スペイン巡礼6/17 バルセロナ〜パンプローナ〜サンジャン編②
炎天下の中、彷徨い続けながらも、なんとかバスターミナルに着くと、バックパッカーらしき男女がいるではないか!
私は勇気を出して「Are you going to Saint Jean Pied de Port ?」と尋ねた。
すると、ものすごく怪訝な顔で「ノー」と言われた。なんなら、もう旅は終わったって言ってるように聞こえた。
断られているのに、がっかりというよりは、むしろ納得感があった。
パンプローナからサンジャン行きのバスは1日1便しかなくて、この時間にこのバス停にいる人はサンジャン行きの人はおらんわな。こんなところでヒッチハイク的なことしてる人、、、いるわけないやん!!っていう、確証を得てスッキリした。
そういえば、20歳ぐらいの頃に、地元の大きな神社に参った時、「奥の院」を示す標識があったので、一緒に参った友達と興味半分で歩いたことがあった。歩いていると滝行をしながら大声で「南妙法蓮華経!南妙法蓮華経〜!!」と唱えている女性がいた。顔が髪の毛で見えなかったけど、その本気の南妙法蓮華経にビビって、やばいところに来てしまった感が否めなかった。一応、山道を歩いているが、なかなか山から出れなかった。夏の暑い日に飲み物も底を尽く頃、なんとか山を抜けた。携帯の電波が入り、地図を見ると、どうやら山を一つ越えてしまったらしい。車を取りに同じ道を引き返す気力は残っていなかった。そこにたまたま一台の自動車が走ってきたので、二人で一か八かでヒッチハイクをした。幸運なことに、車は通り過ぎたと思ったら止まってくれ、なんと神社まで連れて帰ってくれた。
日本でもヒッチハイクするって結構勇気が必要なのに、
なんでスペインで見ず知らずの外国人に声をかけて一緒にタクシーに乗れると思ったんだろう。
摩訶不思議じゃないか、、!?
でも、ようやく一人でタクシーに乗る決心がついた。ここからサンジャンはタクシーで1時間半はかかる。遠いけど、もはやそれしか選択肢はない。
タクシーに乗る前に、私はこれからの長いドライブに備えてトイレに行くことにした。
男子トイレ付近に2人の若い外国人がいる。それだけで警戒アラームが作動する。何もされないのに、何かされた時にどうするかを想像してしまう。
でもこれは、被害妄想ではなく、予行練習なの。
そっと個室トイレを除くと汚すぎて失神しそうになる。
それに加え、全てのトイレに便座がない!!
自分の目を疑ったし、汚物処理室の水を溜めてるやつが並んでるのかと本気で思った。欧州のトイレにこういうタイプのものがあるのを知らなかった私は、衝撃がデカすぎて、トイレを見てもこれがトイレと認めることができなかった。イタズラで便座が持ってかれたのか、、凶暴な男子がぶち壊したのか、、。一体、どんなストレス感じたら便座にイタズラしようと思えるんやろ、汚いやろ!って真剣に思っていた。そして、尻を乗せる場所のない、このデッカい便器に、落ちたくないし汚れたくもない!という涙ながらの本気の願いを込めてトイレを済ませた。
多分、これは昔のぽっトン便所を知らない日本人が初めて対峙した時に味わう恐怖に近いかもしれない。
いや、、、でも体感的にはもっと怖かった!!!
無事?にトイレを済ませ、タクシー乗り場に向かう。
電話番号が書かれているが、電話が繋がったとしても説明できないから無理だなぁ。
そう思っていたら、一台のタクシーがきた。私は、サンジャンまで一人で行きたいことを英語で伝えたが、うまく伝わらなかった。運転手がスペイン語で何か言ってる。翻訳機で話すと、どうやら連れて行ってくれるらしい。金額もこちらの想定範囲だったので信用して乗ることにした。後ろの座席に座ろうとすると、クーラーが効くから前に座ったらいいよ、とジェスチャーとスペイン語で言われる。運転手さんは、強面だけど親切だった。
パンプローナは巡礼路で再度通ることになる街だが、途中でぐったりして休んでる巡礼者を何人か見かけた。数日後には君もこうなるよ、と言わんばかりに指をさして教えてくれる。車で通る街には巡礼途中で立ち寄る場所がいくつかあり、町の名前を教えてくれる。時々バックパッカーが集団で歩いている。カミーノで出会った友達なんだろうか、、。
これから歩く道をタクシーで逆走するのも悪くないかも、、。
しかし、、ピレネー山脈を蛇行し続けて、遂に車に酔った。
なかなかサンジャンには着かない。
運転手さんは誰かとしばらく電話しながら運転してご機嫌そうだ。自由でいいな。
電話を切るとスペインの音楽を流してくれた。カミーノって単語だけわかるけど、あとはわからない。でも、きっと運転手さんの優しさなんだろう。違うかもしれないけど、そう思っておこう。
土日は暑くなるらしく、40℃になるって教えてくれた。
異次元の気温すぎて驚くけど、正直、熱中症よりも純粋にこれからの段取りが全くできていなから、そっちの方が心配。
そうこうしているうちに、サンジャンに着いた。
別れ際に握手をしてくれた。
もしかすると、、、スペイン人は優しいのかもしれない。
タクシーから降りて、少し歩いた場所に今夜のホテルがあった。夕方にチェックインできたので、スーパーに食料を買いに行った。
初めてのスーパーでの買い物は案外楽しかった。見たこともない不思議な形の桃を買った。

そして休む間もなく、巡礼の登録事務所に行った。
英語を話せるスタッフの人に「明日の宿をは取ってるか?」と聞かれ、取れてなかったので一緒にとってもらった。明日泊まる宿は、町に一箇所しかないから選びようがないらしい。スーパーもないらしいから、夕食も朝食もつけてもらった。
登録と宿泊の予約を取るのに1時間近くかかったけど、おかげで明日の心配はしなくて済む。
クレデンシャルというスタンプ手帳と巡礼者の目印であるホタテ貝の殻をもらい、明日の準備は整った。

やっとひと段落ついたのでブラブラ歩いてご飯屋さんを探す。
そういえば、今日は昼ごはん食べてなかったな。本当はカフェで夕食を食べたかったけど、人が多かったのと、メニューを見て翻訳して悩むのも面倒だった。テイクアウトしてホテルでゆっくり食べよう。
事務所付近のお店に立ち寄って、肉入りのキッシュとサラダ、フルーツジュースを注文してホテルに帰った。
開けてびっくり、チーズびっちり!!
キッシュにチーズって必須なの!?チーズ入ってるって書いてなかったけど!
しかし、考えようによっては、チーズ嫌いを克服するチャンスが来たのかもしれない。
お腹が減りすぎて、なんでもいいから早く食べてたいモードに入っている、、。
これまで本当に美味しいチーズに出会ってないだけかもしれない、、だって、、ここフランスよ?
ここでチーズ食べて受けつけなかったら、それはもうチーズアレルギーに認定しよう。
自分を奮い立たせて、、チーズを噛み締める前に飲み込む。
、、、!!!?
、、、ぼぇぇぇ。。。
はぁはぁはぁ、、、。
わざわざ、ここで死にに行く理由がわからん、、。
食えん、無理や、、。
でも、何も食べずに明日から歩くわけにもいかないので、噛まずに半分食べた。
これから嫌いなものが出ても噛まずに飲もう、、
全ては訓練、、、、








今日も1日濃かったな。
でも思い返すと、できるようになったこともたくさんある。。
ATMが使えた、高速列車に乗れた、バスに乗れた、タクシーに乗れた、スーパーで買い物できた、巡礼事務所で登録できた、食事をテイクアウトできた。そして、明日の準備はできている。
できるようになったことは自分の頑張りもあるけど、周りの人が助けてくれて、自分の意図を汲んでくれて叶ったことも結構ある。
ここでは一人では生きていけないから、みんなに助けてもらいながら慣れるしかない。
それにしても、目まぐるしい移動距離と成長速度。
日本を出て2日目にスタート地点に無事到着。
明日からやっと、本番、、どうなるかな、、この先、、。
