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「管理職が、管理できていない。」

機械設計の仕事を長くやっていると、
いろいろな管理職を見てきます。

部下の進捗を確認する。

納期を確認する。

図面の状況を確認する。

客先との打ち合わせに参加する。

トラブルがあれば対応する。

会議にも出る。

そして最後に、

「みんな、ちゃんと計画的に仕事してくださいね。」

と言う。

……。

いやいや。

一番計画的に仕事できていないの、あなたですよ。

ということが、たまにあります。



朝から「進捗どう?」

朝、部下のところへ行く。

「この案件、進捗どう?」

「今、○○まで終わっています。」

「納期、大丈夫?」

「今のところ大丈夫です。」

「何か問題ない?」

「ありません。」

よし。

管理職としては完璧です。

そして自分の席に戻る。

メールを見る。

電話に出る。

会議に呼ばれる。

別の部署から相談される。

営業から、

「この案件、ちょっと相談なんですけど……」

客先から、

「仕様変更したいんですが……」

製造から、

「この図面、確認してもらえます?」

購買から、

「この部品、納期が厳しいです。」

気がつけば昼。

昼からまた会議。

そして夕方。

部下の進捗を確認する。

「順調?」

「はい。」

……。

ところで、

自分の仕事は?

まだ何も進んでいません。



管理職の仕事は「管理」だけではない

機械設計の管理職が難しいのは、

管理だけしていればいいわけではないことです。

特に中小企業では、

プレイングマネージャー

になっている人が多い。

部下を管理しながら、

自分でも設計する。

客先とも話す。

見積もする。

トラブル対応もする。

採用にも関わる。

営業にも同行する。

そして、

「部長なんだから、ちゃんとマネジメントしてください。」

と言われる。

いや、

分身の術でも使わないと無理です。



「ちょっと確認して」が一番怖い

管理職になると、

「ちょっと図面見てもらえます?」

が増えます。

ちょっとだけならいい。

そう思って図面を見る。

「ここ、どういう意図?」

「この寸法で大丈夫?」

「この部品、強度的に問題ない?」

「この公差、もう少し緩くできない?」

気がつけば30分。

いや、

1時間。

そして自分の仕事に戻る。

すると、

「部長、別の案件なんですけど……」

また呼ばれる。

これを繰り返していると、

自分の仕事が永遠に終わらない。



管理職の仕事は「全部自分で見る」ことではない

ここが、管理職になってから一番難しいところです。

部下の仕事を確認することは必要です。

でも、

全部を自分で確認していたら、管理職の仕事になりません。

単純な数量確認。

図面の記載。

部品表のチェック。

設計者本人が責任を持つべき項目。

こういったものまで管理職が全部チェックしていたら、

部下は育ちません。

そして管理職も疲弊します。



「誰が何を保証するか」を決める

例えば図面なら、

数量は設計者が保証する。

寸法は設計者が保証する。

材料は設計者が保証する。

安全上重要な部分は管理職が確認する。

客先仕様との整合性は、担当者と管理職で確認する。

こんなふうに、

チェックする人と責任を持つ人を決めておく。

これだけでも、かなり変わります。

管理職が全部チェックするのではなく、

仕組みで品質を作る。

これが本当の管理だと思います。



管理職が忙しい会社ほど「管理」が増える

面白いことに、

管理ができていない会社ほど、

「もっと管理しよう」

となります。

進捗会議を増やす。

報告書を増やす。

チェックリストを増やす。

会議を増やす。

そして、

さらに忙しくなる。

結果、

設計する時間がなくなる。

納期が遅れる。

また進捗会議をする。

……

完全に負のループです。



管理とは「仕事を増やすこと」ではない

本当の管理は、

仕事を増やすことではありません。

むしろ、

無駄な仕事を減らすこと。

誰が判断するのか。

誰が責任を持つのか。

どこまで確認するのか。

どこから先は本人に任せるのか。

何を報告するのか。

何は報告しなくていいのか。

これを決める。

そうすると、

管理職自身の仕事も減ります。

そして部下も動きやすくなります。



「管理職が管理されている」という悲劇

そして一番面白いのがこれです。

部下には、

「納期を守ってください。」

と言っている管理職。

ところが自分の仕事は、

「すみません、この資料まだできてません。」

となる。

部下から、

「部長、例の件どうなりました?」

と聞かれる。

「……今やってます。」

ついには、

部下に進捗確認される管理職。

完全に立場が逆転しています。



管理職になったら「自分が全部やる」を捨てる

管理職になったばかりの頃は、

「自分がやったほうが早い。」

と思います。

実際、その通りです。

自分でやれば早い。

でも、それを続けると、

いつまで経っても、

自分が一番忙しい管理職

になります。

そして部下は、

「困ったら部長に聞けばいい。」

となる。

これでは組織として強くなりません。

管理職の仕事は、

自分が一番仕事をすることではありません。

チーム全体で仕事が回る状態を作ること。

これが大切です。



「管理できていない管理職」から卒業する

機械設計の管理職は、

本当に忙しい。

設計もする。

管理もする。

営業もする。

トラブル対応もする。

人も育てる。

だからこそ、

「全部自分でやる」

という考え方を少しずつ捨てる必要があります。

部下に任せる。

責任範囲を決める。

確認項目を決める。

判断基準を決める。

そして、

管理職自身が何をやるべきなのかを決める。

これができるようになると、

少しずつ仕事が変わってきます。



今日も部下に聞きました。

「この案件、進捗どう?」

「順調です。」

「よし。」

自分の席に戻る。

パソコンを開く。

自分の仕事を見る。

……。

納期は明日。

進捗は、

ゼロ。

「……俺の進捗、誰か管理してくれ。」

機械設計の管理職。

今日も大変です。

管理職が管理できていない。

それでも、

明日もまた、

「進捗どう?」

と聞く。

これも、

機械設計あるある。


機械設計で悩んだら、あるある工藤。

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