「記録」より「記憶」に残りたい
小学四年生頃の記憶はありますか?
ぼくは、ピンポイントで鮮明にあります。
母親が働きに出ていたので、
小学校入学から五年生の終わり頃まで、
放課後はバンビホーム(学童保育)に行っていました。
三年生の中頃に転校してきた男の子が、
新しくバンビの仲間になりました。
同い年の子が、女の子しかいなかったぼくは、
とても嬉しかった記憶があり、
四年生になる頃にはとても仲良くなったお友達です。
ドッジボールで、グッパーで八百長をして同じチームになり、先生チームと敵対し、
先生を内野(ぼく)と外野(友達)で集中攻撃。
転けたところを、トドメの一撃。
烈火の如く、怒られるぼくと友達。
今までは何かやらかしても、
ぼく一人が怒られる世界線。
隣に仲間がいるぼくは、
怒られ最中でも、とても心強く、
何か自由を手に入れた気分でした。
ぼくと一緒に行動すると、
必然と先生に怒られる回数は増えたはずですが、
怒られるほどに、絆は深まりました。
(小学生あるある?)
五年生になるクラス替えで違うクラスになり、
友達はバンビも辞めてしまい、
そこからは自然と疎遠になりました。
習い事が忙しくなるのと、
お互い家庭環境が色々あり、
最後の一緒に帰れる日に、
友達のお家の玄関先で、
当時流行ったカードゲームのカードや、
ポケモンを通信ケーブルでもらったりしました。
そこから月日が流れ、
地元の中学にぼくは入学しましたが、
友達は私立の賢い学校へ入学したそうです。
それから約28年。
昨日、友達と、友達のお母さんと、
当時の友達のお家で乾杯しました。
きっかけは、先月たまたま仕事で、
友達のお家の近所を通りかかった際に、
ブワッと当時の記憶が鮮明に思い出されました。
記憶を辿り、近所を歩くと、
一軒のお家の表札に立ち止まりました。
友達の苗字がそのまま掲げられていたのです。
嬉しくなると同時に、
気づけば、ぼくはインターホンを押していました。
何やらワンちゃんの鳴き声と共に、
ぼくの記憶にない、
優しそうなおじちゃんが玄関から出てきました
あっ、いろいろとやらかしたかな、
などど後悔しそうになりながら、ダメ元で、
「〇〇君のお家じゃないですよね?」
と聞くと、そのおじちゃんは、
何か合点がいったように、
「ちょっと待っとり!」
と家の中に戻りました。
またすぐに玄関が開くと、何やら見覚えのあるお顔。
友達のお母さんでした。
「コンダテです!!」
冷静に自己紹介できないまま、
とりあえず自分の名前を叫びました。
そこから先の話はこうです。
おばちゃんは、
ぼくのことを覚えていてくれていて、
めっちゃ驚いたが、尋ねにきてくれて嬉しかったみたい。
その勢いのまま、今は独り立ちし、
別に住んでいる息子に電話をしてくれる。
怪しまれている雰囲気の友達に電話を変わられ、
一言だけ話す。
友達は仕事中ということもあり、すぐに電話は終わり、
おばちゃんとこの20年以上のお互いの身の上話で盛り上がる。
やはりどちらの家庭も色々あった。
毎月、息子は顔見に帰ってくるから、
その時に一緒にご飯食べにおいで。
などなど、決壊したダムの如く話し、
数週間後の昨日。
団子の手土産と、
近所のコンビニで買い込んだ「冷えた」ビールを持って、友達とおばちゃん、優しそうなおじちゃんと、
お鍋を囲みました。
多幸感と二日酔いに、
まだ頭がぐるぐるしているぼくは、
やはり、
「記録よりも記憶に残る」男になりたい、
そういう生き方がしたいと、
改めて心に刻むのでした。
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