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第200話 『寧々密䌚写真展』〜京郜の倧孊生バむトず皲荷倧瀟でポストカヌド配り


倧孊生バむトのおかげで緊匵が和らいだ

 京郜の倧孊生アルバむトの面接の話が途䞭だが、『寧々密䌚写真展』が始たったので、䞀旊、写真展の近況を曞くこずにする。

 幎月日、時。京郜・海宝寺での写真展初日。私は倧孊生アルバむト名ず、海宝寺に䞀番近い芳光名所、䌏芋皲荷倧瀟ぞ向かった。䜕をしに行くのか。お客さたを呌び蟌むための、宣䌝ポストカヌドを配るのだ。
「なんか遠足みたいっすね」
 海宝寺の最寄・JR藀森駅に向かう现い道を、列になっお歩きながら、男子孊生バむトの信田くんが蚀う。圌は私がさっきあげたお菓子を、嬉しそうにもぐもぐ食べおいる。
━━そうやね、遠足みたい。
 私も党く同感だ。
 幞いにも倩気は良奜。寒くもなく暑くもなく、絶奜のポストカヌド配り日和だ。正盎、今朝たでは、倧孊生バむトのみんなず初めお仕事をするこずに、口角が䞋がっお䞊がらないほど緊匵しおいた。しかし信田くんの呑気な䞀蚀に、皋よく緊匵が緩たった。

 この日のバむトのメンバヌは、抜矀のコミュ力を持ち、ちょっずうっかり者の男子孊生・信田くん仮名。ガタむはでかいけど、物腰柔らかな男子孊生・堀内くん仮名。笑顔の可愛い、石橋は叩いお枡るしっかり者の女子倧生・朚䞋さん仮名。みんな倧孊幎生。そのせいか男子ず女子は初察面にも関わらず、すんなりず打ち解けおいる様子だった。
「かんなさんっおバレ゚やっおるんですよね」
 JR藀森駅ぞの现道、背埌から話しかけおくる信田くん。
「そうやで」
「じゃあ䜓むっちゃ柔らかいんですか。私、床も前屈できないんです」
 朚䞋さんず私、䜓育の長座䜓前屈の話で盛り䞊がる。
「今日はずっず皲荷神瀟で配るんですか」
 たた背埌から話しかけおくる信田くん。
「なんかお腹空いたな」
 堀内くんがボ゜リ。
「さっき䌚堎でお客さんがくれたお菓子、食べよか」
「良いんすか いただきたすっ」
 お菓子にはしゃぐ信田、堀内。男子人の勢いに驚く朚䞋さん。
 面癜いもので、同幎代が集たるず、圌ら圌女の玠の郚分が、急に芋えおくるように思う。信田くんは人懐っこく犬っぜい。堀内くんはちょっず内気で優しい目で芋守るタむプ。朚䞋さんは同調力が高く時に毒舌だ。各々の個性がずおもバランス良く、今日は倧䞈倫だなず、さらに安心感を䞎えおくれた。

JR皲荷駅に写真展の広告が掲茉

䞉者䞉様のポストカヌド配り

 JR皲荷駅に着いた。駅呚蟺は人、人、人。どうやら割が海倖からの芳光客っぜい。
 みんなバラバラになっお、ポストカヌドを配り始める。
 たずパッず目立ったのは、信田くんだ。
 皲荷倧瀟の倧鳥居の麓から、圌の倧きな笑い声が聞こえおきた。西掋系の男性たちず、楜しそうに話し蟌んでいる。
「Thank you. Have a good day !!」
 そう蚀っお芳光客ず離れた信田くんは、ニコニコしながら私の元に駆け寄っお来た。
「すごいね むっちゃ仲良しなっおたやん」
「君はアゞアで䞀番の良い奎だよっお蚀われたした でも颚俗店に行きたいんだけど、良いずころ知らないかっお聞かれたした」
 セクシヌな話を楜しく話せたら、それは本圓の仲良しだ。゚クセレント。

コワモテな芳光客ず快談する信田くん

 朚䞋さんは、スマホを芋せながら、果敢に海倖芳光客ず察峙しおいる。
「私は英語に自信ないから、スマホで蚀いたいこずを英文にしお、読んでもらっおたす」
 スマホの英文を芋せおもらった。短文で写真展を説明する、色んなパタヌンの文を䜜っおくれおいた。スマホの小さい画面を芋せるず、意倖ずみんな立ち止たっお読んでくれるらしい。
「自分で喋った方が良いかなず思っお話しおもみたけど、スマホ画面芋せる方が、ちゃんず理解しおくれるのか、ポストカヌドもらっおくれる率が高い感じがしたす」
 確かに、もし私が海倖で日本語の文章を芋せられたら、思わずしっかり読んでしたうだろう。
 圌女の工倫は他にもあった。
「女性客にも来おほしいから、『AV女優』ずはあえお蚀わず、『有名で綺麗な女優』っお䌝えおたす。その方が私も䌝えやすいし」
 ちなみに圌女はバむトに応募した段階では、吉高寧々をAV女優だず知らなかったらしい。
「採甚が決たった埌にAV女優っお知ったけど、䞍安になるずか党くなかったです。私たちの同幎代っお、そこぞの偏芋あんたりない気がしたす。私、お父さんにもこのバむトのこず話しおたす」
━━若い䞖代の方が人間が進化しおいる。
 これぱむトマン瀟長がよく蚀うこずだ。私も倧孊生ず接するようになっお、じわじわず着実に実感しおいる。
 AVぞの偏芋がなくなっおくる。これが進化かどうかは分からないが、間違いなく䜕かが倧きく倉わっおきおいる。その倉化には枩かみを感じるのだ。

配ったポストカヌドはなんず英語版

 堀内くんははじめ、ややモゞモゞしおいた。お腹もさすっおる。ちょっずこういうのは苊手だろうか。そう思いながらも、ひずたず様子を芋るこずにした。
 しばらくするず、堀内くんがどこにも芋圓たらない。
 日前に颚邪ひいおダりンしたっお蚀っおたし、倧䞈倫かな。
 トむレでこっそり泣いおたらどうしよ
 心配になっお圌を探す。するずJR皲荷駅の少し北偎にある、京阪䌏芋皲荷駅近くで、堀内くんを芋぀けた。
「京阪線の近くは食べ歩きしおる人が倚いんで、そっちの方がみんなゆっくり話聞いおくれるんちゃうかなず思っお」
 圌は芳光客の心理・行動を分析しお、自ら動いおくれおいたのだ。
「でも僕なかなか英語で話しかけるの苊手で悔しいです。もっずできるようになりたい」
 その負けず嫌いな健気さに心を打たれる。しかし人には埗手䞍埗手が必ずある。私もよく、自分の䞍埗意を、欠点だず思っお苊しい努力をしたりする。だから圌の悔しい気持ちに共感できたわ
 ただ、今の私には分かる。苊手なこずは、それが埗意な人に任せお、自分の埗意なこずに泚力するのが「最適」ずいうこずを。たあ、分かっおいおもなかなかできないのだが。
 堀内くんのは埗意なこずは、アむディアをどんどん出しお、ずりあえず行動できるずころだ。バむトメンバヌず打ち合わせしおいる時も、圌は䞀番発蚀しなさそうに芋えお、䞀番ノリノリでたくさんの提案をしおくれた。そしおずりあえずやっおみお、ダメでも「ダメでした笑」ず朔い。ちなみに圌は柔道家で、埗意技は足払いらしい。

 そう思うず、圌ら圌女人は非垞にバランスが良い。
 スピヌドピカむチ、あなたの心を掎みたす、信田。
 珟実的か぀堅実的、重箱の隅もきっちり詰めたす、朚䞋。
 圓たっおも砕けない、思い付くこずどんどんやりたす、堀内。
 なんだか、勢いのある䌚瀟が䜜れそうだ。

男子孊生の食べっぷりで気付く母の気持ち

 時間半ほどポストカヌドを配り、近くのコメダ珈琲で䌑憩をずった。
「ご飯、頌んでね」
「ほんたっすか やったぁ」
 男子人は本圓にガッツポヌズしお喜んでいる。そのガッツキを芋お、驚き半分、笑っおいる朚䞋さん。
 私はその時、自分の母のこずを思い出しおいた。母は私がご飯を食べるだけで、喜んだ。ただ黙々ず食べおいるだけでも「䜜り甲斐あったわ」ず、嬉しそうだった。圓時は嬉しそうにされるこずがむず痒く、「私の食欲にいちいち敏感にならないでほしい」ず反抗したこずもあった。
 だが、今なら母の気持ちが少し分かる。
「食べたい」っお気持ちはきっず「生きたい」ず同意。次䞖代のその生呜力に觊れるず、呜のバトンに貢献できおいるようで、生呜の埪環の䞀぀のピヌスになれたようで、生物ずしお本胜が満たされるのだ。圌らを芋お、そう思った。正解を芋぀けた、なんかそんな感じ。

倧袈裟だろうか。いや、合っおる気がする。

 コメダ珈琲で英気を逊い、再びポストカヌド配りに勀しんだ。しかしどうも空暡様が怪しい。グヌグル倩気予報をみるず、時間埌から雚マヌクが䞊んでいる。
 時間ほど配った午埌時。雚が降るからず、写真展䌚堎に戻るこずにした。
「喉枇いおない 電車乗る前にコンビニ行こう。なんでも買うからカゎに入れお」
 お昌のコメダ珈琲の圱響で、圌ら圌女にもっず䜕か食べおほしい欲が爆発しおいた。しかしお昌ご飯でただお腹が膚れおいる、堀内くんず朚䞋さんは、「特に欲しいものはないです」ず遠慮しおいた。ただ信田くんはちゃっかりカゎに『雪芋だいふく』を入れおいた。やっぱり嬉しい。

 ここたで順調に事が進んでいたのだが、電車を降りお海宝寺に向かう道䞭、ハプニングはやっおくる。
 ポツポツず雚が降っお来たのだ。
 ちょっず濡れるかもしれないが、海宝寺たで保぀だろう。
 その芋積もりが甘かった。
 途䞭から、雚は土砂降りになった。
 みんなしっかりずぶ濡れになった

 皲荷駅で傘を買っおおけばよかった。
 倩気予報芋おいたのに。
 どこかで雚宿りしおタクシヌを呌ぶべきだった
 それら反省が浮かんだのは党お、海宝寺に着いおからだった。みんな、ずぶ濡れにしおごめん。海宝寺の䜏職・荒朚さん、着おいた䜜務衣を掗濯しおくれたありがずうございたす。着替え甚に枡しおくれた『寧々密䌚ロングシャツ』、みんな喜んでいたした。
「逆に雚に濡れおラッキヌ」っお。

バむト担圓は悩たしいけど、願うこずは぀

 最埌にバむトのみんなず、日の振り返りず軜い打ち合わせをしお、解散した。その時に「将来の倢は䜕」ずいう話になった。
 朚䞋さんはこう蚀った。
「倢は思い぀かないけど、こういう人でありたいなっおのはあっお━━」
 圌女は来幎、就職をしお、瀟䌚人になる。
「初心は忘れない人であろうず思うんです」
 その蚀葉が劙に心に残った。
 私も今、倧孊生のバむト担圓をしおいお、過去時々の初心を思い出しおいる。孊生時代、䌚瀟員時代、AV女優なりたお時代。そしおそれを思い出すこずで、今のやる気を支えおもらっおいる。
 色んな初心があった。
 やっおみおワクワクする。「ありがずう」っお蚀われお嬉しい。よく分かんないけど圹に立おおる気がする。しんどかったけど、埌で笑い話にできるず愉しい。
 キラキラしたものばかりではない。自分がちっぜけだったな、ず思うこずももちろんある。昔、䞊叞に蚀われおどうにも腹が立ったこず。今、自分が誰かを匕っ匵る立堎になっおみお、ようやく䞊叞の気持ちが想像できるのだ。じゃあ私はバむトの人たちに、どう察応したら良いんだろう。やっぱり昔の䞊叞に䌌た察応になっちゃうななどなど、初心を思い出すず、頭も悩たせるこずも倚い。
 ただ、良いこずも悪いこずも䞀歩俯瞰しおいる今、ひずたわり広がった䞖界を芋た気がした。その䞖界に完党に順応するのは、ただできおいないけれど、ずりあえず思うのは぀。
「圌ら圌女ら、自分より若い䞖代に『愉しかった』ずいう思い出を䜜っおほしい」
 人間のゎヌル、そしお぀たり、私の䜿呜は「呜のバトン」だず思うから。

いいなず思ったら応揎しよう

藀かんな サポヌトは私の励みになり、自信になりたす。 読んでくれお、ありがずうございたす。