伊那谷で暮らすトーク|#07 森と人をつなぐ仕事、伊那谷での暮らし
「伊那谷で暮らすトーク」は、伊那谷で暮らす人、働く人、地域に関わる人をゲストに迎え、その人の仕事や暮らし、地域との関わりについて話を聞くトーク番組です。
すまいテラスいな × 勝野建築事務所で、月1回程度のペースでお届けしています。
第7回のゲストは、伊那市の地域おこし協力隊として活動する柳井 麻友美(やない まゆみ)さん。
香川県出身で、地方紙の記者や東京でのWebマーケティング・IRの仕事を経て伊那市へ移住。現在は「森林のマッチングコーディネーター」として、地域の森林と、そこに関わりたい企業や人をつなぐ仕事をしています。
また、配信を行った2026年3月5日からは、すまいテラスいなのコンシェルジュとしても活動しています。
今回は、柳井さんが「伝える仕事」を経てなぜ伊那谷にたどり着いたのか、そして今取り組んでいる「森と人をつなぐ仕事」について話を聞きました。
▼ 伊那谷で暮らすトーク #07 (2026.3.5 配信)
「伝える仕事」から、手触りのある自然へ
柳井さんのキャリアの出発点は、地元・香川県の新聞記者でした。
その後、東京のベンチャー企業でWebマーケティングやIRなどに携わり、長く「情報を伝えること」を仕事にしてきました。
そんな日々の中で出会ったのが「草木染め」です。
植物を煮出し、色を取り出し、布を染める。香りを感じ、手で触れながら一つのことに没頭する時間が、柳井さんにとって自分自身を取り戻すような時間になっていきました。
そこから、もっと植物や自然の近くで暮らしたいと考えるようになります。
なぜ、伊那市だったのか
移住先を探す中で、柳井さんが大切にしていたのが、日照時間や水、東京へのアクセス、そして「山との距離感」でした。
伊那市を訪れて感じたのは、山が近すぎず、遠すぎないこと。
二つのアルプスに囲まれながらも、日常生活に必要な店や機能は揃っている。
自然の近くで暮らしたい。でも、不便すぎる暮らしを求めているわけでもない。
そのバランスが、伊那市を選ぶ理由の一つになりました。
森と人の「関わりしろ」をつくる
現在、地域おこし協力隊として取り組んでいるのが「森林のマッチングコーディネーター」という仕事です。
伊那市の森林の状況を調べ、その情報を整理しながら、森に関わりたい企業や団体と地域をつないでいきます。
森林との関わり方は、林業や木材生産だけではありません。
企業のチームビルディングや研修の場として森を活用するなど、これまで森林と接点のなかった人たちにも、新しい「関わりしろ」をつくることを考えています。
記者やWebマーケティングの仕事で培ってきた、情報を集め、整理し、伝える経験も、今の仕事につながっています。
暮らしの近くに、土や木がある
伊那市へ移住して約1年。
柳井さんは、以前暮らしていた場所より「便利になった」と話します。
スーパーや日常的に使う店がありながら、少し外へ出れば、焚き火をしたり、草木染めに使う植物を見つけたりすることができる。
柳井さんの言葉では、「土や木が近い」。
玉ねぎの皮や剪定された枝など、普段なら捨てられてしまうものも、草木染めでは色を生み出す材料になります。
日々の暮らしのすぐそばに自然があり、それを自分の手で使うことができる。そんな距離感も、伊那谷で暮らす魅力になっています。
人が健やかに働ける場所を
これからやってみたいこととして柳井さんが話してくれたのが、草木染めや森林セラピー、カウンセリングなどを組み合わせた場所づくりです。
森林を「資源」として使うだけではなく、人が休んだり、自分自身を整えたりする場所として考える。
目指しているのは、人が健やかに、自分らしく働くためのケアができる拠点です。
新聞記者、Webマーケティング、草木染め、そして森林。
一見すると別々に見えるこれまでの経験が、伊那谷という場所で少しずつつながり始めています。
第7回は、自然の近くで暮らすこと、地域おこし協力隊という働き方、そして森と人との新しい関係について考える回になりました。
柳井 麻友美(やない まゆみ)さん
香川県出身。地方紙の記者、東京でのWebマーケティング・IRの仕事を経て伊那市へ移住。現在は伊那市地域おこし協力隊「森林のマッチングコーディネーター」として活動するほか、すまいテラスいなのコンシェルジュも務める。草木染めのワークショップなどにも取り組んでいる。
