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寓話、人間不信



寓話、人間不信


むかしむかし、あるところに、
誰も信じない男がいました。

男は、文字通り…
誰も信じませんでした。

親切にされても…
「何か裏がある」
と思いました。

助けてもらっても…
「あとで何かを要求される」
と思いました。

褒められても…
「油断させようとしている」
と思いました。

男にとって、人間とは…
信用してはいけない生き物でした。

だから男は、誰にも頼りませんでした。

困ったことがあっても…
自分でなんとかしました。

寂しくても…
誰にも相談しませんでした。

辛くても…
誰にも助けを求めませんでした。

男は、それを強さだと思っていました。

ある日…
男は山へ出かけました。

ところが…
帰り道で足を滑らせました。

男は崖から落ちました。
運が良いことに、途中の木に引っかかりました。

しかし、そこから動くことができません。

下を見れば…
深い谷。

上を見れば…
切り立った崖。

男は叫びました。
「誰か!」

けれど…
すぐに男は思いました。
(いや、待て)

(誰か来たとしても信用できない)

(俺を助けたあと…)

(何かを要求するかもしれない)

そう考えると…
男は黙りました。

しばらくして…
山を歩いていた男が一人、崖の上から顔を出しました。
「大丈夫か!?」

崖にぶら下がった男は答えました。
「大丈夫だ!」

山を歩いていた男
「いや、大丈夫じゃないだろ?」

崖にぶら下がった男
「大丈夫だ!」

山を歩いていた男
「そこから動けないんだろ?」

崖にぶら下がった男
「…」

山を歩いていた男
「今、ロープを持ってくる!」

崖にぶら下がった男は叫びました。
「待て!」

山を歩いていた男
「なんだ?」

崖にぶら下がった男
「俺を助けて、どうするつもりだ?」

助けに来た男は、少し考えました…

そして、言いました。
「別に何もしないけど…」

崖にぶら下がった男
「そんなわけがない」

助けに来た男
「いや、本当に何もしない」

崖にぶら下がった男
「信用できない」

助けに来た男
「じゃあ、そこで待ってろ」

そう言って、
助けに来た男は山を下りていきました。

崖にぶら下がった男は、思いました。
(やっぱりな)

(人間なんて、こんなものだ)

ところが、しばらくすると…
さきほどの男が戻ってきました。

ロープを持っています。
「これにつかまれ!」

崖にぶら下がった男
「…」

助けに来た男
「早く!」

崖にぶら下がった男は迷いました。

ただ、もう腕の力も限界でした。

仕方なく…
ロープをつかみました。

信じない男は、引き上げられました。

地面に戻った男は、
しばらく何も言いませんでした…

助けてくれた男は、
「怪我はないか?」
と聞きました。

信じない男は答えました。
「…なぜ助けた?」

助けてくれた男
「困ってたから」

信じない男
「それだけか?」

助けてくれた男
「それだけだ」

信じない男
「何も要求しないのか?」

助けてくれた男
「しない」

信じない男
「お礼もいらないのか?」

助けてくれた男
「別に…」

信じない男は、黙っていました。

しばらくして…
ぽつりと言いました。
「…人間は信用できないと思っていた」

助けてくれた男は、笑いました。
「そうか」

信じない男は続けました。
「だけど…」

「今日、俺の命を救ったのは、人間だった」

助けてくれた男は、
少し考えてから言いました。

「まあ…」

「人間も、いろいろいるからな」

信じない男は、
その言葉を聞いて、少しだけ笑いました。


新曲「彼我(残された二人)ロック」

たぶんだけど
もう誰も残っていない

みんなどこかに
消えてしまった

残されたのは
私たち二人だけ

No one but you and me
We share everything with each other

No one but you and me
We share everything with each other

作詞、King

コングラいただきました。

皆さんのおかげです。

ありがとうございます:)


マガジンにてご紹介ありがとうございます:)

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King | 天は自らを助くる者を助けるらしい このチップエリアのネタ記事は二つあります😆