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避妊の心配がなくなった夫と、変わっていく身体に戸惑う妻

閉経すると、性欲は変わるのか

――避妊の心配がなくなった夫と、変わっていく妻の身体

「もう、避妊しなくてもいいのかな」

妻が閉経の話をしたとき、夫が何気なく言った。

妻は少し驚いた。

夫にとっては、確かに大きな意味がある。

妊娠の心配がなくなることは、夫婦にとって一つの安心材料になる。

けれど妻は思った。

――私の身体は、そんなに単純じゃないんだけど。

閉経とは、最後の月経から12か月以上月経がない状態を指す。
そこへ至る前の更年期には、月経周期が不規則になったり、
身体や気分にさまざまな変化が起こったりする。

そして、性欲についても「閉経したらなくなる」と
決まっているわけではない。

性欲が変わらない人もいる。

強くなる人もいる。

反対に、以前より性欲が低下したと感じる人もいる。

そこにはホルモンの変化だけでなく、睡眠、疲れ、ストレス、夫婦関係、
自分自身の気持ちなど、いろいろなものが関係する。

妻の身体にも変化が起こることがある。

女性ホルモンの低下によって、
腟の乾燥や性交時の痛みなどが起こる人もいる。

だから夫が、

「これで避妊の心配はなくなったね」

と喜ぶだけでは、妻の気持ちとは少しズレてしまう。

妻が考えているのは、

「これから私の身体はどうなるんだろう」

ということだからだ。

夫は妊娠の可能性がなくなったことを考える。

妻は、自分の身体が少しずつ変わっていくことを感じる。

同じ「閉経」という出来事でも、見えている景色は違う。

ある夜、夫が妻に聞いた。

「閉経したら、もう女性として変わっちゃうの?」

妻は少し笑った。

「変わるところはあると思う。でも、女じゃなくなるわけじゃないでしょう?」

「そうだよな」

「むしろ、これからのほうが自分の身体とちゃんと
付き合わないといけないのかもしれない」

夫はうなずいた。

そして言った。

「じゃあ、俺もちゃんと知っておくよ」

妻はその言葉を聞いて、少し安心した。

閉経は、性欲の終わりではない。

女性としての魅力の終わりでもない。

そして夫にとっては、単に避妊の心配がなくなる出来事でもない。

妻の身体が変化する時期に、夫婦がどう向き合うか。

そこに、これからの夫婦関係が表れるのかもしれない。

「もう大丈夫」ではなく、

「これから、どうしていこうか」

そう言える夫婦でいたい。

閉経を迎えた妻に必要なのは、
若さを取り戻させることではない。

変化していく身体も含めて、

精神的な不安もあるようだ

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