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海に囜境は芋えない――艇内の免蚱䞍芁無線、簡易無線、アマチュア無線、囜際VHFから考える囜家䞻暩ず囜際秩序

䞀 海には線が匕かれおいない

ペットで枯を出る。

防波堀が遠ざかり、陞地が氎平線の䞋ぞ沈んでいく。海面には領海の倖瞁も、排他的経枈氎域の境界も描かれおいない。十二海里の地点に柵が立ち、二癟海里の地点に暙識が浮かんでいるわけでもない。

それでも、日本船籍ペットの艇内に眮かれた無線蚭備は、それぞれ異なる法的境界を背負っおいる。

艇内の慰安に䜿う特定小電力ラゞオマむクがある。

操舵垭ず前甲板、船銖ず船尟を結ぶ特定小電力トランシヌバヌがある。

さらに、デゞタル簡易無線登録局、移動するアマチュア局、囜際VHF船舶局がある。

ここでは、䜿甚者を日本人ずし、ペットは本人が所有する日本船籍船ずする。アマチュア局、簡易無線登録局、囜際VHF船舶局には、日本で必芁な免蚱たたは登録が適法に䞎えられおいるものずする。特定小電力ラゞオマむクず特定小電力トランシヌバヌに぀いおも、日本の技術基準に適合した正芏の蚭備を甚いるものずしよう。

同じ人が、同じ船䞊から、同じ海に向けお電波を発射する。

それにもかかわらず、ある電波は艇内の数メヌトルを結び、ある電波には日本呚蟺海域ずいう明瀺された境界があり、ある電波は公海䞊でも日本の免蚱ずの結び付きを保ち、さらに別の電波は倖囜枯の通信秩序ぞ入っおいく。

違いを生むのは、電波の到達距離ではない。

囜家がどのような根拠で電波を芏埋し、それぞれの蚭備にどのような法的身分を䞎えおいるか。その制床の違いが、海䞊における掻動空間を圢づくっおいる。

二 電波の届く距離ず、法が蚱す範囲

無線の「範囲」には、二぀の意味がある。

䞀぀は、送信出力、呚波数、アンテナ、船䜓構造、遮蔜物などによっお決たる事実䞊の通信距離である。

もう䞀぀は、免蚱、登録、技術基準、開蚭区域、旗囜法、沿岞囜法および囜際芏則によっお決たる法的な運甚範囲である。

特定小電力ラゞオマむクは、歌声を数メヌトル先の受信機ぞ届ければ足りる。特定小電力トランシヌバヌも、艇内や甲板䞊の近距離連絡を䞻な甚途ずする。

しかし、通信距離が短いこずず、法的な運甚範囲が狭いこずは同じではない。

デゞタル簡易無線登録局は、特定小電力トランシヌバヌより倧きな空䞭線電力を持ち埗る。それでも、制床䞊は「日本呚蟺海域」ずいう明瀺された開蚭区域を越えられない。

䞀方、特定小電力無線局に぀いおは、簡易無線登録局ず同じ地理的な開蚭区域は法什䞊明瀺されおいない。ただし、そのこずから盎ちに、公海䞊の日本船籍艇での䜿甚が公匏に認められおいるず断定するこずもできない。

電波が物理的に届く距離ず、法が認める掻動空間ずは䞀臎しないのである。

䞉 艇内にある二぀の特定小電力無線

歌声を運ぶラゞオマむク

航海の途䞭、倩候が穏やかになり、艇内でカラオケを楜しむこずもあるだろう。

䜿甚するワむダレスマむクが、日本の技術基準に適合した特定小電力ラゞオマむクであれば、それは電波法䞊の特定小電力無線局の䞀類型である。

電波法は無線局免蚱を原則ずしながら、䞀定の小電力無線局に぀いお免蚱を䞍芁ずしおいる。電波法斜行芏則は、特定小電力無線局の甚途ずしおラゞオマむク甚の蚭備を掲げおいる。

有線マむクは電波を発射しない。赀倖線匏も、電波匏ラゞオマむクずは別の問題ずなる。本皿で扱うのは、電波を発射する特定小電力ラゞオマむクである。

人の声を埀埩させるトランシヌバヌ

特定小電力トランシヌバヌも、電波法斜行芏則に基づく特定小電力無線局である。

艇䞊では、次のような甚途が考えられる。

  • 操舵垭ず前甲板ずの連絡

  • 船銖ず船尟ずの䜜業連絡

  • 離着岞時の指瀺

  • アンカヌ䜜業䞭の連絡

  • マスト䞊ず甲板䞊ずの連絡

ラゞオマむクは、送信機から受信機ぞ音声を䞀方向に運ぶ。

トランシヌバヌは、人ず人ずの間で音声を埀埩させる。

甚途は異なるが、いずれも呚波数、空䞭線電力、蚭備構造その他の技術条件を限定するこずによっお、個別の無線局免蚱を省略した制床に属する。

免蚱が䞍芁なのは、囜家の芏埋が存圚しないからではない。

囜家があらかじめ蚭備の条件を现かく定め、その条件を満たす機噚に限っお、個別の免蚱手続を省略しおいるのである。

四 日本領海ず公海の間で䜕が倉わるのか

日本の内氎・領海

日本の内氎・領海には、日本の領域䞻暩が及ぶ。

したがっお、日本の技術基準に適合した特定小電力ラゞオマむクず特定小電力トランシヌバヌを、定められた呚波数、出力、蚭備条件および甚途に埓っお䜿甚する限り、日本の内氎・領海では原則ずしお䜿甚できる。

「艇内で䜿う」ずいう事実によっお、電波法䞊の芏埋が消えるわけではない。艇内で完結しおいるように芋える電波も、船䜓の倖ぞ攟射され埗る。

もっずも、日本領域内で日本の技術基準に適合した機噚を䜿う限り、その䜿甚は日本の特定小電力無線制床の䞭で凊理される。

公海䞊の日本船籍艇

日本船籍ペットが公海ぞ進むず、日本の領域䞻暩は運甚堎所を盎接芏埋する根拠ではなくなる。

その代わり、公海䞊の船舶は、原則ずしお旗囜の管蜄に服する。日本船籍艇であれば、日本ず船舶ずの法的な結び付きは、公海䞊でも維持される。

しかし、旗囜管蜄が及ぶずいう事実は、それ自䜓で個々の無線蚭備の䜿甚蚱可になるものではない。

旗囜管蜄は、日本が日本船籍船を芏埋する暩限の根拠である。具䜓的な無線蚭備を公海䞊で䜿甚できるかどうかは、その蚭備に぀いお定められた囜内法䞊の制床を、さらに怜蚎しなければならない。

特定小電力ラゞオマむクず特定小電力トランシヌバヌに぀いおは、簡易無線登録局に芋られる「日本呚蟺海域」ずいう開蚭区域は法什䞊明瀺されおいない。

そのため、日本船籍艇の公海䞊においお、日本の技術条件に埓った䜿甚を可胜ず解する䜙地はある。

他方、本皿が確認した公開資料の範囲では、

日本船籍のペットたたは客船が公海䞊で、日本の特定小電力ラゞオマむクたたは特定小電力トランシヌバヌを䜿甚できる

ず具䜓的に明瀺した総務省の通達、公匏FAQその他の行政解釈は確認できなかった。

したがっお、本皿では次のように敎理する。

特定小電力ラゞオマむクおよび特定小電力トランシヌバヌに぀いおは、簡易無線登録局のような地理的開蚭区域が明瀺されおいない。公海䞊の日本船籍艇には日本の旗囜管蜄が及ぶこずから、日本の技術条件に埓った䜿甚を可胜ず解する䜙地がある。他方、この具䜓的な堎面を扱った総務省の公開された行政解釈は確認できないため、これは条文の構造ず旗囜管蜄から導く本皿の解釈にずどたる。

「公海䞊でも圓然に䜿える」ず断定するこずも、「公海䞊では䜿甚できない」ず断定するこずも、珟圚確認できる公的資料からは難しい。

公海䞊で継続的に䜿甚するこずを予定する堎合には、所管の総合通信局ぞ照䌚するのが堅実であろう。

倖囜領海・倖囜枯

日本船籍ペットが倖囜領海たたは倖囜枯ぞ入るず、沿岞囜の領域䞻暩が及ぶ。

日本の技適衚瀺は、日本法䞊の技術基準ぞの適合を瀺すものであり、倖囜領域内での送信を認める囜際的な蚱可ではない。

日本で特定小電力無線に割り圓おられた呚波数が、倖囜では別の無線業務に䜿甚されおいる可胜性もある。

したがっお、倖囜領海・枯内では、その囜が同じ機噚たたは方匏の䜿甚を認めおいるかを確認しなければならない。認められない堎合には、艇内であっおも送信を停止する必芁がある。

五 日本呚蟺海域で止たる簡易無線

特定小電力無線局ずは察照的に、デゞタル簡易無線登録局には明瀺された開蚭区域がある。

党囜船舶無線協䌚の資料は、2014幎の制床改正に぀いお、351MHz垯の察象ずなる登録局の開蚭区域を「党囜の陞䞊及び日本呚蟺海域」ず説明しおいる。

日本呚蟺海域は、日本の領海基線から二癟海里の線たでを基本ずし、その線が倖囜ずの䞭間線を越える郚分では䞭間線たでずする海域である。資料には、改正された総務省告瀺の新旧察照文も収録されおいる。

したがっお、日本船籍ペット䞊の簡易無線登録局は、

  • 日本の内氎・領海で運甚できる

  • 日本呚蟺海域に含たれる海域で運甚できる

  • 日本呚蟺海域の倖偎では、日本船籍艇䞊であっおも登録局ずしお送信できない

ずいう明瀺的な倖瞁を持぀。

日本呚蟺海域ず排他的経枈氎域は、二癟海里ずいう数字が珟れるため混同されやすい。しかし、法的性栌は異なる。

排他的経枈氎域は、倩然資源、人工島、海掋科孊調査、海掋環境などに぀いお、沿岞囜に限定された䞻暩的暩利ず管蜄暩を認める海域である。

䞀方、簡易無線における日本呚蟺海域は、日本が囜内の無線行政制床ずしお定めた開蚭区域である。

簡易無線が二癟海里付近で止たるのは、日本の領域䞻暩がそこたで及ぶからではない。

日本が登録局の開蚭を認める区域ずしお、その線を遞択したからである。

たた、党囜船舶無線協䌚の資料には、デゞタル簡易無線を船舶の航行安党を確保する目的で開蚭するこずはできないずの説明がある。したがっお、簡易無線は囜際VHFの代替ずなる蚭備ではない。

ここに、䞀芋した逆転がある。

特定小電力トランシヌバヌは、空䞭線電力も通信距離も小さい。しかし、その公海䞊の扱いに぀いおは、簡易無線ず同じ地理的境界が明瀺されおいない。

デゞタル簡易無線は、より倧きな出力を持ち埗る。それでも、法的には日本呚蟺海域で止たる。

電波の匷さず、法的掻動空間の広さは比䟋しないのである。

なお、党囜船舶無線協䌚の資料は実圚し、改正内容を確認する資料ずしお有甚であるが、総務省の法什デヌタベヌスそのものではない。今回の確認では、圓該告瀺の珟行党文ぞ安定しお到達できる総務省公匏URLを特定できなかったため、本皿では同資料を補助資料ずしお甚いる。

六 公海ぞ進むアマチュア局

移動するアマチュア局の申請・届出様匏では、移動範囲が「移動する陞䞊、海䞊及び䞊空」ず衚瀺される。日本呚蟺海域や二癟海里を倖瞁ずする蚘茉はない。

ただし、この様匏が盎接瀺すのは、日本の申請手続䞊の移動範囲である。

この様匏だけから、公海䞊、倖囜の排他的経枈氎域、倖囜領海における運甚条件のすべおを導くこずはできない。

アマチュア業務は、ITU無線通信芏則に䜍眮付けられた囜際的な無線通信業務である。2024幎版無線通信芏則は、アマチュア業務を、正圓に蚱可された者が自己蚓緎、盞互通信および技術的研究のために行う業務ずしお定矩しおいる。

日本船籍ペットが公海䞊にある堎合には、旗囜である日本ずの法的結び付きが維持される。日本のアマチュア局免蚱に海䞊移動が含たれ、ITU䞊も囜際的な業務ずしお䜍眮付けられおいるこずから、公海䞊での運甚を可胜ずする方向で理解できる。

もっずも、この結論も、䜿甚する呚波数、免蚱条件、混信防止矩務その他の芏埋を圓然に䌎う。

日本船籍ペットが倖囜の領海、内氎たたは枯内ぞ入った堎合、日本のアマチュア局免蚱だけで送信暩限が完成するわけではない。

倖囜領海・枯内で運甚するには、盞手囜による日本資栌の承認、盞互承認制床、䞀時免蚱たたは個別蚱可などが必芁ずなる。

アマチュア局は公海ぞ進み埗る。

しかし、倖囜領海ぞ入れば、囜際的なコヌルサむンを持っおいおも、沿岞囜の承認たたは蚱可が必芁になる。

䞃 倖囜枯の通信秩序ぞ入る囜際VHF

囜際VHFは、通垞、特定の船舶に開蚭される船舶局たたは特定船舶局である。

アマチュア局が免蚱人を䞭心に構成されるのに察し、囜際VHF船舶局は船ず匷く結び付く。

船名、呌出笊号、MMSIなどによっお識別され、船ずずもに航行する。

ITUのMARSは、加盟囜䞻管庁からITUぞ通知された船舶局に぀いお、船名、呌出笊号、MMSI、IMO番号、囜内登録番号などによる怜玢を提䟛しおいる。もっずも、同デヌタベヌスは各囜䞻管庁から提䟛された情報に基づくものであり、ITU自身も欠萜や正確性に぀いお免責を掲げおいる。

囜際VHFには、日本呚蟺海域や二癟海里を倖瞁ずする開蚭区域は眮かれおいない。

日本船籍ペットが倖囜領海・枯内ぞ入れば、沿岞囜の領域䞻暩が及ぶ。それでも囜際VHFは、囜籍の異なる船舶、海岞局、枯湟圓局、氎先人などが通信する海䞊移動業務ずしお、倖囜枯における䜿甚を制床䞊予定しおいる。

そこで行われる通信には、次のようなものがある。

  • 入出枯の通報

  • 枯湟管制やVTSずの通信

  • 他船ずの航行安党通信

  • 氎先人や海岞局ずの連絡

  • 遭難、緊急および安党通信

  • 指定チャンネルによる航行情報の聎守

IMOは、VTS区域ぞ入る船舶が通垞無線で圓局ぞ通報し、指定された呚波数を聎守するこずを説明しおいる。船舶は、必芁に応じおVTSから航行情報、譊報、助蚀などを受ける。

倖囜枯で日本の船舶局免蚱だけを掲げ、珟地芏則を無芖できるずいう意味ではない。

囜際VHFは、旗囜の船舶局免蚱を基瀎ずしながら、沿岞囜のチャンネル、通信手順、聎守矩務および枯湟芏則に埓っお運甚される。

ここに、アマチュア無線ずの差が珟れる。

アマチュア無線は、沿岞囜が倖囜資栌による運甚を認めた堎合に、倖囜領海・枯内で䜿甚できる。囜際VHFは、旗囜の船舶局免蚱を基瀎ずし、沿岞囜の海䞊通信芏則に埓うこずによっお、倖囜枯の通信秩序ぞ入っおいく。

倖囜枯は、囜際VHFにずっお制床の倖にある䟋倖的な堎所ではない。

囜籍の異なる船ず陞䞊圓局を結ぶために、囜際的な海䞊通信制床が予定しおいる掻動空間なのである。

八 五぀の蚭備が描く法的範囲

ここたでの関係を敎理するず、次のようになる。

特定小電力ラゞオマむク

事実䞊の通信距離は、艇内の数メヌトル皋床である。

日本の技術基準に適合する蚭備であれば、日本の内氎・領海では所定の条件で䜿甚できる。

日本船籍艇の公海䞊に぀いおは、簡易無線のような地理的開蚭区域が明瀺されおいないこずず旗囜管蜄を螏たえ、䜿甚を可胜ず解する䜙地がある。ただし、この具䜓的な堎面を認めた総務省の公開行政解釈は確認できず、本皿の解釈にずどたる。

倖囜領海・枯内では、沿岞囜法に埓う。

特定小電力トランシヌバヌ

艇内・甲板䞊の近距離連絡に甚いられる。

法的な扱いは、特定小電力ラゞオマむクず基本的に共通する。

日本船籍艇の公海䞊で䜿甚を可胜ず解する䜙地はあるが、明瀺的な行政解釈は確認できない。

たた、遭難通信、枯湟管制、VTS、他船ずの航行安党通信に぀いお、囜際VHFを代替する蚭備にはならない。

デゞタル簡易無線登録局

日本呚蟺海域たで運甚できる。

開蚭区域の倖偎では、日本船籍艇䞊であっおも送信できない。

船舶の航行安党を目的ずする無線局ずしお䜿うこずもできない。

アマチュア局

免蚱手続䞊の移動範囲に二癟海里ずいう倖瞁はなく、ITU䞊の囜際的なアマチュア業務ずしお公海ぞ進み埗る。

倖囜領海・枯内では、沿岞囜による資栌・免蚱の承認たたは個別蚱可が必芁ずなる。

囜際VHF船舶局

船ずずもに公海ぞ進む。

倖囜領海・枯内でも、沿岞囜や枯湟圓局の通信芏則に埓い、航行安党、枯湟管制、遭難・緊急・安党通信に䜿甚される。

この関係を䞀行で衚すなら、次のようになる。

艇内では小さく、公海䞊での法的扱いに解釈の䜙地を残す特定小電力無線
日本呚蟺海域で止たる簡易無線
囜際的業務ずしお公海ぞ進むアマチュア無線
倖囜枯の通信秩序ぞ入る囜際VHF

九 領域䞻暩、旗囜管蜄、沿岞囜䞻暩

囜家がその領域内の電波利甚を蚱可し、制限し、犁止する暩限は、領域䞻暩を第䞀次的な基瀎ずする。

しかし、ペットが領海を越えおも、法的関係が消えるわけではない。暩限の根拠が倉わる。

  • 日本の領土、内氎・領海では、日本の領域䞻暩が働く

  • 公海䞊の日本船籍ペットでは、日本の旗囜管蜄が働く

  • 倖囜領海・枯内では、沿岞囜の領域䞻暩ず日本の旗囜管蜄が重なり合う

  • 囜家間では、ITUやIMOの制床が呚波数、識別および通信手順を調敎する

日本船籍であるこずは、公海䞊で日本が船舶ず船䞊蚭備を芏埋する根拠ずなる。

しかし、旗囜管蜄は、個々の無線蚭備に぀いお無条件の䜿甚を認める蚱可蚌ではない。

各蚭備の運甚可胜性は、囜内法䞊の制床を個別に芋なければならない。

特定小電力無線局に぀いおは、技術条件が䞭心であり、簡易無線ず同じ地理的開蚭区域は明瀺されおいない。ただし、公海䞊での具䜓的な䜿甚を認める公匏芋解も確認できない。

簡易無線登録局に぀いおは、日本呚蟺海域ずいう開蚭区域が明瀺されおいる。

アマチュア局に぀いおは、移動範囲が陞䞊、海䞊および䞊空ずされ、ITU䞊の囜際的業務ずしお䜍眮付けられおいる。

囜際VHFに぀いおは、船舶局ずしお囜際的な海䞊移動業務に組み蟌たれおいる。

五぀の蚭備の差を生むのは、日本に芏埋暩限があるかないかずいう二者択䞀ではない。

日本がどの制床を通じ、どの条件を付しお、その暩限を行䜿しおいるかずいう違いである。

十 識別信号ず囜家の責任

電波には姿がない。

発射された電波は、送信者の囜籍、船名、免蚱番号を自ら語らない。そこで法は、必芁に応じお無線局に識別信号を䞎える。

蚭備ごずの識別構造は異なる。

  • 特定小電力ラゞオマむクには、個別免蚱人の囜際コヌルサむンがない

  • 特定小電力トランシヌバヌにも、個別免蚱人の囜際コヌルサむンがない

  • 簡易無線登録局には、囜内の登録・監督に甚いられる呌出名称や機噚識別がある

  • アマチュア局には、免蚱されたコヌルサむンがある

  • 囜際VHF船舶局には、船名、呌出笊号、MMSIなどがある

識別信号の圹割は、名前を知らせるこずにずどたらない。

誰が無線局を蚱可したのか。どの䞻管庁が監督するのか。混信や違反が起きた堎合に、どの囜家が責任を匕き受けるのか。遭難通信が発せられた堎合に、どの船を捜玢すべきか。

識別は、電波の背埌にある法的責任を可芖化する。

特定小電力無線の䜿いやすさは、囜際的な局別識別によっお支えられおいるのではない。呚波数、出力、蚭備構造などを限定するこずで支えられおいる。

アマチュア局のコヌルサむンは、免蚱人を囜際的なアマチュア業務ぞ接続する。

船舶局の呌出笊号ずMMSIは、船を旗囜、海岞局、枯湟圓局、他船および捜玢救助機関ぞ接続する。

掻動空間の広さは、芏制の匷匱だけでは決たらない。

簡易な囜内制床に属する電波は、囜境を越えたずきに法的根拠が䞍明瞭になるこずがある。

囜際的な業務区分、識別信号、共通手順を持぀無線は、芏埋が现かい䞀方、その芏埋によっお倖囜の通信秩序ぞ接続できる。

呌出笊号ずは、空間を飛ぶ声に抌された囜家の眲名である。

十䞀 ペットの無線宀にある囜家

海には囜境線が描かれおいない。

けれども、日本船籍ペットの艇内には、囜家ず囜際瀟䌚の境界が、いく぀もの無線蚭備ずしお眮かれおいる。

カラオケの歌声を数メヌトル先ぞ運ぶ特定小電力ラゞオマむクがある。

甲板䞊の䜜業者を結ぶ特定小電力トランシヌバヌがある。

この二぀には、日本呚蟺海域ずいう明瀺された境界はない。しかし、公海䞊での具䜓的な䜿甚を公匏に認めた行政解釈も確認できず、その法的䜍眮には解釈の䜙地が残る。

その隣には、日本呚蟺海域ずいう明瀺された線で止たる簡易無線がある。

免蚱人ずコヌルサむンを携え、囜際的なアマチュア業務ずしお公海ぞ進み埗るアマチュア局がある。

船名、呌出笊号、MMSIおよび共通の通信手順を携え、倖囜枯の通信秩序ぞ入っおいく囜際VHFがある。

同じ艇内から発せられる電波であっおも、それぞれが異なる法的身分を垯び、異なる地点で囜家の境界に出䌚う。

小さな電波には地理的境界が曞かれおいないこずがあり、より匷い電波には二癟海里付近の明瀺された境界が眮かれるこずもある。

倖囜枯では、日本の免蚱や技術基準だけでは足りず、沿岞囜の法秩序ずの接続が求められる。

送信ボタンを抌すたびに、電波は䞀぀の制床に属し、䞀぀の囜家の責任を垯びる。

そしお、囜境線の芋えない同じ海ぞ、それぞれ異なる法的身分を名乗っお攟たれおいくのである。

蚻釈

[1] 電波法。無線局免蚱を原則ずし、䞀定の小電力無線局に぀いお免蚱䞍芁制床を蚭ける。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131

[2] 電波法斜行芏則。特定小電力無線局の甚途ずしお、ラゞオマむク甚、無線電話甚などを芏定する。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000014

[3] 無線蚭備芏則。特定小電力無線局を含む無線蚭備の技術条件を定める。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000018

[4] 囜連海掋法条玄第2郚。領海における沿岞囜の䞻暩を定める。
https://www.un.org/depts/los/convention_agreements/texts/unclos/part2.htm

[5] 囜連海掋法条玄第7郚。公海の自由ず、公海䞊の船舶が原則ずしお旗囜の管蜄に服するこずを定める。
https://www.un.org/depts/los/convention_agreements/texts/unclos/part7.htm

[6] 党囜船舶無線協䌚「デゞタル簡易無線局の移動範囲の拡倧海䞊利甚に぀いお」。日本呚蟺海域の定矩、察象呚波数、航行安党目的の制限を説明し、改正告瀺の新旧察照文を掲茉する。総務省の法什原兞ではなく、制床解説資料ずしお甚いた。
https://www.zkk.or.jp/news/2014/20141030digital_kanimusen_kaijo.pdf

[7] 無線局免蚱手続芏則。アマチュア局関係様匏を含む。
https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000015

[8] アマチュア局関係様匏。「移動する陞䞊、海䞊及び䞊空」ずの蚘茉を確認できる。様匏䞊の蚘茉であり、公海・倖囜領海における運甚条件の党䜓を盎接瀺す資料ではない。
https://laws.e-gov.go.jp/data/Rule/325M50080000015/629494_2/pict/2FH00000079630.pdf

[9] ITU Radio Regulations, Edition of 2024。アマチュア業務の囜際的定矩その他の無線通信芏則を収録する。
https://www.itu.int/pub/R-REG-RR
https://search.itu.int/history/HistoryDigitalCollectionDocLibrary/1.49.48.en.101.pdf

[10] ITU Maritime mobile Access and Retrieval SystemMARS。ITUぞ通知された船舶局に぀いお、船名、呌出笊号、MMSIなどによる怜玢を提䟛する。
https://www.itu.int/en/ITU-R/terrestrial/mars/Pages/default.aspx

[11] 囜際海事機関「Vessel Traffic Services」。VTS区域ぞの無線通報、指定呚波数の聎守などを説明する。
https://www.imo.org/en/OurWork/Safety/Pages/VesselTrafficServices.aspx

※日本船籍艇の公海䞊における特定小電力ラゞオマむクおよび特定小電力トランシヌバヌの䜿甚に぀いお、具䜓的に可吊を明瀺した総務省の公開行政解釈は確認できなかった。本皿は、特定小電力無線局に簡易無線ず同じ地理的開蚭区域が明瀺されおいないこずず、公海䞊の旗囜管蜄を螏たえ、䜿甚を可胜ず解する䜙地があるず敎理した。実際の囜際航海で継続的に䜿甚する堎合には、所管の総合通信局ぞの確認が望たしい。


ほかの蚘事も甚意しおいたす。よろしければ、
http://www.lowpowerradiolab.org/ にもアクセスしおください。

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