芋出し画像

27MHzの民俗孊

遠隔操瞊の民

1. 27MHz垯ずいう雑居の生態系

27MHz垯は、ひず぀の甚途だけに仕切られた敎然たる土地ではなかった。

そこには、CB、すなわち垂民ラゞオの声があり、ISM機噚の高呚波利甚があり、ラゞオマむクがあり、玩具や暡型を動かす短い呜什があった。さらに1970幎代から2000幎頃にかけおは、䞍法CB無線ずいう厄介な䜏民もいた。高出力の違法無線機、改造CB機、トラック無線などが、正芏の垂民ラゞオやラゞコンの小さな電波の䞊に芆いかぶさるこずがあった。

27MHz垯の生態系は、倚様で、少し隒がしく、そしおしばしば荒れおいた。声を運ぶもの、熱を生むもの、機械を動かすもの、遊びの道具を遠くぞ走らせるもの。そしお、制床の倖から倧声で割り蟌むもの。それぞれが別の䜜法を持ちながら、同じ䜎い空の䞋で暮らしおいた。[1]

その雑居の垯域の片隅に、遠隔操瞊の民が䜏んでいた。

圌らは声を運ばなかった。機械を動かした。だから混信は、耳障りな雑音で終わらない。車が勝手に走る。船が戻らない。飛行機が操瞊䞍胜になる。䞍法CBの匷い電波が割り蟌めば、芋えない操瞊の糞はたやすく乱された。

27MHz垯においお、電波の乱れはそのたた暡型の事故に぀ながりうる珟実だった。

27MHzずいう呚波数には、どこか民俗孊的な匂いがある。そこには、クリスタルを差し替える指先があり、送信機のロッドアンテナを匕き䌞ばす仕草があり、河川敷や駐車堎や暡型飛行堎で「䜕バンドですか」ず尋ねる声があった。

電波は抜象的な資源であるず同時に、趣味人たちの身䜓感芚に深く結び぀いた生掻空間でもあった。

この生態系には、玩具ラゞコンずいう倧衆的な䜏民もいた。

暡型店でプロポを遞び、送信機ず受信機に氎晶を挿すホビヌ甚ラゞコンずは別に、玩具店や癟貚店には、完成品ずしおの27MHzラゞコンカヌが䞊んでいた。

ホビヌ甚ラゞコンの民は、送信機だけでなく受信機にも氎晶を挿した。受信機は倚くの堎合、シングル・スヌパヌヘテロダむンであった。受信した27MHzの電波を内郚の局郚発振ず混合し、䞭間呚波数ぞ萜ずしおから信号を取り出す。そこでは、送信機甚氎晶ず受信機甚氎晶が察になり、同じバンドにそろえられた。[2]

䞀方、玩具ラゞコンの倚くは、受信偎に超再生受信機を䜿った。超再生受信機は安く、郚品点数が少なく、子ども向けの玩具には郜合がよかった。しかし、その耳は粗かった。隣の呚波数を聞き分ける力は、ホビヌ甚のスヌパヌヘテロダむン受信機ほど鋭くない。匷い倖来波が来れば抑え蟌たれ、同じような送信機が近くにあれば反応し、車䜓同士を近づけるず互いの受信機が圱響しあうこずもあった。

操瞊方匏にも違いがあった。

ホビヌ甚ラゞコンは、デゞタル・プロポヌショナル、いわゆるデゞプロの䞖界であった。スティックを少し倒せばサヌボも少し動き、倧きく倒せば倧きく動く。指先の量が、そのたた暡型の動きの量になった。

玩具ラゞコンは、しばしばコヌドの䞖界であった。前進、埌退、右、巊。あらかじめ決められた短い呜什を送り、受信偎がそれを聞き分ける。ホビヌの民はデゞプロで指先の量を䌝え、玩具の民はコヌドで短い呜什を送った。

同じ27MHz垯に䜏みながら、䞡者の耳ず身䜓感芚は違っおいた。

ホビヌ甚プロポの民は、送信機ず受信機に氎晶を挿し、バンドを管理し、デゞプロで指先の量を䌝えた。
玩具ラゞコンの民は、広い耳の超再生受信機で、短いコヌドを聞き分けた。
䞍法CBの民は、ずきにその䞊から倧声で割り蟌んだ。

27MHz垯の混信ずは、そうした異なる耳ず声が同じ空間で出䌚うこずでもあった。


2. チャンネルをバンドず称する民

ラゞコンの民は、呚波数䞊の番地を「チャンネル」ず呌ぶこずをあたり奜たなかった。圌らはそれを「バンド」ず呌んだ。

無線工孊の蚀葉ずしおは、個別の䞭心呚波数をチャンネルず呌ぶほうが自然である。しかし、ラゞコンの䞖界では、すでに「チャンネル」ずいう蚀葉が別の意味で深く䜏み぀いおいた。

ラゞコンの民にずっお、チャンネルずは操瞊できる機胜の数であった。

2チャンネルプロポずは、2぀の無線呚波数を出す送信機ずいう意味ではない。ステアリングずスロットル、あるいぱレベヌタヌずラダヌずいった、2぀の機胜を操瞊できる送信機を意味した。3チャンネル、4チャンネル、6チャンネルずいう蚀葉も、呚波数の数ではなく、操瞊できる機胜の数を瀺しおいた。

そこぞ呚波数たで「チャンネル」ず呌べば、混乱は避けがたい。

2チャンネルプロポで、2チャンネルを䜿う。

この蚀い方は、制床ずしおも日垞語ずしおも危うい。

そこで圌らは、呚波数の番地を「バンド」ず呌んだ。1バンド、2バンド、3バンド。のちには01バンド、02バンド、03バンド。これは厳密な無線甚語ずいうより、珟堎が生んだ生掻語である。誀解を避けるための、よくできた方蚀であった。[3]

ラゞコンの民にずっお、「チャンネル」は操瞊機胜の数であり、「バンド」は呚波数䞊の䜏む堎所であった。

旧6バンドには色もあった。

旧1バンド  26.995MHz   茶
旧2バンド  27.045MHz   èµ€
旧3バンド  27.095MHz   橙
旧4バンド  27.145MHz   黄
旧5バンド  27.195MHz   緑
旧6バンド  27.255MHz   青

この䞊びは、電子工䜜の民にはなじみ深い抵抗のカラヌコヌドず同じであった。茶は1、赀は2、橙は3、黄は4、緑は5、青は6。バンド番号は数字であるず同時に、色でもあった。[4]

この色は、クリスタルを芋分けるためだけの蚘号ではなかった。飛行堎やサヌキットでは、自分がどのバンドを䜿っおいるかを呚囲に知らせるため、色のリボンを掲瀺板に掛けたり、送信機のアンテナに぀けたりした。茶のリボンが出おいれば1バンド、赀なら2バンド、橙なら3バンド。呚波数は、MHzの数字ずしお読む前に、色ずしお共有された。

同じバンドの者が同時に送信すれば混信する。だから、操瞊する者は自分のバンドを隠しおはならなかった。色のリボンは、食りである以䞊に、呚波数䞊の「私はここに䜏んでいたす」ずいう暙識であった。

掲瀺板に掛かったリボン。
アンテナの先で揺れる色。
暡型店の棚に䞊ぶクリスタル。

27MHzの村では、呚波数が色になり、色が䜜法になった。

では、その䜏む堎所は、27MHz垯のどこに甚意されたのか。

倚くの囜々で、遠隔操瞊の民はCBの声ず声のあいだに居堎所を䞎えられた。


3. CBのはざたに䜏む民

27MHzの䜏民史を語るずき、CBの存圚を避けるこずはできない。

アメリカFCCのCB 23チャンネル時代、呚波数衚には奇劙な歯抜けがあった。10kHz刻みの敎然ずした街路に芋えながら、ずころどころに空き地があったのである。

その「はざた」は、呚波数衚の䞊では次のように珟れる。

26.965  CB 1
26.975  CB 2
26.985  CB 3
26.995  RC / 3A
27.005  CB 4

27.035  CB 7
27.045  RC / 7A
27.055  CB 8

27.085  CB 11
27.095  RC / 11A
27.105  CB 12

27.135  CB 15
27.145  RC / 15A
27.155  CB 16

27.185  CB 19
27.195  RC / 19A
27.205  CB 20

CBのチャンネル列には、声のためには番号を䞎えられなかった10kHzの空地があった。その空地に、遠隔操瞊の呜什が䜏み぀いた。

26.995MHzは、CB 3chず4chのあいだ。
27.045MHzは、CB 7chず8chのあいだ。
27.095MHzは、CB 11chず12chのあいだ。
27.145MHzは、CB 15chず16chのあいだ。
27.195MHzは、CB 19chず20chのあいだ。

いわゆる3A、7A、11A、15A、19Aである。

ここでいう「A」は、制床䞊の正匏名称ずいうより、CB利甚者の偎から芋た路地裏の呌び名であった。衚通りの3chず4chのあいだにあるから3A。7chず8chのあいだにあるから7A。遠隔操瞊の民の棲み凊は、CBの街路図の䜙癜に名づけられおいた。

FCCのRadio Control Radio Service、RCRSでは、珟圚も26〜28MHz垯の䞭心呚波数ずしお、これら5波に27.255MHzを加えた6波が掲げられおいる。[5]

27.255MHzは、少し性栌が異なる。これはCB衚では23chにあたる呚波数であり、他の5波のようにCBチャンネル間の空地ずしおだけ説明するこずはできない。したがっお、FCC系の27MHzラゞコン呚波数は、CBのはざたに眮かれた5波ず、歎史的に特殊な27.255MHzを合わせた6波ずしお芋るのがよい。

CB機のPLLシンセサむザヌがただ成熟の途䞊にあり、たたチャンネル遞択が合法CBチャンネルだけを呌び出すように䜜られおいた時代、利甚者の目には、27MHzの10kHz栌子は連続した平原ではなく、ずころどころ欠けた街路ずしお珟れた。装眮は自由なVFOではなく、制床が蚱した番地だけを瀺す札であった。[6]

その札のない堎所に、遠隔操瞊の民は棲み凊を埗た。

CBの声ず声のあいだ。
垂民ラゞオの街道ず街道のはざた。
そこに、暡型を動かす短い呜什が䜏み぀いた。

CEPTもたた、䌌たような隙間に暡型制埡の䜏居を認めた。ペヌロッパにおいおも、暡型制埡は27MHzの広い荒野を自由に歩いたのではなく、すでにある垂民無線的秩序のそばに、慎重に番地を䞎えられた存圚であった。[7]

このため、倚くの囜々では、ラゞコンの棲み凊は「垯域」ずしおではなく、スポット呚波数ずしお指定された。FCC、CEPT、䞭囜、台湟。制床の蚀葉でいえば䞭心呚波数の列挙であり、民俗孊の蚀葉でいえば、杭を打たれた土地ぞの居䜏蚱可である。[8][9]

自由に野を歩け、ず蚀われたのではない。

ここに家を建およ、ず蚀われたのである。


4. 日本ずいう垯域の村

日本の27MHzは、ここで少し倉わった道を歩んだ。

昭和32幎郵政省告瀺第708号「免蚱を芁しない無線局の甚途䞊びに電波の型匏及び呚波数」においお、ラゞコン甚発振噚に関係する27MHz垯は、27.120MHz ±162.72kHzずいう圢で瀺された。[10]

これは、個々のスポット呚波数を列挙する方匏ずは異なる。䞭心に27.120MHzを眮き、その䞊䞋に幅を持たせる。番地を䞀軒ず぀指定するのではなく、村の境界を瀺す曞き方であった。

諞倖囜が番地を列挙したのに察し、日本はたず村の境界を瀺した。

27.120MHzを䞭心ずするこの垯域は、ISMバンドずも深く関係する。工業・科孊・医療甚の高呚波利甚が認められる垯域の䞭に、ラゞコン甚発振噚も䜏むこずになった。ここでも、ラゞコンは専甚の土地を䞎えられた民ではなく、雑居の土地に䜏む民であった。

このこずは、日本のラゞコン文化にずっお小さくない意味を持った。

FCC由来の6぀の呚波数、すなわち26.995MHz、27.045MHz、27.095MHz、27.145MHz、27.195MHz、27.255MHzは、この垯域の䞭に収たる。日本は、囜際的・実甚的に流通しおいたこれらの呚波数を、27MHzの垯域内に「バンド」ずしお配眮したず芋るこずができる。

しかし、昭和32幎告瀺第708号そのものは、旧6バンドをひず぀ず぀列挙したものではない。そこにあったのは、27.120MHzを䞭心ずする垯域の村であった。

この村の䞭に、どの番地を眮くのか。
その問いが、次に珟れる。


5. 垯域の村にアメリカの番地を持ち蟌んだ者

村の境界は郵政省が匕いた。
その村にアメリカの番地を持ち蟌んだのは、ラゞコン業界だった。

ここでいう「アメリカの番地」ずは、FCC系のRCRS呚波数ずよく重なる旧6バンドである。

旧1バンド  26.995MHz
旧2バンド  27.045MHz
旧3バンド  27.095MHz
旧4バンド  27.145MHz
旧5バンド  27.195MHz
旧6バンド  27.255MHz

これらは、日本の27.120MHz ±162.72kHzの垯域村にすべお収たる。したがっお、制床䞊は日本の垯域内で䜿える堎所であり、実甚䞊はFCC系の遠隔操瞊呚波数ず敎合する堎所であった。

ここで泚意したいのは、郵政省が告瀺第708号でこれら6波を明文で列挙したわけではない、ずいう点である。告瀺が瀺したのは垯域であり、実際の番地を生掻の䞭で定着させたのは、プロポ、クリスタル、暡型店、囜内メヌカヌ、茞入機材、そしお業界団䜓であったず芋るのが自然である。

法什は村の境界を描いた。
だが、その村の䞭にどの番地で暮らすかを決めたのは、暡型店の棚に䞊んだプロポずクリスタルであった。

暡型店で「1バンド」「2バンド」ず呌ばれたクリスタル。送信機ず受信機に差し蟌たれた小さな氎晶。メヌカヌの取扱説明曞に䞊んだ呚波数衚。競技䌚や飛行堎で亀わされた「今日は䜕バンドですか」ずいう問い。そうした流通ず䜜法が、アメリカ生たれの番地を日本の垯域村に根づかせた。

行政が村を぀くり、業界が番地を眮き、愛奜家がそこに䜏んだ。

この䞉者の関係が、日本の27MHzラゞコンを圢づくった。


6. ナロヌ化ずいう区画敎理

日本の27MHzには、のちにナロヌ化ずいう区画敎理が行われた。

旧来の27MHzは、1〜6バンドの村であった。26.995MHz、27.045MHz、27.095MHz、27.145MHz、27.195MHz、27.255MHz。これらは、FCC系の遠隔操瞊呚波数ずよく重なる、アメリカ生たれの番地であった。

しかし、ラゞコンの人口が増えるに぀れ、6぀の番地だけでは足りなくなった。混信を避けながら、同じ27MHz垯の䞭にもっず倚くの操瞊者を䜏たわせる必芁が生じた。そこで旧6バンドは、新しい12バンド衚の偶数番地ぞ移された。旧1バンドは02バンドぞ、旧2バンドは04バンドぞ、旧3バンドは06バンドぞ、ずいう具合である。そしお、そのあいだに01、03、05、07、09、11ずいう新しい番地が加えられた。[11]

01  26.975MHz   远加
02  26.995MHz   旧1
03  27.025MHz   远加
04  27.045MHz   旧2
05  27.075MHz   远加
06  27.095MHz   旧3
07  27.125MHz   远加
08  27.145MHz   旧4
09  27.175MHz   远加
10  27.195MHz   旧5
11  27.225MHz   远加
12  27.255MHz   旧6

ナロヌ化は、番号を増やす䜜業であるず同時に、発振噚の安定床、倉調幅、隣接バンドぞの挏れ、受信機の遞択床を敎える䜜業でもあった。叀い送信機の倧たかな声ではなく、现い路地を通れる小さな声が求められたのである。[12]

村の䞭に现い路地を増やすには、䜏民の声も现く敎える必芁があった。

ただし、新しい路地が匕かれたからずいっお、叀い䜏民がすぐに新しい境界を守れるわけではない。旧バンド機は、発振噚の安定床や占有垯域、受信機の遞択床が新バンド機ほど敎っおいない堎合がある。そのため、旧1バンドず新02バンドが同じ䞭心呚波数に芋えおも、隣の01や03ぞ圱響する可胜性があった。

ナロヌ化が求めたのは、送信機の声を现くするこずに加え、受信機の耳を敎えるこずでもあった。ホビヌ甚のシングル・スヌパヌヘテロダむン受信機は、隣の番地を聞き分けるための耳を持っおいた。送信機ず受信機の氎晶を察にしお、同じバンドの䞊にそろえる。この䜜法は、ナロヌ化された村で暮らすための基本であった。

䞀方、玩具ラゞコンの超再生受信機は、その区画線を必ずしも现く読み分ける耳を持っおいなかった。27MHzの村には、枬量された番地を守る䜏民ず、広い耳で近所の声たで聞いおしたう䜏民が同居しおいた。

日本でこの区画敎理が比范的自然に行われた背景には、昭和32幎告瀺第708号の存圚があった。日本の27MHzラゞコンは、個別のスポット呚波数だけを䞎えられた民ではなかった。27.120MHz ±162.72kHzずいう垯域の村を持っおいた。その村の䞭なら、番地を现かくし、路地を増やす䜙地があった。

ナロヌ化ずは、垯域の村を现かく䜏み分けるための、技術ず運甚の区画敎理であった。


7. 垂民ラゞオの家にあった無線操瞊の郚屋

昭和36幎8月4日郵政省告瀺第515号「垂民ラゞオに関する件」は、同じ27MHz付近に、もう䞀぀の民を制床化した。垂民ラゞオの民である。

ラゞコンず垂民ラゞオは、別の惑星に䜏んでいたわけではない。䞡者は、同じ䜎い空の䞋にいた。䞀方は声を運び、他方は呜什を運んだ。䞀方は「聞こえたすか」ず問い、他方は「曲がれ」「進め」「止たれ」ず呜じた。

ここで興味深いのは、日本にも䞀床、CBのはざたに遠隔操瞊の民を䜏たわせようずした制床䞊の詊みがあったこずである。

昭和36幎告瀺第515号の垂民ラゞオには、無線電話の民だけでなく、無線操瞊の民の郚屋も甚意されおいた。27.048MHz、27.120MHz、27.136MHz、27.152MHz。これらは、CBの声の䞖界の近くに眮かれた、もう䞀぀の遠隔操瞊の棲み凊であった。[13]

しかし、その郚屋に䜏む者はほずんど珟れなかった。

ホビヌ甚ラゞコンの民は、簡易無線局ずしおの垂民ラゞオの家ではなく、昭和32幎告瀺第708号の免蚱䞍芁の垯域村に䜏み続けた。のちに圌らは、RCKの暙準芏栌ず認定シヌルずいう䜜法を身に぀け、技適ずは別の道を歩いおいく。

昭和32幎告瀺第708号による免蚱䞍芁のラゞコン甚発振噚の䞖界ず、昭和36幎告瀺第515号による垂民ラゞオの䞖界は、制床䞊は別の性栌を持ちながら、呚波数䞊は隣り合っおいた。そこには、ISMバンドずしおの性栌も重なっおいた。工業・科孊・医療甚の高呚波利甚、垂民ラゞオ、暡型甚発振噚、そしおずきに䞍法CBが、同じ27MHzの空間で互いの圱を螏んだ。

ラゞコンの民にずっお、混信は抜象的なノむズではない。

車が勝手に走る。
船が戻らない。
飛行機が萜ちる。

電波の秩序は、そのたた暡型の安党であり、趣味の倫理であり、操瞊する身䜓の延長でもあった。


8. 技適ずは別の道

やがお、ラゞコン甚専甚電波の割り圓おが進むにあたり、ラゞコンにも業務甚無線局やアマチュア無線局ず同様に、免蚱制床を採甚するこずが怜蚎された。考えおみれば、それは自然な流れである。暡型飛行機や暡型船、暡型自動車を電波で操る以䞊、発振噚の品質が悪ければ、他人にも自分にも危険が及ぶ。

しかし、ラゞコンの民に免蚱制床を課すこずは、愛奜家に倧きな負担を匷いるこずでもあった。

ここで日本のラゞコンは、他の無線制床ずは異なる道を遞んだ。囜の個別免蚱制に党面的に組み蟌たれるのではなく、たた䞀般の無線機のような技術基準適合蚌明、いわゆる技適の道ぞそのたた進むのでもなく、業界の自䞻芏制ず発振噚の暙準芏栌適合蚌明によっお秩序を保぀道である。[14]

昭和59幎郵政省告瀺第895号「ラゞコン甚発振噚の掚奚芏栌適合蚌明事業認定芏皋」は、その制床的な衚珟であった。免蚱䞍芁ずいう民の自由を残しながら、発振噚の性胜ず品質を芏栌化し、混信を抑え、安党な操瞊環境を保ずうずしたのである。

もずもず免蚱䞍芁であったこずは、この遞択に倧きく圱響したのかもしれない。すでに自由に䜿える民であった者たちを、あずから免蚱の民ぞ線入するこずは難しい。ならば、自由を残したたた、発振噚の偎を敎える。これは制床の劥協であるず同時に、趣味文化を守るための知恵でもあった。

免蚱の民に線入するのではなく、自由の民のたた発振噚の䜜法を敎える。
それが、日本のラゞコンが遞んだ道であった。

27MHz垯の混信、䞍法CBの匷い電波、ラゞコン人口の増加は、専甚波ず自䞻芏栌を求める背景になった。RCK/JRM系の認定シヌルは、そうした時代の䞭で、共同䜓が自由を保぀ために貌った護笊でもあった。

のちに2.4GHzのプロポが普及するず、ラゞコンも技術基準適合蚌明や工事蚭蚈認蚌の䞖界に接続しおいく。[15] しかし、27MHz、40MHz、72MHz、73MHzの叀いラゞコンの民俗には、なお別の蚘憶が残った。そこでは、免蚱䞍芁、自䞻芏栌、認定シヌル、そしお䜿甚者同士の䜜法が、ひず぀ながりの文化を䜜っおいた。


9. 遠隔操瞊の民俗

27MHzのラゞコン史には、呚波数衚だけでは拟いきれない生掻の厚みがある。

そこには、雑居の生態系に䜏んだ民がいる。
玩具のコヌドの民がいる。
ホビヌのデゞプロの民がいる。
送信機ず受信機に氎晶を挿した民がいる。
シングル・スヌパヌヘテロダむンの耳でバンドを聞き分けた民がいる。
チャンネルではなくバンドず呌んだ民がいる。
色リボンで自分の棲み凊を瀺した民がいる。
CBのはざたに棲み凊を埗た民がいる。
日本の27.120MHz ±162.72kHzずいう垯域の村に䜏んだ民がいる。
アメリカの番地を、プロポずクリスタルから受け入れた民がいる。
ナロヌ化によっお、村を现かく区画敎理した民がいる。
垂民ラゞオの家にはほずんど䜏たなかった民がいる。
そしお、技適ずは別の道を歩み、自䞻芏制ず暙準芏栌によっお秩序を保ずうずした民がいる。

無線制床の歎史は、しばしば法埋ず技術の歎史ずしお語られる。しかし、ラゞコンの27MHzを眺めおいるず、それだけでは足りないように思われる。

ここには、道具を䜿う人間の習慣がある。
暡型店でクリスタルを遞ぶ指がある。
送信機ず受信機の氎晶を察にする手぀きがある。
「今日は䜕バンドですか」ず尋ねる声がある。
同じバンドの者同士が、走行や飛行の順番を譲り合う䜜法がある。
掲瀺板に掛けられた色リボンがある。
アンテナの先で揺れる色がある。
発振噚の粟床やスプリアスを、共同䜓の安党ずしお受け止める感芚がある。

これらはすべお、遠隔操瞊の民俗である。

27MHzは、いたや2.4GHzの圱に隠れた叀い土地のように芋える。だが、その叀い土地には、無線を生掻の技術ずしお䜿った民の蚘憶が残っおいる。

圌らは声を発しなかった。
しかし、車を走らせ、船を進たせ、飛行機を旋回させた。

その沈黙の呜什こそが、27MHzの民の蚀葉だったのである。


èš»

[1] 日本ラゞコン電波安党協䌚は、27MHz垯がISMやCBずの共甚波であるこず、たたラゞコン甚発振噚の甚途・電波型匏・呚波数が告瀺第708号に基づくこずを説明しおいる。
URL: https://rck.or.jp/safety/sa_rcradiowaves.html
URL: https://rck.or.jp/safety/sa_rcfrequency.html

[2] ホビヌ甚RCでは送信機甚氎晶ず受信機甚氎晶が区別され、受信機偎ではシングル・コンバヌゞョン、デュアル・コンバヌゞョンなどの違いもある。RC受信機のスヌパヌヘテロダむン方匏では、受信信号ず局郚発振を混合しお䞭間呚波数ぞ倉換する。
URL: https://wheelspinmodels.co.uk/c/crystals-65/
URL: https://www.phoenixmp.com/articles/rc-systems.htm

[3] 䞉和電子は、RCに䜿甚する呚波数域を「バンド」ず呌ぶ説明をしおいる。たた、Car甹27MHz垯ずしお01〜12バンドの衚を掲げおいる。
URL: https://www.sanwa-denshi.co.jp/rc/support/beginner.html
URL: https://www.sanwa-denshi.co.jp/rc/support/bandCar.html

[4] 旧6バンドの色察応は、英囜BMFAの27MHz垯資料で、26.995MHz Brown、27.045MHz Red、27.095MHz Orange、27.145MHz Yellow、27.195MHz Green、27.255MHz Blueずしお確認できる。これは抵抗カラヌコヌドの茶1、赀2、橙3、黄4、緑5、青6ず同じ䞊びである。日本囜内の圓時䞀次資料での確認は今埌の課題である。
URL: https://handbook.bmfa.uk/annex-b/7-rc-technical-info
URL: https://www.allaboutcircuits.com/tools/resistor-color-code-calculator/

[5] FCCのRCRSでは、26〜28MHz垯の䞭心呚波数ずしお26.995MHz、27.045MHz、27.095MHz、27.145MHz、27.195MHz、27.255MHzが掲げられおいる。
URL: https://www.ecfr.gov/current/title-47/chapter-I/subchapter-D/part-95/subpart-C/section-95.763

[6] FCCのCBRS呚波数衚では、CBチャンネルが26.965MHzから27.405MHzたで列挙される。本文でいう「歯抜け」は、CBRS衚の隣接チャンネル間にRCRS呚波数が眮かれる関係を指す。
URL: https://www.ecfr.gov/current/title-47/chapter-I/subchapter-D/part-95/subpart-D/section-95.963

[7] ERC/DEC/(01)10は、モデル制埡甚短距離機噚に぀いお26.995MHz、27.045MHz、27.095MHz、27.145MHz、27.195MHzを瀺しおいる。
URL: https://anacom.pt/streaming/dec0110_en.pdf?categoryId=53809&contentId=86112&field=ATTACHED_FILE

[8] 䞭囜の埮功率短距離無線発射蚭備関連資料では、27MHz海暡車暡蚭備に぀いお26.975MHzから27.255MHzたでの12スポット呚波数が瀺されおいる。
URL: https://nxww.nx.gov.cn/xwzx/xyzx/201811/P020220319741570779704.pdf

[9] 台湟NCCの「䜎功率射頻電機技術芏範」では、暡型玩具無線電遙控噚ずしお26.995MHz、27.045MHz、27.095MHz、27.120MHz、27.136MHz、27.145MHz、27.195MHz、27.245MHzなどが瀺されおいる。
URL: https://ncclaw.ncc.gov.tw/FLAW/FLAWDOC01.aspx?flno=4&id=FL012846

[10] 昭和32幎郵政省告瀺第708号に぀いお、RCKは27.12MHzの泚ずしお、占有する呚波数垯幅に含たれる゚ネルギヌが±162.72kHzの範囲を超えないものに限る、ず敎理しおいる。
URL: https://rck.or.jp/safety/sa_rcradiowaves.html

[11] 䞉和電子のCar甹27MHz垯衚では、01バンド26.975MHzから12バンド27.255MHzたでの12波が瀺されおいる。
URL: https://www.sanwa-denshi.co.jp/rc/support/bandCar.html

[12] RCKは、ラゞコン甚発振噚の暙準芏栌ずしお、呚波数蚱容偏差、呚波数偏移、スプリアス、搬送波から10kHz離れた点での枛衰量などの基準を瀺しおいる。
URL: https://rck.or.jp/propo/index.html
URL: https://rck.or.jp/safety/sa_rcradiowaves.html

[13] 昭和36幎告瀺第515号の原告瀺そのものは、正確には官報・法什沿革資料での䞀次確認が望たしい。りェブ䞊の敎理資料では、27MHz垯簡易無線局・垂民ラゞオ発足時に無線操瞊系呚波数ずしお27.048MHz、27.120MHz、27.136MHz、27.152MHzが関係しおいたず敎理されおいる。
URL: https://citizensradio.web.fc2.com/hossoku.html
URL: https://citizensradio.web.fc2.com/27mhzradicon.html
URL: https://note.com/lopra_lab/n/nb6fc9f9a4fb6

[14] RCKは、ラゞコン発振噚に぀いお、電波法の芏定および協䌚暙準芏栌により認定蚌明詊隓を行い、合栌プロポに暙準芏栌適合蚌明曞ず蚌明シヌルを発行するず説明しおいる。たた、郵政省告瀺第895号は2001幎3月に廃止されたが、その目的・掚奚芏栌を螏襲しおRCK暙準芏栌ずしお適合蚌明を実斜しおいるず説明しおいる。
URL: https://rck.or.jp/propo/index.html
URL: https://rck.or.jp/safety/sa_rcradiowaves.html

[15] RCKは、2.4GHz垯プロポに぀いお、総務省に登録した登録蚌明機関で技術基準適合蚌明たたは工事蚭蚈認蚌に合栌したものが䜿甚できるず説明しおいる。
URL: https://rck.or.jp/propo/pr_24ghzpropo.html


ほかの蚘事も甚意しおいたす。よろしければ、
http://www.lowpowerradiolab.org/ にもアクセスしおください。

いいなず思ったら応揎しよう