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独特な日本のCB無線制度


本稿は海外向け紹介記事「The Unique CB Radio System in Japan」を日本語に翻訳したものである。


はじめに

市民無線(Citizen’s Band, 以下CB無線)は、一般市民に対して免許や特別な資格を必要とせずに利用できる無線通信手段です。
アメリカでは自由度の高い制度として普及しましたが、日本では電波法に基づく厳格な規制のもとで発展しました。その結果、「規制と自由」の二重構造を特徴とする、きわめて日本的なCB無線制度が形作られました。

本記事では、日本のCB無線制度について、

  1. 法的根拠

  2. 技術的仕様

  3. 沿革
    の3つの観点から整理してみます。


1. 序論

法的根拠

日本のCB無線制度は、電波法(昭和25年法律第131号)第四条第二号に基づいています。ここでは、26.9〜27.2MHz帯を使用し、空中線電力が0.5W以下の無線局が対象とされました。

さらに郵政省告示(昭和50年告示第754号)により、使用周波数は以下の8波に限定されています。

  • 26.968MHz

  • 26.976MHz

  • 27.040MHz

  • 27.080MHz

  • 27.088MHz

  • 27.112MHz

  • 27.120MHz

  • 27.144MHz

日本の市民ラジオとFCC規格のチャンネル比較

通信方式は単信方式、電波型式はA3E(振幅変調、音声通信)と定められました。
また、海上での利用については0.1W以下とする特例もあり、厳格な運用枠組みが整備されていたことが分かります。


技術的仕様

無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)第五十四条の二では、CB無線機の構造について細かな制限が課されました。

  • 水晶発振方式の採用

  • 筐体は一体型で容易に開けられないこと

  • アンテナはホイップ型で2m以内

  • 外部給電線や接地装置の禁止

これらは、安全性と秩序ある利用を確保するための規定でした。アメリカのように外部アンテナや複数チャンネルを自由に使える制度と比べると、日本の制度がいかに制限的であったかがよく分かります。


沿革

制度の成立

1961年、日本では「簡易無線局」としてCB無線制度が始まりました。当初は免許を必要としましたが、検定済機器の利用に限り無線従事者資格は不要とされたことから、市民が利用しやすい通信手段となりました。

登山、工事現場、イベント会場などで実用的に使われ、1965年には日本山岳協会が遭難救助のため「沈黙時間」を提唱するなど、社会的にも注目されました。

問題の顕在化と改正

1970年代後半になると、不法機器の流入や混信の増加が深刻化しました。これを受け、1983年の法改正によりCB無線は免許不要局となり、以後は「技術基準適合証明(いわゆる技適マーク)」により機器の適法性が担保される仕組みとなりました。

1990年代以降の変化

1990年代以降は、特定小電力無線やデジタル簡易無線が普及し、業務用途ではそちらが主役となりました。他方でCB無線は次第に「ライセンスフリーラジオ」と呼ばれ、趣味的・愛好家的な文化として残る道を歩むことになります。


まとめ

日本のCB無線制度は、

  • 免許不要の自由

  • 厳格な技術規制
    という二重の性格を併せ持つことで、世界的にも独特な制度となりました。

その歴史をたどると、単なる趣味の通信手段ではなく、災害対策や地域コミュニティ形成にも寄与する潜在力を備えていたことが見えてきます。

今日、CB無線は規模こそ縮小しましたが、その制度設計の思想は特定小電力無線やデジタル簡易無線へと受け継がれています。日本の通信文化を理解するうえで、CB無線は見過ごすことのできない存在であるといえるでしょう。


脚注


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ほかの記事も用意しています。よろしければ、http://www.lowpowerradiolab.org/ にもアクセスしてください。







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