恵方巻きの日の、ちょっとした話
今の会社に入ってから、
毎年この時期になると、ひとつの習慣がある。
お世話になっている鮮魚の方が作っている恵方巻きを、
社長が毎年、買ってきてくれる。
特別なイベントというほど大げさなものじゃない。
でも、毎年ちゃんとある。
「今日は恵方巻きの日だからな」
そんな一言と一緒に、机に置かれる。
恵方巻きには、いろいろ意味があるらしい。
・切らずに一本で食べる
・黙って食べる
・その年の恵方を向く
全部調べれば出てくる話だ。
正直、
毎年すべてを完璧に守っているかと言われると、
たぶん守れていない。
それでも、この恵方巻きは、
なんとなくちゃんと食べたくなる。
理由はたぶん、
「毎年続いている」ということと、
「誰かが考えて用意してくれている」ということ。
仕事でも、暮らしでも、
こういうものって意外と大事だと思っている。
大げさな言葉や、気合じゃなくて、
毎年、同じ時期に、同じことをする。
それだけで、
**「あ、今年もここにいるな」**と感じられる。
そういえば、家でも巻き寿司を作った。

形は少し不格好だけど、
それも含めて、今年の恵方巻きだった。
恵方巻きは、
ただの巻き寿司かもしれない。
でも、
意味を知って食べると、少しだけ味が変わる。
無言で食べながら、
今年はどんな一年になるんだろうな、と考える。
それくらいでいい。
全部を守らなくてもいいし、
正解を気にしなくてもいい。
こういう小さな習慣が、
僕の日常を、静かに支えている。
