保健室で何千人もの子どもを見て気づいたこと① 「問題行動の裏にある、本当の気持ち」
「問題児」と呼ばれる子は、一人もいなかった
養護教諭として働いていた頃、保健室には毎日たくさんの子どもたちがやってきました。
転んでけがをした子。
頭が痛いと言って来る子。
なんとなく教室に戻れず、静かに椅子に座る子。
何千人もの子どもたちと関わる中で、私が強く感じたことがあります。
それは、「問題児」と呼ばれる子は、一人もいなかったということです。
行動には、必ず理由がある
授業中に立ち歩く子。
友達とトラブルが絶えない子。
何度注意されても同じことを繰り返す子。
大人は、その行動だけを見てしまいがちです。
でも、保健室でゆっくり話を聞いてみると、その子にはその子なりの理由がありました。
家では親が忙しく、話を聞いてもらえる時間が少なかったり。
兄弟の世話を頑張りすぎていたり。
友達に嫌なことを言われても、「大丈夫」と笑っていたり。
子どもは、自分の気持ちを上手に言葉にできません。
だからこそ、行動で「苦しいよ」と伝えていることがあるのです。
「困った子」ではなく、「困っている子」
ある先輩の先生が、こんな言葉を教えてくださいました。
「困った子じゃないよ。困っている子なんだよ。」
その言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
同じ行動でも、「困った子」と見るのか、「困っている子」と見るのかで、関わり方は大きく変わります。
「またやったの?」
ではなく、
「何かあった?」
そんな一言から、子どもの表情がふっと和らぐ場面を、私は何度も見てきました。
子どもを見る目が変わると、関係も変わる
もちろん、ルールを守ることや、人に迷惑をかけないことは大切です。
でも、その前に必要なのは、「なぜ、その行動をしているのか」を知ろうとすることではないでしょうか。
子どもは、自分を理解しようとしてくれる大人を敏感に感じ取ります。
「叱られるかもしれない」と身構えていた子が、安心したように本音を話し始めることもありました。
私が子どもたちから教えてもらったこと
何千人もの子どもたちと出会って、私が一番学んだことがあります。
それは、行動だけで人を決めつけてはいけないということです。
大人にも事情があるように、子どもにも見えない背景があります。
だから私は今でも、「どうして、この子はこんな行動をしたんだろう」と考えることを大切にしています。
その問いを持ち続けることが、子どもを理解する第一歩だと、保健室で子どもたちが教えてくれました。
次回予告
「保健室で何千人もの子どもを見て気づいたこと② 子どもは、大人が思っている以上に”見ている”」
大人の何気ない一言や表情が、子どもの心にどれほど影響しているのか。保健室での経験をもとに、お伝えしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
