真面目に働いてる人間が一番偉いだろ、という当たり前の話
若干石塚です。
歴史は繰り返すなんて使い古されたフレーズがありますけど、世の中のくだらないムーブメントの巡り合わせってのは、本当に恐ろしいほど同じ軌道を描くもんだなぁと。
昔、俺がまだ青くさかった頃に援助交際なんて言葉が流行りだして、世間がガタガタ騒ぎ立てた時期がありましたよね。
で、それから少し時間が経ったら何が起きたかっていうと、そういう生活で飯を食ってる底辺な女子高生を主人公にしたケータイ小説なんて代物が爆発的に売れ始めた。
悲劇のヒロインぶって、画面の向こうで涙を流しながらポチポチ打ち込んだような文章を、みんなしてありがたがって読んでた。
あの現象、当時から強烈な違和感があったんですよね。
で、時代が平成から令和に変わって、今度はパパ活なんていう、ちょっと小綺麗なオブラートに包んだだけの言葉が幅を利かせ始めたと思ったら、案の定また同じ流れがやってきた。
今回はケータイ小説じゃなくて、SNSやらマンガやらで、そういう界隈に身を投じるみいちゃんみたいな女の子たちがコンテンツ化されて大流行してるっていうね。
はふぅ、本当にお見事なまでのデジャヴですよ。
要するにさ、いつの時代も手軽に金を稼ごうとして歪んだ世界に足を踏み入れた奴らが、さも時代の被害者みたいな顔をして、それを周りが切ないだのリアルだの言って持ち上げるわけじゃないですか。
でもね、俺はどーにも納得がいかない。
毎日朝早く起きてさ、ぎゅうぎゅうの満員電車に揺られて、バイトや職場で理不尽なお客に怒鳴られながらも、額に汗して真面目に一円一円を稼いでる女性の方が、どう考えたって何千倍も偉くて立派じゃないですか。
地道に生きて、自分の力で生活を支えてる人たちこそが一番カッコいい。
それなのに、声の大きい連中が、そういう地道な努力を続けている人たちはスルーして、安易な道に走って勝手に自滅していくような生き方を賛美したり美化したりする。
なんというか、真面目にやってる人間が損を見るような空気を演出したがるこの風潮には、昔からずっと腹の中がムカムカするような居心地の悪さを感じます。
大人になると、人間の身勝手さやら、流行り廃りの裏側にある滑稽な文脈が、嫌でも立体的に見えてくるモンでして。
昔読んだ本やら表現物を読み返してみたり、世間で話題になってる作品の評価を遠目から眺めてたりすると、人間ってのは本当に都合の良い幻想ばかり抱きたがる生き物だなと痛感させられます。
たとえば、みい山なんかの作品を巡る世間のリアクションを見ててもそう思いますよ。
体を売る女が痛い目を見てる現実を描いちゃってるから、そういう生き方を安易に美化したり賛美したがってた女性たちから見事にハシゴを外されたよなと。
勝手に共感してチヤホヤしようとしたら、全く救いがないどころか、むしろ馬鹿にしてるレベルのリアルを突きつけられたわけですから。
まあ、そんなことを居酒屋の隅っこで熱弁したところで、世界の仕組みが明日からガラリと変わるわけでもないのが切ないところなんですけどね。
結局、時代が変わっても人間の浅はかさなんてものは大して変わらないってことです。
だからこそ俺は、今日も誰に褒められるでもなく真面目に働いて自分の人生をちゃんと歩んでいる人たちに、心の中で勝手に拍手を送り続けたいと思う今日この頃。
まあ、だからって俺自身が急に立派な人間になれるかって言ったら、それは全く別の話なんですけどね。
