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TMRの旅①:初山小屋体験@スイス

相方が、2年前にUTMRというスイス・イタリアを巡るウルトラトレイルレースに挑戦して以来(ちなみに、そのレースは天候不良でキャンセルになったが)、毎年、レースがキャンセルされようが、自分がレース前半でDNF(途中棄権)になろうが、TMRというコースがどんだけ素晴らしく、魅力的かと語り続けるので、”ホントか?”という半信半疑な気持ちと、一度、ゆっくり、ハイキング的にアルプスの山々を歩いてみたかったので、今回、TMRを巡ってみることにした。

アルプスの山は、2012年にUTMBのCCC、2013年UTMBのTDSレースに出場して以来である。当時、山のこともウルトラトレイルの知識もほぼ初心者で素人だったが、ロードマラソンでは、それなりの走力があったから、なんとかなるだろうという根拠のあるようなないような自信で挑戦し、見事、24時間・80キロぐらいの地点でDNFした苦い経験がある。

苦い経験の中に、”なんで私は、こんなすごい景色を堪能することもなく、ただひたすら、足元と時計だけを気にして走っているのだ?”というのも含まれている。

だから、いつか、素晴らしい景色をゆっくり味わいながら、そのコースを進んでみたいという夢が生まれた。

それから13年という年月の間に、乳がんになり、フルコース治療を受けたり、ランニングの途中で、転けて、右足の膝下が陥没するレベルで肉が抉れたり、肉体的ダメージが相当あったが、それでも、まだ、フルマラソンを3時間40分程度で走れている。
そして、去年は、ペルーのインカトレイル3泊4日シャワーなし、テント泊も経験済みだ。

うん、きっと、大丈夫。だって、ゆっくり、歩いて進めばいいんだし。

そんな気持ちで、挑戦した今回のTMRの旅。

そのTMR自体をAIさんに説明してもらうとこんな感じ。

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トゥール・ド・モンテローザ(TMR)は、スイスとイタリアのアルプスにまたがる巨大なモンテローザ山塊を周回する、全長162〜174 km(100〜108マイル)の走りがいのある環状アルプストレックです。一般的にはスイスのツェルマットを発着点とし、獲得標高は約11,000 m、完走にはおよそ9〜11日かかります。

ルートと基本情報

  • 距離: 約165〜174 km

  • 最高地点: テオドゥール峠(標高3,295〜3,301 m)

  • 所要日数: 9〜11日間

  • 通過国: スイス、イタリア

  • ベストシーズン: 7月中旬〜8月下旬

トレイルの特徴

  • 難易度: ツアー・ド・モンブラン(TMB)よりもタフで体力が必要。荒れた道や浮き石の多い地形、高所での露出部(高度感のある道)が多く存在します。

  • 景観: マッターホルン、リスカム、モンテローザ山頂などの4,000m級の雄大な山々の絶景をはじめ、伝統的なヴァルザー族の村々や牧歌的なイタリアの谷間を楽しめます。

  • 宿泊施設: ルート上にはスタッフのいる山小屋(リフージョやアルペンロッジ)があるため、テントを携帯する必要はありません。

  • 氷河超え: 高レベルの峠越えや、テオドゥール峠などの氷河歩行が含まれる場合があり、状況に応じてチェーンスパイクやアイゼンが必要になることがあります。

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さてさて、初日の8月3日。私と相方は、元気いっぱい、上記の説明通り、ツェルマットを早朝8時にスタートし、山頂の山小屋Gandengghutteを目指し、ひたすら、山を登り続けました。ええ、登り続けました。ええ、ええ、登り続けましたよー。1,420メートル。


マッターホルンが見える山道をひたすら登る。


すーっと登り

距離として、6.43マイル=約10キロ強。

ロードなら、1時間もあれば十分走れる距離。

それが、所要時間5時間13分。48.46/mile =30.07/kmというペース。

森林限界を超えると、視界が開け、高山特有の岩剥き出し景色に変わり、永遠と続くと思えるガレガレ場を超え、ようやく、Gundegghutteに到着。標高3,030m。


森林限界超えの景色


山小屋までの道のり


山小屋から見えるマッターホルン


山小屋のテラス
外の手洗い場。飲めない水。ちなみに、トイレも外。
山小屋の部屋。

私にとって、人生初の山小屋です。

山小屋スタッフは、どうやら女性ばかり。背の高い20代から30代と思われる女性スタッフがキビキビと宿の説明をしてくれます。

「夕食は7時から全員一緒にスタート。朝食は朝6時から8時の間。トイレは外の階段下。シャワーはなし。」

そして、私たちの部屋は、ダブルサイズの2段ベッドが2つとシングル2段ベットの合計10名部屋。私たちが1番最初に到着したから、好きなダブルサイズのベッドを選んで良いとのこと。

やったー!早めに出発して正解。

一番、勝手の良さそうな、横にスペースがある、下の段のダブルベッドを選択。時刻は、まだ午後2時前。次のハイカー達が来るまで、伸び伸びと過ごせそう。

さて、まずは、身体を拭かねば。

と、早速、バックパックから、ウェットティッシュパックを取り出し、せっせと、身体中を拭きまくる。

相方にもウェットティッシュを渡すが、

「俺は大丈夫。」

とか訳分からんことを言うので、

「何言ってんの。自分では臭くないって思っていても、絶対、臭いに決まってるよ。こんなに長時間山登って、汗掻いているんだから。特に、足の指の間、脇の下を念入りに拭いた方が良いよ。他の人にメーワクだよ。」

と、きつめに指導しました。

だが、そんな気遣い、山小屋では全く不要だと1時間後には知るのです。

山の天気は本当にあっという間に変わるんですね。

午前中、あんなに天気だったのに、私たちが到着し、1時間後には、空は雨雲に覆われ、ポツポツと降ってきました。その粒がどんどんと大きくなり、雹に変わり、最後は土砂降り。

山小屋の窓越しから見える雪景色も恐ろしいものに見えてきます。

だって・・・、

ゴゴゴ、バリバリバリー!!!

って、すごい音が響くんです。

どうやら、どこかで雪崩が起こっているらしい。

そんな大雨全開の中、予約していたハイカー集団2組が次々と到着してきました。

まずは、ブリティッシュアクセントの2組のカップルグループ。
その後に、成人した娘と息子と父ちゃん、母ちゃんの家族グループ。

その頃、私と相方は、ベッドにいました。

というか、ベッドにしか居場所がないので、私はベッドで携帯を見ており、相方はグーグー寝ていました。

彼らは、びしょ濡れの服を脱ぎ、部屋の掛けられる場所に掛けたり、置いたりし始めました。

相方が寝ているので、気を使って、音を立てずにそっと、そっと、動いてくれている気遣いに、山のマナーを感じます。

だが、、、、臭いにマナーなし。

みなさん、きっと、何日もシャワーも身体も拭いていらっしゃらないのかしら。その上、この雨の中、必死で山小屋を目指し、汗掻いて、濡れて到着されたのでしょう。ええ、それは十分、理解しておりますよ。

でもね、、、

く、臭い。

臭すぎる。

「ねぇ、ねぇ、臭いよ。臭すぎるよ。ひーっ、臭い。臭いーっ!」

私は同室のハイカーたちに日本語が通じないのを良いことに、寝ている相方を揺り起こし、苦しみを訴えました。

「そんなもんだよ。山小屋は。」

苦笑いし、そのまま、また寝息を立てる相方。

うー、うー、なんで、お前はこんな臭い中、寝れるのじゃ。

マスク、マスク。

必死にバッグパックから、マスクを探そうとしたが、首元にバフがあるのに気付き、首元から目の下まで覆った。

なんとか、臭さが軽減。

だが、この状態で、夕食の時間まで、まだ、数時間ある。

起きている限り、この臭い地獄に苦しむことになるであろう。

もう、いっそ、意識を失おう。

私は、相方を見習って、寝ることにした。

山小屋の布団や枕には、ベッドバグ(ノミやダニ)がいるかもしれないと言われて購入した袋型シーツに頭まで潜り、耳栓、帽子、アイマスクを装着。

これで、外界と完全遮断。

ああ、安心。身動きできず、少し苦しいけど。

そんな状態で、なんとか時間を過ごし、7時にダイニングに全員集合で夕食スタート。

前菜のポテトスープを飲み終え、スープ皿を下げてくれるのかと思いきや、お代わりを聞かれていたらしく、勘違いして皿を渡し、2杯目を頂く。。。


たっぷりのポテトスープ

この山小屋で一番小柄な私がいきなりポテトスープを2杯飲むことになろうとは。

当然、無理で、結局、その責任は相方に取って貰った。

「俺、スープだけで、腹一杯だよ。」

との愚痴が面白くって、笑う。

それ以外は、夜中の外のトイレも、相部屋のいびきオーケストラも、珍しい体験ではあるが、楽しくはない。

寝れたのか怪しい状態で、朝を迎え、朝食を頂き、いざ、出発。

2日目は、相方の一番のオススメ、スパイク履いての氷河歩行。

さぁ、行ってみよー!

(つづく)








 





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