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経済の武器化を考える(7)拡大する政府関与

米国とイランの署名で、原油先物は70ドル台まで下がりました。
夏場の間は、石油製品価格は高止まりしそうですが、ひとまず、市場の警戒感は和らいでいる印象です。

W杯開催国の一つであり、7月4日に建国250周年を迎える米国は、ひとまず、手打ちしたいと考えてよいのでしょう。

他方で、果たして、米国が得たものはあるのか?
さらに、一旦ホルムズ海峡を出たタンカー、果たして、再度ホルムズ海峡に入ってくれるのか?核廃棄は進むのか?当面の間疑問は残ります。

(出所)yahoo ニュース

他方で、AI・半導体の先行きはどうなるのか?
データセンター投資計画だけどみると、いくら円安とはいえさすが日本の国家予算レベルの投資は過剰な投資ではないか思えてきます。

(出所)yahoo ニュース

さらにそこには、半導体の熱を冷ます電力が必要。
無限の太陽光と天然の冷房を兼ねて宇宙でという壮大なストーリー、夢はあります。ベースの技術もあります。
ただし、今なのか、未来のいつなのか、時間軸との兼ね合いは難しいところです。

(出所)yahooニュース

そして、これらの背景に見えかくれするのが、国家関与の拡大ではないでしょうか?

IMFは、2009年以降、75カ国、5万2千件もの産業政策が見受けられると指摘しています。さらに、2020年以降、その背景が、気候変動から地政学になったとも指摘しています。他方で、構造改革を伴わないと成果には懐疑的とも指摘しています。

(出所)IMF

AI・半導体は、市場では、あくまで企業による投資ということになり、それが市場をけん引し、揺らしているのは事実です。

他方で、日本で時価総額最大級に急成長した半導体企業は、かつて、キャッシュカウながら、不採算部門の赤字を解消するために、泣く泣く切り離された部門でした。

そこに、出資・融資したのは、米系ファンドと韓国系半導体企業でした。小職は、9年前になりますが、韓国出張の際、「日本企業に出資・融資できるかと思うか」と何度も韓国の産業界の方に聞かれたことを記憶しています。

(出所)yahoo ニュース

時代は変わりました。
産業政策とは、産業を育てることになりますので、実際には、育てるというよりは、国家の関与が拡大する形とみていいでしょう。

その結果、AIにけん引される形で、日本の半導体も復調、
日銀利上げしても、米国も利上げ転換の懸念が残る中、貴重な貿易黒字の原資になっているのが半導体です。

他方で、国家の関与が行き過ぎると、どうなるのか?
失敗例は枚挙にいとまがありません。
したがって、構造改革、あくまで採算ベースの企業マインドは不可欠です。

国家の関与としては、補助金や減税などの財政支援が定石です。米国においては、バイデン政権はその姿勢が見られましたが、「トランプ2.0」においては、関税という圧力型という姿勢転換に見えます。今般は、そのような論調で、学会に論文を投稿しております(査読者の先生方何卒宜しくお願い致します)。

米国の場合それでも、基軸通貨がドルである限り、財政赤字はファイナスされ、日米安保、米韓同盟などが効いて、日韓などは圧力型に呼応せざる得ない面がありますが、果たして、この構図が続くのか、少なくとも、ドルの信認の雲行きは晴天続きというわけにはいかないでしょう。

日本においては、政府の関与の副作用はシビアで、タイムラグがあり漸進的ではあるものの、当面続きそうな金利上昇が財政の圧力になることは明らかです。そのため、戦略17分野ということになっていますが、実際はフィジカルAIが主力というのは理にかなっていると思います。

(出所)yahooニュース

まとめると、国家の関与の拡大は、2020年代、つまり令和の世界の潮流、背景に地政学ありということになり、市場もそこの大きな影響を受けていると言えるでしょう。「トランプ2.0」もまた、手法は独特とは言え、その流れの一つとみることもできそうです。そのうえで、時間軸、構造改革の進展という目利きは必要になりそうです。

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