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幻の奇曞『ポルの王子さた』の謎を远う

 奇曞ずいう蚀葉がある。倉な本のこずだ。
 日本で䞀番有名な「奇曞」は、倢野久䜜の『ドグラ・マグラ』でしょうか。読めば䞀床は気が狂うずいう煜り文句に匕かれお手にした方は倚いかもしれたせん。『ドグラ・マグラ』は、幎に発衚されお珟圚幎に至るたで幎以䞊に枡り読み継がれおいたす。぀い先日もKADOKAWAから、豪華特装版の発売が予告されたした。今もなお倚くの読者を埗おいるこずの蚌でしょう。
 しかし、「奇曞」ず呌ばれる本の党おが、『ドグラ・マグラ』のような幞運な運呜を蟿ったわけではありたせん。むしろ、その奇劙さ、垞軌を逞した内容、難解さ等、様々な事情から、歎史の闇に消えおいったものも少なくありたせん。

 今から幎以䞊前、『ポルの王子さた』ずいう本がある小さな出版瀟から発売されたした。
 タむトルを芋お分かる通り、これはあの有名なサンテグゞュペリの『星の王子さた』のパロディです。そしおただのパロディでなく゚ロパロディです。タむトルだけでなく、装䞁、内容もかなりこだわっお原䜜に寄せおおり、培底的に真䌌しおいたす。
 そしおこの本はずっくの昔に絶版になっおいお、かなり高隰しおいたす。圓時の定䟡は円でしたが、珟圚では玄䞇円前埌で取匕されおいたす。そしお、いろいろなフリマサむトに行っおも品切ればかりで、なかなか芋぀かりたせん。
 私も長幎探しおいたしたが、数幎前にずうずう手に入れたした。

『ポルの王子さた』

 かなりむンパクトのある芋た目ですよね。
 比范のために、圓時発売されおいた版の岩波曞店『星の王子さた』を手に入れたした。

『ポルの王子さた』1972幎版ニトリア曞房
『星の王子さた』1962幎版岩波曞店

 ご芧の通り、箱入りの仕様から、タむトルのフォントから、それっぜいむラストから、かなり䌌せおいたす。たた経幎劣化で分かりづらいですが、本家『星の王子さた』の衚玙には「党囜孊校図曞通協議䌚遞定 必読図曞」ず曞かれたステッカヌが貌っおありたす。それも再珟しお、『ポルの王子さた』には以䞋のような「成人向 必読図曞」ずいうステッカヌたで貌っおありたす。

成人向 必読図曞

 党䜓をよく芋るず、『ポルの王子さた』の方が䞀回り小さく、ペヌゞ数は倚い等の違いはありたすが、かなりこだわっお真䌌おいるいうこずはご理解いただけるず思いたす。
 さお、それでは肝心の䞭身はどうなっおいるのでしょうか。
 本家『星の王子さた』は、地球に䞍時着した王子さたから、䞍思議な星々に䜏む䞍思議な人々の話を聞く、ずいうものでした。『ポルの王子さた』もおおむねその流れに沿っおいたす。
 しかし、内容のほずんどが性に関するものでパロディされおいたす。
 䟋えば、王子が星で䌚った女性にベッドに連れおいかれたり、かぐや姫っぜい女性が自慰行為をしおいたり、うぬがれ男は自らの巚根を自慢しおいたり、ゞャンヌダルクっぜい女性が王子の持぀棒状の道具で快感に溺れたりしたす。
 たた、性的なものばかりではなく、圓時盛んだった孊生運動や、圓時の囜際情勢を皮肉ったものもあったり、なぜか圓時の日本の流行歌に察する文句を垂れ流しおいる堎面があったりず、゚ロだけでなく盛りだくさんの内容になっおいたす。
 党䜓的には、ただふざけおいるだけではなく、原䜜の流れを生かした展開になっおいお、けっこう完成床が高いず思いたした。最埌たでふざけ切っおほしかったので、結末はちょっず真面目な着地をしたのは個人的には残念でしたが、それでも、思い぀きだけで曞いたものではなく、力のある䜜者の䜜品だず思いたした。
 ではこの奇曞を曞いたのはいったいどんな人なのでしょうか。
 䜜者はカゞノリブモンテヌニュ、蚳者は䞭田博ずなっおいたす。
 蚳者あずがきによるず、䜜者は歳の時から日本に䜏んでいる玔粋なフランス人だそうです。先ほども少し玹介したように、本䜜のメむンぱロパロディですが、それ以倖にも劙に日本的な芁玠がよく出おきたす。かぐや姫、孊生運動、日本の流行歌などです。䜜者が日本に詳しいから、そういった芁玠が含たれおいるずいうこずらしいです。
 しかし私は完党に嘘だず思っおいたす。
 カゞノリブモンテヌニュなんおフランス人はいないし、䞭田博なんお蚳者もいない。䞀から誰かがでっちあげたものだず思っおいたす。

 理由はいく぀かありたす。
 䞀぀目は、この䜜品が本囜フランス、あるいはその他の囜で出版された圢跡が芋぀からないからです。
 垯文には、「ペヌロッパ諞囜に先がけお発刊」ずありたすが、その埌「ペヌロッパ諞囜」で発売された様子はありたせん。ず蚀うより、調べようがありたせん。なぜなら通垞翻蚳曞ずいうのは、原題がどこかに曞いおあるものですが、この本にはどこにも蚘茉がありたせん。
 なので「邊題」である『ポルの王子さた』で怜玢するしかないのですが、出おくるのはフリマサむトか、停フリマサむトか、誰かの感想ブログかしかありたせん。
 これほど奇劙な䜜品なので、海倖でも出版されおいるのであれば、なんらかの反響がありそうなものですが、䞀切芋぀かりたせん。
 二぀目は、日本語がやけに自然ずいうこずです。
 もちろん翻蚳家は、倖囜語の衚珟を、できるだけ自然な日本語に移し替えるよう努力したす。
 しかし『ポルの王子さた』に出おくる衚珟は、垞軌を逞しお自然ずいうか、こんなのフランス語で私はフランス語を解したせんがなんお蚀うんだよずいうものが倚いです。
 䟋えば女性の「ノァギノァゞ」にある「栗鳥くりずりの巣」だったり、日本の流行歌に぀いおの堎面では「ヒゲモリヒサ」森繁久圌、「そらみろずんび」矎空ひばり、「ぶらんず長い」フランク氞井など、もずもず日本語でなければ成立しない蚀葉遊びが倚いです。
 「そりゃ䜜者は日本に詳しいフランス人なんだから、そこはもずもず日本語だったんだよ」ず蚀われたらそれたでですが、「日本に詳しいフランス人がその郚分だけ日本語で曞いた」ず考えるよりは、「そもそも日本人が初めから日本語で曞いた」ず考える方が無理のないように思いたす。
 そしお䞉぀めは、䜜者カゞノリブモンテヌニュず蚳者䞭田博に぀いお、他の情報が䞀切ないずいうこずです。
 「カゞノリブモンテヌニュ」「䞭田博」で様々なブラりザ䞊で怜玢しおも、『ポルの王子さた』関連以倖の情報が出おきたせん。確かに䜜家の䞭には、独自性のある䞀䜜だけを残しおこの䞖を去る䌝説的な人も少なくありたせん。䜜家に関する情報が他にないのはあり埗るこずです。しかし、もしこの䜜品が䞭田博ずいう翻蚳家の手による「翻蚳」だずしたら、こんなずんでもなくナチュラルか぀ナニヌクな翻蚳ができる人が、他に䜕の仕事もしおいないずいうのは、あたりにも䞍自然です。
 以䞊の理由から、私は『ポルの王子さた』は初めから日本人の誰かが䞀から䜜り䞊げた䜜品だず考えたす。

 ではそれは誰なのか
 これを探るのは容易ではありたせん。
 たず『ポルの王子さた』が出版されたのは幎月です。先ほども蚀った通りずっくの昔に絶版になっおいたす。ずいうより、そもそもこの本を出版した「ニトリア曞房」ずいう出版瀟自䜓がもうありたせん。
 『ポルの王子さた』でブラりザ怜玢をかけるず、個人が感想を曞いおいるブログがいく぀かヒットしたす。䞻に内容のナニヌクさに觊れおいるものが倚く、䜜者がフランス人だずいうこずに疑問を抱いおいる人がいおも、それ以䞊の远及はされおいたせんでした。
 『キテレツ叀本挂流蚘』ずいう本で、『ポルの王子さた』が玹介されおいるずのこずで、実際に読んでみたしたが、基本的に曞いおあるこずは䌌たような感じでした。
 そこで次は、出版瀟である「ニトリア曞房」に぀いお調べおみるこずにしたした。
 䞖玀の奇曞を生み出したこの謎の出版瀟は、他にどんな本を出版しおいるのでしょうか。
 しかし「ニトリア曞房」でブラりザ怜玢をかけおも、埗られる情報のほずんどは『ポルの王子さた』に関するものです。
 そこで、日本囜内で出版された党おの出版物を収集・保存しおいるず蚀われる囜立囜䌚図曞通の蔵曞怜玢にかけおみるこずにしたした。
 怜玢の結果、ニトリア曞房からの出版物で衚瀺されたのは件。倧手出版瀟の新朮瀟では䞇件を超えるので、決しお倚くはない数字です、ず蚀うよりかなり少ないです。
 内容を芋おみるず、プロレタリア䜜家䌊藀氞之介の䜜品集、山䞋枅の画集、アメリカの䜜家ハヌマン・メルノィルの翻蚳曞、小説家葉山修平の自䌝的長線、岡山県出身の俳人西東䞉鬌の党句集などなど。
 なんか・・・思っおたより普通だ。
 その䞭にもちろん『ポルの王子さた』もありたす。しかし䞊蚘の王道ず蚀っおいいのか分かりたせんがのラむンナップからするず明らかに浮いおいたす。
 ニトリア曞房が出版したものの䞭で最も叀いのは、幎に出版された『䌊藀氞之介䜜品集 』で、最も新しいのが幎に出版された沌正䞉著の『ある倢想家の手垖から 1』です。それ以降の出版物は確認できず、おそらく幎のどこかで廃業したものず思われたす。分冊のうちの巻だけ出たきりになっおいるのが、経営䞍振での倒産を思わせたす。
 そしお出版物の䞀芧を芋るず、たすたす謎が深たりたす。調べる前は、きっずよく分からないふざけた本をたくさん出しおいる出版瀟なのだろうず思っおいたしたが、前述の通り、むしろ文芞出版の王道ず蚀っおもいいラむンナップです。
 なぜこの䞭に、突然倉異ずもいえる『ポルの王子さた』が珟れたのか
 先ほども述べたしたが、『ポルの王子さた』が出版されたのは幎月です。ニトリア曞房の歎史から蚀うずちょうど䞭間期で、「これからただただ本を出すぞ」ずやる気に満ち溢れおいた頃だず勝手に掚察したす。
 党郚で冊皋床しか出しおいない小さな出版瀟から、あの異様に凝った゚ロパロディ本が出版されたのには、必ず䜕か理由がある。
 そう信じお、䜕か情報はないかず出版物䞀芧をひたすらクリックしお確認しおいたした。
 するず、䞀぀気になるものが芋぀かりたした。

 『蝶』ずいうタむトルの本です。
 最初は、「虫の写真集かなんかかな」ず思いたしたが、よく芋るずニトリア曞房が発行しおいた文芞誌のようです。
 文芞誌ずいうのは、様々な䜜家の小説や詩が掲茉されおいる雑誌のこずで、珟圚も発行されおいるものでは、河出曞房新瀟の『文藝』、文藝春秋の『文孞界』、講談瀟の『矀像』、新朮瀟の『新朮』、集英瀟の『すばる』が五倧文芞誌ずしお芪したれおいたす。
 『蝶』もそのような文芞誌の䞀぀ず蚀えそうです。ずは蚀えさすがに䟋に挙げたものず比べるのは倱瀌かもしれたせん。どうやら出版瀟自䜓の倒産により、数幎で廃刊になったようです。党郚で䜕号あったのか定かではありたせん。ずいうのも囜立囜䌚図曞通の蔵曞では号たでしか確認できたせんが、「日本の叀本屋」のサむトでは、か぀お号たで圚庫があった圢跡がありたす。どちらにせよ、息の短い雑誌であったこずに倉わりはないでしょう。
 詳现が気になったのですが、珟圚珟物を入手するのは困難なようです。
 すみたせん、嘘です。フリマサむトや「日本の叀本屋」には䜕冊か圚庫がありたす。しかし玄円送料を高いず思っおしたいたした。
 気になるけどどうしよう、ず悩みながら、いろんなサむトを行ったり来たりしおいるず、第号の目次の郚分を芋られるものがありたした。
 寄皿しおいる様々な䜜家の名前がありたしたが、私の知らない方ばかりでした。内容は、ヘンリヌ・ミラヌの翻蚳など、気になるのもあるなあ、ず思っおいたら「責任線集 葉山修平」の文字が目に入りたした。
 葉山修平っおなんか芋芚えあるな・・・。
 私は再び囜立囜䌚図曞通のペヌゞを芋たした。そこでニトリア曞房の出版物を改めお芋盎しおみるず、ありたした。『終らざる時の蚌しに』葉山修平 著。
 え、小説家が文芞誌の線集もしおたの
 私は界隈の事情に詳しくありたせんが、䞀般的に出版瀟が発行する文芞誌は、線集郚があっお、線集長がいお、線集者がいお、ずいうように組織化されおいたす。線集者が䜜家に原皿を䟝頌しお、それを組み合わせお、最終的に線集長が確認しお、雑誌ずしお発行する、みたいな流れがおそらく普通だず思いたす。
 同人誌ず呌ばれる、出版瀟ではなく有志が集たっお発行しおいる雑誌では、寄皿者が線集もやるずいうのは珍しくないず思いたすが、出版瀟が発行しおいる文芞誌では珍しいのではないでしょうか。
 ここで私はひらめきたした。
 この葉山修平が、『ポルの王子さた』の真の䜜者に間違いない。
 なぜなら、他にそれっぜい人がいないからだ。
 しかし冷静になっお考えおみるず、そんな根拠はどこにもありたせん。
 ずは蚀え、この葉山修平ずいう䜜家は気になりたす。たずはシンプルに他に手がかりがないから。そしお、自瀟の文芞誌の線集を任せるからには、この䜜家はニトリア曞房にずっお䜕か特別な存圚だったのではないかず思ったから。
 さらに文芞誌『蝶』に぀いおあれこれ調べおみるず、第号では䌊藀氞之介特集があったようです。䌊藀氞之介どこかで・・・。
 あ、あった『䌊藀氞之介䜜品集』もニトリア曞房が出しおいるじゃないか。葉山修平線集の雑誌で特集された䜜者の䜜品集が出版されおいる。぀たり葉山修平の意向が、出版に盎結しおいる
 どうやらニトリア曞房の䞭で、この葉山修平ずいう䜜家は単なる䞀䜜家以䞊の圱響力をもっおいたのではないかず思われたす。
 そこで次はこの葉山修平ずいう䜜家に぀いお調べおみるこずにしたした。

 たずは䟋のごずくブラりザ怜玢をしたした。ちゃんずWikipediaがありたした。やけに詳现なのでよくよく芋おみるず、ほずんどの情報が千葉県垂川垂の公匏サむトからの匕甚だずいうこずが分かりたした。
 どうやらややこしいのですが、葉山修平は生たれが千葉県の垂原垂で、その埌垂川垂に幎以䞊圚䜏したようです。そこで垂川垂民文化賞を受賞しお、審査員も担うなど垂川垂の文化に貢献したずいうこずで、公匏サむトに略歎が蚘茉されおいるようです。
 略歎によるず、葉山修平は幎月日に生たれ、 幎月日に歳で亡くなっおいたす。幎に同人誌に発衚した短線「バスケットの仔猫」が宀生犀星の目に留たり、称賛されたす。以降宀生犀星に垫事し、同人誌を䞭心に䜜品を発衚したす。幎にはこれも同人誌に発衚した短線「日本いそっぷ噺」が盎朚賞候補になりたすが、惜しくも受賞を逃したすちなみにこの回受賞したのは池波正倪郎「錯乱」。幎には短線「珟圚完了」が文孞界新人賞䜳䜜に遞ばれたす。
 正盎に蚀っお調べるたでは、私はこの葉山修平ずいう䜜家を党く知りたせんでした。おそらく珟圚倚くの人に知られる䜜家ではないず思いたす。しかしこの経歎からは間違いなく、将来を期埅された新進䜜家の姿が芋えたす。
 たたこれを芋お驚いたのが、「同人誌」の䟡倀が今ずは党く違うずいうこずです。おそらく珟代においお、同人誌に発衚した䜜品が珟圹の䜜家や線集者の目に留たるずいうこずは皀でしょう西村賢倪ずいう䟋倖はありたしたが。たしおや盎朚賞候補になるずいうのはちょっず考えられたせん。
 さお、新進䜜家ずしお華々しいスタヌトを切った圌でしたが、その埌は倧きな賞を受賞するこずはなく、䜜家ずしおの明確な成功を掎んだわけではないようです。高校教垫、倧孊教授などの職を経お、晩幎たで執筆を続けおいたようですが、同人誌ぞの寄皿や自費出版での掻動に留たっおいたようです。
 そしおこの䜜家がニトリア曞房で自著『終らざる時の蚌しに』を出版冬暹瀟から幎に出版したものの再版したのが幎、自身が線集に携わる『蝶』の第䞀号が発行されたのが幎です。幎霢ずしおは、代に差し掛かったあたりです。文孞界新人賞で䜳䜜を獲っおから玄幎。埮劙な時期だったず思いたす。期埅の若手ずいうには少し時間が経ちすぎおいる。本来なら脂の乗った䞭堅䜜家ず呌ばれる時期だが、目立った実瞟はただ・・・。
 圌が䜜家ずしおの自身の力、そしお今埌に぀いおこの時期どう考えおいたかは分かりたせんが、個人的には倧きなタヌニングポむントになる時期だったのではないかず思いたす。

 ずにかく、この䜜家の曞いたものを読んでみようず思いたした。
 ネットで怜玢するず圓然のようにほずんどの著䜜が絶版です。盎朚賞候補䜜の「日本いそっぷ噺」も入手困難、ではありたすが「日本の叀本屋」には圚庫がありたす。しかし芋るからにボロくお高い・・・。
 そこでたずは自分の䜏んでいる地域で䞀番倧きな図曞通に行っおみるこずにしたした。
 蔵曞を怜玢するず䜕冊かはヒットしたす。『異圢の矀』、『終らざる時の蚌しに』等。『日本いそっぷ噺』はありたせんでした。ずりあえずこの二冊を読んでみるこずにしたした。
 『異圢の矀』は被差別郚萜を題材ずしたかなり重い小説でした。戊埌間もない日本で、圢匏的には解消されたずされおいる郚萜差別の実情を容赊なく描いおいたした。
 『終らざる時の蚌しに』は、終戊を迎えた際に䞭孊生だった著者の、自䌝的長線でした。戊時䞋の䞭孊生の生掻の様子が日蚘圢匏でリアルに描かれおいたした。
 しかしこの冊、マゞで誰も読んでいたせん。読んだ本を登録できるサむト「ブックメヌタヌ」では、『異圢の矀』の登録数は件、『終らざる時の蚌しに』に至っおはたさかの件でした。私もブックメヌタヌを䜿っお数幎になりたすが、件の本は初めお芋たした。
 そしお圓たり前ず蚀えば圓たり前ですが、二䜜ずも堅実で硬掟な文䜓で、『ポルの王子さた』ずは䌌おも䌌぀きたせん。
 残念ながら葉山修平は『ポルの王子さた』の真の䜜者ではありたせんでした。

 諊めるのはただ早い。そもそも芆面䜜家ずいうのは、普段の自分ずは党く違うスタむルでやりたいから芆面を被るものです。
 次のタヌゲットは「日本いそっぷ噺」です。盎朚賞候補になった代衚䜜です。しかも「いそっぷ」です。いそっぷず蚀えばむ゜ップ童話、童話ず蚀えば星の王子さた、ずいうわけでこの䜜品が鍵を握っおいるに違いありたせん。
 しかし珟物が手元になく困っおいたずころ、この䜜品に぀いおの文章が掲茉された本があるこずを知りたした。川口則匘著の『ワタクシ、盎朚賞のオタクです』です。著者は歎代の盎朚賞に関するホヌムペヌゞを運営しおおり、盎朚賞に関する様々な情報を収集しおいたす。この本には、著者が収集した盎朚賞関連の様々な゚ピ゜ヌドが掲茉されおおり、賞の候補になった「日本いそっぷ噺」に぀いおも䞀項が割かれおいるずいうこずでした。
 実際に読んでみるずかなり興味深いこずが曞いおありたした。
 「日本いそっぷ噺」の舞台は、先ほどの『異圢の矀』ず同様に被差別郚萜のようです。被差別郚萜出身者の男が、攟火の濡れ衣を着せられそうになり、圌のアリバむを蚌明できる唯䞀の人間が、䞀晩を共にした嚌婊で・・・ずいう話だそうです。
 結局この䜜品は萜遞しおしたうのは先ほど述べた通りですが、その理由が少し物議を醞したようです。
 䜜品ずしおの質は認められおいたものの、被差別郚萜の問題があけすけに描かれおいるこずが、倧衆文孊䜜品ずしおふさわしくないず刀断されたこずが萜遞の倧きな理由のようです。結果ずしお、䜜品の質ずしおは劣るものの、池波正倪郎の「錯乱」に賞が䞎えられたずのこずでした。
 この件に関しおは評論家の平野謙も文芞誌䞊で蚀及するなど界隈でも話題になったようです。
 もしこの時に、葉山修平に盎朚賞が䞎えられおいたら、ず考えずにはいられたせんでした。ご存じの通り、池波正倪郎はその埌日本を代衚する時代小説䜜家になりたした。もちろん、ここで盎朚賞を獲ったからずいっお、その䜜家の成功が保蚌されるわけではありたせんが、その埌の䜜家人生は党く違うものになったでしょう。䞀぀の賞が䜜家の運呜を倉えた䞀䟋だず思いたした。

 ここたで葉山修平のいく぀かの䜜品に぀いお調べおみたしたが、圓然のごずく『ポルの王子さた』ず盎接の関連を匂わせる芁玠はありたせんでした。葉山修平は、硬掟な文䜓で硬掟なテヌマを扱う䜜家だったずいう印象です。もちろんその䞭には性的な芁玠もありたす。『異圢の矀』には凄惚なレむプシヌンもありたした。しかし、「゚ロ」ずいうよりは「性」ずいう感じで、あくたで文孊的䞻題の䞀぀ずしお扱われおいるように思いたした。
 しかしさっきも蚀いたしたがずにかく手がかりがないので、し぀こく葉山修平に執着しようず思いたした。
 圓おもなく「葉山修平、葉山修平、葉山修平」ず自分の䞭で既に呪文のようになり぀぀あるこの名前を怜玢しおいたずころ、興味深いものを芋぀けたした。
 なんず『葉山修平にみる文孊䞖界』などずいう本があったのです。
 たるで私のためにあるかのような本。いったいどんな人が曞いた本なんだず思っお詳现を芋たずころ、どうやら䜜者は葉山修平の同人友達で、この本も自費出版のようでした。
 圓然新品では手に入らず図曞通にもありたせんが、これはさすがに読んだ方がいいのではずいう勘が働き、ネット叀曞店で取り寄せるこずにしたした。
 そしお読みたした。この本の内容は倧きく二぀に分かれたす。たず前半ずいうか倧郚分を占めおいるのは、葉山修平の小説を䞀぀䞀぀䞁寧に筆者が論じおいる郚分です。そしお埌半は、葉山修平の小説が発衚された圓時の文芞誌等での反響をたずめたものです。
 どちらかずいうず埌半郚分の方が読み応えがありたした。先述の宀生犀星からの評を始めずしお、江藀淳や野坂昭劂など、錚々たる面々からの評が蚘茉されおいたす。この䜜家は本圓に期埅の新人だったずいうこずがよく分かりたす。
 そしおいろいろ読んでいる䞭で、たたしおも気になるものを発芋したした。

 『湖・蝶の女』ずいう幎に発衚した短線集です。どうやらそれたでの葉山修平の䜜颚ずは䞀味違う、幻想的な短線集のようです。ん、蝶どこかで・・・。
 「蝶」ずいえばか぀おニトリア曞房で線集を担圓しおいた雑誌の名前じゃないか。きっず葉山修平はニトリア曞房時代に志半ばで終わった䜕らかの詊みをこの短線集で昇華させおいるんだ。そしおそれは、『ポルの王子さた』真の䜜者が他ならぬこの葉山修平であるこずを決定づける蚌拠になるに違いない。なぜなら、あの䜜品も幻想的ず蚀えば幻想的だからだ。あそこでお遊びの圢でしか提案できなかったこずが、文孊的に結晶した短線集に違いない。
 もちろん絶版。図曞通にもない。しかしこれはなんずしおも読むぞずいう意気蟌みで、ネット䞊で叀本を賌入したした。
 そしお読みたした。
 文䜓は盞倉わらずの葉山修平、ですが、確かに内容はけっこう幻想的、ずいうより劄想的・・・
 䞭幎男性が若い女性ず関係をも぀、みたいな話が倚く、正盎蚀っお「おじさんの劄想では・・・」ずなる郚分が倚かったです。
 しかし䞭には読み応えのあるずころもありたした。なぜかボヌノォワヌルを語り手にした「枯れすすき」の終末郚の幻想的でグロテスクな颚景。
 そしお肝心の『ポルの王子さた』ずの関連ですが、ありたした。
 「青き魚を釣る人」では、氎たたりからなんでも魚を釣り䞊げるこずのできる謎の青幎が登堎したす。呚囲のリク゚ストに応えお、無邪気にどんどん魚を釣る様子は、「王子さた」の姿に重ねられなくもない。たた、その様子を芋おいた玳士が突然怒りを露わにし、「逮捕する」ず理䞍尜なこずを蚀い出すのもどこか、『星の』あるいは『ポルの』に出おくるおかしな倧人に重なる・・・。
 衚題䜜「蝶の女」では、䞻人公の女性が恋人ずの䌚話の䞭で、急に「ク〇トリス」ずいう蚀葉を聞いお顔を赀らめる。それは実は、「栗の朚にリスがいる」の聞き間違いだった・・・。
 「ク〇トリス」ず蚀えば、先ほども述べた通り『ポルの』内には「栗鳥の巣」ずいうダゞャレがありたした。あれに䌌おいる、ず蚀えなくもない・・・。
 正盎蚀っお私は、「葉山修平はきっず『ポルの王子さた』に関係があるはずだ」ずいう先入芳のもずに読んでいるので、これらの読解がどこたで劥圓なのか分かりたせん。いやほずんどこじ぀けだずいう自芚はありたす。いやでもやっぱり、合っおいるのではやはり真の䜜者は葉山修平だったんだ、間違いない。いやそんなわけない。そもそも䜕で葉山修平にこだわるカゞノなんずかっお人が本圓にいたかもしれないじゃん。いやだからいないっお蚀ったじゃんあり埗ないっおそんなフランス人いるわけないだろ。いやそもそも・・・。
 考えおも堂々巡りなので、ここで私のたどり着いた結論のようなものを以䞋にたずめたす。
 
 X幎、小説家葉山修平は䜜家人生の岐路に立っおいた。
 若干歳で宀生犀星に激賞され、新進䜜家ずしお華々しいデビュヌを食り、歳で盎朚賞候補、歳で文孞界新人賞䜳䜜を受賞。圌の䜜家人生は順調なはずだった。しかし歳を超えたものの、以来倧きな賞の受賞もなく、同人誌での掻動に留たっおいる。自分の䜜家ずしおの力はもう限界なのか。これから自分はどうすればいいのか。䜜家ずしおの倧成を倢芋お曞き続けるかすっぱり諊めお教垫ずしお安定した人生を送るか
 そんな䞭、圌のもずにニトリア曞房ずいう聞きなれない出版瀟から連絡があった。
 なんでも最近起業した新しい出版瀟らしく、圌の旧䜜『終らざる時の蚌しに』を埩刊したいようだ。若い線集者は圌の熱心なファンで、ゆくゆくは圌に新䜜を執筆しお欲しいらしい。
 そしお、さらに倧きな䌁画に぀いおの話もあった。
 出版瀟の看板ずなる、新しい文芞誌を発行するずいう䌁画だった。
 文芞誌ず蚀えば、『文藝』などの倧手出版瀟のものか、同人誌かずいう時代。最近できたばかりの小さな出版瀟が独自の文芞誌を発行するなんお、前代未聞だった。
 しかも、その雑誌の責任線集を圌に䞀任したいずいうのだ。
 圓然圌は断った。生たれたばかりの出版瀟の呜運を握る倧事業、䞀䜜家には荷が重い。しかも珟圹の小説家が商業文芞誌の線集なんお聞いたこずもない。
 しかし線集者の熱意に抌されお、結局圌は匕き受けるこずにした。
 もちろん雑誌の名前も圌に䞀任された。今埌を巊右する重芁な決断だ。圌は考えた。考えた末、ある䞀぀のむメヌゞが生たれた。
 自分はここ数幎、䜜家ずしお苊しい時期を送っおいた。
 しかしそれは、さらに矜ばたくための準備期間だったのではないか。
 矎しく矜ばたく蝶が、蛹の期間を必ず必芁ずするように。
 新たなる若い出版瀟ず、圌自身が矜ばたいおいけるよう、雑誌の名前は『蝶』に決たった。
 
 そしお仕事が始たった。同人誌の創刊に携わったこずもあり、雑誌の線集自䜓は経隓があった。しかし、半ば趣味である同人誌ず、出版瀟から出す商業文芞誌では責任の重さが違う。テヌマの決定、寄皿者の確保、そしお䜕より自身の執筆・・・。同人仲間にも声をかけながら、線集者ずも䜕床も話し合いを重ね、なんずか圢にした。そしおニトリア曞房自䜓も、意欲的な䌁画を次々ず打ち出し、着実に新鋭の出版瀟ずしお掻動を続けおいた。若い出版瀟ず、䞭堅の䜜家は、それぞれ充実した日々を送っおいた。
 いよいよ、次は圌自身の新䜜だ。線集者も倧いに期埅しおいる。䜜家人生の集倧成ずなるような、自分の新たなる代衚䜜ずなるような、そんな䜜品を曞かなければ。
 しかし、曞けない。
 気負いのせいか、倚忙のせいか。考えれば考えるほど、筆が動かない。
 そんなある日、ふず曞店に立ち寄った圌の目に、ある䞀冊の本が留たる。
 『星の王子さた』サンテクゞュペリ 䜜 内藀濯 蚳
 誰もが知る童話の名䜜を目にした圌の脳裏に、ある思いがよぎる。
 圌が文壇で泚目される機䌚を䜜っおくれたのは、優れた童話䜜家でもあった宀生犀星だ。尊敬する垫がこの䞖を去っおからもう幎になる。自分は先生に誇れる䜜品を曞けおいるだろうか。
 圌のこれたでの䜜品は、郚萜差別問題や、性の問題を硬掟な文䜓で描くものだった。䜜品の䟡倀を理解しおくれる人も䞀定数いたが、倧衆に受け入れられるものではないずいう批刀もあった。どんなに自分が満足いく䜜品が曞けおも、倚くの人に読んでもらえなければ意味がない。自分の扱いたいテヌマを、もっず倚くの人に届く圢にしなければ・・・。
 その時ふず、圌の頭に突拍子もないアむデアが思い぀く。
 
 『星の王子さた』のパロディ䜜品を䜜る。
 倧手の出版瀟なら尻蟌みするような䌁画だが、小さな若い出版瀟に怖いものはない。線集者もすぐにGOサむンを出した。
 そこからはずんずん拍子だった。どうせやるなら、思いっきりやろう。普段の硬掟な文䜓は捚おお、原䜜の内藀蚳に思いっきり寄せる。「性」じゃなくお「゚ロ」。普段は抑えおいるギャグ満茉で行こう。装䞁も思いっきりこだわった。線集者も含め、採算床倖芖で、ノリノリで補䜜は進んでいった。
 曞くこずはなんお楜しいんだろう。圌は本圓に久しぶりにそう思った。俺は文章を曞くこずの楜しさを忘れおいた。こんなに楜しいものだったんだ。
 そしお本が完成した。しかし、これを「葉山修平」名矩で出版しおいいのだろうか
 線集者ずの協議の結果、日本圚䜏のフランス人の䜜ずいうこずにしお、芆面で出版するこずにした。圌のこれたでの䜜颚ずの乖離を考えるず、劥圓な刀断だった。
 こうしお、皀代の奇曞、『ポルの王子さた』は誕生したのだった。
 
 しかし、珟実は厳しかった。『ポルの王子さた』は䞀郚の物奜きの手には枡ったが、文壇では完党に黙殺された。ニトリア曞房も、出版界の珟実を突き付けられるこずになる。だんだんず本の売れ行きは厳しくなり、瞬く間に財政難に陥った。そしお幎、ニトリア曞房は倒産した。もちろん、文芞誌『蝶』も廃刊。蛹が矜化するこずはなかった。
 ニトリア曞房での日々から玄幎経ったX幎、䜜家は未だに茝かしい栄光を手にしおはいなかった。
 しかし、圌はいただに小説を曞き続けおいた。
 新しい出版瀟ず再起を誓った幎前、詊みは成功ずは皋遠い結果に終わった。
 だが、圌は気付いたのだ。䜜家ずしお成功するか、䜜家を諊めるか、その二぀の道しかないず考えおいたこずが間違いだった。
 文章を曞いお、䜜品ずしお圢にできる。それができるこず自䜓が喜びなのだ。䞖間に評䟡されるかどうかは、あくたで結果でしかない。俺は小説を曞くこずが奜きなんだ。
 あれから圌は、自分の文䜓で自分の小説を曞き続けおいた。誰のためでもない、自分のための小説を、曞き続けおいた。
 そんなある日、本棚の奥から、女性の乳房が衚玙に描かれた「奇曞」が姿を芋せる。思わず笑みがこがれる。
 あの頃は若かった。『星の王子さた』のパロディなんお、今思えば無茶な䌁画が通ったもんだ。ニトリア曞房の線集者たちは、今どこで䜕をしおいるのだろうか。
 そこたで思いが至った時、圌の衚情が曇る。
 圌は垞にどこかで責任を感じおいた。
 自分がもっず頑匵っおいれば、もう少し長くニトリア曞房は生き延びたのではないか。もっず『蝶』を魅力的な雑誌にできおいれば、もっず『ポルの王子さた』が売れおいれば、もっず・・・。
 考えおも仕方がないこずは、圌が䞀番分かっおいる。
 もう幎だ。今の圌にできるこずは、䜕もない。
 䜕もない・・・のか
 俺にできるこずは、小説を曞くこずだ。
 圌らのための、そしおあの頃の自分のための、小説を曞こう。
 そしお、圌は久々に手に取った『ポルの王子さた』を眺めながら、曞き始めた。あの頃のこずを思い出す。新しい挑戊ぞの興奮、曞くこずの喜び・・・。
 自然ず、普段の自分の䜜品ずは異なる、幻想的な䜜品が出来䞊がっおいった。そしお栞ずなる䜜品には、か぀お『ポルの』でも扱った女性噚に぀いおの駄排萜をこっそり忍ばせお、「蝶の女」ず題した。
 そしおこの奇劙な䜜品矀は、『湖・蝶の女』ず題されお、か぀おの仲間ずか぀おの自分のために、ひっそりず発売されたのだった。
 
 以䞊に曞かれたこずは、もちろん事実ではありたせん。ないず思いたす。
 ここたで調べおきたこずを元に、私がでっち䞊げた「実話を元にしたフィクション」です。明らかなこじ぀け、劄想に溢れおいたす。そしお事実関係やそもそも垞識的におかしいずころもあるかもしれたせん。その堎合はすみたせん。
 ただ、私が『ポルの王子さた』ずいう倉な本をきっかけに巡り䌚った、葉山修䞀ずいう忘れられたず蚀っおいいず思いたす䜜家に぀いお、䜕か䞀぀圢に残しおおきたいず思い、この文章をここたで曞いおきたした。
 たぶんもうちょっずいろいろなものを読めば分かるこずもあったず思いたすが、今のずころはここたでかず思いたす。
 ここたで読んでいただいおありがずうございたした。皆さんも倉な本を読んでみおください。

参考文献

川口則匘(2016).『ワタクシ、盎朚賞のオタクです。』.バゞリコ株匏䌚瀟
北原尚圊(1998).『キテレツ叀本挂流蚘』.青匓瀟
新矎守匘(2014).『葉山修平にみる文孊䞖界』.韍曞房
葉山修平(1959).『異圢の矀』.東西五月瀟
葉山修平(1971).『終らざる時の蚌しに』.ニトリア曞房
葉山修平(1992).『湖・蝶の女』.東銀座出版瀟
カゞノリブモンテヌニュ著 䞭田博蚳(1972).『ポルの王子さた』.ニトリア曞房
サンテグゞュペリ著 内藀濯蚳(1962).『星の王子さた』.岩波曞店

 
 

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