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6月16日はアマチュア無線の「国籍条項」撤廃の記念日

6月16日は私にとって大事な「記念日」の一つ。 今から33年前の1993年6月16日、日本の電波法が改正され、アマチュア無線局に関する「国籍条項」が撤廃、即日施行されました。

この時点で私はすでに日本の第二級アマチュア無線技士の資格を取得済み。(後日、第一級も取得)。しかし、国籍条項という壁に阻まれ、開局して自分のコールサインを持つことができない状態が長らく続いていました。 試験には合格しているのに、電波を出せないもどかしさ。 法改正の報を受けてさっそく開局申請を行い、翌月7月6日付で念願の局免許を手にした日のことは、今も鮮明に覚えています。

条文上の「相互主義」と、実務上の高い壁

電波法(5条1項)は、原則として日本国籍を持たない者への無線局免許の付与を禁じています。ただし、例外規定として以下のような条文が存在しました。

(平成5年改正前の電波法5条2項四号) アマチユア無線局であつて、その国内において日本国民が同種の無線局を開設することを認める国の国籍を有する人の開設するもの

一見すると、合理的な「相互主義」に基づいた制度に思えます。しかし、実務上の運用は全く異なりました。 たとえば、ある外国(A国)が「日本国民がA国の試験に合格すれば、開局を認める」という運用をしていたとします。それだけでは、A国国民は、日本での開局が認められませんでした。

当時の運用で公式に認められていたのは、「日本のアマチュア局免許を持つ日本人に、無試験でその外国国内での運用を認める協定(相互運用協定)」を結んだ国の国籍を持つ者のみ。 それに該当しなければ、私のように日本の国家試験に正規に合格していても、局免許は付与されなかったわけです。

自動車の免許に例えると見えてくる矛盾

この状況がいかに理不尽か。自動車免許に例えてみます。

外国籍の人が、苦労して日本の自動車教習所に通い、運転免許試験に合格したとします。普通免許の証書はもらえる。しかし「あなたの母国と日本との間に、無試験で免許を切り替える条約がないから」という理由で、自分の名前で車を所有することも、登録することも許されない。 これが、当時のアマチュア無線制度で起きていた事態の正体です。

「外免切替(無試験での運用)」の二国間協定(相互協定)の有無が優先され、「日本の正規の試験に合格した人」は制度の谷間に置き去りにされる。そんな実務状態が長く続いていました。

法改正がもたらした「当然の帰結」

1993年の法改正により、電波法5条2項の例外規定から国籍に関する一文が整理され、「アマチュア無線局」は、シンプルに国籍による欠格条項の対象外になりました。 (参考:衆議院 制定法律情報

「外免切替」にあたる二国間協定は、国際交流として推進すればいい。しかし、日本の資格試験に正規ルートで合格した人への免許付与は、それとは全く別の次元で担保されるべき権利。 この法改正は、単にその「当たり前の論理」が実現したに過ぎません。

ただ当時、日本の多くのアマチュア無線家たちが「国際的には相互主義が原則なのに、日本が一方的に過剰な開放をしてしまった」と認識している節がありました。根本的な部分で制度の問題点に誤解があるのが、当時から残念でたまりませんでした。

あの日から、もう33年。 制度の変遷と、コールサインを手にした日の重みを、6月16日が来るたびに思い出します。


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