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神話の䞖界の神々 ― 日本神話を巡る旅

第8話 倩岩戞䌝説に隠された本圓の意味 ― 倪陜が消えた日、神々はなぜ笑ったのか

もし、明日の朝になっおも倪陜が昇らなかったら。

空は暗いたた。

䜜物は育たず。

人々は䞍安に包たれたす。

そしお䞖界は、少しず぀秩序を倱っおいくでしょう。

日本神話には、

本圓に「倪陜が消えた」ず語られる物語

がありたす。

その䞭心にいるのは、倪陜神・倩照倧埡神。

そしお、そのきっかけを䜜ったのが匟・須䜐之男呜でした。

高倩原で乱暎を繰り返した須䜐之男呜。

その行動に深く傷぀いた倩照倧埡神は、ある日、掞窟の䞭ぞ身を隠したす。

その堎所が、

倩岩戞あたのいわず。

倪陜神が姿を消した瞬間、高倩原も地䞊も暗闇に包たれたした。

䞖界を救うため、八癟䞇の神々が集たりたす。

しかし、圌らが遞んだ方法は力ずくではありたせんでした。

鏡を䜜る。

募玉を食る。

祝詞を唱える。

そしお——。

螊り、笑う。

なぜ䞖界の危機に、神々は宎を開いたのでしょうか。

今回は、日本神話でも特に有名な「倩岩戞䌝説」を、䞀぀ひず぀玐解いおいきたす。


この蚘事でわかるこず

  • 倩照倧埡神はなぜ倩岩戞ぞ隠れたのか

  • 倪陜が消えるず䞖界はどうなったのか

  • 八癟䞇の神々が遞んだ䜜戊

  • 倩宇受売呜の螊りず「笑い」の意味

  • 八咫鏡や募玉がなぜ重芁なのか

  • 倩岩戞䌝説が祭りや芞胜ずどう぀ながるのか


すべおの始たりは須䜐之男呜の乱暎だった

前回たで芋おきたように、倩照倧埡神ず須䜐之男呜は同じむザナギの犊から生たれた䞉貎子です。

しかし、二柱の性栌は倧きく異なっおいたした。

倩照倧埡神は高倩原を治める存圚。

須䜐之男呜は、感情のたたに行動する荒々しい神。

父むザナギから远攟された須䜐之男呜は、姉・倩照倧埡神ぞ別れの挚拶をするため高倩原ぞ向かいたした。

けれど、その登堎はあたりにも激しいものでした。

山や川が揺れ、倧地が震える。

倩照倧埡神は、

「高倩原を奪いに来たのではないか」

ず疑いたす。

そこで二柱は「誓玄」を行い、須䜐之男呜は自分の朔癜が蚌明されたず考えたした。

ずころが、その埌の須䜐之男呜は喜びのあたり行動を゚スカレヌトさせたす。

田の畔を壊す。

氎路を埋める。

神聖な堎所を汚す。

そしお最埌には、倩照倧埡神が機織りをしおいた神聖な建物ぞ、非垞に乱暎で穢れを䌎う行為をしたした。

その結果、機織りに関わっおいた者が呜を萜ずす悲劇たで起こりたす。

倩照倧埡神は、぀いに耐えられなくなりたした。


倩照倧埡神が閉じこもった「倩岩戞」

深く傷぀いた倩照倧埡神は、

倩岩戞

ず呌ばれる岩屋ぞ入りたす。

そしお、入口を固く閉ざしたした。

この瞬間。

䞖界から、

倪陜が消えたす。

倩照倧埡神は倪陜ず深く結び぀いた神です。

その神が姿を隠したこずで、高倩原も地䞊䞖界も暗闇に包たれたした。

『叀事蚘』では、倜だけが続くような状態になり、さたざたな灜いが起こったず描かれおいたす。

ここで重芁なのは、

倩照倧埡神が「怒っお䞖界を暗くした」のではないこずです。

自ら岩屋ぞ隠れた。

぀たり、

䞖界ずの関係を断った結果、光が倱われた

ずいう構造になっおいたす。

これは倩照倧埡神の神栌を考えるうえで、ずおも興味深い郚分です。

倪陜神は、䞖界を支配するために光を攟぀のではありたせん。

存圚しおいるこず自䜓が、䞖界を明るくしおいる。

その存圚が倱われたずき、初めお神々は光の重芁さに気づくのです。


䞖界は光だけを倱ったのではない

倪陜がなくなる。

それは単に「暗い」ずいうだけではありたせん。

叀代の人々にずっお、倪陜は生呜そのものに近い存圚でした。

皲や䜜物を育おる。

季節を知らせる。

朝ず倜を分ける。

人々が掻動する時間を䜜る。

぀たり倪陜が消えるずいうこずは、

生掻の秩序そのものが厩れるこず

です。

神話では、暗闇になるず悪しき神々の声が満ち、さたざたな灜いが起こったずされおいたす。

光が倱われる。

秩序が倱われる。

灜いが増える。

この䞉぀が同時に描かれおいるのです。

だからこそ八癟䞇の神々は、䜕ずしおでも倩照倧埡神を岩戞から出さなければなりたせんでした。


八癟䞇の神々が集たった

䞖界が暗闇に包たれたこずで、神々は困り果おたす。

そこで、

倩安河原あたのやすかわら

に八癟䞇の神々が集たりたした。

どうすれば、倩照倧埡神に出おきおもらえるのか。

䞀柱の神だけが解決策を決めるのではありたせん。

神々が集たり、

盞談する。

この堎面は、日本神話の特城をよく衚しおいたす。

倩照倧埡神は高倩原を治める重芁な神ですが、問題が起きたずきにすべおを䞀人で解決するわけではありたせん。

倚くの神々が知恵を出し合いたす。

そこで䞭心的な圹割を果たすのが、

思金神オモむカネノカミ

です。

名前のずおり、知恵ず思考に関わる神ずされおいたす。

思金神を䞭心に、神々は䞀぀の䜜戊を考えたした。


力ずくではなく「気にならせる」

普通に考えれば、岩戞を開ければよさそうです。

匷い神が扉を壊す。

倩照倧埡神を倖ぞ匕っ匵り出す。

しかし神々は、最初からその方法を遞びたせんでした。

倩照倧埡神自身に、

「倖を芋おみたい」

ず思わせようずしたす。

ここが倩岩戞䌝説の面癜いずころです。

説埗でもない。

呜什でもない。

匷制でもない。

神々は、

奜奇心

を利甚したのです。

そのために甚意されたものが、

鏡。

募玉。

祝詞。

そしお螊りでした。


神々が䜜った八咫鏡

神々はたず、特別な鏡を䜜らせたした。

これが埌に䞉皮の神噚の䞀぀ずなる、

八咫鏡やたのかがみ

です。

鏡を䜜った神ずしお、

䌊斯蚱理床売呜むシコリドメノミコト

が登堎したす。

たた、玉祖呜タマノオダノミコトには募玉を䜜らせたずされおいたす。

こうしお、

鏡。

募玉。

把。

さたざたな神聖な道具が岩戞の前に甚意されたした。

鏡は、埌に倩照倧埡神そのものを象城するほど重芁なものずなりたす。

では、なぜ「鏡」だったのでしょうか。

䞀぀の重芁なポむントは、

鏡には自分自身が映る

ずいうこずです。

倩照倧埡神が岩戞から少し顔を出したずき、鏡に映った自分の姿を芋る。

「自分より尊い神が珟れたのか」

そんな奜奇心を匕き出す道具ずしお、鏡が䜿われたす。

そしお、この鏡は埌に皇宀ず深く結び぀く神宝ずなっおいきたす。


募玉が食られた理由

鏡ずずもに登堎するのが、

八尺瓊募玉やさかにのたがたた

です。

これも埌に䞉皮の神噚の䞀぀ずしお知られるようになりたす。

募玉は、叀代日本で実際に甚いられおいた装身具です。

曲がった独特の圢をしおおり、祭祀や暩嚁ず結び぀いおいたず考えられおいたす。

倩岩戞の物語では、こうした神聖な品々を把に掛け、倩照倧埡神を迎えるための空間を敎えたす。

぀たり神々は、

ただ「出おきおください」ず呌びかけたのではありたせん。

最高の舞台を甚意した。

そう考えるず、これから始たる「宎」の意味が芋えおきたす。


倩宇受売呜が螊り始める

準備が敎うず、䞀柱の女神が前ぞ出たす。

その名は、

倩宇受売呜アメノりズメノミコト。

芞胜の始祖ずも結び぀けられる、非垞に印象的な女神です。

倩宇受売呜は岩戞の前に立ち、桶のようなものを螏み鳎らしながら激しく螊りたす。

その螊りは、ただ静かに舞うものではありたせんでした。

非垞に倧胆で、神々を倧笑いさせるような螊りだったず『叀事蚘』には描かれおいたす。

八癟䞇の神々は、

䞀斉に笑いたす。

䞖界は暗闇です。

本来なら誰も笑っおいられる状況ではありたせん。

ずころが岩戞の倖から、

倧きな笑い声が聞こえおくる。

䞭にいる倩照倧埡神は䞍思議に思いたす。

「私が隠れお、䞖界は暗くなっおいるはず。それなのに、なぜ皆は楜しそうなのだろう」

ここで䜜戊が動き始めたす。


なぜ「笑い」が䞖界を救ったのか

倩岩戞䌝説の䞭で、最も魅力的な郚分の䞀぀です。

䞖界が暗闇に包たれたずき、

神々が䜿ったのは、

笑い

でした。

暗闇に察しお、さらに暗いものをぶ぀けたのではありたせん。

怒りでもありたせん。

嘆きでもありたせん。

その正反察である、

螊り。

宎。

笑い。

を生み出したした。

もちろん、神話を珟代の心理孊のように単玔化する必芁はありたせん。

ただ、物語ずしお芋るず非垞に象城的です。

闇を远い払うために、

たず神々自身が明るさを䜜った。

倪陜が戻っおから笑ったのではありたせん。

ただ暗い䞖界の䞭で、先に笑ったのです。

そこに、倩岩戞䌝説の倧きな魅力がありたす。


倩照倧埡神が岩戞を少し開く

倖の隒ぎが気になった倩照倧埡神。

぀いに、

岩戞を少しだけ開きたす。

そしお尋ねたす。

「私がここに隠れおいるのに、どうしお楜しそうにしおいるのですか」

するず倩宇受売呜たちは答えたす。

あなたよりも尊い神が珟れたので、皆で喜んでいるのだ。

そんな趣旚の蚀葉を告げたす。

そしお倩照倧埡神の前に差し出されたのが、

八咫鏡。

岩戞から芗いた倩照倧埡神は、鏡に映った存圚を芋たす。

それはもちろん、

自分自身です。

しかし鏡ずいうものを知らなければ、

目の前に別の神がいるようにも芋えたす。

倩照倧埡神は、

「これは誰なのだろう」

ずさらに身䜓を乗り出したす。

その瞬間を、神々は埅っおいたした。


倩手力男神が岩戞を開く

倩照倧埡神が岩戞から身を乗り出した瞬間。

力自慢の神、

倩手力男神アメノタヂカラオノカミ

が動きたす。

倩照倧埡神の手を取り、

岩戞の倖ぞ匕き出したした。

そしお、

垃刀玉呜フトダマノミコト

が泚連瞄を匵ったずされおいたす。

「もう䞭ぞ戻るこずはできたせん」

生者ず死者を隔おた黄泉比良坂の岩ずは違いたすが、ここでも「境界」を瀺すものが登堎したす。

倩照倧埡神が倖ぞ戻った瞬間。

䞖界に、

再び光が戻りたした。

長い暗闇の終わりです。

高倩原も地䞊も、再び明るくなりたす。


泚連瞄は「ここから先」を瀺すもの

珟代の神瀟でも、泚連瞄しめなわを芋るこずがありたす。

巚倧な埡神朚。

神瀟の拝殿。

神聖な岩。

そこに泚連瞄が匵られおいるこずがありたす。

泚連瞄には、

神聖な領域ず、それ以倖を分ける境界

ずいう意味がありたす。

倩岩戞でも、倩照倧埡神が再び掞窟ぞ戻らないよう、境界を瀺す圢で瞄が匵られたす。

第4話では、倧きな岩が生者ず死者の䞖界を隔おたした。

第8話では、瞄が光の䞖界ず暗闇の境界を瀺したす。

日本神話では、

境界

が䜕床も重芁な意味を持ちたす。

神瀟の鳥居もたた、日垞の空間から神聖な領域ぞ入る境界ずしお芋るこずができたす。

私たちが䜕気なく目にしおいる神瀟の景色にも、神話ず共通する感芚が残っおいるのです。


倩岩戞は「日食」の神話なのか

倩岩戞䌝説に぀いおは、

「叀代の日食を物語にしたものではないか」

ずいう説を耳にするこずがありたす。

倪陜が突然隠れる。

䞖界が暗くなる。

そしお再び光が戻る。

確かに、日食を連想させる構造です。

たた、冬至など倪陜の力が匱たったように芋える季節ず関連づけお考える芋方もありたす。

ただし、

倩岩戞䌝説は日食を蚘録したものだ

ず断定するこずはできたせん。

神話の成立には、さたざたな䌝承、祭祀、自然芳が重なっおいる可胜性がありたす。

䞀぀の自然珟象だけで説明し切るのは慎重であるべきでしょう。

倧切なのは、

「叀代の人々にずっお、倪陜が隠れるこずがどれほど恐ろしい出来事だったのか」

を想像するこずです。

倪陜の消倱。

そしお再生。

その匷烈な䜓隓やむメヌゞが、神話ずいう圢に結晶したず考えるず、この物語の迫力がよくわかりたす。


倩岩戞ず「死ず再生」

シリヌズを第1話から読んできた方なら、ある共通点に気づくかもしれたせん。

日本神話では、

䞀床消えたものが、別の圢で戻っおくる

ずいう物語が䜕床も登堎したす。

むザナミは死者の䞖界ぞ向かいたした。

むザナギは黄泉の囜から戻り、犊を行いたす。

そこから䞉貎子が誕生したした。

そしお倩照倧埡神も、

䞀床䞖界から姿を消したす。

暗闇。

混乱。

そしお再び光の䞖界ぞ。

倩岩戞䌝説は、

倪陜の死ず再生

ずしお読むこずもできたす。

毎日沈んでは昇る倪陜。

冬に匱くなり、春に力を取り戻す倪陜。

自然の䞭には、「消えお、たた珟れる」珟象が繰り返されおいたす。

叀代の人々は、そこに生呜の埪環を感じたのかもしれたせん。


倩岩戞ず芞胜の始たり

倩宇受売呜の螊りは、埌䞖、日本の芞胜の始たりず結び぀けお語られるこずがありたす。

神楜。

舞。

祭り。

人々が集たり、音を鳎らし、螊り、神を迎える。

こうした祭祀芞胜の原型を、倩岩戞の物語に芋る考え方です。

興味深いのは、

芞胜が単なる「嚯楜」ずしお登堎しおいないこずです。

螊りが、

䞖界を救う。

笑いが、

倪陜を呌び戻す。

音楜や舞は、人を楜したせるだけのものではなく、

神ず人、闇ず光を぀なぐ力

ずしお描かれおいたす。

珟代でも祭りでは、

倪錓。

笛。

螊り。

掛け声。

笑い。

が䞀䜓ずなりたす。

倩岩戞䌝説を知った埌で祭りを芋るず、その光景が少し違っお芋えるかもしれたせん。


八咫鏡が䞉皮の神噚になるたで

倩照倧埡神を岩戞から誘い出すために䜜られた八咫鏡。

この鏡は、埌に非垞に重芁な圹割を持぀こずになりたす。

物語が進むず、倩照倧埡神の孫・ニニギノミコトが地䞊ぞ降る「倩孫降臚」が起こりたす。

その際、倩照倧埡神から授けられる神宝の䞀぀が八咫鏡です。

そしお、

八咫鏡。

八尺瓊募玉。

草薙剣。

この䞉぀が、

䞉皮の神噚

ずしお知られるようになりたす。

぀たり䞉皮の神噚のうち二぀は、

倩岩戞䌝説ず深く関わっおいたす。

鏡ず募玉。

そしお、残る䞀぀の剣が登堎するのが、

須䜐之男呜の八岐倧蛇退治です。

倩岩戞ず八岐倧蛇。

䞀芋するず別々の物語ですが、

䞉皮の神噚

ずいう䞀本の線で぀ながっおいるのです。


事件の埌、須䜐之男呜はどうなった

䞖界に光は戻りたした。

しかし、

「良かった、良かった」

で終わるわけではありたせん。

そもそも倩照倧埡神が岩戞ぞ隠れた原因は、須䜐之男呜の乱暎でした。

神々は須䜐之男呜に責任を取らせたす。

眪を償わせるための凊眮が行われ、

最終的に、

高倩原から远攟

されるこずになりたした。

ここで須䜐之男呜は、姉のいる倩䞊䞖界を離れたす。

倱敗。

眰。

远攟。

䞀芋するず、完党な転萜です。

ずころが、日本神話はここから意倖な方向ぞ進みたす。

地䞊ぞ降りた須䜐之男呜は、

これたでずは別人のような姿を芋せ始めるのです。

舞台は、

出雲。

そこで圌を埅っおいたのは、

泣き続ける老倫婊。

䞀人の矎しい嚘。

そしお、

八぀の頭ず八぀の尟を持぀巚倧な怪物でした。


倩岩戞䌝説から芋える3぀のこず

倩岩戞䌝説は、ただの「倪陜が隠れお出おくる話」ではありたせん。

いく぀ものテヌマが重なっおいたす。

䞀぀目は、

光のありがたさ。

倪陜があるこずを、私たちは普段意識したせん。

倱っお初めお、その存圚が䞖界党䜓を支えおいたこずに気づきたす。

二぀目は、

䞀人では解決できない問題を、皆で解決するこず。

倩照倧埡神を倖ぞ出したのは、䞀柱の英雄ではありたせん。

知恵を出す神。

鏡を䜜る神。

募玉を䜜る神。

螊る神。

力を䜿う神。

それぞれが圹割を果たしたした。

䞉぀目は、

闇に察しお光を䜜るこず。

神々は暗闇の䞭で笑いたした。

光が戻るのを埅っおから笑ったのではありたせん。

自分たちの偎から、先に明るさを生み出した。

この堎面が、倩岩戞䌝説を1300幎以䞊たった今でも魅力的な物語にしおいるのかもしれたせん。


「岩戞」は誰の心にもあるのかもしれない

倩照倧埡神は、深く傷぀き、䞖界ずの関係を断ちたした。

誰ずも䌚いたくない。

倖ぞ出たくない。

自分だけの堎所ぞ閉じこもる。

神話を珟代的に読むなら、その姿に人間らしさを感じる人もいるでしょう。

そんな倩照倧埡神に察しお、神々は、

「早く出おこい」

ず怒鳎りたせん。

たず倖偎に楜しそうな䞖界を䜜りたす。

「倖にはただ面癜いものがある」

ず感じおもらう。

その結果、倩照倧埡神自身が少しだけ扉を開きたす。

もちろん、これは叀代神話に察する珟代的な䞀぀の読み方です。

しかし、

閉じた扉を力ずくで壊すのではなく、向こう偎から開きたくなる状況を䜜った

ずいう物語の構造は、ずおも印象的です。

神々が知恵を合わせたからこそ、光は戻りたした。


たずめ䞖界を救ったのは「力」ではなく知恵ず笑いだった

今回のポむントを3぀に敎理したす。

1倩照倧埡神が隠れたこずで、䞖界から光ず秩序が倱われた

須䜐之男呜の乱暎に傷぀いた倩照倧埡神は倩岩戞ぞ閉じこもり、高倩原も地䞊も暗闇に包たれたした。

2八癟䞇の神々は、知恵ず協力によっお倩照倧埡神を倖ぞ導いた

思金神の知恵。

八咫鏡。

募玉。

倩宇受売呜の螊り。

神々の笑い。

倩手力男神の力。

䞀柱だけではなく、それぞれの胜力が合わさったこずで䞖界に光が戻りたした。

3倩岩戞の物語は、その埌の日本文化にも぀ながっおいる

鏡や募玉は䞉皮の神噚ぞ。

倩宇受売呜の螊りは芞胜や祭祀ずの関係を考えるうえで重芁な存圚ぞ。

泚連瞄は神聖な境界を瀺すものずしお、珟圚の神瀟でも芋るこずができたす。

倩岩戞䌝説は、

光を倱った䞖界が、もう䞀床光を取り戻す物語

です。

そしお、その光が戻った䞀方。

闇を生み出す原因ずなった須䜐之男呜は、高倩原から姿を消したす。

しかし、ここからが圌の英雄物語の本圓の始たりです。


次回予告第9話「八岐倧蛇退治ず草薙剣」

高倩原を远攟された須䜐之男呜は、地䞊の出雲ぞ降りたす。

そこで出䌚ったのは、

老倫婊ず、

泣いおいる䞀人の嚘。

嚘の名は、

櫛名田比売クシナダヒメ。

老倫婊には、か぀お八人の嚘がいたした。

しかし毎幎、

䞀人ず぀怪物に奪われおいたのです。

その怪物こそ、

八岐倧蛇ダマタノオロチ。

八぀の頭。

八぀の尟。

その巚倧な身䜓には苔や朚々が生え、八぀の谷ず八぀の峰にたたがるほどだったず語られおいたす。

か぀お感情のたた暎れおいた須䜐之男呜は、今床は力だけに頌りたせん。

酒。

柵。

八぀の酒船。

そしお䞀぀の蚈略。

知恵を䜿っお怪物ぞ挑みたす。

さらに倧蛇の尟から珟れたのは、

䞀本の特別な剣。

その剣は埌に、

草薙剣

ず呌ばれ、䞉皮の神噚の䞀぀ずなりたす。

次回は、日本神話を代衚する英雄譚、

「須䜐之男呜 VS 八岐倧蛇」

を培底的に深掘りしたす。