【余談】初めて女性からメールが来た日のこと
今の人には信じられないかもしれないけど、
俺が20代前半だった頃はまだ携帯もメールも当たり前じゃなかった。
居酒屋でバイトしていた頃も、
女の子のバイト仲間と電話で話したことくらいはある。
でもそれは、
「今度の飲み会どうする?」とか「店長がまたさあ……」
みたいな話ばかり。
恋愛なんて全然関係なかった。
だから女性と一対一で連絡を取り合うこと自体は初めてじゃなかったけど、「付き合うかもしれない相手」と連絡を取るのはあれが初めてだった。
のちに付き合うことになる彼女にメールしたときのこと。
女性にメールを書く。
たったそれだけなのに緊張した。
文章を書いては消し、書いては消し。
「これだと重いかな」
「馴れ馴れしいかな」
「敬語すぎるかな」
そんなことを延々考えていた。
そして意を決して送信。
数時間後。
返事が来た。
いやもう、本当にうれしかった。
メールを開いて読んで、
また閉じて、
もう一回読む。
何回も読む。
保存する。
また読む。
今思うと完全に気持ち悪い。
さらに返信を書くのにも時間がかかった。
「この一文はいらないかな」
「下心あると思われないかな」
「この顔文字は変かな」
そんなことばかり考えていた。
送ったあとも終わらない。
「彼女はどういう意味で書いたんだろう」
「あの文章、嫌な感じしなかったかな」
「返信遅いけど怒ってる?」
頭の中で勝手に一人反省会が始まる。
恋愛経験ゼロの男なんて、だいたいこんなものである。
結果的にこの恋はうまくいって、人生で初めて彼女ができた。
でも今振り返ると、あんなにオタオタしている男を相手にするのも大変だっただろうなと思う。
経験がないから全部が一大イベントだった。
メール一通で天国にも地獄にも行く。
今ならさすがにそこまでにはならないと思う。
でも当時の俺には本気だった。
やっぱり経験って大事だなと思う。
最初から上手に恋愛できる人なんて、たぶんほとんどいない。
初めての彼女ができるまでの経緯は本編で書いています。
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