【決算チェック】以前紹介したeWeLLが好決算―訪問看護DX銘柄の投資仮説を、AIとBPaaSの成長で再確認―
以前、私はeWeLLについて、訪問看護DX銘柄として記事で取り上げました。
訪問看護市場の拡大、iBowを中心としたストック型収益、高い利益率、AI・BPaaSによるアップセル余地に注目した内容です。
今回、そのeWeLLが2026年12月期第2四半期決算を発表しました。
結論から言うと、今回の決算はかなり良い決算だったと思います。
以前の記事で書いた、
訪問看護市場の拡大
iBowを中心としたストック型収益
高い利益率
AI・BPaaSによるアップセル余地
という投資仮説が、今回の決算でかなり確認できた形です。
この記事で分かること
この記事では、eWeLLの2026年12月期第2四半期決算について、以下を整理します。
・売上高、営業利益の成長
・営業利益率47.5%の高収益性
・クラウドサービスとBPaaSの伸び
・契約ステーション数と顧客単価の推移
・AIサービスの成長可能性
・今後の注目ポイント
1.決算全体はかなり良い
まず、今回の決算数字を確認します。

売上高は前年同期比24.2%増、営業利益は20.1%増です。
売上も利益も、しっかり伸びています。
特に注目したいのは、営業利益率です。
営業利益率は**47.5%**でした。
これは非常に高い水準です。
成長投資を進めながら、これだけの利益率を維持している点は、かなり評価できます。
2.利益は計画を上回り、下期のAI課金にも期待
今回、売上高は業績予想比で**△2.0%**でした。
ここだけを見ると、少し物足りなく感じるかもしれません。
ただし、会社は、AI訪問予定ルートの課金開始が7月からであるため、売上は想定通りの水準と説明しています。
一方、営業利益は業績予想を3.9%上回りました。

売上進捗は46.6%ですが、下期からAI訪問予定ルートの課金が始まります。
そのため、現時点で大きく心配する必要はないと見ています。
むしろ、営業利益が計画を上回っている点はポジティブです。
3.クラウドとBPaaSがともに成長
サービス別に見ると、主力のクラウドサービスがしっかり伸びています。

クラウドは、主力サービスであるiBowを中心とした収益です。
AI訪問看護計画書・報告書のアップセルもあり、前年同期比23.1%増となりました。
一方で、BPaaSは前年同期比37.2%増と、さらに高い成長率です。
BPaaSとは、訪問看護ステーションの事務管理などを支援するサービスです。
単なる事務代行ではなく、自社開発SaaSであるiBowと連携している点が特徴です。
つまり、eWeLLは単なるSaaS企業ではなく、
SaaS × 業務支援 × AI
を組み合わせた会社になりつつあります。
ここが、同社の面白いところだと思います。
4.契約ステーション数も順調に増加
次に、重要KPIである契約ステーション数です。
2026年12月期2Q時点の契約ステーション数は3,736件となりました。
前年同期比では13.7%増です。
会社資料では、診療報酬改定をきっかけとした他社からの切り替えや、複数事業を運営する顧客との契約が増加したと説明されています。
一方で、解約については、閉鎖等による解約が例年より多かったものの、想定より抑えられたとされています。
訪問看護ステーション向けSaaSを見るうえでは、
契約ステーション数が増えること
解約が低く抑えられること
顧客単価が上がること
この3点が重要です。
今回の決算では、この3点が概ね確認できました。
5.顧客単価の上昇が良い
今回の決算で、私が特に評価したいのは顧客単価の上昇です。
月間平均顧客単価は90.9千円となり、前年同期比5.2%増でした。
会社は、BPaaSやAIサービスの付帯率向上により単価が上がっていると説明しています。
これは非常に良い傾向です。
単に契約ステーション数が増えているだけでなく、既存顧客へのアップセルによって、1顧客あたりの売上も伸びています。
つまり、eWeLLは、
新規契約の増加
だけでなく、
既存顧客の単価上昇
でも成長できているということです。
これはSaaS企業として、かなり良い形です。
6.NRRの開示も好材料
今回、新たにNRRが開示されました。
NRRとは、既存顧客1法人あたりの売上が、解約やアップセル、新規ステーション追加を含めて、どれだけ維持・拡大したかを見る指標です。
eWeLLのクラウドサービスNRRは**108.0%**でした。

NRRが100%を超えているということは、既存顧客からの売上が増えているということです。
特に、複数ステーションを運営する法人のNRRが**114.7%**と高い点は注目です。
今後、訪問看護ステーション業界で多拠点化や法人化が進むほど、eWeLLにとって追い風になる可能性があります。
7.AIサービスが成長ドライバーになり始めている
今回の決算で最も注目したいのは、AI関連サービスです。
AI訪問予定ルートの契約数は273件でスタートしました。
そのうち、7月から課金開始となる件数は246件です。
単価は想定通り、月額15,000円程度とされています。
このAI訪問予定ルートは、訪問看護の予定やルートを効率化するサービスです。
訪問看護では、スタッフの移動時間や訪問順序の最適化が非常に重要です。
人手不足が続く中で、限られた人員でより多くの訪問を行うには、こうした業務効率化が必要になります。
さらに、eWeLLは2026年中に新AIサービス「AI訪問看護スコアリング(仮)」の提供・課金開始も予定しています。
これは、日々の訪問記録をもとに、訪問看護ステーションの経営指標を自動分析するサービスです。
単なる記録業務の効率化にとどまらず、経営改善まで支援する方向に進んでいる点が重要です。
eWeLLは、訪問看護の「記録システム」から、訪問看護ステーションの「経営支援プラットフォーム」へ進化しつつあるように見えます。
8.市場環境も追い風
訪問看護市場そのものも拡大しています。
会社資料によれば、2026年4月時点の全国の訪問看護ステーション数は20,000ステーションを突破しました。
6年連続で1,000件超の純増となっており、訪問看護ステーション数の増加トレンドは続いています。
eWeLLのシェアは、2026年6月時点で**18.6%**です。
会社は、2026年12月末時点でシェア20%に向けて顧客数の増加を見込んでいます。
ここは非常に良い構図です。
市場が伸びる
eWeLLのシェアが上がる
顧客単価も上がる
この3つがそろっています。
以前の記事で注目した「訪問看護DX」という投資テーマは、今回の決算でも崩れていません。
むしろ、AIとBPaaSの伸びによって、成長ストーリーは強まっていると感じます。
9.財務も非常に健全
財務面も問題ありません。
2026年12月期2Q末の自己資本比率は**81.4%**です。
現預金は28.11億円あります。
また、上期には配当金の支払いと、約3億円の自己株式取得も実施しています。

成長企業でありながら、財務はかなり堅いです。
配当予想も年間21円で、前年の16円から増配予想です。
高成長、高利益率、高財務健全性。
この3つを兼ね備えている点は、eWeLLの大きな魅力です。
10.注意点もある
もちろん、良い点ばかりではありません。
注意点もあります。
1つ目は、売上が業績予想比で**△2.0%**だったことです。
大きな問題ではありませんが、成長株としては売上進捗も見られます。
2つ目は、解約数です。
Q2の解約数は64件で、過去の推移と比較するとやや多めです。
会社は、閉鎖等による解約が多かったものの、想定より抑えられたと説明しています。
ここは次回以降も確認したいポイントです。
3つ目は、人員面です。
採用は順調ですが、退職数もあり、人員数は横ばいです。
今後、既存顧客のiBow活用促進やBPaaSを伸ばすには、人材確保も重要になります。
4つ目は、株価の期待値です。
eWeLLは良い会社ですが、高成長・高利益率の会社は、株価に期待が織り込まれやすいです。
決算が良くても、短期的には材料出尽くしで売られる可能性もあります。
11.今回の決算で、投資仮説はどうなったか
以前の記事で、私はeWeLLを訪問看護DX銘柄として紹介しました。
今回の決算を見る限り、その投資仮説はかなり補強されたと思います。

今回の決算は、以前の投資仮説を否定するものではありません。
むしろ、投資仮説をさらに強くする決算だったと見ています。
12.投資判断
今回の決算を受けた私の評価は、かなりポジティブです。
売上高は前年同期比24.2%増。
営業利益は20.1%増。
営業利益率は47.5%。
契約ステーション数、顧客単価、NRR、AIサービス、BPaaSのいずれも、成長ストーリーを支える内容でした。
総合すると、以下のような評価です。

eWeLLは、訪問看護DX銘柄としての成長ストーリーが崩れていません。
むしろ、AIとBPaaSによるアップセルが進むことで、以前よりも投資仮説は強くなったと感じます。
短期的には、株価が決算内容をどこまで織り込んでいたかによって上下する可能性はあります。
ただ、中長期で見ると、今回の決算はかなり良い内容です。
今後は、
AI訪問予定ルートの課金貢献
売上進捗の改善
解約数の落ち着き
顧客単価のさらなる上昇
シェア20%達成
を確認しながら、引き続き注目していきたいと思います。
今回の決算は、以前紹介したeWeLLの成長力を再確認できる、非常に心強い内容でした。
※本記事は、企業が公表した決算資料をもとにした個人的な分析・見解であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の投資方針・リスク許容度に応じて、ご自身の責任でお願いいたします。

