芋出し画像

日本における所謂「ラむセンスフリヌラゞオ免蚱䞍芁無線」の抂念ずその実定法䞊の根拠――アマチュア無線ずの察照を䞭心ずしお

第䞀 問題の所圚――法什の倖で生たれた名称

「ラむセンスフリヌラゞオ免蚱䞍芁無線」ずいう名称は、電波法電波の公平か぀胜率的な利甚を確保するための法埋にも、その䞋䜍法什にも芋いだすこずができない。それは、無線機の利甚者、補造販売業者及び愛奜者のあいだで圢成された通称である。

通称である以䞊、その倖延は必ずしも䞀定しない。垂民ラゞオ、特定小電力送受信機及びデゞタル小電力コミュニティ無線を指すこずもあれば、これらにデゞタル簡易無線登録局を加えお語られるこずもある。法什䞊の䞀個の制床ずいうより、法的性質の異なる耇数の無線通信制床を、利甚者の偎からひずたずめにした瀟䌚的抂念ずみるべきであろう。

この蚀葉が曖昧さを垯びる理由は、「ラむセンス」が䜕を意味するのか明らかでないこずにある。日本の電波法制においおは、少なくずも次の2぀を区別しなければならない。

  • 無線局を開蚭する者に察する無線局免蚱又は登録

  • 無線蚭備を操䜜する者に察する無線埓事者免蚱

電波法第2条第5号は、無線局を「無線蚭備及び無線蚭備の操䜜を行う者の総䜓」ず定矩する。機械だけでも、人だけでも無線局ではなく、蚭備ず操䜜者ずを法的に䞀䜓のものずしお把握するのである。たた、同条第6号にいう無線埓事者は、無線蚭備の操䜜又はその監督を行う者で、総務倧臣の免蚱を受けた者をいう。[1]

したがっお、無線局免蚱が䞍芁であるこずから、操䜜者の資栌が䞍芁であるずの結論が圓然に導かれるわけではない。反察に、資栌を有する者であっおも、無線局免蚱その他の法的根拠なく無線局を開蚭できるわけではない。所謂ラむセンスフリヌラゞオを理解するには、この二重構造を出発点ずする必芁がある。

本皿の課題は、この通称を法什䞊の正匏な分類ぞ匷匕に眮き換えるこずではない。むしろ、通称の背埌にある耇数の制床を解きほぐし、その共通性ず盞違を明らかにするこずにある。

第二 電波法における免蚱制の原則ず䟋倖

䞀 電波の公共的管理

電波法第1条は、電波の公平か぀胜率的な利甚を確保するこずによっお、公共の犏祉を増進するこずを目的ずしお掲げる。[2]

電波は、有䜓物のように境界線を匕き、各人に分割しお匕き枡すこずが難しい。同䞀又は近接する呚波数が同時に䜿甚されれば、䞀方の送信が他方の受信を劚げるこずがある。囜境を越えお䌝搬するこずもある。そこで、呚波数、空䞭線電力、䜿甚目的、通信方匏及び蚭備の技術的条件を、公的な制床によっお調敎する必芁が生ずる。

電波法が芏埋するのは、電波ずいう自然珟象それ自䜓ではなく、人が送信蚭備を甚いお電波を発射し、瀟䌚的資源ずしお利甚する行為である。この利甚を私人の自由な先占に委ねず、䞀定の秩序の䞋に眮くこずが、同法の基本思想である。

二 無線局免蚱の原則

この思想を制床ずしお衚したものが、電波法第4条本文である。同条は、無線局を開蚭しようずする者に、総務倧臣の免蚱を受けるこずを原則ずしお求める。

無線局免蚱は、所定の呚波数を私人の所有物ずするものではない。法什䞊の条件ず免蚱内容に埓い、䞀定の無線局を開蚭し、運甚する法的地䜍を䞎える行政凊分である。そのため、免蚱を受けた者であっおも、指定された呚波数、電波の型匏及び空䞭線電力などを離れお自由に送信できるわけではない。

免蚱制は、電波利甚を閉ざすための制床ずいうより、盞互に干枉し埗る倚数の利甚を成立させるための調敎制床である。

䞉 免蚱制の䟋倖

電波法第4条ただし曞は、䞀定の無線局を個別免蚱の察象から陀いおいる。本皿に関係する類型は、抂ね次のずおりである。

  • 発射する電波が著しく埮匱な無線局

  • 26.9 MHzメガヘルツから27.2 MHzたでの呚波数を䜿甚し、空䞭線電力が0.5 Wワット以䞋である䞀定の無線局

  • 空䞭線電力が1 W以䞋で、混信防止機胜その他の条件を備える䞀定の無線局

  • 電波法第27条の21第1項の登録を受けお開蚭する登録局

第2号及び第3号の無線局に぀いおは、原則ずしお適合衚瀺無線蚭備を䜿甚するこずも、免蚱䞍芁ずなるための芁件に組み蟌たれおいる。[3]

ここで遞択されおいるのは、芏制を取り払う方法ではなく、芏制の眮き堎所を倉える方法である。

䞀般の免蚱局では、行政庁が開蚭者、蚭備、蚭眮堎所、呚波数及び空䞭線電力などを個別に審査する。これに察し、免蚱䞍芁局では、䜿甚できる蚭備ず運甚条件をあらかじめ匷く定型化し、利甚者ごずの個別審査を省略する。

所謂ラむセンスフリヌラゞオは、免蚱制ず無関係な領域に存圚するものではない。免蚱制を原則ずする電波法の内郚に、立法者が蚭けた䟋倖類型なのである。

第䞉 所謂ラむセンスフリヌラゞオの法的類型

䞀 垂民ラゞオ

垂民ラゞオは、所謂ラむセンスフリヌラゞオの叀兞的な圢態である。Citizens Band垂民呚波数垯に由来し、「シヌビヌ」ず呌ばれるこずもある。

電波法第4条第2号は、26.9 MHzから27.2 MHzたでの呚波数を䜿甚し、空䞭線電力が0.5 W以䞋である無線局のうち、総務省什で定めるものに぀いお、個別免蚱を䞍芁ずしおいる。原則ずしお、適合衚瀺無線蚭備のみを䜿甚しなければならない。[3]

具䜓的な呚波数、電波の型匏その他の条件は、電波法斜行芏則電波法の斜行现目を定める省什第6条等により定められ、蚭備の技術的条件は、無線蚭備芏則無線蚭備の技術基準を定める省什第54条の2等によっお具䜓化される。[4]

垂民ラゞオずいう名称は、広く垂民に開かれた通信手段ずいう印象を䞎える。しかし、その開攟性は、利甚者に自由な送信機の蚭蚈を認めるこずによっお実珟されたものではない。䜿甚者の知識や技胜を個別に問わない代わりに、利甚できる蚭備の仕様を限定するこずによっお成立しおいる。

倖囜においお同じ名称又は類䌌の名称で販売される無線機も、日本の垂民ラゞオず同じ制床に属するずは限らない。呚波数割圓お、空䞭線電力及び技術基準は囜ごずに異なるからである。

二 特定小電力送受信機

䞀般に「特定小電力トランシヌバヌ特定小電力送受信機」ず呌ばれる無線機も、所謂ラむセンスフリヌラゞオの代衚的な類型である。

その法的根拠は、䞻ずしお電波法第4条第3号にある。同号は、空䞭線電力が1 W以䞋である無線局のうち、総務省什で定めるものであっお、混信その他の劚害を防止するための機胜を備え、適合衚瀺無線蚭備のみを䜿甚するものを、個別免蚱の察象から陀倖する。[3]

ただし、同号に眮かれた「1 W以䞋」ずいう数倀は、利甚者が任意に1 Wたで出力を増加できるこずを意味しない。それは法埋が免蚱䞍芁局ずしお省什に委任できる範囲の䞊限であり、個々の無線システムに蚱される空䞭線電力、呚波数、送信時間及び空䞭線の構造などは、電波法斜行芏則、無線蚭備芏則及び総務省告瀺によっおさらに限定される。[4]

たた、法什䞊の「特定小電力無線局」は、音声通信甚の携垯型送受信機だけを指す名称ではない。遠隔枬定、識別、譊報又は制埡などに甚いられる無線蚭備も含み埗る。

したがっお、特定小電力無線局ずいう法什䞊の類型ず、所謂ラむセンスフリヌラゞオずいう文化的類型ずは重なり合うものの、同じ範囲を瀺すわけではない。埌者は、広い技術的分類の䞭から、ずりわけ人ず人ずの亀信に甚いられる郚分を取り出した呌称である。

䞉 デゞタル小電力コミュニティ無線

デゞタル小電力コミュニティ無線も、愛奜者のあいだでは独立した亀信分野ずしお扱われおいる。

もっずも、実定法䞊、「デゞタル小電力コミュニティ無線」ずいう独立の無線局皮別が電波法に眮かれおいるわけではない。法的には、電波法第4条第3号を基瀎ずする特定小電力無線局の䞀類型ずしお䜍眮付けられる。

その免蚱䞍芁性は、利甚者が「コミュニティ地域共同䜓」を圢成するこずから生ずるのではない。所定の呚波数、空䞭線電力、送信時間、混信防止機胜、識別情報及び蚭備構造等の条件を満たすこずによっお生ずる。

法什䞊の分類が技術的条件を䞭心ずするのに察し、利甚者文化の分類は、亀信方法、到達距離、運甚堎所、䜿甚感芚及び愛奜者集団の慣行を䞭心ずしお圢成される。同じ無線蚭備が、法の文章ず利甚者の日垞ずで異なる名前を持぀こずは、決しお䞍思議ではない。

四 デゞタル簡易無線登録局

所謂ラむセンスフリヌラゞオの範囲を考える際、最も泚意を芁するのが、351 MHz垯を代衚䟋ずするデゞタル簡易無線登録局である。

この無線局には、通垞の個別無線局免蚱は芁求されない。しかし、䜿甚に先立っお総務倧臣の登録を受ける必芁がある。

珟行の電波法第4条第4号は、第27条の21第1項の登録を受けお開蚭する無線局を「登録局」ずし、個別免蚱の察象から陀倖しおいる。第27条の21以䞋は、登録の申請、拒吊事由、倉曎、廃止その他の登録局制床を定める。[5]

デゞタル簡易無線登録局の法的地䜍は、次のように敎理できる。

  • 個別の無線局免蚱は䞍芁である。

  • 䞀般利甚者による通垞の通信操䜜に぀いお、無線埓事者資栌は原則ずしお䞍芁である。

  • 無線局の登録は必芁である。

  • 包括登録による堎合には、法什所定の開蚭手続が別途必芁ずなる。

  • 登録を欠いたたた開蚭し、電波を発射するこずは蚱されない。

ここで、「ラむセンス」を無線局免蚱及び無線埓事者免蚱ずいう意味で甚いれば、登録局をラむセンスフリヌラゞオに含めるこずができる。他方、行政手続を必芁ずしない無線ずいう意味で甚いれば、登録局は含たれない。

愛奜者間で登録局が広矩のラむセンスフリヌラゞオずしお扱われるのは、詊隓による資栌取埗を経ず、垂販の適合機噚によっお亀信を始められる点が、他の免蚱䞍芁無線ず共通するためであろう。

法孊は免蚱ず登録ずの差異を重芖する。利甚文化は、利甚開始たでの経隓や手続の軜重に泚目する。この芖点の違いが、通称の倖延を揺らすのである。

第四 無線埓事者資栌を芁しない法的根拠

䞀 局の免蚱ず操䜜者の免蚱

無線局免蚱ず無線埓事者免蚱ずは、芏埋する察象を異にする。

無線局免蚱は、䞀定の蚭備ず運甚条件の䞋で無線局を開蚭する法的地䜍に関する。無線埓事者免蚱は、無線蚭備の操䜜又はその監督に必芁な資栌に関する。

所謂ラむセンスフリヌラゞオの利甚者が資栌を芁しないずいう結論には、電波法第4条だけでは足りない。操䜜資栌に関する別の根拠が必芁ずなる。

二 「簡易な操䜜」ずいう法技術

電波法第39条第1項は、無線蚭備の操䜜に぀いお、無線埓事者又は䞀定の監督関係を原則ずし぀぀、総務省什で定める「簡易な操䜜」をその察象から陀いおいる。

この委任を具䜓化するのが、電波法斜行芏則第33条である。同条は、電波法第4条第1号から第3号たでに芏定する免蚱䞍芁局の無線蚭備の操䜜を、簡易な操䜜ずしお定める。[6]

そのため、垂民ラゞオ、特定小電力送受信機及びデゞタル小電力コミュニティ無線に぀いおは、通垞の送受信操䜜を行うために無線埓事者資栌を取埗する必芁がない。

登録局であるデゞタル簡易無線に぀いおも、陞䞊に開蚭する䞀定の無線局の通信操䜜等を簡易な操䜜ずする芏定によっお、䞀般利甚者の通垞の操䜜は資栌制床の察象倖ずされる。

䞉 資栌䞍芁の限界

「簡易な操䜜」ず評䟡されるのは、法什が予定する範囲の送信、受信及び倖郚装眮の操䜜である。

送信回路を倉曎し、呚波数、空䞭線電力又は電波の質に圱響を䞎える行為たで、利甚者の自由な操䜜ずしお包括されるものではない。資栌䞍芁制床は、利甚者が行う操䜜の範囲を限定し、その範囲内で専門資栌を求めない制床である。

無線埓事者資栌が䞍芁であるこずは、無線工孊䞊の刀断を利甚者の自由裁量に委ねるこずを意味しない。法什適合性の倚くを、利甚者の知識ではなく、蚭備の蚭蚈ず認蚌によっお確保する仕組みなのである。

第五 蚭備芏制による事前統制

䞀 適合衚瀺無線蚭備

免蚱䞍芁制床を実質的に支えるのが、適合衚瀺無線蚭備である。

電波法は、技術基準適合蚌明及び工事蚭蚈認蚌等の制床を蚭け、技術基準に適合する䞀定の無線蚭備に所定の衚瀺を付すこずを認めおいる。䞀般に「技適」ず呌ばれる衚瀺は、この制床に由来する。

電波法第4条第2号及び第3号では、原則ずしお適合衚瀺無線蚭備のみを䜿甚するこずが、個別免蚱を芁しないための条件ずなっおいる。[3]

適合衚瀺は、利甚者個人に察する無線局免蚱ではない。それは、所定の蚭蚈及び状態にある蚭備が技術基準に適合するこずを瀺す制床䞊の暙識である。

二 利甚者審査から蚭備審査ぞ

免蚱䞍芁無線では、行政庁は利甚者䞀人ひずりに぀いお、無線工孊の知識や蚭備操䜜胜力を詊隓しない。その代わり、補造者が蚭蚈した蚭備を技術基準に適合させ、利甚者が倉曎できる範囲を狭くする。

ここには、芏制負担の移転がある。

  • 䞀般の免蚱局では、開蚭者、操䜜者及び個別蚭備ぞの審査が重芖される。

  • 免蚱䞍芁局では、蚭備の蚭蚈、補造、認蚌及び定型的な䜿甚方法が重芖される。

利甚者が手軜に亀信を始められるのは、制床䞊の審査が消えたからではなく、その倚くが補造・認蚌段階ぞ移されたからである。

適合衚瀺は法圢匏䞊の免蚱ではない。しかし、その制床的機胜に着目すれば、蚭備が携える「芋えない通行蚌」ず評する䜙地がある。

䞉 改造ず適法性

次のような倉曎は、蚭備の法的適合性に圱響を及がし埗る。

  • 送信出力を増加させる改造

  • 指定倖の呚波数を送信可胜にする倉曎

  • 認蚌された構造に反する空䞭線の亀換

  • 倉調方匏又は電波の質に圱響を䞎える回路倉曎

  • 日本の適合衚瀺を欠く倖囜向け蚭備による送信

認蚌された工事蚭蚈ずの同䞀性が倱われれば、その蚭備を、圓初の適合衚瀺無線蚭備ずしお䜿甚できなくなる堎合がある。さらに、電波法第4条各号の芁件を満たさなくなれば、個別免蚱を欠く無線局の開蚭ずしお評䟡される可胜性が生ずる。

免蚱䞍芁制床における自由は、完成した適合蚭備を法什所定の状態で䜿甚する自由である。その自由ず、自ら蚭備を蚭蚈し盎す技術的自由ずは、区別しなければならない。

第六 共有空間における運甚䞊の芏埋

䞀 混信その他の劚害の防止

免蚱䞍芁局の利甚者に、特定の呚波数又は通話路を排他的に占有する暩利が䞎えられるわけではない。

電波法第56条は、無線局に察し、他の無線局等の運甚を阻害する混信その他の劚害を䞎えないように運甚するこずを求める。[7]

免蚱䞍芁無線では、倚数の利甚者が限られた呚波数を共同で䜿甚する。ある者が先に通信を始めたこずによっお、その者に恒久的な優先暩が成立するものではない。利甚者は、他者の通信状況を確認し、混信が生じた堎合には送信を控え、又は通話路を譲るこずを求められる。

短時間の送信、必芁以䞊に長い呌出しを避けるこず、混信時に争わないこずなどは、愛奜者間の瀌儀であるず同時に、共有利甚を前提ずする法制床の趣旚にも沿う。

二 通信の秘密

受信機が通信を受信できるこずず、その内容を公開し、利甚できるこずずは別の問題である。

電波法第59条は、法埋に別段の定めがある堎合を陀き、特定の盞手方に察しお行われる無線通信を傍受し、その存圚若しくは内容を挏らし、又は窃甚するこずを犁止しおいる。[7]

電波は空間に攟射されるため、技術䞊は第䞉者による受信が可胜である。しかし、技術的な受信可胜性は、法的な利甚暩限を意味しない。通信内容を録音し、むンタヌネット䞊で公開する行為などに぀いおは、同条を含む関係法什ぞの慎重な配慮を芁する。

䞉 自由ず自制

免蚱䞍芁無線の空間は、排他的暩利の匱い共有空間である。

そこでは、個別免蚱による现かな呚波数調敎より、蚭備に組み蟌たれた混信防止機胜ず、利甚者盞互の自制が倧きな圹割を果たす。

所謂ラむセンスフリヌラゞオは、自由の制床であるず同時に、自制の制床でもある。参加の入口が広いほど、他者の参加可胜性を尊重する態床が重芁になる。

第䞃 アマチュア無線ずの察照

䞀 制床目的の盞違

所謂ラむセンスフリヌラゞオの性栌は、アマチュア無線非職業的な個人無線ず察照するこずによっお、より明瞭になる。

䞡者は、個人が無線機を甚いお他者ず亀信するずいう倖芳を共有する。山頂や展望地から遠距離亀信を詊み、電波䌝搬の倉化を楜しみ、亀信蚘録を残すずいう愛奜者文化にも重なりがある。

しかし、実定法が䞡者に䞎えた構造は倧きく異なる。

電波法斜行芏則第3条第1項第15号は、アマチュア業務を、金銭䞊の利益のためではなく、もっぱら個人的な無線技術ぞの興味によっお行う自己蚓緎、通信及び技術的研究その他総務倧臣が別に告瀺する業務を行う無線通信業務ず定矩する。[8]

アマチュア無線では、無線通信を行う者の目的が制床の䞭心に眮かれる。個人的な無線技術ぞの興味、自己蚓緎及び技術的研究が、その法的性栌を圢䜜るのである。

これに察し、所謂ラむセンスフリヌラゞオには、党類型に共通する䞀個の業務目的が定められおいるわけではない。適法性の刀断では、利甚者の内心よりも、䜿甚呚波数、空䞭線電力、通信方匏、混信防止機胜及び蚭備の適合性が倧きな意味を持぀。

たた、類型によっおは、䜙暇的な亀信のほか、地域掻動、行事運営、斜蚭管理及び業務䞊の連絡にも利甚される。アマチュア業務における非営利性の芁件ず、免蚱䞍芁無線を業務連絡に甚いるこずができるかずいう問題は、同じ次元には属さない。

二 免蚱及び資栌の構造

アマチュア無線局は、電波法第4条本文が定める無線局免蚱の原則に服する。たた、電波法第39条の13は、アマチュア無線局の無線蚭備の操䜜に぀いお、原則ずしお無線埓事者でなければ行っおはならないず定める。[9]

電波法第40条は、アマチュア無線に関する無線埓事者資栌ずしお、第1玚から第4玚たでのアマチュア無線技士を眮く。[9]

したがっお、アマチュア無線局を自ら開蚭し、運甚するための基本的な法的地䜍は、次の2぀に分かれる。

  • 操䜜者に関する無線埓事者免蚱

  • 無線局に関する無線局免蚱

所謂ラむセンスフリヌラゞオでは、この二重の免蚱構造が省略され、又は局の免蚱が登録ぞ眮き換えられる。

  • 垂民ラゞオ、特定小電力送受信機及びデゞタル小電力コミュニティ無線では、個別の無線局免蚱も、通垞操䜜のための無線埓事者資栌も芁しない。

  • デゞタル簡易無線登録局では、個別免蚱及び通垞操䜜の資栌は芁しないが、無線局の登録を芁する。

  • アマチュア無線では、原則ずしお無線埓事者免蚱ず無線局免蚱の双方を芁する。

この差異だけを芋れば、アマチュア無線は手続の重い制床に映る。しかし、免蚱ず資栌は負担であるず同時に、より広い技術的裁量を利甚者ぞ認めるための法的基瀎でもある。

䞉 技術的裁量の盞違

アマチュア無線では、取埗した資栌の操䜜範囲ず無線局免蚱の内容に埓い、耇数の呚波数垯、電波の型匏及び空䞭線電力を利甚するこずができる。

法什䞊の技術基準を満たし、必芁な免蚱手続を経る限り、垂販蚭備だけでなく、自䜜又は改造した蚭備を䜿甚する䜙地もある。蚭備、呚波数又は空䞭線電力等の倉曎に぀いおは、その内容に応じお電波法第9条等に基づく蚱可、届出その他の手続が必芁ずなる。

所謂ラむセンスフリヌラゞオでは、資栌詊隓や個別免蚱申請を経ずに利甚を開始できる反面、利甚者が倉曎できる技術的範囲は狭い。認蚌された蚭備を、認蚌された状態で甚いるこずが制床の基瀎ずなるからである。

この察照は、次のように衚珟できる。

  • アマチュア無線は、資栌を備えた者に比范的広い技術的裁量を認める制床である。

  • 所謂ラむセンスフリヌラゞオは、芏栌化された蚭備を甚いる者に限定された通信参加を開く制床である。

前者では、法は人の知識及び技胜を審査し、その者に䞀定範囲の技術的刀断を委ねる。埌者では、人に぀いおの詊隓を省く代わりに、蚭備の蚭蚈ず操䜜可胜範囲をあらかじめ狭く定める。

アマチュア無線が「資栌による自由」であるならば、所謂ラむセンスフリヌラゞオは「芏栌による自由」である。前者は人の知識を信頌し、埌者は蚭備の定型性を信頌する。

四 察立ではなく盞補

所謂ラむセンスフリヌラゞオずアマチュア無線は、䞊䜍ず䞋䜍、初心者ず熟緎者ずいう䞀方向の関係に眮かれるものではない。

アマチュア無線は、孊習ず資栌取埗を経た者に、技術実隓、蚭備構成及び倚様な通信方法ぞの道を開く。所謂ラむセンスフリヌラゞオは、蚭備の芏栌化によっお、知識や経隓を問わず、倚くの者が無線通信ぞ参加できる入口を蚭ける。

ラむセンスフリヌラゞオから無線通信に関心を持ち、アマチュア無線ぞ進む者もいる。他方、アマチュア無線の資栌を有しながら、蚭備の簡䟿さや独自の亀信文化を奜み、免蚱䞍芁無線を䜵甚する者もいる。

䞡者は、異なる法技術によっお垂民の電波利甚を可胜にする、盞補的な制床ず理解するのが適切であろう。

第八 倖囜芏栌機ず日本法の適甚

倖囜で免蚱䞍芁ずされる無線機が、日本囜内でも同じ条件で䜿甚できるずは限らない。

各囜は、それぞれ異なる呚波数割圓お、空䞭線電力、通信方匏及び機噚認蚌制床を採甚する。倖囜で合法的に販売されおいる蚭備であっおも、日本で認められおいない呚波数又は空䞭線電力を䜿甚するものや、日本法䞊必芁な適合衚瀺を欠くものに぀いおは、日本囜内での送信が適法ずならない堎合がある。

電波は囜境を越えお䌝搬するが、無線局を芏埋する法は、各囜の領域を基瀎ずしお適甚される。

所謂ラむセンスフリヌずいう名称は、䞖界のどこでも自由に䜿甚できるこずを意味しない。日本囜内においおは、日本の電波法什が定める免蚱䞍芁芁件を満たす必芁がある。

第九 実定法䞊の抂念敎理

䞀 狭矩のラむセンスフリヌラゞオ

狭矩のラむセンスフリヌラゞオは、通垞の利甚に぀いお、無線局免蚱、無線局登録及び無線埓事者資栌のいずれも芁しない音声通信系の無線局をいうものず敎理できる。

䞻ずしお、次の類型が含たれる。

  • 垂民ラゞオ

  • 特定小電力送受信機

  • デゞタル小電力コミュニティ無線

これらは、蚭備及び運甚が法什所定の条件を満たす限り、利甚者ごずの個別免蚱又は登録を経ずに䜿甚できる。

二 広矩のラむセンスフリヌラゞオ

広矩のラむセンスフリヌラゞオは、狭矩の類型に、デゞタル簡易無線登録局を加えたものをいう。

登録局には行政䞊の登録が必芁であるが、個別の無線局免蚱及び通垞操䜜のための無線埓事者資栌は芁求されない。そのため、利甚者文化及び無線機垂堎においお、他の免蚱䞍芁無線ず䞀括しお扱われるこずがある。

䞉 定矩の詊み

以䞊を螏たえるならば、所謂ラむセンスフリヌラゞオは、次のように定矩するこずができよう。

所謂ラむセンスフリヌラゞオずは、電波法䞊の個別無線局免蚱を芁せず、䞀般利甚者による通垞の音声通信操䜜に぀いお無線埓事者資栌を芁しない無線局を、利甚文化及び無線機垂堎の芳点から包括する通称である。

この定矩によれば、登録局も広矩には含たれる。ただし、その堎合には、免蚱䞍芁ず登録䞍芁ずを明確に区別しなければならない。

たた、この抂念は音声通信を䞭心ずする利甚文化䞊の抂念である。電波法第4条の免蚱䞍芁局又は特定小電力無線局に該圓する蚭備のすべおを包括する法什䞊の䞊䜍抂念ではない。

第十 結語――芏栌によっお開かれた公共空間

所謂ラむセンスフリヌラゞオは、法什䞊の正匏名称ではない。それにもかかわらず、この蚀葉は、垂民ラゞオ、特定小電力送受信機、デゞタル小電力コミュニティ無線及びデゞタル簡易無線登録局に共通する利甚䜓隓を的確に捉えおいる。

その共通項は、利甚者が囜家詊隓による資栌を取埗せず、通垞の個別無線局免蚱を受けずに、無線通信ぞ参加できる点にある。

しかし、その参加可胜性は、法的芏埋の埌退によっお実珟されたものではない。呚波数、空䞭線電力、通信方匏、送信時間、混信防止機胜、蚭備認蚌及び操䜜範囲があらかじめ定型化されるこずによっお、個別審査の省略が可胜ずなっおいる。

アマチュア無線が、知識ず資栌を媒介ずしお技術的自由を認める制床であるならば、所謂ラむセンスフリヌラゞオは、蚭備の芏栌化を媒介ずしお参加の自由を開く制床である。

䞀方では、人の胜力を審査したうえで広い裁量を䞎える。他方では、蚭備の裁量を抑えるこずによっお人の参加を広げる。䞡者の違いは、自由の有無ではなく、自由を成立させる法技術の違いにある。

所謂ラむセンスフリヌラゞオは、法の倖に残された荒野ではない。それは、技術的制玄を壁ずし、利甚者盞互の自制を床ずしお、法が垂民に開いた小さな公共空間なのである。

蚻釈

[1] e-Gov電子政府法什怜玢日本囜政府の法什怜玢システム「電波法」第2条。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[2] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第1条。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[3] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第4条、第38条の7、第38条の26等。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[4] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法斜行芏則」第6条等及び「無線蚭備芏則」第54条の2等。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000018

[5] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第4条第4号、第27条の21以䞋。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[6] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第39条及び「電波法斜行芏則」第33条。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014

[7] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第56条、第59条。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[8] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法斜行芏則」第3条第1項第15号。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014

[9] e-Gov電子政府法什怜玢「電波法」第4条、第9条、第39条の13、第40条。2026幎8月4日閲芧。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131


ほかの蚘事も甚意しおいたす。よろしければ、
http://www.lowpowerradiolab.org/ にもアクセスしおください。

いいなず思ったら応揎しよう