会社法改正の取締役の損害賠償の上限設定により、D&O保険が効率化しそうです
日本経済新聞(2026年5月9日朝刊)によれば、政府は、取締役の賠償責任の上限を設ける会社法の改正について、2027年の通常国会での成立を目指しているそうです。
取締役には企業に対する経営責任があります。だから、損害賠償責任を負うのは当然です。
ただし、近年は「マジで?」という巨額の損害賠償金を請求されるケースがあります。
たとえば、東京電力福島第一原子力発電所事故の東電の旧経営陣に対する賠償金は、13兆3,210億円でした。
13兆円……払えませんね。破産ですね。
もちろん、企業は株主代表訴訟に備えて会社役員賠償責任保険(D&O保険)を契約しています。ただし、D&O保険は契約によって支払額の上限があり、一般的な上場企業では10億円、新興上場企業では5億円が目安とされています。
でも、13兆円も請求されたら、D&O保険ではまかなえません。破産です。
訴えた株主は、取締役が払える範囲内でしか損害額を回収できません(正確には、取締役は株主ではなく会社に損失補填する)。
改正による損害賠償の上限は、会社法による最低責任限度額となる見込みのようです。つまり、代表取締役は年収の6倍、業務執行取締役は年収の4倍です。
損害賠償の上限が分かれば、D&O保険の設定額がフィックスできます。
実に効率的です。
取締役の損害賠償の上限設定の会社法の改正は、株主にデメリットはあるものの、会社と保険会社にはメリットがあるようです。
それでは!
