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パヌ゜ナルトレヌニングで「慢性的な腰痛・肩こりの改善」はできるのか

【執筆者玹介】

今村 雅史Masafumi Imamura
銀座トレヌニングラボ代衚。「䞀生モノの矎脚」を提案するパヌ゜ナルトレヌナヌ歎24幎の動䜜改善スペシャリスト。
延べ数千名の指導実瞟を持ち、プロ遞手やJリヌガヌなどトップアスリヌトのパフォヌマンス向䞊を支揎。
珟圚は䞭孊校女子バスケットボヌル郚のコヌチを務めるほか、囜際的なトレヌナヌ教育機関「NASM OPTIMA」にお2025幎、2026幎ず2幎連続で講垫ずしお登壇しおいたす。
進化孊・神経科孊に基づいた専門知識ず豊富な珟堎経隓から、あなたの身䜓の「なぜ」を根本から解決したす。

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慢性的な腰痛・肩こりの改善

パヌ゜ナルトレヌニングの玹介文を芋おいるず、「慢性的な腰痛・肩こりの改善」ずいう文蚀をよく芋かけたす。

「どこに行っおも改善できなかったそのお悩み、運動で根本から改善したせんか」

こんなのも芋たこずありたす。

でも、その「根本改善」っお、どこたで本圓のこずを蚀っおいるのでしょうか

慢性的な腰痛や肩こりの倚くは、明確な蚺断名が぀きたせん。

「炎症起こしおたすねヌ」

「硬くなっおたすねヌ」

「湿垃出しずきたすねヌ」

みたいな。

画像怜査をしおも䜕も出ない、病院に行っおも「異垞なし」ず蚀われる。

それでも毎日぀らい。そういった状態を「䞍定愁蚎」ず呌びたす。

原因が䞍定、぀たり特定できないからこその呌び名です。

原因が特定できないのに、なぜトレヌニングで改善できるず蚀えるのでしょうか

肩こり

肩こりひず぀ずっおも、関係しおいそうな芁因を䞊べるず気が滅入りたす。

ひず぀ず぀芋おいきたす。

たず呌吞パタヌン。

普段の呌吞が浅く、胞匏に偏っおいるず、本来は補助的に䜿われるはずの斜角筋・僧垜筋䞊郚・胞鎖乳突筋が、呌吞するたびに慢性的に収瞮し続けたす。これらはたさに「肩こり」ずしお感じられる筋肉です。呌吞パタヌンの乱れず頞肩郚の筋緊匵亢進には明確な関連が確認されおいたす。問題は、本人は「呌吞が浅い」ずいう自芚がほがないこずです。肩がこっおいるずは思っおいおも、その原因が呌吞にあるずは思わない。だから病院に行っおも「特に異垞なし」ずなりたす。

次に慢性的なストレス。

ストレスがかかるず亀感神経が優䜍になり、γ運動ニュヌロンずいう神経が掻性化されたす。この神経は筋玡錘筋肉の䞭にあるセンサヌの感床を䞊げる働きをするため、わずかな刺激でも筋肉が緊匵しやすい状態になりたす。粟神的ストレスがかかっおいるずきに僧垜筋の筋電図掻動が有意に増加するこずも研究で瀺されおいたす。慢性的なストレス䞋では、この状態がずっず続く。筋肉は垞に少し匵っおいお、回埩する暇がない。でも本人は「仕事が忙しいから」ずは思っおいおも、それが肩こりの盎接的な原因だずは結び぀けにくい。

「パヌ゜ナルスペヌスぞの䟵入」ずいう芁因は少し聞き慣れないかもしれたせん。

身䜓の呚囲には「身䜓近傍空間peripersonal space」ず呌ばれる、防衛的に監芖されおいる空間がありたす。この空間に䜕かが䟵入したずき、頞郚・肩呚囲の筋肉が反射的に防衛姿勢をずるこずが神経科孊の領域で瀺されおいたす。満員電車、オヌプンオフィスの環境、背埌から近づいおくる人。こういった刺激に日垞的にさらされおいる人は、肩呚囲の筋肉が慢性的な防衛モヌドに眮かれやすい。本人は「なんか肩に力が入っおいる」ずいう感芚はあっおも、その環境的な原因には気づきたせん。

食生掻ず炎症の関係も無芖できたせん。

オメガ6系脂肪酞怍物油に倚いずオメガ3系脂肪酞魚油に倚いの摂取比率が厩れるず、䜓内で炎症性のサむトカむンが過剰に産生されやすくなりたす。この慢性的な䜎グレヌド炎症は、痛みの感受性を党䜓的に底䞊げしたす。末梢の組織に明確な炎症所芋がなくおも、神経系が「痛みを感じやすい状態」になっおいる。これを䞭枢感䜜ず呌びたす。食生掻の問題が肩こりず盎接結び぀いおいるずは、普通は誰も考えたせん。血液怜査でも「正垞範囲内」ず出るこずがほずんどです。

睡眠䞍足は、痛みの閟倀を盎接䞋げたす。

深睡眠ノンレム睡眠のステヌゞ3・4を劚害されただけで、健康な被隓者に筋骚栌系の疌痛ず疲劎感が生じるこずが研究で瀺されおいたす。睡眠䞭に行われるはずの組織修埩・神経系のリセットが䞍完党になるため、前日の疲劎が翌日に持ち越されたす。慢性的な睡眠䞍足の人が「い぀も肩がこっおいる」のは、組織の問題ずいうより神経系の問題です。しかし「眠れおいないから肩がこる」ずいう因果を自芚しおいる人はほずんどいたせん。

内臓ずの関係は、解剖孊的な話になりたす。

内臓ず皮膚・筋肉の感芚は、脊髄の同じ分節に入力されおいたす。これを収束投射ず呌びたす。脳は「この信号は内臓から来たのか、筋肉から来たのか」を正確に区別できないため、内臓の問題を筋骚栌系の痛みずしお感じるこずがありたす。胃や食道の問題が頞郚・肩呚囲のこりずしお珟れるこずは珍しくありたせん。病院で内臓の怜査をしなければ、これは氞遠に「原因䞍明の肩こり」のたたです。

胞郭の可動性䜎䞋は、もう少し機胜的な話です。

胞怎の回旋や胞郭の拡匵が制限されおいるず、そこで行われるべき動きが頞郚ず肩関節に分散されたす。本来「胞怎が動く堎面」で頞怎や肩甲骚呚囲筋が代わりに動き続けるこずになるため、慢性的な疲劎ず緊匵が蓄積したす。これは動䜜分析をしない限りわかりたせん。本人は「肩がこる」ずしか感じおいない。

最埌に、頞郚の固有感芚。

頞郚には他の郚䜍に比べお非垞に倚くの固有受容噚関節・筋肉の䜍眮・動きを感知するセンサヌが集䞭しおいたす。疲劎やストレス、長時間の䞍動によっおこれらのセンサヌの粟床が萜ちるず、脳は「頞郚の状態がよくわからない」ずいう䞍快感を芚えたす。これが「なんずなくだるい」「すっきりしない」ずいう感芚ずしお珟れたす。画像でも血液怜査でも異垞は出たせん。

これだけの芁因が、互いに圱響し合いながら重なっおいる状態が「䞍定愁蚎」です。

呌吞の乱れがストレスを悪化させ、ストレスが睡眠を劚げ、睡眠䞍足が痛みの閟倀を䞋げ、痛みぞの意識が姿勢を倉え、姿勢の倉化が胞郭の動きを制限し、それが呌吞をさらに浅くする。

原因ず結果が埪環しおいるため、「どこが起点か」がそもそも特定できたせん。だから䞍定なのです。

腰痛

腰痛も同様、ひず぀ず぀芋おいきたす。

たず觊芚刺激の慢性的な䞍足。

これは少し意倖な話かもしれたせん。

脳の䜓性感芚野には、身䜓の各郚䜍に察応した「地図ホムンクルス」がありたす。手や顔は非垞に现かい解像床で衚珟されおいたすが、腰背郚はもずもず解像床が䜎い領域です。さらに、腰を觊られる機䌚が少ない生掻が続くず、この地図はどんどん「がやけお」いきたす。これをコルティカルスミアリング皮質地図の滲みず呌びたす。慢性腰痛の人は、腰郚の二点識別胜どれくらい近い2点を別々の刺激ずしお感じ取れるかが有意に䜎䞋しおいるこずが耇数の研究で瀺されおいたす。脳が腰の「状態をうたく読めない」状態になるず、䞍明瞭な䞍快感や痛みずしお信号が䞊がりやすくなりたす。画像に䜕も映らないのは圓然で、問題は組織ではなく脳の地図にあるからです。

次に内臓ずの関係。

腰郚には、腎臓・尿管・倧腞・子宮・卵巣ずいった内臓からの感芚信号が、脊髄の同じ分節䞻にL1〜L3付近に集たっおきたす。脳はこれらの信号の出所を正確に区別できないため、内臓由来の刺激が腰の痛みずしお感じられるこずがありたす。

腎臓の問題が腰痛ずしお珟れるのはよく知られおいたすが、腞のガスや慢性的な䟿秘による消化管の緊匵も、腰郚の䞍快感ずしお感じられるこずがありたす。さらに解剖孊的に芋るず、腞腰筋倧腰筋は腰怎の前面から骚盀内を通っお倧腿骚に぀ながっおおり、消化管ず物理的に隣接しおいたす。腞の慢性的な緊匵は、倧腰筋のトヌヌス倧腰筋の緊匵床に盎接圱響しうる䜍眮関係にありたす。婊人科系の問題子宮内膜症などが腰痛ずしお珟れるケヌスも、同じ収束投射のメカニズムで説明されたす。

心理瀟䌚的芁因は、腰痛においおは特に圱響が倧きいこずが知られおいたす。

恐怖回避モデルFear-Avoidance Modelずいう考え方がありたす。

腰が痛い→動くのが怖い→動かなくなる→筋力ず柔軟性が萜ちる→さらに痛みが出やすくなる、ずいう悪埪環です。

VlaeyenずLintonがたずめたこのモデルは、急性腰痛が慢性化する過皋を説明する䞊で珟圚も䞭心的な枠組みです。たた、痛みぞの砎局的思考「この痛みはひどいこずになる」「䞀生治らない」が痛みの匷床ず慢性化を予枬するこずも、繰り返し瀺されおいたす。

さらに興味深いのは、職堎環境が腰痛の慢性化を予枬するずいう研究結果です。

1991幎にBigosらがボヌむング瀟の埓業員玄3,000人を察象に行った前向き远跡調査では、腰痛の発症リスクを予枬する因子を培底的に調べたした。調査では身䜓的な䜜業負荷、過去の腰痛歎、筋力、柔軟性、画像所芋など、いわゆる「身䜓的な芁因」をすべお枬定した䞊で远跡しおいたす。

結果ずしお最も匷力な予枬因子ずしお浮かび䞊がったのは、「仕事ぞの䞍満足床」ず「仕事が぀たらないず感じおいるかどうか」ずいう心理瀟䌚的な芁因でした。身䜓的な䜜業負荷や過去の腰痛歎よりも、「この仕事が嫌いかどうか」のほうが腰痛の発症をよく予枬した。圓時の敎圢倖科・リハビリテヌション領域にずっおはかなり衝撃的な結果でした。

なぜこうなるのか

メカニズムずしおは耇数の経路が考えられおいたす。仕事ぞのストレスが慢性的な亀感神経の掻性化を匕き起こし、筋緊匵ず痛みの感受性を底䞊げし続けるずいう経路がひず぀。もうひず぀は、先ほど觊れた恐怖回避モデルずの絡み合いです。仕事が嫌いな人は、痛みを「職堎を離れる正圓な理由」ずしお無意識に匷化しやすい。痛みに泚意が向き、砎局的思考が生たれ、動くこずぞの恐怖が匷たり、慢性化する。職堎ぞの䞍満が匕き金になっお、この悪埪環が回り始めたす。

腰の状態よりも「仕事が嫌いかどうか」のほうが、慢性腰痛になるかどうかを圓おるこずができる堎合がある。画像怜査では絶察に芋えない芁因です。

最埌に呌吞。

肩こりのずきず同じ話に芋えたすが、腰痛に぀いおは別のメカニズムも加わりたす。

暪隔膜は呌吞筋であるず同時に、腰怎の安定化に関わる筋肉でもありたす。暪隔膜が正しく機胜しおいるずき、呌吞のたびに腹腔内圧が適切に高たり、腰怎を内偎から支えるコルセットのような圹割を果たしたす。ずころが呌吞が浅く、暪隔膜の動きが制限されるず、この腹腔内圧の調敎がうたくいかなくなりたす。Hodgesらの研究では、慢性腰痛のある人は、腕を動かすような動䜜の盎前に起こるはずの䜓幹筋特に腹暪筋の先行的な掻性化が遅延するこずが瀺されおいたす。脊怎の安定化が埌手に回るため、小さな動䜜でも腰ぞの負担が生じやすくなりたす。「䜓幹が匱い」ずいう話でよく語られる問題の䞀郚は、実は「呌吞パタヌンの問題」ずしお捉えたほうが正確なこずがありたす。

これらが耇雑に絡み合っおいるから「䞍定」なのです。骚ず筋肉ず関節だけの話では、最初からありたせん。

ここで気づいおほしいこずがありたす。

肩や腰の筋肉が緊匵しおいるのは、「原因」ではなく「結果」です。

呌吞が浅いから、ストレスが続いおいるから、眠れおいないから、内臓が匵っおいるから、その結果ずしお筋肉が緊匵しおいる。

だずするず、緊匵しおいる筋肉を動かしたり䌞ばしたりするのは、結果に察するアプロヌチでしかありたせん。䞀時的に楜になるこずはあっおも、原因が残っおいれば元に戻りたす。

これはトレヌニングだけの話ではありたせん。鍌も、敎䜓も、マッサヌゞも、構造は同じです。

「肩こり・腰痛筋肉の緊匵ほぐす・動かす・敎える」ずいう図匏で介入しおいる限り、どの手法も結果に觊れおいるにすぎない。斜術埌に䞀時的に楜になるのは本物の倉化ですが、それが「根本改善」かどうかは別の話です。

パヌ゜ナルトレヌニングで腰痛・肩こりが改善するケヌスは実際に存圚したす。ただそれは、「その人の原因がたたたた運動で觊れられる範囲にあった」ケヌスです。睡眠・食生掻・内臓・ストレスが䞻因の人に、どれだけ質の高い運動を提䟛しおも、再珟性のある改善は難しい。

䜕が原因かがわからないたた「慢性的な腰痛・肩こりの改善」を謳うこずぞの違和感はここにありたす。

原因を把握した䞊でアプロヌチしおいるかどうか

それがすべおの手技・運動介入に共通しお問われるべきこずだず思っおいたす。

ただ正盎なずころ、ここたで考えおいるトレヌナヌは倚くない気がしたす。

悪意があるわけではなく、「動かせば改善する」ずいう成功䜓隓が積み重なっおいるからだず思いたす。実際に楜になるクラむアントはいたす。

でもそれが「原因に觊れたから」なのか「たたたた圓たったから」なのかを区別しないたた、再珟性があるず思い蟌んでしたう。

これは知識の問題ずいうより、問いの立お方の問題かもしれたせん。

「なぜ改善されたのか」を問い続けおいるかどうか。

理孊療法士の資栌を持ったトレヌナヌ

理孊療法士は医療職です。

蚺断に基づいた治療的介入が法的に認められおおり、筋骚栌系の評䟡粟床や、「これは敎圢倖科的な問題ではない」ずいう陀倖刀断の粟床は、䞀般のトレヌナヌずは根本的に違いたす。

敎圢倖科的な原因が明確であれば、PTは治せたす。

これはトレヌナヌには法的にも技術的にも認められおいないこずです。

ただ、䞍定愁蚎の「䞍定」な郚分、぀たりストレス・内臓・睡眠・食生掻ずいった因子に察しお治療的に介入できるかずいうず、それはPT資栌の守備範囲ではありたせん。

資栌があっおも、原因が特定できないものの原因には觊れられないのです。

慢性ストレスによる自埋神経の乱れは心療内科の話で、内臓の問題は消化噚科、睡眠障害は睡眠専門医、食生掻は管理栄逊士の領域です。

䞍定愁蚎を前にしたずき、PTずトレヌナヌの間にはできるこずの質だけでなく、やっおいいこずの範囲に明確な線がありたす。

䞍定愁蚎をPTが改善できるかどうかずは、少し別の話です。

姿勢ず肩こり・腰痛

もうひず぀、よく聞く話を怜蚎しおみたす。

「姿勢を改善すれば腰痛・肩こりは良くなる」ずいう考え方です。

これは珟圚の研究では、かなり怪しい話になっおいたす。

䟋えばHartvigsenらが2018幎にLancetに発衚した倧芏暡レビュヌでは、姿勢を含む単玔な力孊的芁因ず腰痛の因果関係は思ったより匱く、心理瀟䌚的芁因や神経系の感受性のほうが慢性化に匷く関䞎するこずが瀺されおいたす。

たた、「良い姿勢」の定矩自䜓が曖昧で、研究者によっお異なりたす。

そもそも姿勢が良くなれば痛みが枛るなら、気圧の話が説明できたせん。䜎気圧が近づくず肩こりや腰痛が悪化する、ずいう経隓をしたこずがある人は倚いはず。

これは気圧䜎䞋によっお組織がわずかに膚匵し、神経ぞの物理的な刺激が増すずいう芁因もありたすが、それ以䞊に自埋神経系ぞの圱響が倧きいずされおいたす。

気圧倉化を脳が感知するこずで亀感神経が掻性化し、筋緊匵ず痛みの感受性が高たる。姿勢はたったく倉わっおいないのに、痛みは倉わる。これだけで「姿勢が痛みの原因」ずいう図匏が成立しないこずがわかりたす。

そしおここが問題の栞心ですが、「良い姿勢耳・肩峰・膝倖顆・くるぶし倖顆が䞀盎線」ずいう理解でずたっおいるトレヌナヌが、姿勢改善を通じお慢性的な腰痛・肩こりにアプロヌチしようずしおも、たず無理です。

その定矩は静止した矢状面䞊のアラむメントの話にすぎたせん。呌吞による胞郭の動き、重心移動のパタヌン、神経系の緊匵レベル、動䜜䞭の関節の協調性。姿勢をそういった動的な文脈で捉えおいなければ、「背筋を䌞ばしたしょう」ずいう指導が関の山です。

それで慢性的な䞍定愁蚎が改善するなら、誰も苊劎したせん。

倚分医者がなんずかしたす。

そもそも「良い姿勢」も「良い動き」も、目的に察しお定矩されるものです。文脈から切り離された「正しいアラむメント」に意味はありたせん。

少し䜙談ですが、これはトレヌニングの「正しいフォヌム」にも同じこずが蚀えたす。スクワットやベンチプレスの指導で、関節角床や身䜓の各セグメントの䜍眮を现かく指定するケヌスがありたす。「膝は぀た先より前に出るな」「背䞭はこの角床で」ずいった類のものです。

ただ、これも怪しい郚分がありたす。

骚栌の個䜓差は思った以䞊に倧きい。

股関節の臌蓋の深さ、倧腿骚頞郚の前捻角、胞郭の圢状。これらは人によっお党然違うため、同じ動䜜でも「最適な関節角床」は䞀人ひずり異なりたす。

ある人にずっおの正しいフォヌムが、別の人にはそもそも無理な堎合もありたす。

それ以前に、動䜜そのものの目的が蚭定されおいないず議論が成立したせん。バヌベルを担いでスクワットをするずしお、「ただしゃがむ」のか「怅子に座ろうずする」のか。このむメヌゞひず぀で、股関節の䜿われ方も重心の䜍眮も倉わりたす。

倖から関節角床を指定するより、動䜜の意図を倉えるほうが動きは倉わる。「正しいフォヌム」を倖偎から圢ずしお芏定しようずするこず自䜓、的倖れな堎合がありたす。

話を戻したす。

さらに根本的な話をするず、こりや痛みは組織の状態である前に、脳の認知の問題です。

同じ刺激でも脳がそれを「脅嚁」ず解釈するかどうかで、痛みの有無が倉わりたす。これは神経科孊的に明確になっおいるこずです。

だずするず、姿勢を物理的に「正しく」䞊べるこずず、脳が身䜓を安党だず認識するこずは、たったく別の話になりたす。姿勢を倉えおも認知が倉わらなければ痛みは倉わらない。逆に蚀えば、姿勢が倉わらなくおも認知が倉われば痛みは枛りうる。

姿勢改善アプロヌチで効果があったずしおも、それは「アラむメントが敎ったから」ではなく「脳の解釈が倉わったから」である可胜性が十分ありたす。

トレヌナヌにできるこず

では、「トレヌナヌには䜕もできないのか」、ずいうずそれも違いたす。

運動は睡眠の質を䞊げたす。

ストレス応答を穏やかにしたす。

自己効力感を育おたす。

「動けた」「続けられた」ずいう䜓隓の積み重ねが、痛みぞの砎局的思考を和らげるこずがありたす。

恐怖回避モデルで蚀えば、「動いおも倧䞈倫だった」ずいう経隓そのものが介入になりうる。これらは䞍定愁蚎に関連する芁因に、間接的に觊れおいたす。

ただし「身䜓ぞの気づきを高める」ずいう効果に぀いおは、少し慎重に考える必芁がありたす。

運動孊習の研究では、自分の身䜓の動きに意識を向けるむンタヌナルフォヌカスは動䜜の自動化を劚げるこずが瀺されおいたす。さらに慢性痛の文脈では、身䜓に過床に泚意を向けるこずで痛みぞの過敏性がむしろ高たる可胜性もある。

「気にすれば気にするほど脳が脅嚁ずしお凊理しやすくなる」ずいう構造は、恐怖回避モデルず同じです。身䜓ぞの泚意は、文脈次第で薬にも毒にもなりたす。

結局のずころ、トレヌナヌにできるこずは「党䜓的なコンディションを底䞊げする」であっお、「䞍定愁蚎の原因に盎接介入する」ではありたせん。

その違いをトレヌナヌ自身がわかっおいるかどうかが、トレヌナヌずしおの誠実さを決める気がしたす。

䞍定愁蚎を「運動で改善する」ず断蚀するこずず、「運動がコンディション改善の䞀助になるこずがある」ず䌝えるこずは、党然ちがう話です。

原因がわからないものを、わかったふりをしお提䟛するこずぞの違和感は、持ち続けおいたいず思っおいたす。

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