電波法第4条但し書きの存在意義
一語の「ただし」が開いた領域
電波法第4条は、無線局を開設しようとする者について総務大臣の免許を原則とし、その直後に「ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない」と置く。[1]
法律の文章として見れば、本文が原則、但し書きが例外である。
しかし、電波法の成立から今日までの発展を眺めると、この但し書きを小さな例外規定として扱うだけでは、その制度的役割を十分に説明できない。
今日の社会には、個々の利用者が無線局免許を申請することなく使用できる無線設備が広く存在する。その法的な入口の一つが、第4条但し書きである。
なぜ電波法は免許を原則としながら、その原則をあらゆる無線利用に同じ強度で適用しなかったのか。
この問いを追うと、免許という行政作用、行政コスト、規制緩和と規制強化、省令への委任、無線設備規則、基準認証制度、さらに諸外国のShort Range Device(短距離無線機器。以下「SRD」という。)へと議論がつながっていく。
第4条但し書きは、それらを結ぶ接点として読むことができる。
免許とは何をしているのか
行政法学では、法令によって一般的に禁止された行為について、その禁止を個別に解除する行政行為を「許可」と説明することがある。
電波法は「免許」という名称を使用するが、無線局を自由に開設できないことを出発点として行政庁の判断によって開設を認めるという意味で、無線局免許には許可的な性格がある。
もっとも、電波法上の免許には電波固有の性格も加わる。
電波は、同じ場所、同じ時間、同じ周波数を無制限に使用できる資源ではない。ある無線局による電波の発射が、他の無線局の通信を妨げることがある。
そのため無線局免許では、周波数、空中線電力、設置場所その他の条件が重要になる。電波法は免許状の記載事項を定め、個々の無線局を電波利用秩序の中へ位置付ける仕組みを採っている。[1]
したがって無線局免許は、開設を認める行政行為であると同時に、有限な電波資源について利用関係を調整する手段でもある。
ここでは、
申請者
↓
行政庁による個別審査
↓
免許
↓
開設・運用
という関係が基本になる。
免許行政には行政コストがある
個別免許には明確な利点がある。
行政庁が一局ごとに申請内容を確認し、周波数その他の条件を審査できるからである。
その一方で、一局ずつ行政庁が審査する以上、行政コストが発生する。
行政庁側には、申請受付、審査、免許、変更、再免許、記録管理などの事務が生じる。申請者側にも、制度の確認、申請書類の作成、申請、待機、必要な費用その他の手続負担が生じる。
規制によって防止しようとする危険が大きければ、それだけのコストを投入する合理性がある。
ところが、極めて弱い電波しか発射しない無線局や、技術条件によって混信リスクを十分に限定できる無線局まで、常に同じ密度の個別審査を行う必要があるかという問題が生じる。
ここで希少なのは電波だけではない。
行政庁が個別案件の審査へ投入できる人員と時間も有限である。
その意味で、どこまで個別免許を要求するかという問題は、行政資源をどこへ投入するかという問題でもある。
制定時から免許不要の無線局は存在した
第4条但し書きを近年の規制緩和によって生まれた制度と見ることはできない。
1950年5月2日に公布された制定時の電波法第4条にも、すでに「発射する電波が著しく微弱な無線局」で規則に定めるものについて、免許を必要としない仕組みが置かれていた。[2]
つまり電波法は成立時から、
個別免許によって管理する領域
と、
個別免許まで要求しない領域
を併存させていた。
これは重要である。
1950年の立法段階で、電波を発射する設備のすべてについて等しい強度の事前行政を行うという制度は採用されなかったのである。
第4条但し書きは規制の重心を動かす
現在の第4条は、発射する電波が著しく微弱な無線局のほか、一定の周波数、空中線電力、適合表示無線設備、混信防止機能などの条件を備える無線局、さらに登録を受けて開設する無線局を免許原則から外している。[1]
利用者から見れば、これは規制緩和である。
個別免許を取得する必要がなくなるからである。
しかし、行政が規律を放棄するわけではない。
個々の開設者について事前審査を行わない代わりに、
周波数、
空中線電力、
電波の強さ、
混信防止機能、
設備の技術的性能、
認証の有無、
といった客観的条件の重要性が高まる。
そこで起きる変化は、
開設者に対する一局ごとの審査から、設備と干渉リスクを中心とする一般的規制への重心移動
と捉えることができる。
これは条文そのものに書かれた言葉ではなく、本稿における制度的評価である。
免許不要は電波法の外へ出ることを意味しない
第4条但し書きの対象も、法律上は「無線局」である。
そのうえで、第4条本文による個別免許を要求しないという処理をする。
したがって、免許不要化によって無線局が電波法上の規制対象でなくなるわけではない。
この点は第82条を見るとさらに明瞭である。
同条は第4条第1号から第3号までの無線局を「免許等を要しない無線局」と明示し、その無線設備から発射される電波が他の無線設備の機能へ継続的かつ重大な障害を与える場合について、総務大臣による監督の仕組みを置いている。[3]
つまり、免許がないことと、法的監督がないこととは同義ではない。
第4条但し書きは、無線局を法体系の中に残しながら、適用する行政手法の強度を変える仕組みなのである。
免許不要無線局の「カタログ」を省令へ委ねる
第4条但し書きの特徴は、具体的な免許不要無線局を法律本文だけで完結させていないことにもある。
たとえば第4条第1号は、「発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの」とする。
これを受け、電波法施行規則第6条は「法第四条第一号に規定する発射する電波が著しく微弱な無線局」を具体的に定めている。[4]
ここでは、
法律が免許不要化の基本的な枠を作り、省令がその枠の内部を技術的に具体化する
という役割分担がある。
本稿でいう「カタログ」とは、この省令上の具体的類型を説明するための比喩であり、法令上の用語ではない。
この仕組みには理由がある。
周波数利用や無線技術の条件は変化する。すべての具体的技術条件を法律本文へ固定すれば、技術的なカテゴリーを変更するたびに法律改正が必要になる。
そこで法律によって基本的な限界を置き、その範囲内で専門行政が省令によって具体化する。
言い換えれば、
免許原則を法律上安定させながら、その適用範囲には技術変化へ対応できる可変性を持たせた
のである。
施行規則はカタログ、無線設備規則はスペック
さらに重要なのが、無線設備規則との連結である。
日本の免許不要制度は、おおむね次のような法令構造を形成している。
電波法第4条但し書きが、免許不要化の法的な入口を置く。
電波法施行規則が、免許不要無線局を具体的に類型化する。
無線設備規則が、それらの無線設備に必要な技術条件を定める。
技術基準適合証明、工事設計認証等が、その技術基準への適合性を確認する。
無線設備規則には、第49条の14「特定小電力無線局の無線設備」、第49条の20「小電力データ通信システムの無線局の無線設備」など、無線システム別の技術規定が置かれている。[5]
比喩的に表現すれば、
施行規則がカタログを作り、無線設備規則がスペックを定める。
そして、その設備が要求されたスペックに適合することを確認する制度が基準認証制度である。
個別免許から設計段階の規制へ
ここに規制方法の大きな変化が現れる。
個別免許では、
利用者 → 申請 → 個別審査 → 免許 → 使用
という構造になる。
基準認証と結び付いた免許不要制度では、
技術基準 → 設計・製造 → 適合性確認 → 表示・流通 → 使用
という構造になる。
規制が利用者のところで始まるのではなく、製品の設計・製造段階から作用する。
電波法第38条の2の2以下は、一定の無線設備について技術基準適合証明等の仕組みを設けており、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則がその手続等を具体化している。[6]
法社会学的には、この変化を、
「人を一人ずつ審査する行政」から「大量に利用される設備の設計をあらかじめ規律する行政」への移動
として捉えることができる。
規制緩和と規制強化は同時に成立する
この構造を見ると、「規制緩和」という言葉だけでは制度変化を十分に捉えられない理由が分かる。
利用者については個別免許が不要になる。
これは規制緩和である。
その一方で、設備については技術基準への適合が重要になり、製造、認証、表示などが制度化される。
したがって、
利用者に対する規制緩和
と、
設備に対する技術規制の強化または精密化
は同時に成立し得る。
ここで変化するのは規制の有無より、規制を社会のどの地点へ置くかである。
行政コストも消えずに移動する
同じことは行政コストにも当てはまる。
免許不要化によって、一局ごとの申請・審査のコストは減少する。
その一方で、
技術基準を策定するコスト、
認証制度を維持するコスト、
違反設備を監督するコスト、
混信問題へ対応するコスト、
などが必要になる。
民間側でも、利用者の申請負担が軽くなる一方、製造者等には試験、認証、品質管理などの負担が生じる。
したがって第4条但し書きは、行政コストを消去する装置というより、
大量の個別審査に要するコストを、一般的な技術規制と製品段階の適合性管理へ再配分する装置
として評価できる。
1982年改正が示したもの
この制度思想を考えるうえで重要なのが、市民ラジオ無線局の免許不要化である。
1982年6月1日に公布された電波法の一部を改正する法律(昭和57年法律第59号)は、第4条但し書きを改め、26.9 MHzから27.2 MHzまで、空中線電力0.5 W以下等の条件を備え、技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用する市民ラジオ無線局を免許不要とした。[7]
なお、この第4条改正部分の施行日は1983年1月1日である。[7]
したがって、本稿では「1982年の免許不要化」と略記せず、**「1982年改正(1983年1月1日施行)」**とする。
当時の国会審議でも、免許申請者の増加を背景として行政事務の簡素合理化を図ること、周波数・電力の限定と技術基準適合証明によって電波秩序を維持することが説明されている。[8]
ここで選択されたのは、安全性を犠牲にした行政簡素化ではない。
個別免許によらず秩序を維持できる技術条件を形成したうえで、免許手続を外す
という方法であった。
国民の利便性に何をもたらしたか
第4条但し書きが国民の利便性に寄与したかという問いには、肯定的に答えてよい。
ただし、その成果を第4条だけへ帰属させることは適切ではない。
第4条但し書き、電波法施行規則、無線設備規則、基準認証制度、周波数管理その他の制度が一体となった結果である。
その利便性の核心は、
利用者が行政庁との個別手続を経なくても、一定の条件下で適法な無線利用へ参加できる
ことにある。
利用者から行政が消えたのではない。
行政規制が、製品設計、技術基準、認証、表示など、利用者から見えにくい場所へ移ったのである。
法社会学的に表現するなら、
第4条但し書きは、電波行政を国民の日常生活の前面から退かせることに寄与した
といえる。
諸外国ではSRDというカテゴリーが用いられる
ここで諸外国へ目を向ける。
European Union(欧州連合)では、Commission Decision 2006/771/EC on harmonisation of the radio spectrum for use by short-range devices(短距離無線機器用無線周波数の調和に関する欧州委員会決定2006/771/EC)によってSRDの周波数利用条件の調和が進められている。[9]
2025年1月23日時点の統合版も公式のEUR-Lexで確認できる。そこではnon-interference and non-protected basis(非干渉・非保護方式)という考え方が明示されている。[9]
ここでいう非干渉・非保護方式とは、有害な混信を与えないことを要求するとともに、一定の周波数利用について個別的な保護を保障しない利用形態を意味する。
これは、多数の低出力機器による周波数共用を成立させる重要な考え方である。
日本を「非干渉・非保護原則」と呼ぶことには慎重であるべきである
日本にも、他の無線局へ混信その他の妨害を与えないことを求める規律は明確に存在する。
第4条第3号自体が、他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないよう運用できることを条件としている。[1]
また、第82条は免許等を要しない無線局についても妨害が発生した場合の行政監督を予定している。[3]
しかし、第4条但し書きの免許不要無線局すべてについて「混信から法的保護を受けない」とする一般原則は、確認した日本法の条文には見当たらない。
したがって、日本の制度を欧州と同じ意味で「非干渉・非保護原則」と表現することは避ける。
日本については、
混信防止を前提とした共用型利用
あるいは、
排他的な周波数利用を保障しない場合を含む、技術条件に基づく共用
と説明する方が慎重である。
英国ではSRDと免許免除が結び付く
Office of Communications(英国通信庁)は、SRDを一般に短距離・低出力で運用される無線設備のカテゴリーとして説明し、その多くをlicence-exempt basis(免許免除方式)で利用可能としている。[10]
英国でも、周波数を共用し、有害な混信を生じさせないことを前提とする制度設計が採られている。
ここでも、低い干渉リスクを一般的技術条件によって管理し、一件ごとの免許を不要とする考え方を見ることができる。
オーストラリアではクラスライセンスを用いる
Australian Communications and Media Authority(オーストラリア通信メディア庁。ACMA)は、Low Interference Potential Devices(低干渉可能性機器。LIPD)について、Radiocommunications (Low Interference Potential Devices) Class Licence 2025(2025年低干渉可能性機器クラスライセンス)を運用している。[11]
ACMAの公式説明によれば、LIPDクラスライセンスでは共用周波数上で一定の短距離無線機器を使用でき、利用者が個別に申請したり料金を支払ったりする必要はない。その一方で、機器の種類、周波数、出力、使用場所、技術基準などの条件に従う必要があり、クラスライセンスによる利用について混信からの保護を受けることはできない。[11]
2025年のLIPDクラスライセンスそのものもAustralian Federal Register of Legislation(オーストラリア連邦法令登録簿)で確認できる。[12]
米国ではPart 15型の技術規則がある
米国では、European Union(欧州連合)のSRDと同じ名称を中心に制度が構成されているわけではない。
Federal Communications Commission(米国連邦通信委員会)の47 CFR Part 15(連邦規則集第47編第15部)が、低出力無線機器等について重要な役割を果たしている。
現行の47 CFR §15.5は、Part 15機器について、有害な混信を生じさせないこと、認可された無線局等から受ける干渉を受忍することを運用条件としている。[13]
なお、Electronic Code of Federal Regulations(電子連邦規則集。eCFR)は米国政府による継続更新版であり、同サイト自身が「authoritative but unofficial(権威あるが非公式)」と明記している。この点は原典の性格として留意する必要がある。[13]
SRDと日本の特定小電力無線局を同義にしない
比較に際して重要なのは、
SRD=日本の特定小電力無線局
と理解しないことである。
諸外国でSRDとして扱われ得る技術的領域を、日本法では、
微弱無線局、
特定小電力無線局、
小電力データ通信システムの無線局、
その他の免許不要無線局、
など複数の国内法上のカテゴリーへ分けている。
したがって、
諸外国がSRDという比較的広い技術的カテゴリーとして把握する領域を、日本法は第4条但し書き以下の複数の法的カテゴリーへ分解して収容している
と捉える方が適切である。
なぜ日本はクラスライセンス制度を採らなかったのか
ここでは事実と推論を分けなければならない。
今回確認した公式資料の範囲では、日本政府がclass licence(クラスライセンス)制度を正式に比較検討したうえで、「第4条但し書きが存在するため採用しない」と判断したことを直接示す原典は確認できなかった。
したがって、「日本がクラスライセンスを採用しなかった理由」を史実として断定することはしない。
確認できるのは、日本には1950年から第4条但し書きによる免許不要制度が存在し、その後、施行規則、無線設備規則、基準認証制度等を組み合わせる方法によって、低リスクな無線利用について個別免許を不要にする仕組みが発達したという事実である。
そこから制度論として、
既存の仕組みによってクラスライセンスと近似する政策効果を実現できたため、独立したクラスライセンス制度を導入する必要性が相対的に小さかった可能性がある
と推測することはできる。
しかし、これは本稿の比較法的推論であって、日本政府の公式な不採用理由ではない。
日本方式の特色は設備基準の一般化にある
その留保を置いたうえで制度を比較すると、日本方式の特色が見えてくる。
オーストラリアのクラスライセンスは、
一定カテゴリーの無線利用
↓
一般的なクラスライセンス
↓
条件を満たす者は個別申請なしで利用
という構造を採る。
日本では、
第4条但し書き
↓
施行規則による免許不要カテゴリー
↓
無線設備規則による技術条件
↓
基準認証
↓
一定の場合に個別免許なしで利用
という形になる。
したがって比較法上、
日本方式の特色は「ライセンスの一般化」より「設備基準の一般化」にある
と評価することができる。
これも本稿の分析命題であり、政府資料の公式な表現ではない。
省令への委任は国会と専門行政の関係も変える
第4条但し書きから施行規則、無線設備規則へ至る構造には、もう一つの意味がある。
規制内容を形成する場所が変わることである。
国会が制定する法律は、免許原則と免許不要化の基本的な限界を置く。
総務省令は、技術的カテゴリーや具体的条件を定める。
必要に応じて告示等がさらに詳細を定める。
この仕組みによって、技術変化へ比較的速く対応することが可能になる。
その一方で、どの事項まで専門行政へ委ねることが許されるのか、法律自身はどこまで基本的基準を示すべきかという委任立法の問題が生じる。
第4条但し書きは、電波工学だけの問題ではない。
技術変化への機動性と、法律による行政統制をどのように両立させるかという行政法上の問題を内包している。
例外が原則を持続可能にする
第4条但し書きをここまで見てくると、一つの逆説が現れる。
但し書きは本文の例外である。
しかし、社会に存在する膨大な低出力無線設備まで一局ずつ免許する制度を維持しようとすれば、免許原則そのものが過大な行政コストを抱える。
そこで、
低リスクな領域では免許を外す。
技術条件を一般化する。
必要な設備には認証を要求する。
登録で足りる領域には登録制度を使う。
個別的な周波数調整を必要とする領域には免許を残す。
こうして規制強度を段階化することで、個別免許を本当に必要とする領域へ行政資源を集中することができる。
例外が存在することによって、原則を必要な領域で維持できる。
ここに第4条但し書きの重要な存在意義がある。
おわりに――「ただし」が支えた日常
電波法第4条本文には、無線局免許という電波秩序の原則が置かれている。
その直後の但し書きには、その原則を技術と社会の変化へ適応させる仕組みが置かれている。
第4条但し書きは、利用者について個別免許を外すことを可能にした。
その一方で、施行規則、無線設備規則、基準認証制度へ規制の作用点を移した。
行政コストは消滅せず、その所在を変えた。
規制緩和と技術規制は併存した。
国民の前から個別行政手続が後退する一方で、技術基準は製品の設計や流通過程へ入り込んだ。
諸外国もSRD、免許免除、クラスライセンス、技術規則という異なる法形式を用いながら、同じ問題に向き合っている。
その比較の中で日本の制度を見るなら、第4条但し書きの存在意義は次のように表現できるだろう。
電波法第4条但し書きは、免許制の例外を置くとともに、無線局に対する規制の重心を、個別免許から一般的な技術基準、基準認証、登録その他の規制手法へ移動させる法的な接点となった。
そして、その小さな「ただし」があったからこそ、免許原則は技術の変化に耐えながら今日まで存続してきたのである。
註釈
[1] 電波法(昭和25年法律第131号)第4条ほか。e-Gov法令検索。2026年8月28日に現行ページの実在を確認。
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131
[2] 制定時電波法(法律第131号、1950年5月2日)第4条。制定時から発射する電波が著しく微弱な無線局について免許例外が存在する。衆議院制定法律情報。
URL:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/00719500502131.htm
[3] 電波法第82条「免許等を要しない無線局及び受信設備に対する監督」。
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131
[4] 電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)第6条「免許を要しない無線局」。
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014
[5] 無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)。第49条の14「特定小電力無線局の無線設備」、第49条の20「小電力データ通信システムの無線局の無線設備」等。
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000018
[6] 電波法第38条の2の2以下及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則。
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/356M50001000037
[7] 電波法の一部を改正する法律(昭和57年法律第59号)、1982年6月1日公布。市民ラジオに関する第4条改正部分は1983年1月1日施行。
URL:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/09619820601059.htm
[8] 第96回国会衆議院逓信委員会及び本会議における電波法改正審議。行政事務の簡素合理化と、技術基準適合性の確保による秩序維持について政府説明がある。
URL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=109604816X00619820407
URL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=109604816X00719820414
[9] European Union(欧州連合), Commission Decision 2006/771/EC on harmonisation of the radio spectrum for use by short-range devices(短距離無線機器用無線周波数の調和に関する欧州委員会決定2006/771/EC)、2025年1月23日時点の統合版。
URL:https://eur-lex.europa.eu/eli/dec/2006/771(2)/2025-01-23
[10] Office of Communications(英国通信庁), “Short-range devices”及びUK Interface Requirement 2030(英国インターフェース要件2030)。
URL:https://www.ofcom.org.uk/spectrum/radio-equipment/short-range-devices
URL:https://www.ofcom.org.uk/siteassets/resources/documents/spectrum/interface-requirements/ir-2030.pdf
[11] Australian Communications and Media Authority(オーストラリア通信メディア庁), “Low interference potential devices (LIPD) class licence”。個別申請・料金が不要であること、共用周波数、干渉保護がないこと、技術基準遵守等を公式に説明する。
URL:https://www.acma.gov.au/licences/low-interference-potential-devices-lipd-class-licence
[12] Radiocommunications (Low Interference Potential Devices) Class Licence 2025(2025年低干渉可能性機器クラスライセンス)。Australian Federal Register of Legislation(オーストラリア連邦法令登録簿)。
URL:https://www.legislation.gov.au/F2025L01047/asmade/text
[13] 47 CFR §15.5 “General conditions of operation”。Electronic Code of Federal Regulations(電子連邦規則集。eCFR)。eCFRは政府運営の継続更新版だが、同サイトは「authoritative but unofficial」と表示している。
URL:https://www.ecfr.gov/current/title-47/chapter-I/subchapter-A/part-15/subpart-A/section-15.5
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