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#05 彼の返事

前回の長瀞から12日後。

彼と2人で出かけた。

今思うと、あの日の彼は分かりやすすぎた。

恋愛の話ばかりだった。

好きなタイプ。
恋愛観。
付き合うならどんな人がいいか。
とにかく恋愛。

「あ、今日告られるなー」
と思った。

でもね、全然言わないの。
どこへ行っても言わない。
車の中でも言わない。
夜景を見ても言わない。

ずっと、ぐずぐずぐずぐずしてて、
こっちはもう分かっているのに。

気付けば朝だった。

夜に集合したはずなのに、8時間経っていた。

今思うと意味が分からない。

なんかもう笑けてきた。

朝7時。

彼を家まで送り届けたついでに、
近所を散歩した。

もうほんと太陽サンサン

さすがに告白するならラストチャンスじゃん?
って思ってた。

なのに彼は、
「今、彼氏作らないの?」
とか、まーたなんか言いだした。

いや、お前何してんの。
そこまで来てまだそこから入るん?

痺れを切らした私は、
「今は分かんないかなー」
と言った。

そして、
「逆にそっちは?」
と聞いた。

さらに、
「でも今日はそっちの番だとは思うけどね笑」
とも言った。

もうほぼ答えを教えている。
ゴール前にボールを置いたの、私は。

すると彼は、
「そうだよね」
「わかってるんだよ」
と、自分に言い聞かせ始めた。

なんじゃお前。

朝7時、化粧も落ち落ち、眩しくて目も開かない、ビジュ最悪、なんでここまで引っ張る?

そんなことばっかり考えてたら
公園に着いた。

公園に着いてベンチに座った。

けど、まだ言わない。

でも、もう来る。

と思ったから、
私は黙って彼の心が決まるのを待っていた。

すると彼が、
何か覚悟を決めたように頷いて、

「付き合おっか」

と言った。


正直ね、
うわー来ちゃったよー
って感じだった。

嬉しいとか、
ドキドキとか、
そんな感じじゃない。

8時間も一緒にいたのに、
私たちのこれからの話は一度もしなかったから。

遠距離になること。
会う頻度。
お互いの将来。
分からないことだらけだった。

彼から出た言葉で
その不安がひとつでも解決することはなかった。

それでも彼は告白した。

そんな8時間の告白待ちの末、
私たちは恋人になった。

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