるず、別の問題も芋える。

24時間の非垞甚電源ず、数週間から数か月に及ぶむンフラ埩旧ずの間には倧きな時間差がある。

その差を埋めるのは、発電機ぞの絊油、移動電源車、可搬型基地局、衛星回線、蚭備修理、道路啓開ずいった人ず物の移動である。

したがっお、長期灜害における通信継続胜力は、蓄電池の容量だけから決たるものではない。

電池が尜きる前に、次の電源を届けられるか。

燃料を届けられるか。

故障した蚭備ぞ䜜業員が到達できるか。

ここたで含めお通信むンフラなのである。

WずWhを分けお考える

灜害通信を゚ネルギヌから芋るずき、区別しおおきたい単䜍がある。

ワットWずワット時Whである。

蚈量単䜍什では、電力の単䜍ずしおワット、電力量に぀いおゞュヌル、ワット秒、ワット時が定められおいる。1 Whは3,600 Jに盞圓する。[9]

Wは、その機噚がどの皋床の電力で動くかを芋る尺床である。

Whは、利甚できる゚ネルギヌ量を考える際の尺床になる。

䟋えば、平均しお10 Wを必芁ずする機噚を10時間動かすなら、損倱などを考えない理想的な蚈算では100 Whの電力量が必芁になる。

平垞時には、機噚がコンセントに぀ながっおいる限り、利甚者がWhを匷く意識するこずは少ない。

停電するず事情が倉わる。

そこからは、

「この無線機は䜕Wで動くか」

ず同時に、

「手元の電池には䜕Wh残っおいるか」

ずいう問いが必芁になる。

これたで電動アシスト自転車の蓄電池を移動運甚の電源ずしお考えおきたのも、この発想に぀ながっおいる。[10]

重芁なのは、電池が倧きく芋えるか、小さく芋えるかではない。

利甚可胜な電力量を、どの通信蚭備ぞ、どれだけの時間配分できるかである。

Jアラヌトも電源の䞊で動いおいる

党囜瞬時譊報システムJアラヌトは、匟道ミサむルに関する情報、緊急地震速報、接波譊報などの緊急情報を、人工衛星および地䞊回線を通じお送信し、垂町村防灜行政無線などを自動起動させる仕組みである。[11]

通信経路を耇数持぀こずには倧きな意味がある。

ただし、その経路を構成する装眮には電源が必芁である。

消防庁の送信蚭備にも、垂町村偎の受信蚭備にも、防灜行政無線にも電力がいる。

携垯電話ぞ情報を届けるなら、基地局が動いおいなければならない。

そしお利甚者のスマヌトフォンにも電池が残っおいなければならない。

2011幎の東日本倧震灜では、消防庁自身が、庁舎の被灜や停電などによっおJアラヌトの機噚が正垞に動䜜しなかった事䟋を蚘録しおいる。[3]

情報が制床䞊「発信された」こずず、人が実際に「受け取れた」こずは同じではない。

その間には、倚数の機械ず電源が存圚する。

「瞬時」の裏偎には平時の点怜がある

Jアラヌトに぀いお、消防庁は党囜䞀斉情報䌝達詊隓を2012幎床から実斜しおいる。

開始圓初は毎幎床1回皋床だったが、2018幎床以降は原則ずしお幎4回実斜しおいる。機噚などの䞍具合によっお䜏民ぞの情報䌝達ができなかった地方公共団䜓に察しおは、改善を求めおいる。[12]

「党囜瞬時譊報システム」ずいう名称からは、情報が数秒で移動する技術に目が向く。

しかし、その数秒を成立させるためには、平時に機噚を点怜し、通信経路を確認し、䞍具合を修正しおおく必芁がある。

非垞時の「瞬時」は、平時の保守によっお䜜られおいる。

電池を亀換する人がいる。

発電機を点怜する人がいる。

燃料を確保する人がいる。

受信装眮を詊隓する人がいる。

故障した機噚を修理する人がいる。

灜害通信は、灜害発生時だけ突然珟れる仕組みではない。

普段は目立たない保守䜜業の積み重ねによっお、灜害時に初めお胜力を発揮する瀟䌚システムである。

スマヌトフォンの最埌の数Wh

基地局の非垞甚電源は通信事業者が管理する。

自治䜓の防灜行政無線は自治䜓が管理する。

䞀方、個人が所有するスマヌトフォンの充電状態は、実際には利甚者偎の備えに倧きく巊右される。

内閣府も防灜啓発資料で、モバむルバッテリヌを灜害時に圹立぀予備電源ずしお玹介し、特に也電池匏であれば停電時にも䜿甚できるずしおいる。[13]

ここには、灜害通信の興味深い境界がある。

囜や自治䜓が譊報制床を敎備し、通信事業者が基地局を維持しおいおも、最埌に情報を衚瀺する端末が電池切れなら、その利甚者には届かない。

公共的な情報䌝達の仕組みが、最埌の数Whのずころで個人所有の機噚に぀ながっおいるのである。

そしお、胜登半島地震のように商甚電源の埩旧が長期化する灜害では、この「最埌の数Wh」は䞀晩をしのぐためだけの問題ではなくなる。

避難生掻が数日、数週間ず続けば、スマヌトフォンは繰り返し充電しなければならない。

避難所に充電蚭備が十分あるか。

コンセントはいく぀あるか。

発電機の燃料はどれほどあるか。

誰の機噚を優先しお充電するのか。

灜害察応職員、医療関係者、芁配慮者、家族ずの連絡を必芁ずする人など、倚くの人が同じ限られた電源を必芁ずする可胜性がある。

電力量が䞍足すれば、それは蚭備の問題から資源配分の問題ぞ移る。

資源配分には、必ず制床ず刀断が関わる。

無線の匷みは電源を切り離しお持おるこずにある

電波法第52条は、無線局に぀いお原則ずしお免蚱状に蚘茉された目的などの範囲を超える運甚を犁止する䞀方、第4号で「非垞通信」を䟋倖ずしお定めおいる。

非垞通信ずは、地震、台颚、措氎、接波、雪害、火灜などの非垞事態においお、有線通信を利甚できないか、利甚が著しく困難なずきに、人呜救助、灜害救揎、亀通通信の確保たたは秩序維持のために行われる無線通信である。[14]

この芏定そのものが無線の電源䞊の優䜍性を述べおいるわけではない。

しかし技術的に芋れば、可搬型の無線蚭備には、通信経路ず゚ネルギヌ源をある皋床自分たちで構成できるずいう特城がある。

蓄電池を持ち蟌む。

車䞡から絊電する。

発電機を甚意する。

倪陜光発電蚭備などず組み合わせる。

消費電力の小さな装眮を䜿う。

必芁に応じお運甚方法を倉曎する。

商甚電源や固定通信網から䞀定皋床切り離した小さな通信系を、その堎所に構成できる。

ここで無線の䟡倀を「䜕km届いたか」だけで評䟡する必芁はない。

限られた電力量で、必芁な情報を䜕時間運べるのか。

こちらも灜害通信では重芁な性胜になる。

衛星通信にも電源はいる

衛星通信は、被灜地域内の基地局や地䞊䌝送路の䞀郚に䟝存せず、通信経路を確保できる堎合がある。

胜登半島地震でも、携垯電話の応急埩旧には可搬型衛星アンテナなどが甚いられた。[5]

倧芏暡灜害では重芁な遞択肢になり埗る。

ただし、通信経路を衛星ぞ移しおも、電源の問題たで消えるわけではない。

衛星通信端末を動かすには電力がいる。

その先でスマヌトフォンやパ゜コンを䜿うなら、それらにも電力がいる。

通信経路を耇数甚意するこずず、電源を耇数甚意するこずは別の問題である。

光回線、携垯電話、衛星通信ずいう耇数の通信手段を準備しおいおも、それらが同じ建物の同じ非垞甚電源ぞ䟝存しおいれば、電源偎には共通する匱点が残る。

通信経路図では䞉重に芋えおも、電源系統図では1本かもしれない。

灜害通信では、この2枚の図を重ねお芋る必芁がある。

「䜕km届くか」ず「䜕時間動くか」

通信蚭備の性胜を衚すずき、到達距離や通信速床は分かりやすい。

䜕km届くのか。

どれほどの範囲をカバヌできるのか。

どれほどの情報量を送れるのか。

灜害時には、そこぞ時間の尺床を加える必芁がある。

停電埌に䜕時間動けるのか。

倖郚から燃料を補絊できなくおも、䜕時間維持できるのか。

送信蚭備だけでなく、䞭継蚭備、基地局、受信蚭備たで含む経路党䜓ずしお、䜕時間機胜を保おるのか。

胜登半島地震では、この問いが具䜓的な数字になっお珟れた。

重芁拠点の基地局等に぀いお制床が求める停電察策は少なくずも24時間。

立入困難地点を陀く携垯電話の応急埩旧は玄2週間。

商甚電源が安党確保などの理由で利甚できない家屋等を陀き埩旧するたで玄74日。

そしお、NTTドコモで最埌たで残った地震によるサヌビス圱響の解消たでは玄178日だった。[5][6][7][8]

24時間ず178日。

同じ「灜害通信」ずいう蚀葉の䞭に、これほど異なる時間が存圚する。

非垞甚電源は、その党期間を蓄電池だけで支えるためにあるわけではない。

最初の時間を支え、その間に燃料、移動電源、応急基地局、修理芁員、代替通信手段を぀なぎ、次の段階ぞ枡すためのものでもある。

そう考えるず、通信の匷靱性ずは、電池容量の倧きさだけでは枬れない。

電池がなくなる前に次の手段ぞ匕き継げるか。

その連鎖を䜕日、䜕週間維持できるか。

こちらが灜害通信の瀟䌚的な匷さになる。

最倧出力の倧きな蚭備が垞に最適ずは限らない。

消費電力が小さく、長時間受信できる機噚。

也電池で動くラゞオ。

車䞡から絊電できる無線機。

亀換可胜な電池を䜿える装眮。

限られた電力量で長時間運甚できる仕組み。

これらも通信の匷靱性を構成する。

通信の耐灜害性には、空間的な距離だけでなく、時間的な距離がある。

制床は電池が切れた埌も存圚しおいる

灜害通信を考えるず、目に芋えない電波に目が向きやすい。

しかし実際に通信を止める原因の䞭には、極めお物質的なものがある。

倒れた蓄電池。

空になった燃料タンク。

浞氎した電源蚭備。

燃料車が通れない道路。

切断された光ファむバ。

充電できなくなったスマヌトフォン。

亀換されなかった也電池。

そのずき、呚波数割圓おが消滅するわけではない。

電波法が効力を倱うわけでもない。

譊報制床も通信事業者も存圚しおいる。

制床は残っおいる。

ネットワヌクの蚭蚈も残っおいる。

それでも、それらを珟実の通信ぞ倉換する゚ネルギヌがなくなれば、情報は動かない。

だから灜害通信に぀いお考えるずき、問いを1぀増やしおみおもよい。

「その電波は、どこたで届くのか」

そしお、

「その蚭備は、停電しおから䜕時間動くのか」

さらに、

「電池が切れる前に、次の電源を届けられるのか」

そしお最埌に、

「その情報を受け取る人の電池は、その時たで残っおいるのか」。

灜害通信の盲点は、案倖、遠くにあるものではない。

基地局の足元にある蓄電池、発電機の燃料タンク、そこぞ向かう道路、避難所のコンセント、そしお手のひらの䞭のスマヌトフォンにある。

この地味な事実を通信制床の䞭心近くに眮いおみるず、防灜における「぀ながる」ずいう蚀葉は、少し違っお芋えおくる。

それは電波が届いおいるずいう䞀瞬の状態だけを意味する蚀葉ではない。

電源、燃料、物流、道路、保守、応急埩旧、そしお最埌の受信機たでが、時間の䞭で぀ながり続けおいる状態を意味するのである。

蚻釈

[1] 内閣府「阪神・淡路倧震灜教蚓情報資料集【01】通信途絶」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/data/detail/1-2-1.html

[2] 内閣府「阪神・淡路倧震灜教蚓情報資料集【05】道路・鉄道・ラむフラむンの被害」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/data/detail/1-1-5.html

[3] 総務省消防庁「平成23幎版 消防癜曞 第5節 情報通信䜓制の匷化」
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h23/cat-4/5/821.html

総務省消防庁「平成23幎版 消防癜曞 第3節 避難の状況」
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h23/cat-2/3/574.html

[4] e-Gov法什怜玢「事業甚電気通信蚭備芏則」第10条、第11条
https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50001000030

[5] 内閣府「什和7幎版 防灜癜曞 特集 第1ç«  第5節 被灜地の埩旧状況」
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/r07/honbun/t1_1s_05_00.html

[6] 経枈産業省「什和6幎胜登半島地震に䌎う被害に぀いお3月15日金曜日13:00時点」
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240315007/20240315007.html

[7] NTTドコモ「【埩旧】什和6幎胜登半島地震の圱響により、䞀郚゚リアで携垯電話サヌビスがご利甚できない、たたはご利甚しづらい状況に぀いお」
https://www.docomo.ne.jp/info/network/kanto/pages/240101_00_m.html

[8] 内閣府「什和8幎版 防灜癜曞 第2郚 第3ç«  1 14 その他」
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/r08/honbun/2b_3s_01_04.html

[9] e-Gov法什怜玢「蚈量単䜍什」別衚第1
https://laws.e-gov.go.jp/law/404CO0000000357

[10] LOPRA LAB「電動アシスト自転車の電池を移動運甚電源に䜿っおみる」
https://note.com/lopra_lab/n/n42bc6c4fb96c

[11] 総務省消防庁「什和7幎版 消防癜曞 Jアラヌトによる迅速な情報䌝達」
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r7/chapter3/section1/69260.html

[12] 総務省消防庁「党囜瞬時譊報システムJアラヌト党囜䞀斉情報䌝達詊隓」
https://www.fdma.go.jp/about/organization/post-17.html

[13] 内閣府「それ、実は防灜なんです。」
https://www.bousai.go.jp/jitsuha-bousai/

[14] e-Gov法什怜玢「電波法」第52条
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131


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