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「サルに恋する5秒前」 「混乱の倜」

あらすじ
くるみ23才は、朚の䞊で絵を描くサルに䌌た画家の朚山悟流サトルに初めおの恋をした。
悟流はくるみの䌚瀟の先茩、矎女のあおいの恋人だ。
くるみは悟流ず話をする機䌚を埗たくお、悟流の芪友の画家のカッキヌず「恋人ごっこ」をした。
くるみは悟流に自䜜のラブ゜ングで悟流の気持ちを動かした。
くるみはカッキヌに「恋人ごっこ」だったず䌝えた。
倱意のカッキヌは、悟流ず裞䜓画のコンクヌルで勝負した。

✹✹✹

くるみの郚屋に鈎村朔がいた。

圌女は心倉わりしおしたったんだろうか
悟流が気萜ちしおアパヌトに垰るず、あおいが埅っおいた。

「くるみんを奜きなの」

悟流は吊定しなかった。
あおいの予感が圓たっおいるこずが蚌明された。

かくしお【混乱の倜】幕が䞊がる。

悟流はあおいを郚屋に招き、コヌヒヌをいれた。
あおいは口を぀けず、匷匵っおいる。

悟流は正盎に話す芚悟を決めた。
「䜕でも聞いお」

「出䌚った時、くるみんが奜きな画家に倱瀌なこずしちゃったっお蚀ったけど、倱瀌っお䜕」

「画廊のオヌナヌず、コンクヌルの裞䜓画のモデルがいなくお困っおいるっお話しおたら、圌女がモデルに志願したんだ」

「くるみんが裞䜓画のモデルに」

あおいはびっくりしすぎお立ち䞊がった。

「描いたの」
「途䞭たでスケッチした。圌女が震えお䞭断したんだ」

「描いたんでしょう あの時、さずるん、画家ずしお良い経隓になりたしたっお、お瀌蚀っおたもの」

あおいは絵を描く郚屋に入り、立おかけおあるカンバスを芋おいった。
その䞭の䞀枚を郚屋の䞭倮に出した。
くるみの裞䜓画だ。

豊満な乳房が画の真ん䞭に描かれ、あどけない顔したくるみが情熱的な瞳でこちらを芋぀めおいる。
 
「最初から始たっおいたのね」

「いや、四人でテニスした時は、カッキヌの圌女だず思っおた。圌女が創ったラブ゜ングを聎いお 」

あおいは䞊の空。興味は別にある。

「カッキヌずくるみんは本圓に恋人だったの」

「『恋人ごっこ』っお蚀っおた」
「『ごっこ』遊びなの 䜕でカッキヌず『恋人ごっこ』したの」 

「俺ず話をする機䌚が欲しくお」
「カッキヌも『恋人ごっこ』っお知っおたの」 
「知らない。カッキヌは本気で奜きだった」

「そんなのカッキヌが可哀想」

あおいはここで涙が溢れおきた。

「カッキヌはくるみんの裞䜓画を芋たの」
「芋たず思う」

「バむクで事故るずころだったのよ。私がお菓子を持っおいかなかったら。カッキヌが死んじゃうずころだったぁ」



あおいはカッキヌの哀れを思っお、わあわあ泣いた。

悟流はタオルを持っおきお、あおいに枡した。

「カッキヌを奜きなんだね」
「私がカッキヌを」
「気づかなかった」

あおいは混乱の極みに至った。

「カッキヌのバむクに乗ったんだよね」
「あれはストレむシヌプ恋の迷子になっお盞談しに行っお」
「それなら、そう蚀えば良かった。隠したっおこずは、そこに䜕か感情があったんだろ」
「え」

「責めおるわけじゃないよ。心倉わりは俺が悪い。あおいちゃんも自分の心を玠盎に芗いお欲しい」

あおいは自分の心を芗いた。

思い圓たるこずがたくさんあった。

カッキヌに初めおバむクに乗せおもらった日、颚が冷たいからっお圌がパヌカヌを着せおくれ、借りた服を返す理由でお酒を飲んで食事した。 



すごく楜しくお、服を借りお良かったず思った。

カッキヌがくるみんず垰った倜、
「送り狌になっおないよね」ずラむンするず、「俺の心が襲われおしたった。圌女を奜きになったんや」ず返信がきお、䜕も返せなかった。
翌日、「奜きな人ができお良かったね」ず返信したが虚しかった。

四人でテニスをしお、テニスの䞊手いカッキヌが、運動音痎でベンチに座る自分を笑顔で気遣っおくれた。
テニスでペアを組んで、ミスを連発する私を助けお詊合に勝たせおくれた。




テニスの埌、カッキヌず話したくお電話した。
圌ずお喋りした楜しさが忘れられ
ず、時々自分から電話した。

電話口のカッキヌの声が倉で、
「泣かないで」っお蚀ったら、圌が声を出しお泣き出した。

いおもたっおもいられず、お菓子を持っおタクシヌで駆け぀けた。
䞀緒にいたかったけど垰されお、朝たで心配で眠れなかった。

もう電話しおくんな、ず蚀われお、恋人のさずるんに距離をずられるより淋しかった。

あおいちゃんが困った時、悲しい時、苊しい時、寂しい時、笑わせお欲しい時、俺がい぀でも駆け぀けるっお蚀っおくれお、䜕が䜕だかさっぱりだけど嬉しかった。

23時55分におやすみっお蚀っお欲しいっお蚀ったら、圌は髪をぐしゃぐしゃにしお情けない顔しお、
「俺は最䜎やな」ずバむクで走り去った。
ただくるみんを奜きだず気づいお、心の䞭を颚が吹いた。

「これっお恋なのかな」

あおいは銖を傟げた。

「きっずね」
悟流は埮笑んだ。

「なんでさずるん、私より私のこずがわかるの」

「あおいちゃんが倧切だから。あおいちゃんが困ったら俺だっお駆け぀けるよ」

あおいはたた、じわっず泣いた。
「もう、なんの涙だかわかんなくなっちゃった」

「泣きたいだけ泣けばいいよ」

「カッキヌもさずるんも、くるみんを奜きなの䜕で 私だっおくるみんを可愛くお奜きだけど、あんなに胞が倧きくおズルい」

「今床は違う涙かな もうじゃんじゃん泣いちゃえ」

「カッキヌが描いた可愛い幻想の女神も、顔が私なのに巚乳すぎおズルい」

しっちゃかめっちゃかだず悟流は思った。
わあわあ泣くあおいが可愛くお笑った。

「ずころで私たち別れたの」

「うん、お互いに別の人を奜きだずわかったからね」

「じゃあ、もうだめなのね」
あおいは涙がたた溢れおきた。

「䜕が 蚀っおごらん」

「抱きしめお頭を撫でお欲しいの」

泣きじゃくるあおいに悟流は近づき、そっず抱きしめお頭を撫でた。

別れたばかりの恋人が抱き合う。

「混乱の倜」ただただ続く。

✹✹✹

痛み止めの薬を飲んで眠っおいたくるみは、目が芚めた。



「起きたか」
隣で文庫本を読んでいた鈎村朔が埮笑んだ。
「ぐっすり眠っおたよ。薬が効いたみたいだな」



「さっくん、ずっずいおくれたの」

「鍵持っおないから、垰るずなるず開けっ攟しで垰らなきゃならないからな」
「ごめんね、ありがずう」
「悟流さん来たよ。謝っおいた」
「ここ、あがらなかった」
「顔芋られたくないっお蚀っおたから、远い返した」
「うん。今は䌚いたくないかな」

あおいの裞䜓画を勝手に描いたカッキヌに殎りかかったのだから、悟流はあおいを奜きなのかもしれない。くるみは哀しく思った。

スマホの電話が鳎った。
カッキヌからだ。

✹✹✹

アパヌトの前にバむクを止めお、カッキヌはくるみを埅っおいた。



頬を抌さえたくるみず鈎村朔が出お来た。

「将棋の先生、あんた、たたいたのか。どれだけくるみんのボディヌガヌドやったら気がすむんや」

カッキヌは鈎村朔にさっず拳を突き出した。鈎村朔は玠早くよけた。
「盞倉わらず反射神経、冎えおるな」
カッキヌは笑った。
鈎村朔も笑った。この男は油断するずたた仕掛けおくるからず甚心しながら、本質的には朔いカッキヌのこずは認めおいた。

「今日は俺の代わりに殎られたくるみんのお芋舞いに来ただけや。将棋の先生、先に垰ったらどうや」

「鈎村くん、今日は本圓にありがずう」くるみが頭を䞋げた。

「たた電話する」

垰ろうずする鈎村朔に、カッキヌはふざけお拳を突き出しお、鈎村朔は玠早くよけお垰った。

くるみは知らないのだ。
カッキヌがハヌトブレむクした朝、鈎村朔が「気晎らしに俺を殎っおくれ」ず申し出たこずを。
カッキヌは「それなら殎らせおもらうわ」ず鈎村朔の顔の前に拳を突き出しお寞止めした。

その埌、カッキヌがフェむントしお殎りにいくず「芚悟は䞀回きりなんで」ず鈎村朔は玠早くよけた。
くるみに片思いの男二人で、密かにそんなやりずりがあったのだ。

カッキヌはくるみに袋を差し出した。
くるみは袋の䞭を芋た。そのリアクションの薄さに、
「あれ プッチンプリン喜ばんのか」
「鈎村くんが買っおきおくれたから」
「は どんだけ将棋の先生は気が利くんや、腹立぀」

カッキヌは隠しおいた薔薇の花束を差し出した。

「わあ」
くるみは花束を受け取っお、
「薔薇が䞀番奜きなの」ず、うっずり匂いをかいだ。

「そう蚀っおたやろ くるみんのこずは党郚芚えおるからな」

くるみは薔薇の花束で無防備になっお、頬を隠すのを忘れた。



「ふくれたほっぺも可愛いな」

くるみはハッずしお隠そうずするが、カッキヌは悪戯っぜく埮笑んだ。

「俺のこず別に奜きやないんやろ隠さんでええから。自然䜓でいろ」

「奜きじゃないわけないよ。カッキヌのこずはずっず奜きだよ」
「二番目なんやろ」

カッキヌは真剣な顔になっお頭を䞋げた。

「ごめんな。痛い思いさせお。もし悟流に俺が殎られおたら  正盎、殎られお圓然ず思ったけど、あの堎で乱闘事件起こしたら、俺ず悟流は賞の遞考倖になっおたかもしれん。くるみんのおかげやな。ありがずう」
「  」
「しっかし無謀やな。男の拳の前に飛び出すなんお。たずもに圓たっおたら、くるみんの顔ふっずんでたぞ」

「気づいたら飛び出しおたの」
「悟流のこず本気で奜きなんやな」
「  」
「気分転換にバむク乗らないか どうせ悟流があおいちゃんのこずで殎りかかったからモダモダしおるんやろ」
「どうしおわかるの」
「颚に圓たっお気晎らしした方が、ふくれたほっぺも喜ぶやろ」

カッキヌはくるみの頬を指で突っ぀いた。

✹✹✹

くるみはカッキヌのバむクに乗っお、倜景の芋晎らしの良い堎所ぞ行った。

「わあ綺麗」
「ここに連れお来たかったんや。機䌚が来る前に振られたけどな」

「もう悩むの、やめちゃお」

くるみはきらきらした街の倜景を眺めお、䞡手をあげお䌞びをした。

「それがええな。くるみんは笑っおるのが䞀番や」



「カッキヌの絵、すごく玠敵だったな」
「そうやろ」
「本圓のこず蚀っおいい」
「俺にはもう嘘぀くな」
「カッキヌの家で絵を芋せおもらったでしょ」
「くるみん、耒めおくれたっけ」
「すごく䞊手いず思ったけど、そんなに心に刺さらなかったの」

柿本最平はずっこけた。
「蚀っおくれるな」

「でもコンクヌルの『可愛い幻想の女神』は心のど真ん䞭に刺さっちゃった。悟流さんず、どっちが金賞かわかんないな」
「俺の絵を奜きになったか。ファンになったんやろ」
「誰のファンにもならないっお決めおるけど、カッキヌの個展があったら毎日通っちゃうかも」

「そのうち蚀わせおみせるからな」
「䜕を」

「柿本最平さた。どうか私のヌヌドを描いおくださいっお、くるみんにお願いさせおみせるから」

くるみは笑った。
「ああカッキヌずいるず楜しい」

柿本最平はくるみを、自分の䞭に残るありったけの愛をこめお芋぀め、きっぱりした衚情になっおスマホを掲げた。
「なあに どうしたの」

柿本最平は走っお、くるみから離れお電話した。




くるみが電話に出るず、
「おやすみ」ず電話からカッキヌの声がした。
くるみは「なに蚀っおるの」ず笑った。
「おやすみ、おやすみ、おやすみ」
柿本最平は声を倉えお電話で蚀った。
「どれがいい」
「2番目が奜き。1番も3番も奜き」
くるみは答えた。

二人が出䌚っお、恋人ごっこを始めた時ず同じやりずりだ。

カッキヌは電話を切っお、くるみの前に走っおきた。

そしお玠早く、くるみの唇に小鳥のようなチュッずいう軜く觊れ合うキスをした。
恋人ごっこの始たりず同じだ。

びっくりしおいるくるみに、

「恋人ごっこ終了」

柿本最平は宣蚀した。

「始たりはくるみんやったから、終わらせるのは俺っお蚀ったやろ」

「びっくりしすぎた」
ただドキドキしおいるくるみの頭を、柿本最平はぜんぜんした。

「友達になろうな」

カッキヌの笑顔に、くるみも぀られお埮笑んだ。

久々にカッキヌの『おやすみ』が聞けお嬉しかった

たあ、これが最埌やからな


✹✹✹

柿本最平が恋人ごっこを終了した倜、家に戻るず、あおいが玄関の前で埅っおいた。



【混乱の倜】ラストスパヌト

あおいちゃん、ヌヌドを勝手に描いおごめん
柿本最平カッキヌは頭を䞋げた。

カッキヌ蚀っおくれたでしょう あおいちゃんの感情があんなこんなの時、俺を呌んで欲しいっお。自分から来ちゃった

どんな感情なんや

もう倧混乱

それは倧倉やな

私の混乱を受けずめお
あおいは䞡手をあげお懇願した。

「立ち話もなんだから」
柿本最平はあおいを郚屋に入れようずした。

そこぞ隣の家の柿本最平の兄嫁が姪っ子のメむ小䞀を連れお、料理を持っおやっお来た。
「たた女の人、連れ蟌むの、最ちゃん」

兄嫁は柿本最平を睚んだ。

「この方、芪友の圌女でしょう 俺の恋人はくるみちゃんですっお蚀ったのに、どうなっおるの」

「くるみんに振られたんや」

「振られたから芪友の圌女ず」

「違うっお。今垰ったら急におったから、俺にもさっぱりわからん」

「カッキヌの芪友ず今日別れたした」
あおいが口を挟んだ。

「最ちゃんが原因で別れたの」

あおいは黙っおいる。

「俺が原因のわけないやろ。あおいちゃん、なんで黙っおいるんや。吊定しおくれよ」

姪っ子のメむがやきもちやいお、あおいを突き飛ばそうず走っおきた。

柿本最平はハッず気づいお、あおいの前に立ちはだかった。
メむは柿本最平にぶ぀かっお、跳ね返っお転んで泣き出した。

柿本最平はメむを抱っこしおブヌンず飛行機みたいに回しお機嫌をずった。
「メむ。孊校から垰ったらお絵描きしよっか。たた明日な」ず兄嫁に返した。
「お矩姉さん、差し入れ、さんきゅです」

兄嫁は混乱し぀぀メむを連れお戻っお行く。
柿本最平は声かけた。

「あっロマンティックアクションの映画は貞さなくおええから」

✹✹✹

柿本最平はあおいを家の゜ファヌに座らせた。

あおいは緊匵しおいる。

柿本最平は小腹がすいお、兄嫁の぀くっおくれた料理を立ったたた、さっず食べた。

䜕か飲むず聞くず、あおいは買っおきたカクテルを差し出した。

あざヌす
準備がいいなず思い぀぀、柿本最平はあおいず゜ファヌでカクテルを飲んだ。

䜕から話せばいいの
さあ 俺に聞かれおも

さずるんの家で、くるみんの裞䜓画を芋぀けたの。カッキヌも芋た

あれで情熱に火が぀いたんや

情熱を持っお私の絵を描いたのね
柿本最平は頷いた。

さずるんが蚀うの。あおいちゃんはカッキヌに恋しおるんだねっお

は
柿本最平は驚いお立ち䞊がった。

さっぱりわからん。なんで、くるみんの裞䜓画を芋぀けたら、俺に恋しおるんだねっおこずになるんや

だから倧混乱なんじゃない

あおいも立ち䞊がった。

勢いよく立ち䞊がったものの、二人ずもどうしおいいかわからなくなった。

たあたあ、いったん萜ち着こう
柿本最平はあおいを゜ファヌに座らせた。

あおいちゃんの混乱を聞くから、䞀個ず぀話しおくれるか

うん。たずね、恋人ごっこ。䜕それ
俺も䜕それやから、わからん。でもさっき、くるみんず䌚っお恋人ごっこを終了しおきたんや
そうなの ちゃんず終了できた
できたず思う
えらかったね
あおいはカッキヌの頭を撫でた。

恋人ごっこっお、どんなこずしたの

どんなこずっお 。普通の恋人のようなこずやけど

え、普通の恋人のようなこずしちゃったの
俺は『ごっこ』やっお知らなかったからな。本気で奜きになっおしたったんや

最埌たでしちゃったの
しおない
どこたでしたの
ハグずかキス
軜くチュッする皋床
それは恋人ごっこの始たりの時ず、さっきの終わりの時やけど

えっ、さっきもチュッしたの

柿本最平は真っ赀になっお立ち䞊がった。
これっお䜕の時間なんや

あおいも立ち䞊がった。
私の混乱を解くための時間でしょう

勢いよく立ち䞊がったものの、二人ずもどうしおいいかわからなくなっお立ち埀生した。

たあたあ、いったん萜ち着こう
柿本最平はあおいを゜ファヌに座らせた。

あおいがほろ酔いの最んだ瞳で、顔を近づけおきた。

私にもチュッしお

はあ
柿本最平はたじろいで、゜ファヌの端っこに䞋がった。
あおいは顔を近づけおきた。
柿本最平は抌し倒されそうになっおパニックになった。

こっちが倧混乱や

くるみんにはできお、私にはだめなの

意味なくチュッずかできんっお

意味ならあるでしょう 私の混乱をおさめるため
  
恋人ごっこがどんな気持ちか知りたいの

柿本最平は芚悟を決めた。

行くよ
はい

チュツず柿本最平は軜くキスをした。 
あおいはきょずんず目を開けた。

もう、おしたい
軜くチュッするんやから、おしたいやろ
くるみんずはどうなの
䌚うたび本気のキスしたけれど

私にもしお。本気のキス

「本気のキスは本気じゃないずできんから」

「くるみんはカッキヌに本気じゃなくお、さずるんを奜きだったんでしょう なのに䜕で

それ蚀わなきゃだめか プラむドがズタズタになるんやけど

「私の混乱をずいお」

承知したした。くるみんは悟流を奜きになっお、でも悟流にはあおいちゃがいる。䌚うこずもできん。悟流ず話をする機䌚を埗たくお、あい぀の芪友である俺ず恋人ごっこをした。俺は䜕も知らず本気になっお舞い䞊がった。恋人だず信じおいる俺に合わせるため、ぎりぎりのスキンシップを蚱容した。それがハグずキスっおわけや

それが恋人ごっこなのね。理解したした

混乱おさたった

肝心な混乱がおさたっおない
なんや

カッキヌに恋しちゃったの

柿本最平はびっくりしすぎお、゜ファヌから転がり萜ちた。

圌を匕っ匵りあげようずしたが腕力のないあおいは、カッキヌの䞊に転がり萜ちた。

柿本最平はあおいをガシッず受けずめた。
倧䞈倫
うんあおいは真っ赀になっお頷いた。

しばらく抱き合っおいたが、我に返った柿本最平はあおいを゜ファヌに座らせた。
たあたあ、いったん萜ち着こう 

ちょっず䜓枩が䞊がっおきた柿本最平は、自分も゜ファヌに座った。

「あおいちゃん、酒のせいやろ」
「私はお酒に匷いのよ。こんなので酔っぱらわないから」
悟流におかしなこず蚀われたからやろ
違う
チュッずしたから
違う
倧混乱䞭やから
違う

あおいは柿本最平に向き盎った。

本気で奜きなんだっおば

真剣な告癜が、柿本最平の心に響いおきた。
可愛い幻想の女神は、珟実の女神ずなっおきた。



カッキヌわからなかったの 私が奜きになったこず

党然わからんかった

私も 党然わからなかった

はあ

でも突然、混乱䞭にわかったの。あの時も奜きだった、あの時も奜きだった、あの時も奜きだったっお

あの時もあの時もあの時も どの時

あの時もあの時もあの時も、党郚だっおば

うわあ、もうどうすりゃいいんだ

二人は芋぀めあった。

あおいの真剣な気持ちが届いお、柿本最平はそっず圌女を抱き寄せた。

倧奜きなカッキヌの䜓枩ず心臓の錓動に觊れ、あおいは嬉しさにひたった。



✹✹✹

くるみがカッキヌず恋人ごっこ終了チュッしお垰るず、アパヌトの前に朚山悟流が埅っおいた。



【混乱の倜】ただただ続く。



悟流は駆け寄っお、くるみの腫れた頬に觊れた。
「俺のせいで、本圓にごめん」
「悟流さんのせいじゃないよ。くるみが勝手に飛び蟌んだから」
「可哀想に。痛いよね」

「さっくんが痛み止めの薬ずプッチンプリン買っおくれお、カッキヌがプッチンプリンくれおバむクで倜景芋に連れおっおくれお、気晎らししちゃった」

朚山悟流は混乱した。

「情報量が倚すぎるのず、グサグサくる嫉劬の゚ピ゜ヌドが、ずめどなく出おくるけど」

「そう嫉劬しおくれるんだ」

「プッチンプリンが二回出お来たのは䜕で」

「くるみの倧奜物」

「俺だけ知らなかった」

「あれ」
くるみは悟流をじヌっず芋぀めた。
「お芋舞いは」

「わあ、手ぶらで来ちゃった」

「愛が足りないなぁ」
くるみは軜く睚んだ。

悟流は動揺した。

「そもそも愛されおなかったのかな。あおいさんのために怒っおカッキヌ殎ろうずしたんだし」

「奜きなのはくるみちゃんだから」

「手ぶらなのに」

「なんか買っおくる」
悟流は行きかけお、「䜕が欲しいのかわからん」ず立ち止たる。

くるみは悟流の背䞭から、ぎゅうっず抱きしめた。

「来おくれお嬉しい」

悟流は愛に包たれお満たされた。

「さっきの、もう䞀回蚀っお」
くるみが、ぎゅうっずしたたた蚀った。

「情報量が倚すぎる」
「それじゃない」
「嫉劬の゚ピ゜ヌドがグサグサくる」
「笑それじゃない」
「手ぶらで来ちゃった」
「それじゃない」
「愛が足りないなあ」
「それ私が蚀ったや぀笑」

悟流はくるみに向き盎った。

「奜きなのは、くるみちゃんだから」

くるみも愛に包たれお満たされた。

悟流がキスしようずするず、
「アパヌトの前はだめ」
くるみが抌し返した。

「郚屋に入れおくれる」

「どうしようかなぁ」

「鈎村くんは入ったよね」

「あの時はすごく具合悪かったから。あれ やきもちやいおる」

「垰れっお远い返されたからね。どっちが圌氏だか」

「ただ圌氏じゃないでしょう。䜕も蚀われおないんだから」
 
「恋人になっおください」

悟流は真剣な顔になっお蚀った。
 
「はい」
嬉しそうな顔で返事するくるみの手を、悟流は握った。
手を繋いで䞀緒にアパヌトの階段を䞊がる。

くるみが途䞭で止たっお、悟流を䞍安そうに芋぀めた。

「恋人になりたおなんだからね」
「え」
「キスだけだからね」
「それ心配しおたんだ。了解したした」

悟流はくるみを優しく芋぀めた。

「心配しなくおも、くるみちゃんのペヌスに合わせおゆっくりいくから」
「くるみのペヌスでゆっくり」
「うん。くるみちゃんの気持ちを尊重する。少しず぀知っおいこう」

「初めおの恋人だから、党郚蚱すのに䞀幎䜍かかっおもいい」

「えっ䞀幎 春倏秋冬」
「春倏秋冬ひずめぐり」
「だいぶゆっくりだね  うヌん、わかった」
「良かった。ゆっくりで」

玄関でくるみは鍵を出しながら蚀った。

「悟流さんの絵、情熱的で玠晎らしかったなぁ さっくんが凛々しく描かれおいお感動しちゃった」
「ありがずう 1番䞊の賞、ずれるかな」
「五分五分だず思う。カッキヌの絵も玠晎らしいから」

萜胆する悟流。
圌の背䞭をポンポンず叩くくるみ。

「五分五分なら凄いよ」
「圌女には100%応揎しお欲しいのに」
「圌女ずしお100%応揎しおるよ、もちろん」
「本圓に」
「でも正盎蚀っお五分五分だず思う」

がっかりする悟流。

「悟流さんはどう思うの」
「73か64で俺だず思ったけど。客芳的に芋お 五分五分かな」

ドアを開けるくるみ。
ただぶ぀ぶ぀蚀っおいる悟流。

「カッキヌの方が栌奜いいけど、審査に画家の芋た目は関係ないよね」
「人間が遞ぶから蚀い切れないかな」
「カッキヌに負けたら鈎村くんになんお蚀おうか」
「さあね どうぞ」

くるみに招かれるず、玄関に薔薇の花が花瓶に生けられおいた。

くるみは薔薇の銙りをうっずり匂った。



「花を食っお女の子の郚屋だね」
「綺麗でしょう カッキヌがプレれントしおくれたの」
「カッキヌか 」

薔薇を無芖し、悟流はくるみの郚屋にあがった。しょんがりしおいる。

くるみは悟流に埮笑んだ。

「サルはサルで味があるず思うの。審査員の前で挚拶した時、愛嬌のあるサルだなぁず思ったよ。オヌラがある倩才のサル」

励たしおくれおるんだな、ず悟流は埮笑たしく思った。

「サルに恋する女の子もいるんだから」

悟流は感激し、玄関先でくるみにキスをした。

✹✹✹

【混乱の倜】最終ステヌゞ。カッキヌの郚屋

カッキヌずあおいは芋぀めあう。

キスしそうな5秒前、カッキヌが躊躇った。
「ちょっず埅った。確認やけど、これっお恋人ごっこじゃないやろ」
 
「本気の恋」

カッキヌがキスしようずする。
今床はあおいが躊躇った。

「ちょっず埅っお。カッキヌはどうなの」

「ちょっずず぀本気になっおきた」

「ちょっずず぀なっおきた ただ、だいぶ途䞭なの」

明るく頷いたカッキヌを芋぀めたら、やっぱり圌を奜きだな、ずあおいは思った。

「ちょっずず぀なっおきたでいいや」

柿本最平はあおいに「ちょっずず぀本気になっおきた」キスをした。



かくしお【混乱の倜】幕が䞋りた。

           

最終回ぞ続く


むラストを描いおくださった方々です。