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【5/2】レアアースが次の主戦場になる理由―MPマテリアルズ(MP)、ライナス(LYC)で読む、AI・防衛・EV供給網の急所―

はじめに

いま相場で本当に変わり始めているのは、関税の数字ではありません。
供給網そのものです。

米中対立というと、どうしても関税や首脳会談のニュースに目が行きます。
でも実際には、その裏で中国はレアアースの輸出管理を強め、AIチップや重要技術でも自国主導の体制を固めようとしています。Reutersは、中国が通商休戦の裏で、供給網や重要技術を使った対抗手段を広げていると伝えています。つまり、いま世界が争っているのは、関税の上げ下げよりも、誰が素材と供給網の急所を握るかです。

その急所の一つが、レアアースです。
レアアースは、EV、風力、AIサーバー、防衛装備、精密電子機器などの広い分野で必要になります。しかも、中国依存を減らしたい動きが強まるほど、中国以外の供給源を持つ会社の重要性は上がります。日本、フランス、カナダが中国依存を減らすために代替供給網づくりを進めているのも、その流れです。

ここで大事なのは、少し冷静に見ることです。
MPマテリアルズ(MP)やライナス(LYC)を、決算が完璧な超優良株だと言い切るのは無理があります。
ただし、レアアースが次の主戦場になる流れを取りに行く主役株だとは、かなり自信を持って言えます。今日はそこを、やさしく、でも曖昧にせず整理します。


なぜ、今レアアースなのか

理由は単純です。
AI、防衛、EVのどれを見ても、最後は素材と供給網に行き着くからです。

たとえば中国では、DeepSeekの新モデル公開をきっかけに、ByteDance、Tencent、Alibaba などの大手が Huawei のAIチップ確保を急いでいるとReutersは伝えています。さらにHuaweiのAIチップ売上は、2026年に少なくとも60%増える見通しとも報じられています。これは、AI競争がソフトやモデルの話だけでなく、半導体とその上流の供給網まで広がっていることを示しています。

しかも、AIだけではありません。
レアアースは永久磁石、防衛装備、モーター、電子部品などにも使われます。だから相場の主語がAIから防衛へ、EVへ、経済安全保障へ動いても、レアアースの重要性は残りやすい。ここが強いです。
つまりレアアースは、一つのテーマに依存しない。
複数の強いテーマの交差点にあります。


本命は、まずライナス(LYC)

今回、いちばん自然に前に出せるのはライナス(LYC)です。

理由ははっきりしています。
テーマ性だけでなく、足元の数字がかなり改善しているからです。Reutersによると、ライナスの2026年1-3月期売上は A$2.65億 と、前年の A$1.23億 から2倍超に伸びました。背景には、レアアース価格の改善と、中国以外から調達したい顧客需要の強さがあります。生産量も大きく伸びています。

ここが大きいです。
ライナスは「非中国圏の供給源」というテーマだけで買われる株ではなく、実際に数字が動き始めている。
もちろん、何もかも完璧というわけではありません。コスト上昇の懸念もあり、地政学の影響を完全に受けないわけでもない。
それでも、今の時点で
テーマの強さ
業績改善
供給網の重要性
の3つが一番きれいに重なるのは、ライナスです。

だから私は、今回の主役を1社挙げるなら、まずライナス(LYC)を置きます。


MPマテリアルズ(MP)は「本命」というより、政策と地政学の主役

次にMPマテリアルズ(MP)です。

この会社は、米国のレアアース供給網再建という文脈では非常にわかりやすい主役です。

Reutersによると、MPは2025年10-12月期に 940万ドルの純利益 を計上し、前年同期の赤字から黒字転換しました。しかも、米国内唯一のレアアース鉱山運営会社として、中国に送っていた原料の加工をやめ、カリフォルニアとテキサスで国内処理・磁石生産を進めています。つまり、米国が「中国以外で回る供給網」を作ろうとするとき、かなり象徴的な会社です。

ただし、ここはかなり大事です。
MPは、決算がピカイチの超優良株とは言いにくい。
なぜなら、今回の黒字転換には 5100万ドルの米政府価格支援収入 が大きく効いているからです。
つまり、事業の自走力だけで勝ったというより、政策支援もかなり大きい

だからMPは、
**「品質で一番強い会社」**というより、
「米国が供給網をどう作り変えたいかを一番わかりやすく映す会社」
として見る方が自然です。

この違いを曖昧にすると、読者の信頼を落とします。
なので、はっきり書きます。
ライナス(LYC)は業績面でも前に出しやすい。MPマテリアルズ(MP)は政策と地政学の主役。
この分け方が、一番誠実です。


参考銘柄は、クリティカル・メタルズ(CRML)とRare Earths Americas(REA)

参考銘柄もいくつか出すなら、ここです。
ただし、ここから先はかなり温度が上がります。
つまり、本命というより高リスクの参考枠です。

まず、クリティカル・メタルズ(CRML)。

Reutersによると、同社はEuropean Lithium を約 8.35億ドル で買収し、グリーンランドの大型重希土プロジェクト Tanbreez を完全保有する方向に進めています。重希土の供給源としてはかなり魅力的で、テーマ性は強いです。 (reuters.com)

ただし、ここはまだ開発色が強い
つまり、いまの数字の安定感で買うというより、
将来の資産価値と戦略的重要性に賭ける株です。
爆発力はあるかもしれない。
でも、読み違えた時の振れも大きい。
だから本文では、参考銘柄として置くのがちょうどいいです。

次に、Rare Earths Americas(REA)。

Reutersによると、同社は米国IPOのロードショーを開始し、評価額は最大 3.684億ドル を狙っています。米国とブラジルで高品位の重希土プロジェクトを進める探鉱段階の会社で、こちらも「西側で重希土をどう確保するか」というテーマには合っています。 (reuters.com)

ただし、こちらもかなり初期段階です。
なので、位置づけとしては
ライナス(LYC)=本命
MPマテリアルズ(MP)=主役株
クリティカル・メタルズ(CRML)、Rare Earths Americas(REA)=高リスクの参考銘柄
これで整理するのが自然です。


では、今の相場でどう考えるか

ここまで整理すると、見方はかなりシンプルです。

今の相場は、
「決算が完璧だから買う」銘柄
「次の主戦場を取りにいく」銘柄 を、分けて考えた方がいいです。

レアアース関連は、前者というより後者です。
だから、超優良株の安心感で持つテーマではない。
その代わり、世界の供給網再編が一段進んだとき、
相場の主役になりやすい場所でもあります。

しかも、これは一過性のニュースでは終わりにくい。
日本はベトナムとエネルギー・重要鉱物での協力を深めていますし、日本・フランス・カナダも中国依存を減らすための代替供給網づくりを進めています。レアアースは、これからも世界の経済安全保障のど真ん中に残りやすいです。

だから、今の整理はこうなります。

本命
ライナス(LYC)

主役株
MPマテリアルズ(MP)

参考銘柄
クリティカル・メタルズ(CRML)
Rare Earths Americas(REA)

この分け方なら、かなり無理がありません。
そして読者にも、どこまでが本命で、どこからが高リスクかが伝わりやすいです。


まとめ

レアアースは、ただの素材株の話ではありません。
AI、防衛、EV、そして経済安全保障をつなぐ供給網の急所です。
だから、相場の主戦場になりやすい。

ただし、ここで大事なのは、無理に美化しないことです。
MPマテリアルズ(MP)もライナス(LYC)も、何もかも完璧な超優良株ではありません。
でも、次のテーマを取る主役株としてはかなりわかりやすい。
その中で、今いちばん自然に前に出せるのはライナス(LYC)。
MPマテリアルズ(MP)は政策と地政学の主役。
その外側に、クリティカル・メタルズ(CRML)やRare Earths Americas(REA)のような高リスクの参考銘柄が並ぶ。

最後に一文で締めるなら、こうなります。

レアアース関連株は、決算が完璧な“安心の大型株”ではない。
ただし、世界の供給網が次に動く場所を取りにいくなら、いま最も見逃せない主役株である。

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