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定年退職へのカウントダウン

定年退職へ。


きょう内示があります。
ほかの会社の内示は知らないのですが、
うちの会社では、
かなり前に大体の異動名簿が固まっています。
それを『蓋が閉まる』と言っています。
私も一時期、人事を担当しましたが、
この『いついつ蓋が閉まる』という言葉に背中を押されるかのように異動の調整に走り回ったものです。
ふつうの会社では人事部が相当強いので、
内示直前の混乱なんていうのは無いのでしょうが、
うちの会社は現場もかなり強い上に、
恣意的に人事をいじる人も少なくないので、
閉まったはずの蓋がよくこじ開けられる、
というのが特徴です(どんな特徴なんでしょう 汗)。
が、一年前から退職の意向を強く伝えてきた私の人事は、
退職に向けてのカウントダウンになるような異動にしてもらうようお願いして来ましたので、
まず変えようが無いはずです。
(朝8:40 電車にて  このあとは退勤後)

16:10 内示。
特段、波乱はありませんでした。

夕方、会社の一番偉い方の部屋に呼ばれました。
しばらく待った後、呼び込まれると、
偉い方が4人、楕円テーブルに座って、こちらはひとり。
えらい方々の前に居住まいを正して座りました。
「あなたは自立するんだって?」
「はい」
「難しい仕事をいろいろやっていただきました。
 長年、ごくろうさまでした」
と声をかけていただきました。
私は
「長い間、ありがとうございました」
と述べ部屋を出ました。

「こんなものなのかなぁ」と
特段の感慨もなく席に戻りました。
この儀式は何だったのかな。
あまり深く考えても仕方がない。
いよいよスタートなんだな。

「あいつは映画館をつくると言っているらしいが、
 成り立つわけないじゃないか」

さっそくそんな先輩の声が聞こえてきました。
長い間、面倒見の良い先輩だと思ってきた方の声です。なぜ私に直接言わないんでしょう。

 “成り立つわけがない。”

そんなこと、誰でも言えますよね。
成り立たないことなんか、百も承知なんです。
閉鎖が予定されている映画館かもしれません。
が、一日でも長く立たせていることが、
経営だと思っています。

でも、まだ影も形もありません。
『いつか、かならず』
いくらか千鳥足で帰宅する道すがら
そんな思いが去来しました。
ニュー・シネマ・パラダイスのテーマ音楽が
頭の中で鳴り響いていました。

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