【完全版】アキラの図書館編|意味を渡す人
この物語は「暮らしの森」にある図書館だけを切り取ったスピンオフシリーズです。本編を読んでいなくても、この話だけで読むことができます。
プロローグ─森の図書館の物語
こんにちは。
暮らしの森の管理人、こよりです。森の外れには、小さな図書館があります。
古い木の扉。
静かな棚。
ページをめくる音だけが響く場所。
そこで働いているのは、
図書館司書のアキラ。
本を整え、必要な人にそっと手渡す、
静かな仕事を続けている人です。
ある日、この図書館に
一台のロボットがやって来ました。
名前は、リブロ。
本を整理するために作られた、小さな機械です。
リブロはとても優秀でした。
棚の整理も、分類も、驚くほど速く終わらせてしまいます。
でもその日から、
図書館の空気は少しだけ変わりました。
整えること。
そして、選ぶこと。
その違いを、アキラがゆっくり見つけていく物語です。
自動化が進む今、「自分の仕事の意味」を見失いかけた人へ。
森と本棚の間で、静かに灯る物語をご覧ください。
第1話|静かな司書
それが、こんなにも胸に引っかかるとは思わなかった。
仕事が、急に減ったわけじゃない。
首を切られたわけでもない。
ただ、「自分がいなくても回る」
そう分かってしまっただけだった。
図書館は今日も静かで、
本は整い、誰にも困られていない。
それが、妙に胸に引っかかる。
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