幼なじみのあやめ【バカの名は】
〇:おーい、あやめー
日直でいつもより遅くなった下校中、前方に見知った後頭部を見つけて声をかける。
あ:あっ、〇〇
振り返ってわざわざオレの方にテトテト戻ってくる。

〇:あやめ今帰り?遅くない?
あ:あっ、うん;;;
〇:さてはまた誰かに告白されてたのか?
あ:えぇっ;;なんで?
〇:何年幼なじみやってると思ってんだよ。顔見ればわかるよそんなの?
あ:えぇぇっっ!!!
心底驚いてるあやめが面白くて笑ってしまう。
一学年下のあやめとは幼なじみで小さい頃からずっと一緒だった。
〇:うそうそ、さっきちょっと窓から見えちゃってさ・・・屋上いたでしょ
〇:それで、あー告白されてんな―って思った
あ:もぉー、何それ・・・
〇:で?その感じだとお断りしたって感じ?
あ:えっ;;;うん・・・
〇:高校入って何回目?もてるよなー、あやめは
あ:べっ、別にそんな多くないし;;;
〇:まあ、別にいいけど。毎回断るのもけっこう大変そうだな
あ:それは、うん・・・
以前にけっこうしつこく迫れられて、大変な目にあったというのを聞いていた。
〇:心配な時は、オレに言ってくれればボディガードくらいするぞ
あ:なにそれ;;;
〇:だから物陰に隠れて見守ってるみたいな
あ:そんな事〇〇にさせられないよ;;;
〇:いいからそういう時くらい頼ってくれよ。兄弟みたいなもんだろ?
あ:えっ・・・うん・・・
〇:ていうか毎回断ってるけど彼氏作らないの?
あ:えぇっ!!?
〇:彼氏がいれば、告白される事もなくなるんじゃないの?
あ:そ、そうかもだけど。誰でもいいってわけじゃないよ;;;
〇:まあ、そっか・・・
告白できるって時点でそれなりに高スペックが担保されていると思うんだが・・・
〇:あやめって好きな人いないの?
あ:えっ;;何、急に?
〇:自然な流れじゃないか?
あ:べ、別に〇〇には関係ないよね;;;
〇:まあ、それはそうなんだけどさ・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
あ:あ、あのっ;;;
〇:ん?
あ:気になる?・・・・私の好きな人・・・
〇:気になるに決まってんだろっ!!
あ:えぇ?
〇:兄として妹の事が心配なんだよ
あ:んむぅー、妹じゃないしっ!!私だって好きな人くらいいるからっ/////

〇:そーなんだ
・・・・・・
〇:付き合ってみればいいんじゃない?
あ:無理だよ・・・私の事なんとも思ってないし
〇:そーなの?
あ:うん・・・
〇:あやめくらい可愛いくていいやつなんて他にいないのに、そいつ見る目無いなー、バカだねー
・・・・・・
〇:オレだって幼なじみじゃなくて、普通に高校で出会ってとかだったら絶対好きになってただろうなー
・・・・・
・・・・・
・・・・・
〇:あやめ?どした?
あ:なっ;;;なんでもないよ;;;
〇:で誰なの?オレも知ってるやつ?
あ:えぇっ;;;言えないよっ;;そんなの;;;
〇:まあ別にいいんだけどさ
〇:知ってるやつだったら、協力できるかもって思ってさ
あ:・・・協力って
・・・・・・
・・・・・・
あ:・・・バカ
〇:ん?何か言った?
あ:別に・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
〇:まあ、彼氏ができるまではオレを頼ってくれていいからな
〇:好きじゃないやつに呼び出されたり、心配事があったらちゃんとオレに言うんだぞ
そう言って背を向けると、ふいに袖を掴まれる。
振り返ると真っすぐにオレを見つめるあやめ。
あ:ねえ/////

あ:名前言ったらほんとに協力してくれるんだよね?
あ:約束だよ・・・
あ:私が好きな人はね・・・
【終わり】
