見出し画像

田んぼの中のファーストペンギンと自然の一部である人間と。

田んぼの稲に穂が出はじめた。
と言っても一反(およそ300坪)の田んぼに2〜3株だけ。
田んぼの中で一足早く出る数株の穂のことを“走り穂”と言う。

走り穂が出てから一週間前後で田んぼのおよそ半数の穂が出ると“出穂しゅっすい”と呼ぶ。

一昨日の早朝、田んぼの草取りをした。
田んぼの草取りは水田に入って、端から順に歩いて草を見つけては取る。
稲が小さいうちに草取りはしているので、それほどたくさんは生えてないけど、中に入ってみると結構ある。
今は稲が大きくなっているので、草が見えにくいし、歩きにくい。
小さな水草なんかは、もう取らないで、ヒエやホタルイのような生えて欲しくないものだけ見つけると取る。

大変な作業だけど、早朝の水田は、水のおかげでちょっと涼しい。
稲が大きくなると水の中の生き物は見えないけど、歩いているとぶつかられるくらいのたくさんのトンボや小指の先くらいの小さなカエルや稲と稲に糸を張りめぐらせる蜘蛛が稲を守ってくれていて感動しながら感謝する。

イトトンボは、きれいな水色のを撮りたかったけど
手袋をはめて水田の中での作業中は
なかなかポケットから携帯を取り出せず
思うように写真が撮れないのです。
トンボはオニヤンマ系や
盆トンボと呼ばれるウスバキトンボや
水色のシオカラトンボなど
いろんな種類がいます。


そして、田んぼの外からは見えなかった走り穂を見つける。

稲の穂は、一斉に出るわけではなく、花も時期をずらして開くのは、生き残り戦略だともいう。
中でも走り穂は、ほんの数本が先発隊として他よりも一週間も早く出るというのは、ファーストペンギンみたいだなと稲をかきわけ歩きながら思った。

今出ても大丈夫かな
と自然環境や害虫などの様子を見るために出てきてるような気がして、きっと、みんなより先に穂を出して、他の稲たちに情報を信号として送っているんじゃないかな。
自分が先にいく
って、どうやって決めるのかな
なんて想像しながら草取りをしていると、感動に胸のあたりがふるふるとして、涙が出そうになった。

みんな一斉に
ではないことが種を残す可能性を生み出す
単なる成長のバラつきではなく、自然界に組み込まれた生き残りのシステムだと思う。

みんなが同じ方に向いていたり、同じ速さだったり、同じ考えを持っていること、みんなが同じであることが不自然で危険ということなんだと思う。
私たち人間も自然の一部だから。


この日は曇っていたけど、そのうちに山から出た太陽が田んぼを照らして、稲についた水滴がキラキラして、その美しさにまた感動する。

気持ちよく感動ばっかりしていても、汗だくで3時間、ヘトヘトだけど。

もう数日で出穂となると思うので、水田に入るのはこの日が最後のはず。

いいなと思ったら応援しよう!

クリユミ 最後までお読み頂きありがとうございます。応援頂けると大変嬉しいです。