『ムショラン三ツ星』を見て、改めて食のパワーに心動かされたこと
題名から引き寄せられて見たドラマは、やっぱり面白い!
土曜ドラマ『ムショラン三ツ星』(NHK)

「え?ミシュランじゃなくって、ムショラン?!」と、タイトルを見て、ついつぶやいてしまった。そう、ここは一流レストランではなく、刑務所なのだ!
主人公は、元・一流イタリアレストランシェフの銀林葉子。イタリアでの修行経験あり。バリバリのシェフであったにも関わらず、とんだアクシデントが起こり、レストランは閉店の憂き目に。無職となり、シングルマザーでもある葉子は、ネットで偶然、男子刑務所での管理栄養士の仕事を見つける。食に関わるこれまでのキャリアが活かせると喜ぶ葉子。でもここは、思い描いていた仕事とはあまりに世界が違い過ぎていて・・・・
葉子とともに、私も驚くことがてんこ盛りだ。
例えば刑務所での料理では、バナナは出せない。なぜなら、バナナの皮からタバコが作れるからだそうだ。知らなかった・・・
それに、みりんも使用不可。アルコールが含まれているからだ。なるほどねえ・・・。
ドラマの舞台、濱崎刑務所では、1日3食の予算が543円。私は1食の値段ではないかと、耳を疑ったほどだ。
管理栄養士の葉子は、予算内に収まるように献立作りに孤軍奮闘。これでOKと思っても、受刑者同士のけんかを防ぐために、食べ物一つ一つのサイズが同じでないとだめだったり、(例えばドーナツでも魚の切り身でも、皆、同じ大きさが望まれる。)郷土料理なんかも取り入れようとしても、前例がないと言われたり。
刑務所という特殊な場所であるゆえに、献立一つ考えるのも本当に大変なことなんだなと実感した。
それでも、受刑者に少しでもおいしいものを食べてもらいたい、食べることで、つかの間の幸せを感じてほしいという熱い思いを抱く葉子。
始めは難癖をつけていた上司たちも、葉子が考案し、受刑者たちが協力して作った料理を口にすると、全員が幸福のオーラに包まれる。
なつかしいふるさとのおかずが食べられた、幼き子どもと一緒に作った思い出のドーナツなど、食を通して去来する受刑者たちの思いは、いかばかりだろうか?
また、これまで味気ない気持ちで食べていた食事が、葉子が来てからというもの、調理しても楽しい、食べてもおいしい、食べたら幸せになるという平和で温かなループが生まれているのだ。本当に素晴らしい!
無理難題でも、葉子の持ち前の明るさと頑張りで、見事に突破。協力する受刑者たちの笑顔もまぶしい。
『ムショラン三ツ星』は、刑務所という閉じられた世界を私たちに教えてくれた。そして、そこにいる様々な立場の人々の秘められた思いや、食の持つパワーも改めて知ることができた。
ドラマは3回目が終わったところ。
さて、これからストーリーはどう展開されていくのだろう?
楽しみでならない。
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