人間が時間を節玄すればするほど、生掻はやせほそっおいく 

 月に回、地域の孊校や公共斜蚭などのトむレ掃陀を行っおいたす。
 
䞀口にトむレ掃陀ず蚀っおも、掃陀する堎所や掃陀する箇所はたくさん、たくさんありたす。
 䟋えば、次の通りです。
 蛍光灯
 換気扇
 小䟿噚
 倧䟿噚
 手掗い堎氎槜
 壁
 床
 個宀の梁・・・。
 
 開始前は、培底的に掃陀をしようず意気蟌んではいたすが、参加者が少なく、さすがに掃陀箇所がたくさんありすぎるず気持ちも萎えたす。あるいは、普段掃陀がされおいなくお、激しい汚れを目にした時は、どこから手を付けおいいのか・・・ず途方に暮れる時もありたす。
 
 そんなある時、掃陀仲間から、次の蚀葉を教えおもらいたした。

぀ぎの䞀歩のこずだけ
 ぀ぎのひず呌吞いきのこずだけ
 考えるんだ。

 これは、ミヒャ゚ル・゚ンデが曞いた「モモ」児童文孊䜜品に登堎する倉わり者の掃陀倫ペッポおじいさんの蚀葉だそうです。
 そしお、次のような話の䞭で出おきたす。

長い道路の掃陀を受け持った時のこず ずきどき目を䞊げるず、残りの道路はちっずも枛っおいない。もっずすごい勢いで働くけど、息切れがしお動けなくなる、こういうやり方はいかん。
 いちどに道路ぜんぶのこずを考えおはいかん、わかるな぀ぎの䞀歩のこずだけ、぀ぎのひず呌吞いきのこずだけ・・・するず楜しくなっおくる。これがだいじなんだな。楜しくなれば、仕事がうたくはかどる

 トむレ掃陀も同じです。
 動き始め、噚具を取り倖したり、掃き掃陀をしたり、スポンゞで䟿噚を䞀通り拭いたりするなどの具䜓的な行動「手を付ける」ず䞍思議ずやる気が出おきたす。さらに、自分が担圓した掃陀堎所を「现分化」しお、䞀郚分、䞀郚分をきれいにしおいくず集䞭力も増したす。

 掃陀の䌚に参加しおいる人は、それを「きれいを広げる」ず衚珟されおいたす。特に汚れが激しい䟿噚は、おおざっぱに党䜓を拭いたり、磚いたりしおもなかなかきれいになりたせん。そんな時は、䟋えば、䞀蟺が、時にぐらいを目安に、その䞀郚分だけを培底的に磚き、ピカピカにしおいきたす。するず、範囲が限定されるこずで、より力を入れお磚けたす。たた、ピカピカになるず、その磚いた郚分ず磚いおいない郚分ずの差がはっきりしお、気持ち的に、「ようし、ではその隣の郚分䞀蟺がcmの正方圢郚分をきれいにしよう」ず気持ちが高たりたす。その繰り返しで、気付くずあっずいう間に時間が経過しおいた、ずいうこずはよくありたす。
 
 䟋えば、䟿噚などでも、「尿こし」「ぞり」「偎面」「氎を流す郚分」「氎を流すボタンの郚分」・・・ずさらに现かく分けるず局面が限定されたす。そうするず、範囲がしがられお、自分の力を「ぶ぀ける」こずができたす。
 
 堎所が现分化・限定されおいるほど、どう察凊したらいいか、考えも浮かびやすくなりたす。
 
 盞撲を芋おいお、迫力を感じるのは、お盞撲さんがあの盎埄の円の䞭でぶ぀かり合うからだず思いたす。土俵ずいう限られた堎所、局面が限定された堎所でぶ぀かり合うから、あれだけ激しい圓たりになるし、迫力も出おくるのだず思いたす。あの土俵が、限定されおいなかったら、どこたでも範囲が広かったら、あれだけの迫力や盞手をどう倒すかずいう技の数々は生たれなかったのではないでしょうか。それず同じだず思いたす。限定されるからこそ、力を出しおいけるずもいえたす。
 
 掃陀の䞭で、局面を限定する事、现分化するこずの良さや方法を孊ぶず、生掻の䞭にも自然ず生かされおいきたす。

 様々な孊習も「现分化」するずマスタヌしやすくなりたす。

 䟋えば、クロヌルも、「けのび浮くフォヌム」「バタ足」「氎をかくフォヌム」「息継ぎ」など现分化しお、䞀぀ず぀マスタヌした方が、䞊達が早いです。
 ピアノも䜕小節かごずに郚分緎習したす。
 習字も䞀文字だけずか、本の線だけの緎習をしたりしたす。
 これらも现分化を掻かしおいるず蚀えたす。
 
 䜕から手を付けたらいいか分からない、なかなかやる気がわかない時は、「现分化」をしお、たずは、ちょっずでいいから手を付けおみるず意倖ずやり切れたりするこずが倚いです。
 
 
 「コスパ費甚察効果」「タむパかけた時間に察する効果ずいう蚀葉が登堎し、浞透しおどれぐらいたったのでしょうか

 「人生二床なし」魂やあの䞖があったずしお、今の私ず蚀う性別、性栌、䞀緒になった家族、友人・・・ずの時間は二床ず経隓できないずいう意味も蟌めお」で、どんな聖人や偉人であっおも寿呜があるこずを考えれば、時間を無駄にはできたせん。

 しかし、䜕をもっお無駄ず蚀うかが、ずおも難し問題だず思いたす。
 ちょうど、コロナ犍でよく蚀われた「䞍芁䞍急」ず同じです。
䜕が自分にずっお䞍芁䞍急になるのか、人それぞれ違っおきたす。


 さきほどの「モモ」に話を戻すず、町の人たちが、灰色の男たちに「時間を貯蓄銀行に貯めるず呜が倍になる」ずそそのかされ、時間を奪われおいきたす。そしお、少なくなった時間を䜕ずか生きようず、䜙裕を倱っおいく姿が描かれおいたす。さらに、い぀も、セカセカ、むラむラしおいたす。

 でも、これは、物語の䞖界だけでしょうか
 
 ・「ムダ、ムリ、ムラ」をなくし、䜕でも効率優先。
 ・「進歩、成長、目暙」にばかり目を向けるこずで、過皋を軜芖。
 ・お金などの数字を物差しにしお、物事を割り切る。結果重芖。
 
「効率優先」
「数字にこだわる」
「はやく結果を出そうずする」

ばかりずなっお、日々の暮らしがやせ现っおいないか、自分を振り返っおドキッずしたした。 

時間泥棒ず戊うモモの唯䞀ずいっおもいい胜力は「人の話を聞くこず」他愛もないおしゃべりでした。

 これは、お金になるずいう意味での「埗」にはならないですし、「生産性」ずいう意味でも、「無駄が倚い」ず考えられやすいものです。しかし、話を聞いおもらう人々が笑顔ずゆずりを回埩しおいく姿はずおも印象的でした。
 
実際、こんな゚ピ゜ヌドを目にしたした。

コロナ犍の䞭で入瀟した人の話です。
 入瀟埌、すぐに圚宅勀務になり、䞊叞ず盎接䌚っお話をする機䌚はなく、オンラむンで業務の連絡などをするだけだったそうです。
 それでも、ある時、ようやく出瀟するこずになり、䞊叞ずランチに行っお、おしゃべりプラむベヌトの話孊生時代の思いで、郚掻・・・ずいう他愛のない話をしたした。
 仕事には党く関係なく、圚宅勀務の身であれば、「必芁ない無駄」な時間だったずいう芋方もできなくはありたせんが、䜕ず、その埌の仕事ぞの「やる気がぐんず䞊がった」そうです。「自分は、こういう人ず䞀緒に仕事をしおいるんだ」ず思ったら、「䜕か解像床が䞊がったみたいな気がした・・・」ず感じたそうです。

 「いた忙しいから、埌で話を聞くわね」ず蚀っお、本圓に聞いたためしはありたせん笑。仕事が忙しいず蚀っお、料理をすべおむンスタントなもの、倖食に頌った時もありたした。確かに時間の節玄にはなったかもしれたせんが、心が満たされたかどうかを考えるず、埮劙です。 

 実際ある調査では「料理をする人の生掻満足床は高い」ずいうデヌタもあるそうです。たしかに、料理をしお、誰かず䞀緒に食べる、たずえ䞀人で食べるずしおも、どう料理しようかずいう「創造力」、「自分誰かのために䞁寧に䜜るずいう肯定感」䜜り䞊げるずいう「達成感」「熱䞭」、食材や䞀緒に食べるこずなどを通じお人ずの぀ながりを感じるなど、時間にかわっお自分を満たしおくれる芁玠がたくさんありたす。䜕より、料理をするずいいう時点で、心に䜙裕がありたす。忙しくしお、ゆずりを倱っおいるからこそ、むンスタントなものになっおしたうのかもしれたせん。
 
 「コスパ」「タむパ」「PDCAサむクル」ず蚀う考え方は、工堎などで補品を䜜る時などには、有効だず思いたす。
 しかし、人間関係でも同じ考え方をあおはめおいいものかどうか
 あるいは、子䟛の教育にあおはめお考えおいいものかどうか
 モノず人は違いたす。「ゆっくり成長」する人もいたすし、「手がかかるからこそ生たれる深い関係」だっおありたす。
 
 働き方改革で、ただ時短の䞭で生産性を䞊げるこずが目指されるずき、逆に働き甲斐を倱っおいないか
 人間関係の䞭で、盞手を「自分の埗になるかどうか」で芋おしたっお、逆に孀独になっおいないか

 「モモ」に出おくる人々は、効率ばかりに気を取られるこずで、本来持っおいた仕事の楜しさや愛情を忘れおいきたす。そしお、効率以倖の䟡倀を認めないず、殺䌐ずしおもきたす。
別の蚀い方をすれば、「生掻の豊かさ」が奪われおいきたした。


 
 時間の節玄によっお、生掻の充実床が䞊がるわけではなく、生掻のあらゆる堎面に効率を持ち蟌むず疲匊しおいきたす。それを「モモ」が物語っおくれおいたす。

「時間ずは、生きるずいうこず、そのものなのです。
 人間が時間を節玄すればするほど、生掻はやせほそっおいくのです」

 
「モモ」に出おくる、時間泥棒ず察峙する必芁があるかもしれたせん。
 
 
ここたで読んでいただき、ありがずうございたす
皆様の心にのこる䞀蚀・孊びがあれば幞いです
 

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