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ARABAKI ROCK FEST.が大好きという話

音楽フェスが好きだ。

初めてのフェスは高校2年生の夏、ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のNANO-MUGEN FES.2009だった。
その翌年にBEAT CRUSADERSの散開が決まり、最初で最後に一目観てみたいという思いからROCK IN JAPAN FES.2010に参加し、夏の野外フェスの楽しさを知った。
これまでにRISING SUN ROCK FESTIVAL、FUJIROCK FESTIVAL、
New Acoustic Camp、BAYCAMP、SUMMER SONIC、ROCKS TOKYO(VIVA LA ROCK)、RUSH BALL
…とたくさんのフェスに足を運び、
アーティスト主催系だとDEAD POP FESTiVAL、OOPARTS、SAIなんかも行っている。
住んでいるのが関東の都合上、東日本寄りになっているのは容赦していただきたい。

そんな中で、「一番好きなフェスは?」と聞かれたらかなり悩ましいが、ここ数年は宮城県は川崎町で開催されるARABAKI ROCK FESTIVAL(以下:アラバキ)と答えることが多い。
初めて参加したのは2014年、確かライジングサンにも一緒に行った福島出身の友人が「車出すから行こうよ」と誘ってくれたのがきっかけだった気がする。
毎年ではないが、参加回数は気がつけば一番多く参加していたROCK IN JAPAN FESに並ぶか追い越しつつある。

ティザー映像。良い。

アラバキのここが好き

時期がいい

ここ数年はあまりの夏の暑さに開催時期を春に移動したフェスもあったりするので、1年の一番最初に開催されるフェス、というわけではないけれど、本格的なフェスシーズン開幕の先陣を切るうちの一つがアラバキではないかと感じる。
好きな理由の一つに、春開催ということもあり真夏のような過酷さがないというのはもちろんある。
東北は関東と比べると桜の開花の時期が遅いので開催時期に桜が観れることも多い。
とある年、桜吹雪が舞う鰰(はたはた)ステージのアルカラのアクトでバイオリンを弾きながら登場したフロントマンの稲村さんはあまりにも風情がありすぎて強烈に記憶に残っている。

ライブの間に盆踊り。めちゃくちゃ規模の大きい地元のお祭りって感じで本当に良い

地域色の強い雰囲気がいい

この規模感のフェスの中では地域性や風土を最も大事にしているのではないかと思う。
青森県の津軽三味線のSEで始まる各アクト、編み笠や彦三頭巾で顔を隠した(顔を隠しているのは亡者であることを意味し、供養するためが起源らしい)踊り手による秋田県の西馬音内盆踊り宮城県のみちのくプロレスと東北地方に根差した文化や魅力を知る機会にもなる。
ステージの名前も先述のといい、山形県の花笠祭りが元になっている花笠ステージ、福島県を通る路線から命名された磐越ステージなど、東北地方由来のものから名付けられている。

出展している飲食店も東北名物もしくはゆかりの品が並び、牛たんの利久を筆頭に塩竈のおでん山形の芋煮もラインナップされていて充実している。年々温暖化の影響で気温は上がっているけれど四月の東北はまだ風の冷たさも感じることがある時期、特に夜の冷え込みは厳しいので暖かさが染みる。開催地である川崎町のブースで販売していた玉こんはサクッと食べれて身体も心もポカポカしてとても美味しかった。

あとはとにかく、全体的にほのぼのとしている。自分が神奈川育ちであるが故の感じ方というのもあるだろうけれど、なんとなく関西方面の地方都市よりも古き良き昔ながらの空気が、よりありのままに色濃く感じられる気がする。
また、キャンプインのフェスではアウトドア系ブランドの出店はよく見かけるが、古着などファッション寄りのアパレル出店もあったりして他のフェスよりもバリエーションが豊富に感じる。フードエリア以外にもアクセサリー作りのワークショップが行われていたりして、私も昨年はやたら真剣に悩んで真鍮のバングルに好きな文字を刻めるショップに立ち寄った。

出演アーティストのラインナップ、コラボレーションがいい

まあ正直なところやっぱり最終的に行く決心を固める理由としてこれは大きい。
2024年度の終演後に、「フェスをこれからも長く続けていくためにも変わらないといけない部分がある」という発信がされていたのでいつかはアーティストラインナップも方向性が変わるかもしれないが、少なくとも2026年現在は30代〜40代のファンの多い00年代前後のアーティストが名を連ねている。私の好みで言うとACIDMAN、ストレイテナー、ELLEGARDEN(というか細美武士)あたりは全て揃うことは多くはないが、大体毎年誰かしら出演してくれている。
また、アーティスト同士のコラボレーションが多く見られるのもアラバキの特徴だと言える。というか毎年その年のトリを飾るアーティストに関連するワードでの匂わせがあり、スペシャルアクトとしてすごい年はセットリストの3分の1くらいは夢のコラボレーションのオンパレードになると言っても過言ではない。
本当にここでしか観れない素晴らしい瞬間が多くあって、いろんなアーティストのそんな奇跡をまた味わいたくて来年も行こう、と思いながら例年会場を後にしている。

今年の初日のトリを務めるのは、ASIAN KUNG-FU GENERATION 「NANO-MUGEN at ARABAKI」。
事前に発表されているゲストの中には我らがストレイテナーのホリエアツシ細美武士がいる。多くは言うまい。楽しみで仕方ない。


余談:アラバキに行くならTHE BACK HORNは観た方がいい

アラバキ初年度から皆勤で出演している唯一のバンドがTHE BACK HORNだ。メンバー2人が福島出身というのが毎年オファーが続く理由の一つだと考えられる。(同じく東北出身のメンバーがいる9mm Parabellum Bullet、サンボマスターも出演回数が多い)
ずっと出演し続けているだけあってアラバキのステージが似合いまくっているし、彼らの楽曲の空気がフェスにがっちりとマッチしているので、このフェスで、彼らをぜひ観てほしい。
ちなみに彼らがトリを務めた2014年、2025年にも参加していてライブを見ていたが、エレファントカシマシの宮本浩次との「悲しみの果て」や、東北の文化を織り交ぜた盆踊りと和太鼓とコラボした「刃」はもうすごすぎた。映像として残っていないのが勿体無いほどである。語彙力も吹き飛ぶ。

会場内でのライブペイント。多分2015年とか。

アラバキのここはしんどい

好きなところばかり書いてきたけれど、どうしてもしんどい点が2つだけある。

夜が寒すぎる

日中が20度前後まで気温が上がる天候に恵まれた年でも日が暮れると一気に冷え込む。なお、今年のアラバキ初日の予想最低気温は2℃。
東北の4月末はまだようやく春の訪れくらいである。
最たるエピソードとして2022年度、なんとBRAHMANの演奏中に雪が降ったといえばナメてかかると痛い目をみるということは十分に伝わると思う。
私個人としては幸いなことに晴れた年しか行ったことがないし、暑いよりは寒い方が全然耐えられる方だけれども、それでもキャンプ泊をした時の夜の寒さは忘れもしない。「死ぬほど寒い」ではなく「死んだ方がマシかもしれない」と思うような寒さだった。
防寒具や寝袋はもちろんたくさん持って行っていたが、寝付けないほどの寒さだった。意識を失うことができないのがこんなに辛いなんてと思ったことは後にも先にもあの時だけだった気がする。極めつけはそんな悪夢のような夜をどうにか乗り越えた明け方、テントの外に出たら前夜に酔っ払った結果完食できずに放置されていた焼きそばに霜が降りて凍りついていた。もちろん地面も霜柱でシャリシャリだった。
東北出身の友人には「この時期にキャンプ泊するなんて頭おかしい」とすら言われたので、まあそういうことなのだと思う。

ただ、そんな思いをしてもまたキャンプ泊もしたいな〜という思いはあるし、キャンプエリアを歩いていると毛布を持ち込んだり、ポータブル電源を持ち込んで電気毛布を活用しているらしきテントも見かけるので、準備さえすれば楽しいし、魅力があるのは間違いないです。笑
あと寒さを乗り越えた後の朝風呂は格別。

参加のハードルが若干高い

会場のエコキャンプみちのくは仙台から車で約1時間。会場まで1本道なので混雑で渋滞して倍以上の時間がかかることを考えると、行きはともかく帰りはトリまで見るとまず遠征民は日帰り不可能なのが現実だったりする。
さらに本格的な連休に突入する前とはいえGW期間なので会場周辺や仙台近辺の宿代も通常時より高めの価格で設定されていることも多く、新幹線も時間によっては埋まることがある。
また、前述の通り春とはいえ夜の冷え込みを考えると荷物が多くなる傾向にある上に会場がバカデカい(実際実は北海道のライジングサンロックフェスティバルの会場より広い。ChatGPT調べ)ので、体力やらいろんな準備がないと結構しんどいだろうなと感じる。
まあ正直都市型フェス以外割とどこでも背負っていることのような気もするけれど、ある程度時間にも財布にも余裕ができてから参加する方が楽しめるフェスかなと思う。


まとめ:それでもやっぱりあの場所が大好き

しんどいところも書いたけど、そういうところも含めてこのフェスが大好きです。
この記事ももうちょっと早めに公開して少しでも誰かが来たいと思ってくれるきっかけになればいいなと思ってたのが、色々バタバタやってたら気づけば公演3日前。
今からだとチケットはともかく宿泊交通周りが厳しいかと思いますが、少しでも私の好きなフェスに興味を持ってもらえたなら嬉しいです。

さて、荷造りしよう。

おいでよ宮城 待ってるよアラバキ

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