丸の内オアゾの前にいる熊さん、たまには力を抜いてもいいんだよ【三沢厚彦 クマ】
東京駅の丸の内側、丸の内オアゾの前に3メートルの大きな熊さんの像がある。

怖い。怒っているのか何か信念を持ってそこに立っているのか。無表情だけどその奥に明らかに何か感じているという顔。別に血走っているわけじゃないけど、普通ではない力強すぎる目。謎の九十度回転している両手。ピンと不自然なほどに人間のように立つ姿勢。怖い。

熊さん側が睨みつける向こう側にあるのは、新丸の内ビルディング。そこに仇でもいるのか。千倍返しを誓っているような。にしては視線がまっすぐすぎる。丸の内オアゾの中に護るべきものがあるのか。目線はどこを向いているのか分かりにくいので、世界中の熊を救うという使命を背負った顔なのか。手の形がガッツポーズと見れば、丸の内に集まる労働者への激励なのか、、、。
三沢厚彦の像はまとめて展覧会でまとめて見たことはないけれど色んなところでどちょくちょく見たことがある。どれもこの熊さんのように、体の形とか気迫とかはリアルなんだけど、目が本物の動物のようにリアルに描写されるわけじゃなかったり、デフォルメされてるところもある、怖い。生物じゃないような、神様のような。

府中市美術館

箱根の森美術館 後ろ姿、人間の顔こわい
この熊さんは左右の目の角膜部分が緑と青で違う。明らかに何か意味が込められているし、ジョアンミロが描く目にも似ている。そういう意味では宇宙を見通している、宇宙と繋がりを持っているのかもしれない。


1974年 東京都美術館「ミロ展」で展示中
ブロンズの細かい彫り込みを残しているのも気になる。怖い。血管とか毛並みとかを表しているみたいで、ざわざわっと生命の躍動をこれでもかと感じさせてくる。かわいいと辛うじて思うことができるのは、口元とか顔のシンプルさと全体の配色くらいかな。

公式サイトの説明はこんなの↓
「クマ」と聞くと可愛らしいキャラクター、生態系のトップに君臨する獰猛な動物と、相反するイメージが共存しています。この作品では、両極化するイメージの中間的な表現しています。 二足で威嚇するポーズは、他の動物にはみられない、人間のようなクマらしい象徴的なものですが、決して威嚇することなく、様々な目的で大都会を行き交う人々を俯瞰して眺めています。皆さんにはその表情がどんな風にみえるでしょうか。たまに目を合わせてみてあげてください。クマはいつもそこにいます。
粋みたいなこと言ってる。個人的にはめちゃくちゃ怖い。近づいたらたたきつぶされて殺されるんじゃないか、そのくらいのパワーが封印されて固められている。怒りが漏れ出している。すごいってことか。

自分は東京生まれ東京育ちなので、熊に馴染みもなく怖いと感じるけど、熊が住宅街に降りてきちゃうような田舎から東京に出てきた人からすれば、駅から出てきてこの像を見た時本物よりだいぶかわいいと感じるかも。
その人の熊に対するイメージも分かってしまうという東京の熊さん。ほんといつもありがとう。夜皆んなが寝静まっているときは、力を抜いてゆっくり休んでね。
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