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接客がうまい人は、お客様を説得しようとしない。

接客を始めたばかりの頃は、

「おすすめの商品をちゃんと説明できること」が、
いい接客だと思っていました。

商品の特徴を覚えて、
メリットを説明して、

「こちらがおすすめです」

と自信を持って言える。

それが店員の仕事だと思っていたんです。

でも、9年接客をしていると、
それだけではうまくいかないことに気づきました。



たとえば、2つの商品で迷っているお客様。

片方は少し高いけれど機能が多い。
もう片方はシンプルだけど安い。

店員から見れば、

「こっちの方がいいですよ」

と言いたくなることがあります。

実際、商品の知識だけで考えれば、
明らかに片方の方が優れていることもあります。

でも、お客様にとっての「いい商品」は、
必ずしも同じではありません。

だから最近は、

「どんなふうに使う予定ですか?」

「一番気になっているのは、どこですか?」

そんなことを先に聞くようになりました。

すると、

「実はそんなに頻繁には使わなくて」

「機能より、簡単な方がいいんです」

「高い方がいいのは分かるけど、そこまでは必要ないかな」

そんな言葉が返ってきます。

そこで初めて、

その人にとっての“おすすめ”が見えてくる。



店員は商品について詳しい。

だからこそ、

「こっちの方がいい」

という答えを出したくなります。

でも、接客がうまくいったなと思える日は、
僕が説得できた日ではありません。

話しているうちにお客様自身が、

「じゃあ、こっちにします」

と納得して選んでくれた日です。

店員が答えを決めるのではなく、

お客様が自分で答えを出すための材料を渡す。

そのくらいが、ちょうどいいのかもしれません。



もちろん今でも、

「もっとこう説明すればよかったかな」

と思う日はあります。

おすすめした商品が売れなければ、
少し考えてしまうこともあります。

9年やっていても、接客の正解は分かりません。

ただ、一つだけ以前より思うようになったことがあります。

いい接客とは、

「この商品を買ってください」と説得することではなく、

「自分でちゃんと選べた」と思って帰ってもらうことなのかもしれない。

商品を売る仕事だからこそ、

売ることだけを考えない。

そんな店員でいたいと思っています。



僕が9年間の接客で失敗しながら考えてきたことを、もう少し深くまとめた記事も書いています。

「また来たい」と思ってもらえる店員は、何をしているのか。

新人だった頃から今までの実体験をもとにまとめました。

興味があれば、こちらから読んでいただけるとうれしいです。

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