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【#19】自ら挑み、きっかけを繋ぐこと / 株式会社SEA CEO 石室屋 拓 氏

「人とか、仕事とか。」インタビュー#19


今回お話を伺ったのは、WEB開発事業をはじめ、イベント企画・運営事業、キャリア支援事業など、様々な事業を展開する株式会社SEAのCEOを務める石室屋拓さんです。

"自分が本気で挑戦している姿が誰かの心に火を灯すきっかけになる"

そう語る石室屋さんの隣には、まさにそんな石室屋さんの姿に惹かれて新しく挑戦を始めようとしている後輩の姿がありました。

「せっかく面白そうなインタビュー企画に誘ってもらったから、一緒においでよ」
そう言って、自分に巡ってきた機会を惜しみなく後輩にも繋ぐ。どこか頼もしい兄貴分のような雰囲気を持つ石室屋さんの背景には、かつて迷っていた自分を導いてくれた、周囲の素敵な人たちとの出会いがありました。

プロフィール

石室屋 拓(Hiroshi Ishimuroya)
1997年生まれ、鹿児島県出身。
高校時代はバレーボールの強豪校で活躍。卒業後、大手インフラ企業に入社し施工管理を経験。20歳で未経験からIT業界へ転身。ベンチャー企業での勤務、派遣エンジニア、フリーランスを経て独立。
現在は株式会社SEAのCEOとして、Microsoft製品を中心としたITコンサルティング及び導入支援事業を展開。また、実兄と共にカフェ事業の立ち上げ・EC運営にも携わっている。


仕事を選んだ理由・きっかけ

高校時代に感じた「自分の全力の熱量」を求めて

ーー今の仕事を選んだ理由は何ですか?

実は、最初から「ITをやりたい!」という強い目的があったわけではないんです。
元を辿れば、自分の中にある「モヤモヤ」から逃れられなくなったことが、全ての始まりでした。

僕は鹿児島県出身で、高校を卒業して最初に就職したのは大手のインフラ企業でした。兄も大阪のインフラ企業に勤めていて、親が自営業で苦労している姿を見ていたこともあって、「とにかく有名で安定している会社にいこう」という超安定志向の選択でした。

高卒の同期に比べてもボーナスはめちゃくちゃ良かったですし、福利厚生もすごくて、先輩もいい人ばかり。仕事自体も好きだったんです。
「この会社に骨を埋めよう」と本気で思っていました。

ーー世間一般から見れば、何不自由ない環境ですね。そこから全く違う業界へ飛び出されたのは、何か心境の変化があったんでしょうか?

会社がちょうど色々な変化の時期を迎えていて、自分自身の働き方に関しても「本当にこのままでいいのか?」という危機感を持ったのも事実です。
また、当時はパソコンが全然触れなくて、Excelの関数も知らずに、全ての計算を電卓でやっていた時期もあって、自分のスキル的な面で焦りもありました。

でも本当の理由はもっと自分の内側にあって。

僕、高校3年間はバレーボールの強豪校で、毎日部活漬けの日々を送っていました。
決勝戦まで行って、フルセットの末に負けて全国大会には届かなかったんですけど、文字通り死ぬ気で、全力で1つの目標に向かって戦って燃え尽きた。
あの時の「自分の全力の熱量」を僕は知っていたんです。

ただ、社会人になってからの自分はどうか。
仕事は楽しいし、ある程度お金ももらえるし、環境にも恵まれている。
だけど、高校時代の部活の時みたいに、魂を燃やして仕事に向き合えているか、と言ったらそうじゃない。
どこか冷めている、全力になりきれていない自分に対して、すごくもどかしさというか、不完全燃焼なモヤモヤをずっと感じていました。

ーー過去の自分が、今の自分を焦らせていたんですね。

そうかもしれません。
「俺の人生、このままでいいわけがない」って。
当時はまだハタチくらいで「まだ選択肢を広げれる」といった気持ちもありました。
そんな時、当時ドラマの『リッチマン、プアウーマン』を見て、IT関連の会社の社長を演じている小栗旬さんがめちゃめちゃカッコよくて(笑)
「こんな輝かしいIT業界にチャレンジしてみよう!」と、レールを飛び降りました。


仕事のリアル

「なんでやらないの?」停滞していた僕の心に火をつけた、カッコいい大人たちとの出会い

ーー実際にIT業界にチャレンジしてみて、いかがでしたか?

色々と転職活動をした結果、ベンチャー企業に内定をいただいて、エンジニアとしての一歩を踏み出しました。
ただ、実際やってみて1〜2ヶ月で「全然自分に向いてないわ」ってなったんです(笑)

画面に向かって一人でコードをカリカリ書き続ける作業がどうしても面白いとは思えなかったんです。やれば身に付く自信は部活の経験からもあったんですが、「これを自分の生涯の仕事にするのか?」と考えた時に、答えはNoでした。

ーー最初から思い描いていた「ITエンジニア」のイメージとはギャップがあったんですね。

そうですね。文化自体も、僕がいた世界とは真逆で、隣の席に座っているのに、直接話すのではなくTeamsでメッセージのやり取りをするとか。
「いや、隣にいるんだから直接話そうよ!」って(笑)

ただ、「一度入ったからには1年間はここでやりきろう」という思いで、Microsoft製品の基盤設定や、導入支援といった仕事を1年間やり続けました。
それでもまだ自分の中の「モヤモヤ」は晴れなくて。
そろそろ自分の同年代も大学を卒業して就職するタイミング、本当にこのままのキャリアで良いのか?という問いの答えには辿り着けないままでした。

ーーそんな中で何か転機はあったのでしょうか?

自問自答しても結果が出なかったので、周囲の先輩だったり取引先の方、あとは勤めていたベンチャー企業の社長さんたちにとにかく相談しました。
ここが僕の人生の大きなターニングポイントだったなと思っています。

特に勤めていたベンチャー企業の社長さんは、とても懐の広い方で、今も一緒に仕事をさせてもらっている社長さんとかを飲み会の場などで繋いでもらって。

その繋いでもらった社長さんにもとても親身に相談に乗ってもらって、自分が抱えている「モヤモヤ」だったり、カッコよく生きたい、誰かに感動を与えられるような存在になりたいっていう想いをありのままに伝えたんです。

そうしたら「なんでやらないの?」「もっと選択肢を広げてみるのもいいんじゃない?」と、知り合いの方を紹介してくれたり、いろいろなアドバイスをいただいたり。

そこから自分自身のことを考える時間を増やすために、勤めていた会社の業務形態を変えたり、案件を変えながらどんどん自分の価値を高めて、フリーランスとして開業したり自分の幅がどんどん広がるようになっていきました。

ーー自分の価値を高めた結果として、どのような心境の変化がありましたか?

そうですね。これまでは「自分が現場に入って自分自身が売り上げを上げていこう」という働き方でしたが、今は信頼できる仲間に仕事を振って、仕組みとして事業化できるように、ということを考えるようになりました。

そして株式会社SEAとして更に事業の幅を広げていって、知り合いの方とのコラボに繋がるような仕事を仕掛けていきたい。遠回りしたけれど、今、ようやく自分の中で心から熱中できるものに巡り会えた感覚です。

ーー今日、このインタビューに同行してくれた後輩のヒロムさんは、そんな石室屋さんの背中をどう見ているのでしょうか?

本当にかっこいいなと思っています。
なんて表現したらいいのか、うまく言葉にするのは難しいですが、自分に利益があるから、という軸ではなく、他の人のために何かを与えようとする精神が石室屋さんにはある。
そういった背中に惹かれますね。

働くことへの価値観・考え方

ーー焦りやモヤモヤを乗り越え、20代で大きな成果を出されました。今の石室屋さんを突き動かしている大切な価値観について教えてください。

振り返ってみると、自分自身の力でできたことは些細なものでしかなくて。
僕が悩んでいる時に僕を導いてくれた「人」の存在、これに尽きるかなと思います。

忙しいはずなのに、何者でもない僕のために時間を作ってくれて、見返りも求めずにチャンスをくれる。「なんで僕のためにここまでしてくれるんですか?」と聞いたら、ただ一言、「友達だからだよ」って。
そんな風に、自分が燃えているものに一生懸命で、周りに「ギブ」をし続ける大人たちが、とにかく死ぬほどカッコよかったんです。
彼らの姿を見て、「僕もこういう大人になって、このもらったバトンを次の世代に繋がなきゃいけない」と、仕事観がガラリと変わりました。

ーー先輩たちから受け取った「バトン」が、働くことの価値観のベースになっているんですね。そしてもう一人、石室屋さんの人生の軸には「お兄様」の存在もあると伺いました。

はい。2歳上の兄で、昔からバレーボールでもなんでも、常に自分より先を走っていて、時々後ろを振り返って「ついてきてるかな?」と確認してくれるような、尊敬できるし大好きな兄です。

僕のラッキーナンバーでもあり、会社のロゴにも入れている「4」という数字も、兄がつけていた背番号を受け継いだものなんです。

そんな兄が数年前バイクの事故に遭って。
2年間のリハビリ期間の間にコーヒーの世界と出会い、地元でカフェを開くことになって、僕も自分ごとのように嬉しくて、迷わず出資して一緒に事業を立ち上げました。

今は兄が店舗をやって、僕がECサイトの運営をサポートしています。
昔から背中を追い続けてきた兄と一緒に仕事をやりたいという夢も叶って、ゆくゆくは東京で兄が作った豆を売っていきたいなという新たな夢もできました。

ーー 最後にズバリ、自分にとって「働く」とは?

僕にとって働くというのは「自己表現」ですね。

自分自身がどこまでいけるのか、という挑戦でもありますし、挑戦した先に伝えられるものがきっとある。

高校時代のバレーボールでも自分たちが全力を尽くしてやり切った姿を見て周りの人に感動を与えていたことが成功体験としてあって、僕の「本気で挑戦している姿」そのものが、誰かの心に火を灯すきっかけになると信じています。自分がまず全力で挑み、そこで得たきっかけを次の世代に繋いでいく。それが僕の働く目的であり、生き様なんです。

ーー



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