芋出し画像

なぜ、ただ䜿える無線機を買い替えさせるのか――新スプリアス芏栌ず「2022幎期限」の行政孊


叀い無線機がある。

送信できる。受信できる。呚波数も安定しおいる。郚品さえ手に入れば、ただ修理できるかもしれない。

ずころが、その無線機に「旧スプリアス芏栌」ずいう行政䞊の属性が付くず、事情が倉わった。

2005幎の制床改正埌、日本では、すでに免蚱を受けお䜿甚しおいる旧スプリアス芏栌の無線蚭備に぀いお、圓初、2022幎11月30日たでずいう䜿甚期限が蚭けられおいた。2016幎2月25日の衆議院予算委員䌚第二分科䌚では、総務省偎が、察象ずなる機噚に぀いお原則ずしお2022幎11月30日たでに「新しい芏栌の機噚に亀換をしおいただく」ずいうスケゞュヌルで進めおいる、ず説明しおいる。[1]

もちろん、この2022幎11月30日ずいう期限は、その埌そのたた実斜されたわけではない。2021幎に「圓分の間」ぞ倉曎された。珟圚、旧芏栌機が2022幎12月1日を境に䞀埋䜿甚犁止になったわけではない。[5]

それでも、最初に期限を蚭定したずいう事実は残る。

機械が壊れたから亀換するのではなかった。

ただ動く機械に、制床が先に期限を眮いたのである。

なぜだったのだろう。

電波は目的の呚波数だけに出おいるわけではない

この問題を考えるには、たずスプリアスずいう物理珟象から始めなければならない。

たずえば145.00 MHzで送信するず聞けば、145.00 MHzずいう䞀本の现い線からだけ電波が出おいるように想像しやすい。

珟実の送信機はそうならない。

音声やデヌタを茉せれば呚波数方向に䞀定の広がりが生じる。発振噚や増幅回路も完党な理想郚品ではない。高調波、䜎調波、寄生発射、盞互倉調積など、目的ずする垯域から倖れたずころにも電力成分が珟れ埗る。

電波法斜行芏則は、「スプリアス発射」を、必芁呚波数垯倖に生じ、そのレベルを情報䌝送に圱響を䞎えず䜎枛できる発射ず定矩し、高調波発射、䜎調波発射、寄生発射、盞互倉調積などを含めおいる。䞀方、必芁呚波数垯の近くで倉調によっお生じるものを「垯域倖発射」ず呌び、䞡者を合わせお「䞍芁発射」ずしおいる。[2]

したがっお、「スプリアス目的呚波数以倖に出る電波」ず説明すれば倧意は䌝わるが、法什䞊はもう少し现かい。

そしお倧事なのは、叀い無線機だけがスプリアスを出すわけではないこずである。

新しい無線機にも䞍芁発射はあり埗る。

問題は、存圚するかしないかではなく、どの皋床たで抑えられおいるかである。

なぜ行政は「芋えないはみ出し」を芏制するのか

䞍芁発射には厄介な性質がある。

送信しおいる本人には分かりにくい。

自分の亀信盞手にはきれいな音声が届いおいる。通信にも支障がない。それでも別の呚波数では、目的倖の成分が他人の通信を劚害しおいる可胜性がある。

黒煙なら芋える。

隒音なら聞こえる。

電波のはみ出しは、枬定しなければ分からないこずが倚い。

そこで無線蚭備芏則第7条は、スプリアス発射たたは䞍芁発射の匷床に぀いお蚱容倀を定めおいる。[3]

ここたでは理解しやすい。

有限の呚波数を倚数の利甚者が共同利甚する以䞊、他人の呚波数ぞ倧きくはみ出さないよう技術基準を眮くこずには合理性がある。

電波行政ずは、目に芋えない呚波数空間に境界を蚭ける行政でもある。

問題は、その次である。

新スプリアス芏栌には囜際的な背景がある

International Telecommunication Union囜際電気通信連合、ITUでは、World Radiocommunication Conference䞖界無線通信䌚議、WRCを通じおRadio Regulations無線通信芏則、RRの䞍芁発射に関する芏定が改められた。

JARDは、この改正がWRC-97、WRC-2000、WRC-03の3回の䌚議を経お行われ、日本では2004幎11月の情報通信審議䌚答申を螏たえ、2005幎12月1日に囜内法什が改正されたず敎理しおいる。[4] 総務省の2021幎資料も、WRC-03におけるRR改正を囜内改正の背景ずしお説明しおいる。

぀たり、新しいスプリアス基準そのものを、日本の無線機メヌカヌが新品を売るために突然䜜ったず芋るのは無理がある。

囜際的な技術芏制の倉曎があった。

䞍芁発射を枛らし、電波利甚環境を改善する目的もあった。

しかし、

新しい基準を導入するこず

ず、

すでに䜿われおいる旧基準の蚭備に、最終的な䜿甚期限を蚭けるこず

は同じ政策刀断ではない。

ここを分けなければならない。

物理的な性胜が、行政䞊の「蚌明」に倉わる

本来、行政が知りたいこずは明快である。

その䞀台の無線機が、基準を超える䞍芁発射を出しおいるか。

枬定すれば分かる。

しかし、党囜にある無線蚭備を䞀台ず぀行政が枬定するこずはできない。

そこで技術基準適合蚌明、工事蚭蚈認蚌、型匏怜定、保蚌、実枬資料などの制床が甚いられる。

ここで問題の性質が倉わる。

物理孊ずしおの問いは、

「どんな電波が出おいるか」

である。

行政実務ずしおの問いは、

「基準を満たすこずが確認されおいるか」

になる。

性胜芏制が、実務の䞭で蚌明の芏制ぞ翻蚳されるのである。

技適は自䜜機を排陀しなかった。しかし完成品を歩きやすくした

アマチュア無線では、この構造がよく芋える。

自䜜機そのものは犁止されおいない。JARDの保蚌制床にも、自䜜機や改造機を扱う経路がある。たた、旧芏栌機に぀いおも、実枬などによっお新スプリアス芏栌ぞの適合を確認する方法が甚意された。[4]

したがっお、

「技適があるから自䜜無線機は䜿えない」

ずいう説明は正しくない。

しかし、手続䞊の条件は同じではない。

珟行芏栌の認蚌枈み完成品なら、利甚者自身がその䞀台に぀いおスプリアス特性を枬り、䞀から説明する負担は小さい。

䞀方、旧機や自䜜機では、堎合によっお回路資料や枬定資料によっお適合性を瀺す必芁がある。

量産メヌカヌなら、䞀぀の蚭蚈に぀いお必芁ずなる認蚌・詊隓費甚を倚数の補品ぞ分散できる。

䞀台だけを所有する個人には、それができない。

したがっお、

技適は自䜜機を排陀しなかった。しかし、認蚌枈み完成品を最も歩きやすい経路にした。

ずいう評䟡は可胜だろう。

無線機には寿呜がある。それでも、なぜ期限を付けたのか

ここからが本題である。

無線機は氞久には䜿えない。

電解コンデンサは劣化する。接点は摩耗する。専甚半導䜓が故障し、亀換郚品がなくなれば、やがお修理もできなくなる。

ならば、新スプリアス芏栌を導入した埌、新しく補造される機噚だけを新芏栌ずし、既存機は寿呜たで䜿わせる方法も考えられたはずである。

叀い機械が壊れれば新しい機械に亀換される。

10幎、20幎ずたおば、旧芏栌蚭備は自然に枛っおいく。

日本は、その自然曎新だけに任せる方匏を採らなかった。

圓初、既存の旧芏栌蚭備に぀いおも2022幎11月30日ずいう期限を眮いた。[1][4]

ここで無線機には、二぀の寿呜が生じる。

䞀぀は、壊れお䜿えなくなる物理的寿呜。

もう䞀぀は、ただ動いおいおも制床䞊䜿えなくなる行政的寿呜である。

2022幎11月30日ずいう日付は、埌者だった。

行政はなぜ自然曎新を埅たなかったのか

行政偎の理屈は理解できる。

自然曎新に任せれば、旧芏栌蚭備がい぀なくなるか分からない。

30幎前の無線機を倧切に修理しながら䜿う人もいる。業務蚭備なら、保守によっおさらに長期間䜿甚される堎合もある。

行政から芋れば、新芏栌を決めおも、旧基準蚭備が䜕十幎残るか予枬できなくなる。

䞀定の移行期間を蚭け、その埌は新しい基準ぞ統䞀した方が制床管理は容易になる。

しかし、その行政䞊の利䟿性には別の費甚が䌎う。

ただ䜿甚可胜な蚭備の残存䟡倀を倱わせる可胜性である。

そこで問うべきなのは、

「新しい基準が必芁だったか」

だけではない。

自然曎新を埅぀こずで生じる電波環境䞊の䞍利益ず、期限を蚭定しお既存蚭備を早期に移行させる費甚を、どう比范したのか。

ずいう問題である。

珟圚確認できた公匏資料からは、この比范に぀いお十分な費甚䟿益分析が行われたこずたでは確認できおいない。

したがっお、ここは疑問ずしお残すべきである。

旧芏栌機は、本圓に「悪い無線機」だったのか

さらに、旧芏栌機の党郚が新芏栌䞍適合だったわけでもない。

2016幎の囜䌚答匁で総務省偎は、旧芏栌時代の機噚に぀いお補造事業者にスプリアスを実枬しおもらったずころ、新しい芏栌に適合する機噚もあり、それらは継続䜿甚可胜であるず説明しおいる。

さらに個々の無線機に぀いお実枬し、亀換が必芁な機噚を絞り蟌む方針も瀺しおいた。[1]

JARDも2016幎から旧芏栌のメヌカヌ補無線蚭備を調査し、1,017機皮を保蚌可胜機噚ずしおリストアップしたず説明しおいる。[4]

぀たり、

旧芏栌で認蚌された機械

ず、

珟実に新芏栌を満たさない機械

は䞀臎しない。

「叀い認蚌」ず「悪い電波」は別の問題なのである。

ではなぜ、実際の性胜だけを芋るのではなく、「旧芏栌」ずいう行政䞊の区分に期限を蚭けたのか。

䞀台ず぀枬るこずが困難だから、ずいう倧量行政の事情が再び珟れる。

「枬れば䜿える」は、本圓に同じ遞択肢なのか

旧機には救枈経路が残された。

実枬で新芏栌を満たすこずを瀺す。

JARDの確認保蚌を利甚する。

保蚌可胜機噚リストに茉っおいる機皮なら、曞類を䞭心ずする手続で察応できる堎合もある。[4]

しかし、リストにない機噚などでは事情が違う。

枬定環境を甚意する。

専門家に䟝頌する。

必芁なら調敎・修理する。

再枬定する。

その䞊で保蚌や手続を行う。

JARD自身も、范正等を受けお1幎以内の枬定噚を䜿甚した有料の電波枬定サヌビスを蚭けおいる。

この費甚が新品賌入費より高くなるかどうかは、機皮、枬定内容、修理の有無、代替機の䟡栌によっお異なる。

したがっお、

「枬定は䞀般に新品より高い」

ずたでは確認できない。

しかし䜎䟡栌の代替機が存圚し、旧機偎に枬定・送料・調敎・修理などが重なれば、適合性を蚌明しお旧機を残すより、新品ぞ亀換する方が経枈的になる堎合がある、ずいう構造は十分考えられる。

ここで重芁なのは、

法的に遞択肢があるこずず、経枈的に同等の遞択肢であるこずは違う

ずいう点である。

「新品を買え」ず呜什しなくおも、新品が遞ばれる

行政が、

「新しい無線機を賌入しなさい」

ず盎接呜什する必芁はない。

旧機を残すには枬定や蚌明が必芁である。

新品なら認蚌枈みである。

その費甚ず手間の差が十分倧きければ、利甚者自身が新品を遞ぶ。

ここに芏制の垂堎効果がある。

行政は、補助金や公共調達によっお垂堎を䜜るこずがある。

しかし、技術基準、認蚌、期限、蚌明費甚によっおも人の遞択を倉え、垂堎需芁ぞ圱響を䞎える。

だから、

「メヌカヌを儲けさせる仕組みではないか」

ずいう疑問が生たれるのである。

2021幎には玄8割が新芏栌ぞ移行しおいた

2021幎6月、総務省は重芁な数字を公衚した。

携垯電話等の包括免蚱を陀く囜内玄275䞇局のうち、玄215䞇局、玄8割に぀いお、新スプリアス芏栌ぞの移行が行われおいるずいう。[5]

ここでは蚀葉を正確にしおおかなければならない。

箄8割が「新品ぞ買い替えた」ず総務省が述べおいるわけではない。

確認できるのは、

箄8割が新スプリアス芏栌ぞ「移行した」

ずいう事実たでである。

新品亀換だけでなく、実力倀の確認など別の察応もあり埗る。

したがっお、この数字をそのたたメヌカヌの販売台数ぞ読み替えるこずはできない。

たた、15幎ほどの期間に行われた移行のうち、通垞の故障や老朜化による自然曎新がどれだけで、2022幎期限を意識した前倒し亀換がどれだけだったのかも、今回確認した資料からは分からない。

ここは䞍明である。

しかし、それこそ政策評䟡で本来知りたい数字でもある。

箄8割移行した段階で、期限は「圓分の間」に倉わった

同じ2021幎、総務省は2022幎11月30日ずいう経過措眮期限を「圓分の間」に倉曎するこずを決めた。

公匏資料は、その時点ですでに玄8割が新芏栌ぞ移行しおいたこずを瀺した䞊で、新型コロナりむルス感染症による瀟䌚経枈ぞの圱響等により残る移行に遅れが生じるこずが想定される、ず説明しおいる。

そしお、移行自䜓は継続しながら、期限を「圓分の間」ぞ倉曎するずした。[5]

2021幎のパブリックコメントに察する総務省回答も、感染症の拡倧、経枈掻動ぞの圱響、各業皮における移行の遅れ、期限延長の芁望を理由ずしおいる。たた、新スプリアス芏栌ぞの移行を取り止めるものではないずも明蚘しおいる。[6]

したがっお、

「䞻芁な買替えが終わったので期限を倖した」

ずは、珟圚確認できる資料からは断定できない。

これは未確認の仮説である。

ただし、

箄8割が移行枈みだった時点で固定期限が倖された

ずいう二぀の事実を䞊べ、その政策的意味を問うこずはできる。

残る蚭備を期限によっお匷制的に移行させる远加的䟿益ず、最埌たで残った蚭備にかかる費甚ずの関係が倉わった可胜性はある。

だが、その可胜性を行政自身が理由ずしお説明した資料は、今回確認できおいない。

2022幎11月30日は「電波が悪くなる日」ではなかった

考えおみれば圓然である。

2022幎11月30日23時59分から12月1日0時00分になった瞬間、無線機の高調波が急に増えるわけではない。

2022幎11月30日は物理的な危険日ではなかった。

行政䞊蚭定された移行期限だったのである。

だから政策刀断によっお倉曎するこずもできた。

そしお倉曎できたずいう事実は、

なぜ最初に固定期限を必芁ずしたのか

ずいう問いを消すものでもない。

米囜は別の方法を採っおいる

ここで比范するず、日本の方匏が唯䞀の方法ではなかったこずが分かる。

United States Federal Communications Commission米囜連邊通信委員䌚、FCCのCode of Federal Regulations連邊芏則集、CFR第47ç·šPart 97アマチュア無線業務芏則にも、スプリアス発射に関する芏制は存圚する。

しかし、30 MHz未満に぀いおは、2003幎1月1日より埌に蚭眮された送信機ず、それ以前に蚭眮された送信機で異なる基準を珟圚も残しおいる。さらに1977幎4月15日以前に補䜜された送信機、たたは1978幎1月1日以前に初めお垂堎投入された送信機に぀いおは、圓該数倀芁件からの適甚陀倖がある。[7]

䞀方で、米囜芏則はすべおのスプリアス発射を実行可胜な最倧限たで䜎枛するこずを求め、有害な混信が発生した堎合には免蚱人にその陀去を求めおいる。[7]

぀たり、

叀い蚭備を䞀埋に無期限で攟眮する

ずいう制床でもない。

新旧蚭備を区別するgrandfathering既存蚭備の経過保護を残し぀぀、実際に有害混信が生じれば運甚者に責任を負わせる方匏である。

この事実だけでも、

囜際基準が倉わった以䞊、日本も既存アマチュア蚭備ぞ固定期限を蚭定する以倖になかった

ずは蚀えない。

欧州も「垂販品」ずアマチュア自䜜を分けおいる

European Union欧州連合、EUのRadio Equipment Directive無線機噚指什、RED2014/53/EUも別の考え方を瀺しおいる。

附属曞Iでは、アマチュア無線家が組み立おお䜿甚するキット、自らの䜿甚のために改造した無線機噚、実隓・科孊目的で個人が補䜜した蚭備に぀いお、垂堎に䟛絊されるものではない䞀定の堎合、同指什の察象倖ずしおいる。[8]

泚意しなければならないのは、これがアマチュア無線の運甚時のスプリアス芏制を党面的に免陀しおいるずいう意味ではないこずである。

REDずいう補品の垂堎芏制から䞀定の自䜜・自己改造蚭備を切り分けおいるのである。

それでも、日本ずの制床思想の比范材料にはなる。

アマチュア無線を、認蚌枈み完成品を賌入しお䜿甚する掻動だけでなく、自ら䜜り、改造し、実隓する掻動ずしお制床䞊扱っおいるからである。

芏栌を぀くる偎には誰がいるのか

ここでも慎重な区別が必芁である。

法的な技術基準を最終的に制定するのは総務省である。

䞀方、䞀般瀟団法人電波産業䌚ARIBは、無線蚭備の暙準的仕様などを「暙準芏栌」ずしお策定する暙準化組織である。

ARIB自身によれば、暙準芏栌は囜の技術基準ず民間の任意基準を取りたずめた民間芏栌であり、無線機噚補造者、電気通信事業者、攟送事業者、利甚者などの利害関係者が芏栌䌚議ぞ参加しお策定する。[9]

したがっお、

「メヌカヌが法埋を決めおいる」

ず曞くのは正確ではない。

しかし、

補造する偎が暙準化過皋ぞ制床的に参加する経路を持っおいる

こずは確認できる。

2004幎11月19日にスプリアス委員䌚の最終䌚合が開催されるず、11月24日のARIB技術委員䌚では、その最終䌚合の結果が事務局から報告されおいる。[10]

たた2005幎4月27日には、ARIBが総務省担圓官を講垫に招き、「無線蚭備のスプリアス発射の匷床の蚱容倀改正案」に぀いお玄120名を察象ずした説明䌚を開催する旚を案内しおいた。[11]

これらは、メヌカヌず行政が䞍正に結蚗しおいたこずを瀺す蚌拠ではない。

技術行政では、実装する産業ずの情報亀換は必芁である。

しかし行政孊では、もう䞀぀の問いが生じる。

機械を䜜る偎の専門知識ず利益が制床圢成ぞ入りやすいずき、すでに機械を所有し、長く䜿いたい偎の利益を誰が同じ密床で代衚したのか。

JARLやJARDは2004幎の制床圢成で䜕をしおいたのか

ここは、珟段階では結論を急げない。

今回オンラむンで確認できた公開資料だけでは、2004幎の情報通信審議䌚スプリアス委員䌚に぀いお、党委員・専門委員・䜜業班構成員・意芋聎取察象者を完党には埩元できおいない。

したがっお、

JARLやJARDが委員䌚に参加しおいなかった

ずも、

固定期限に぀いお䜕も䞻匵しなかった

ずも、珟段階では断定しない。

ここは未確認である。

䞀方、2021幎の期限延長に関するパブリックコメントでは、JARDずJARLの双方が法人・団䜓の意芋提出者ずしお蚘録されおいる。[6]

20042005幎に既存アマチュア蚭備の利益が政策圢成の䞭でどの皋床代衚されおいたのかを論じるには、圓時の委員名簿、䜜業班名簿、「関係者からの意芋聎取」、2005幎のパブリックコメント原資料をさらに確認する必芁がある。

原兞を確認できない郚分を、掚枬で埋めるべきではない。

メヌカヌを儲けさせるためだったのか

では、メヌカヌ利益の問題ぞ戻ろう。

ここでは䞉぀の呜題を分けなければならない。

第䞀に、新品ぞの亀換が行われれば、メヌカヌに需芁が発生する。

これは圓然である。

第二に、旧機の枬定・改修・蚌明より認蚌枈み新品の賌入が容易で安䟡なら、制床は新品を遞びやすくする。

これも制床構造ずしお説明できる。

しかし第䞉の、

「メヌカヌを儲けさせるこずを目的ずしお、2022幎期限が蚭定された」

に぀いおは、珟圚確認できた資料からは蚌明できない。

メヌカヌや業界団䜓が固定期限を芁求した䞀次資料も、メヌカヌ利益を目的ずしお行政が期限を遞択したず瀺す資料も、今回の確認では埗られおいない。

したがっお、その点は䞍明である。

「メヌカヌが利益を埗る制床効果がある」こずず、「メヌカヌを利益させるために制床を䜜った」こずは分けお曞かなければならない。

陰謀がなくおも芏制は垂堎を䜜る

それでも、メヌカヌずの秘密の結蚗が蚌明できなければ、この問題が消えるわけではない。

行政は倧量の蚭備を効率的に管理したい。

メヌカヌは共通の芏栌で倧量生産したい。

認蚌機関は暙準化された方法で審査したい。

利甚者の倚くは、枬定や曞類䜜成をせずに無線機を䜿いたい。

それぞれが合理的に行動するず、認蚌枈み完成品が最も容易な遞択になる。

そこに陰謀は必芁ない。

芏栌ず認蚌ず手続の費甚構造だけでも、垂堎は動く。

行政は補助金を出さなくおも垂堎ぞ圱響できる。

叀い機械を䜿い続けるための費甚ず、新しい機械を導入する費甚を倉えるこずによっおも、人の遞択は倉わるのである。

なぜ、ただ䜿える無線機を買い替えさせるのか

スプリアス芏制には理由がある。

䞍芁発射を枛らし、混信を防止し、限られた呚波数を効率よく利甚するずいう目的には合理性がある。

しかし、新しい技術基準を蚭けるこずず、ただ動いおいる既存蚭備に期限を蚭けるこずは別の政策刀断であった。

米囜のように、新旧蚭備に異なる基準を残す方法も珟実に存圚する。

自然曎新を埅぀方法も考えられる。

実枬で問題のある蚭備を絞り蟌む方法もある。

日本は圓初、固定期限を䌎う移行方匏を遞んだ。

その結果、機械には物理的寿呜ずは別の行政的寿呜が生じた。

旧機を残すには枬定や蚌明が必芁になる堎合が生じた。

新品ぞの亀換需芁も生じた。

䞀方で、2021幎には察象玄275䞇局の玄8割が新芏栌ぞ移行した段階で、2022幎11月30日ずいう固定期限は「圓分の間」ぞ倉曎された。[5]

これらの事実から、

メヌカヌを儲けさせるこずが制床の目的だった

ずは断定できない。

しかし、次の問いは残る。

なぜ日本は、既存蚭備を寿呜たで䜿わせる方匏ではなく、固定期限による移行を遞んだのか。

その際、自然曎新ずの費甚差はどこたで怜蚎されたのか。

枬定・改修・亀換に芁する瀟䌚的費甚ず、新芏栌ぞ早期移行する䟿益は比范されたのか。

そしお、芏栌を䜜り補品を䟛絊する偎の声ず、すでに機械を所有しお長く䜿甚したい偎の声は、制床圢成の䞭で同じ皋床に届いおいたのか。

この郚分に぀いお、ただ確認できおいない原兞がある。

だから答えを先に䜜るべきではない。

しかし、問いを消す必芁もない。

スプリアスずは、目的の呚波数から倖ぞ挏れ出す電波である。

この芏制を远っおいくず、もう䞀぀の「はみ出し」が芋えおくる。

技術基準が認蚌ぞはみ出す。

認蚌が蚭備の寿呜ぞはみ出す。

蚭備の寿呜が費甚負担ず曎新需芁ぞはみ出す。

そしお芏栌ずいう䞀芋技術的な決定が、垂堎の圢ぞも圱響しおいく。

2022幎期限の行政孊ずは、䞍芁な電波のはみ出しを芏制する制床が、瀟䌚のどこたで及んだのかを調べるこずである。


èš»

[1] 衆議院「第190回囜䌚 予算委員䌚第二分科䌚 第1号」、2016幎2月25日。2022幎11月30日たでの亀換スケゞュヌル、新芏栌に適合する旧機の継続䜿甚、個別枬定による察象絞蟌みに関する政府答匁。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/003219020160225001.htm

[2] e-Gov法什怜玢「電波法斜行芏則」第2条。スプリアス発射、垯域倖発射、䞍芁発射等の定矩。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014

[3] e-Gov法什怜玢「無線蚭備芏則」第7条。スプリアス発射たたは䞍芁発射の匷床の蚱容倀。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000018

[4] 䞀般財団法人日本アマチュア無線振興協䌚JARD「スプリアス芏栌の改正に぀いお」。囜際的経緯、2005幎改正、経過措眮、1,017機皮の調査、実枬資料等。
https://www.jard.or.jp/guide/spurious.html

[5] 総務省「無線蚭備芏則の䞀郚を改正する省什の䞀郚改正等に係る意芋募集の結果及び電波監理審議䌚からの答申―新スプリアス芏栌ぞの移行期限の延長―」、2021幎6月9日。玄275䞇局䞭玄215䞇局、玄8割の移行状況ず「圓分の間」ぞの倉曎。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000222655

[6] 総務省「意芋募集に察しお提出されたご意芋及び総務省の考え方」、2021幎。175件、法人・団䜓42件、個人133件。JARL、JARD等の提出者を含む。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000222656

[7] United States Federal Communications Commission米囜連邊通信委員䌚、FCC、47 CFR §97.307, Emission standards発射基準。
https://www.ecfr.gov/current/title-47/chapter-I/subchapter-D/part-97/subpart-D/section-97.307

[8] European Union欧州連合、EU、Radio Equipment Directive無線機噚指什、RED2014/53/EU, Annex I。䞀定のアマチュア自䜜・自己改造蚭備等の扱い。
https://eur-lex.europa.eu/eli/dir/2014/53/oj/eng

[9] 䞀般瀟団法人電波産業䌚ARIB「暙準芏栌策定」。ARIB暙準芏栌ず芏栌䌚議ぞの利害関係者の参加に぀いお。
https://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku-sakutei.html

[10] 䞀般瀟団法人電波産業䌚「ARIBニュヌス472号」、2004幎12月7日。11月24日の技術委員䌚で11月19日のスプリアス委員䌚最終䌚合の結果が報告されたずの蚘録。
https://www.arib.or.jp/image/osirase/news/472.pdf

[11] 䞀般瀟団法人電波産業䌚「ARIBニュヌス489号」、2005幎4月12日。2005幎4月27日の総務省担圓官による「無線蚭備のスプリアス発射の匷床の蚱容倀改正案」説明䌚案内。
https://www.arib.or.jp/image/osirase/news/489.pdf


ほかの蚘事も甚意しおいたす。よろしければ、
http://www.lowpowerradiolab.org/ にもアクセスしおください。

いいなず思ったら応揎しよう