RPGの最高傑作はクロノトリガーではないという風潮に色々思い考えてみる。
最近、ゲーム関連のまとめ記事やまとめ動画みたいなやつで「クロノトリガーは本当に名作なのか」「RPGの最高傑作と言われているが〜」みたいなやつを見かけることが増えたんですよね。
リアルタイム世代である僕ではありますが「約30年前のRPGを現代基準で評価してもなぁ」と思うんですが。
「タイムトラベル」「タイムパラドックス」「歴史改変」を主題として一切の破綻ないストーリーと、タイムトラベルものだから出来るシステム、スーパーファミコン中期〜後期にかけてのドットグラフィックの美麗さ、作曲家としてのデビュー作だとは思えない光田氏の曲をスーパーファミコンのゲームとしてとてつもない完成度で昇華させたという視点で見ると間違いなく名作だと思いますよ。
実際、クロノトリガーのメインシナリオライターである加藤正人氏はタイムトラベルものは矛盾がどうしても生まれてくるからやりたくなかったのに、結果として書くことになったということを明かしてるんですが「RPGだから出来るSF」としてのストーリーのクオリティの高さと、SFに馴染みの無いプレイヤーへのタイムパラドックスや歴史改変をわかりやすく説明する工夫はお見事で。
スーパーファミコン版のOPを久々に見直してみたんですが、タイムトラベルを経て一番最後に訪れることになる古代の世界が、OPが始まったとたん10秒映し出されて、その後一切映らないという「あの景色はどこ?」「いつ辿り着くんだろう?」という心の掴み方や導入、伏線をきっちり作ってましたね。
(スーパーファミコン版以外はアニメーションでのOPムービーに差し替わっており、出来は良いのですが、これからの旅を夢想するわくわくやこれまでの旅を振り切る楽しさはスーパーファミコン版と比較して欠けると感じてます)
まず建国1000年のお祭りが行われている現代から始まり、アクシデントで人間と魔王が戦っている建国600年の中世にタイムトラベルしてしまう。
ここで「中世に生きる人に何かあったら子孫が生まれてこないことになり、現代が変わってしまうよ」ということを王女誘拐事件に介入してしまったことで教えられ。
事件を解決したあとに「悪事を取り締まるために裁判所や刑務所を作る必要がある」と大臣が言っていたと思ったら、タイムトラベルして現代に戻ったとたん王女誘拐事件の犯人の疑いをかけられ裁判を受け、刑務所に入れられます。
中世から現代に戻ったら同じ事件が起きていて、裁判所と刑務所が出てくるの実に上手い。
そして現代から未来へタイムトラベルしたことで「人類が滅亡する」「世界が崩壊する」ことを知り、その原因を究明し歴史を変えることがクロノトリガーにおける主人公たちの目的でありストーリーの本筋なのですが。
タイムトラベルが出来る主人公たちはいつでも「世界滅亡の日」に行き、ラスボスと戦えるし、倒せたらそのままエンディングなんですよ。
ラスボスが現れた原因とかもろもろが分からない段階でも、世界滅亡を阻止出来たんだからそれはそれでまぁ良いよね的な。
なんでストーリー進行に合わせてかなりの量のエンディングが用意されてるのもタイムトラベルものRPGとしてお見事だと。
とてつもない量の伏線がありとあらゆるところにさらっと仕込まれていて、終盤にどんどん回収されていくカタルシスも味わえます。
ただ「RPGの最高傑作か?」となると間違いなく完成度の高い名作であるという大前提ありきで「どこに重きを置くプレイヤーか」で変わると思います。
ストーリーなのか、キャラクターなのか、バトルシステムなのか、音楽なのかみたいな。
ストーリーや音楽寄りなら評価が高くなるんじゃないかなと思ってる。
ちなみに続編に位置する「クロノクロス」は平行世界ものです。
なんで、賛否両論なんですよね。
タイムトラベル、タイムパラドックス、歴史改変ってくると平行世界だよねってSF的には思うし、実際にそれをやったから素晴らしいんですが、だからこそ「じゃあクロノトリガーって何だったの?」みたいなことがどんどん膨らみ賛否両論になったというお話。
スーパーファミコン版OP。
ゲーム内に出てくるシーンのほぼつぎはぎではありながら、時計の振り子やシーン切り替え。
BGMや戦闘シーンのSEまで効果的に作用してると思います。
クロノトリガーを代表するゲームミュージック史に名を残す曲その1。
一番最初のタイムトラベルをしてしまい、訳が分からない状態でフィールドに出てみると、現代に似てる違う場所だった……という状況で初めて聞くことになる中世のフィールド曲。
「魔王決戦」
中世で魔王と戦う際の専用曲。
ホントに演出と、曲が盛り上がるタイミングが良い。
「ボスバトル2」
他のボスとの戦いでも流れるけど、古代での猿から進化した人間と、恐竜から進化した恐竜人という「共存出来ない者たち」の種の命運をかけた最後の戦いで流れるのがこの曲なのが好き。
クロノトリガーを代表するゲームミュージック史に名を残す曲その2。
タイムトラベルを繰り返してきて最後に辿り着いた古代。
空中に浮く大陸。
魔法王国ジールのフィールド曲。
華やかで優雅、幻想的な国では持つ者と持たざる者の格差や差別が存在し。
そして「魔法王国ジール」がその後の歴史に存在していないことは主人公たちもプレイヤーも知っている状態で辿り着く。
