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わたしに戻る夜時間〜宵っぱりマドレーヌのすすめ〜


眠れぬ夜に


私は小さいころから宵っぱりと言われていた。受験勉強もほとんど夜中。夜の方が頭が冴えるタイプかもしれない。

だから眠れなくても不安にならない。次の日はなるようにしかならない、という変な度胸がある。

そんなわけで、眠れないときは無理に寝ようとしない。「時間にぼんやりと身を任せる」みたいなかっこいいことを言えないけれど……。だいたい、本を読んだり、手帳にあれこれ書いたりしている。そして、お菓子を作ることも多々ある。

夜に作るお菓子はモヤモヤをゆるめてくれる気がする。私は気が小さく真面目な性格だから、「こんな時間にそんなことしちゃうの!?」という、ちょっと悪いことをしているという背徳感が心地いい。

自分を取り戻す時間


そういえば、子どものころ、なんとなく目が覚めて、なにか飲もうと台所に行ったら、母がお菓子を作っていたことがあった。

母は私に気がつくと「起きちゃった? ふふふ」と笑った。いつもはきちんと大人なのに、その笑顔は子どもみたいだな、かわいいなと思った記憶。

あのときはわからなかったけれど、今ならなんとなくわかる。大人になると自分の時間はほとんどない。仕事、子育て、家族のこと、今日の出来事、明日の準備、未来のこと。いつも何かして、いつも何か考えている。

よろこびもあるだろうけれど、不安も悔しさも、言葉にできない煩わしい塊にイラついてしまうこともあるだろう。

だから、みんなが寝静まったほんの少しの時間に、どんなカタチであれ、自分を取り戻しているのかもしれない。

ちょっと楽しみな明日へ


日々の食事作りと違い、お菓子作りはしなくてもいいこと。正直、買った方が手軽でおいしい。では、お菓子作りをするのはなぜだろう。それは小さな満足感と、明日をちょっと楽しみにさせてくれるからだと思う。

材料に触れ、計量して、手順通りに手を動かしていると意識が自分から離れていく。さらにゆるやかに集中でき、気がつくと頭がからっぽになっている。

そして、甘い香りに包まれてワクワクが高まり、不格好でもカタチになるとうれしい。違う、訂正、不格好な方が断然かわいい。

私が夜中によく作るのはマドレーヌだ。パティスリーにあるような、リッチで立派なものではなく、気軽に作れる家庭菓子。そう、おうちのおやつ。

いつものレシピを、夜中に作るから、うるさくなくて、洗い物も少ないこと、気軽に作れる量などをポイントにレシピを起こしました。

もし気が向いたら、夜中のお菓子作りにお試しいただけたらうれしいです。

レシピ

宵っぱりマドレーヌ

底面3cmのアルミカップ6個分

<材料>
卵……1個
はちみつ……小さじ2
きび砂糖……40g
薄力粉……50g
ベーキングパウダー……小さじ1/2
バター……40g
(あれば)刻んだ柑橘の皮……ひとつまみ
※無塩バターがおすすめですが、有塩バターでも味が濃いめでおいしくつくれます。

<作り方>

  1. バターを湯煎で溶かす。オーブンを180℃に予熱する。

  2. ボウルに卵を入れ、泡立て器で混ぜる。

  3. きび砂糖、はちみつを加えて混ぜる。

  4. 薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、ゆっくり、やさしく混ぜる。好みで柑橘の皮を加える。

  5. バターを加え、ゆっくりやさしく混ぜる。

  6. マドレーヌ型に生地を入れる。

  7. 180℃のオーブンで13〜15分焼く。竹串を刺して、生地がついてこなければできあがり。

※はちみつを使っているので1歳未満の子どもには与えないでください。
※焼きたてはふんわり広がる甘さ。半日ほど経つとバターがなじみ、こっくりした甘みになります。


この記事を書いた人:小豆田 マチ子(あずき だまちこ)

キャロットケーキ研究家、会社員。ふだんは会社員で企画編集にたずさわる。趣味のお菓子作りから、キャロットケーキにはまり、探求しているうちに研究家に。著書に『いとしのキャロットケーキ まぜて焼くだけ、アイデア無限レシピ』『米粉のキャロットケーキ 春夏秋冬、いつでも楽しいアイデアレシピ』(ともにKADOKAWA刊)

note:https://note.com/okashitopan
Instagram:https://www.instagram.com/hanabana39/


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