カレーナンかナンカレーか
はじめに
ナンっておいしいよね。日本だと、カレーのコンビはお米だと思われがちだし、実際商品としてもカレーライスのほうが多いと思う。でも「じゃないほう」のナンもおいしいのだ。私はディズニーシーのアラビアンコーストにあるカレー屋さんでカレーナンのすばらしさを知った。ポートディスカバリーにあったミートパイが無くなり、喪失を嘆いていた私を埋めてくれたのがこのカレーナンである。
余談になるが、英語圏だとナンブレッドという表現が一般的に使われている印象がある。しかし、ナンは広義ではパンに含まれるため、ナンブレッドはパンパンでありトートロジーだ。意図せず広まったのか、英国紳士らによる独立国への素晴らしい支援なのかはわからないが、ナンブレッドなんて言ってると怒れるインド人にガンジス送りにされてしまうので気を付けよう。ちなみに同じくインド発祥のチャイも、チャイティー(ティーティー)と呼んでいるため、やはり英国式のおもてなし術だと睨んでいる。
恐るべき一手
私の中高のクラスの友人が、彼の所属する囲碁将棋部のメンバーで北海道まで来てくれたので、せっかくだからザンギとか海鮮丼を食べに行く。なんてことは無く普通に大学近くのインドカレー屋につれていったことがあるのだが、その際の友人の行動が衝撃的だった。
その友人はなんと、スプーンでカレーを掬ったかと思えば、それをナンの上にかけ始めたのだ。製鉄所で溶けた鉄が流れていくように、カレーがナンの凹凸に従いながら流れ出ていった。
彼の皿は汚れた。
羽生善治の5二銀くらいの衝撃がレストランに走ったのを覚えている。
しかし同時に少し思った。
いつからかカレーが主役でナンが脇役だと考えていたが、別にナンがメインでカレーがサポートでもいい気がする。
でもなにか引っかかる。ナンにカレーが付着していて、それをちぎって食べる。結果は全く同じなのだが、ナンをカレーにつけるのと、カレーをナンにつけるのでは全く違う食べ物のような気がしてしまう。ライスでも同様だ。ライスにカレーをかけるのと、カレーにライスをかけるのでは全く違う。
寿司を醤油につけても、醤油を寿司につけても、それは変わらず寿司なはずだ。実際軍艦寿司は、醤油を寿司につけるタイプの食べ方をする。
でもそれがカレーになると途端に変になる。醤油は調味料で、カレーはそれ自体が単体の料理だからだろうか。
3月に帰省する際に同じメンバーでの食事を取り付けたため、そこで今一度聞いてみたいと思う。
