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経済の武器化を考える(2)トランプ関税は違憲後どうなるのか

本件、既に、米国株価は上昇、消費財メーカーなどは受益が大きいと見込んでます。

私も、どのような結果になるのか最大限留意しており、学会論文刊行時には、脚注にはこのように記載しておりました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokusaikeizai/advpub/0/advpub_kk2026.c02/_article/-char/ja
(追加)当該部分は刊行時に間に合わなかったため、ご留意ください。
・インドに関しては、2026年2月に、ロシアとの取引ペナリティ25%は解除、25%は18%に妥結。
・ベトナムに関しては、迂回40%課税はトランプ氏発では言及があるも、米越合意では、迂回における協力となっており、数字は盛り込まれず。

(脚注9)
米国連邦最高裁判所は 2025 年 11 月 5 日,トランプ政権による追加関税措置に対し, その合憲性を問う口頭弁論を行った。国家緊急事態を宣言すれば貿易などを制限でき る国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に,トランプ政権は大統領令で各国に関税, 中国・メキシコ・カナダに合成麻薬流入関税を課している。

最高裁判事は,保守派が リベラル派を数で上回った状態にあるものの,IEEPA が認める大統領による貿易制限 に関税の発動が認められるかどうかという点では,関税措置に厳しい態度が示されて いる。IEEPA で敗訴した場合,通商法 122 条の適用で,貿易赤字を理由に 150 日間限 定で最大 15% の関税を大統領令で発動できるが,効果は限定される。

その場合,自動車,鉄鋼,アルミなどで既に適用されている通商拡大法 232 条の適用による品目別関 税,および通商法 301 条の適用による国別関税が補完的に適用されると考えられる。

IEEPA分は、ひとまず122条で代替

トランプ氏は、IEEPAの違憲結果を受けて、即座に通商法122条を発動するとしています。122条では最大15%課税できますが、10%で署名されました。

ただし、期限は150日間ですので、その間に、次の手が考えられることになるでしょう。

そもそも、除外品目を拡大してきたIEEPA

なお、IEEPAは、そもそも、抜け道がかなり設けられていました。
2025年2月に世界にIEEPA関税(いわゆるトランプ関税)が示された数日後には、スマホは除外品目になっています。
なぜ、長らくペナリティを課されてきたインドは、米国の最大のスマホ輸入先だったのか、それは、除外品目だったためです。

IEEPAが違憲となると、中国向けのフェンタニル課税10%(2025年10月の米中首脳会談後20%から10%へ)は適用されなくなりますので、ここは、2026年4月に予定される米中首脳会談の動きもみておきたいところです。

2025年11月には、かなり多くの食品がIEEPA除外になっています。これは、市民向けの輸入物価対応であることは明らかであり、そのタイミングで、トランプ大統領は、低~中所得者には2,000ドルの配当配布について言及しています。

つまり、議会の承認なしで、大統領権限で進めてきたIEEPAは、そもそも朝令暮改だったことも事実です。

また、最高裁の判決は重視されるとして、報道では、市民はトランプ関税に反対、支持率低下の一辺倒にもみえますが、世論調査などもよくみると、共和党支持者は関税を是認してます。もちろん、日和見層は、反対ということでしょうから、そこは留意が必要です。

https://www.pewresearch.org/politics/2026/02/04/americans-largely-disapprove-of-trumps-tariff-increases/

さらに、一つの大きく美しい減税法案が2025年7月に可決されていますので、財源という意味では、還付のハードルは低くないように考えられます。

それでも、IEEPAは経済の武器化の限界も示したのが、今回の判決ではないでしょうか。

Yー(C+I+G)=XーM
経済学の公式では、そもそも、内需を減らさないと、貿易収支は改善しないことになります。関税では、赤字は減る要素はありますが、根本的には減らないといえます。

232条のほうは、無関係

さらに、日本全体では、輸出の主力が自動車であることを鑑みると、232条の方がマクロでは重要性が高いでしょう。


こちらは、商務省の調査に基づいて、鉄鋼、アルミ、自動車、さらに、半導体と広がりをみせています。

こちらの狙いは、重厚長大産業における産業政策の復活、さらには、安保に関連した産業の米国内および同盟国における囲い込みにある、私はそう睨んでいます。

本件は、非常に流動的ですので、研究者も実務者も、最新の情報収集のうえで、お取り組みください。
小職も、微力ながら、構造分析に注力して参ります。




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