朝の百鬼夜行 早朝のランニングは要注意!?
早朝いつもより早い時間に、ランニングをしていると…
まだ薄暗いというのに、何人かランナーがいる。
人通りの少ない道に加え、霧で姿はよく見えないが…足早にボヤッとした影だけが走り去っていく。
自分のペースを保ちつつも、少しレース魂に火がつき、スピードを上げていく。
タタタタと軽い足音が後ろからしたと思うと、すごい速さで音が隣に並ぶ、どんなやつだ!?と思い隣を見ると、ガリガリに痩せた目がガンギマリのババアと目が合う。
ババアは口が裂けそうなほどニタっと笑って「見ない顔だね?新入りかい?頑張んな!」そういってすごい速さで走り去っていった。
よく見るとババアのすぐ後ろに同じような爺さんも走っている。
だが…何かおかしい…。
そう走る音が素足のような…。
まさかなと首を振り、新入りという言葉もよくわかないが走る。
今度は、左右横からタンタンという不規則な足音と、ガタンガタンという重そうな音に挟まれる。
なんだ!?近くないか?と戸惑うと。
霧に紛れて、右隣りから皮膚のない人間が現れた…。
「ひっ」と声が出て、逃げようとスピードを上げる。
汗が舞い上がり、体は暑いはずなのに背中が寒い。
それに合わせるように、左のドスドスという音が増していく、見たくないが左を向くと、石の像…多分小学校で見たことあるアイツが走ってニヤっと笑って霧のなかに消えていった。
立ち止まりたい。出来るならそうしたいが…
立ち止まった瞬間を考えると怖くて進むしかない。
ふと、腕時計を確認するともうすぐUターンする20キロを指していた。
よし、と思いUターンしようと片足でクルッと後ろを向いた瞬間、「どこに行くのぉ?」と何かに腕を掴まれた。
「離せ!離してくれ!!」
必死に叫ぶが、力が強すぎて振りほどけない。
グイグイとつよい力で引っ張られる。
(この先は使われてないトンネルだ…おまけに向こう側は、コンクリートで固められている!)
絶対マズイ!持てる力を振り絞り足に力を入れるも、どんどん引っ張られ、ついにどんよりとした暗い空気に包まれた。
トンネルか!?
そう思った瞬間。
トンネル内には、数十いや数百のような、奇妙な声で溢れかえっていた。
「ひひひひ、今日の宴も良かったねぇ」
「朝帰りはヒヤヒヤするが面白い。」
「おいらの皿知らない?」
「オイラの目玉知らない?」
「そんな事より私綺麗?」
など不気味な声で溢れていた。
恐怖に耐えられなくなり、「わああああああ」と叫ぶと、掴む腕の力が緩み、急いで前に進んだ。
全速力で走り、数メートル先の、コンビニに駆け込んだ。
「いらっしゃいませー」とやる気のない店員の声に初めて安堵する。
息を切らしながら…青い顔でその場にへたり込むと。
店員は、あぁと納得したような顔をして「百鬼夜行に会ったんすね。この時間走らない方がいいっすよ」とだけ言って奥へ行ってしまった。
息を整えつつ、なんとなく掴まれた腕を見ると。
腕にはくっきりと手の形が残っており、打撲したように色が変わっていた。
そして…腕時計に通知が入っている…。
「頑張って走りな」
こちらの企画です🙆
よろしければご参加下さい🙏✨
